《クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!》86話 勵まし

「なんで……ここ……に……?」

「勇者の皆様が王城を出られたのでメイド衆は仕事が激減してしまったのです。なので私が代表して皆様のお手伝いに來たんですよ。そうしたら丁度ダンジョンから戻ってこられたところだったので、こうして月様の部屋にてお待ちしていた次第です。」

「あぁ~ああ……。そうなんですか……。」

それは……、噓…だろう?

だって僕らを監視するためにここにいたはずだし……。

それになんで僕の前に現れたんだ?僕に存在をバラしたら監視の意味がなくなるじゃないか。

「それよりもどうやら顔が優れてないご様子ですが何かあったのでしょうか?」

そうか、この人は僕が戦った所も見てたから、僕が落ち込んでるかもしれないと思って……、本當はこんな所で顔を合わせる予定なんてなかったはずなのに僕の事を心配して、監視任務を放棄したのだろうか?

嬉しいけど、慘めだ。師匠にあんな負け方を曬してしまうなんて。

「何でもありません。師匠に話す程のことではないです。」

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恐らく、今こうして僕と話をしているのもリリアさんからすれば、それなりにリスクのある行為な筈、監視対象と監視者の関係だが僕達の仲は本な筈。なくとも僕はそう思ってる。

だから、これ以上リリアさんに危ない橋を渡らせる訳にはいかない。

だから、あの話をするのは止しておこう

「あはは。大したことないですよ。し落ち込むことがあったんですけど、もう気持ちは切り替わったので大丈夫です。」

「一人で考えることも大切ですが、皆に相談することも大事ですよ。師匠命令です話してください。」

ここまで言われるとは……。どのみち僕が勇義に負けて落ち込んでたのを見てただろうし、迷を掛けないように早く話してしまおう。

そして、大まかな出來事を話す。

リリアさんも遠くから見てたし、僕もそれを知っているが敢えて知らないふりをして話す。

「そうですね。私は毎日月様の修行を見てました。月様は々なスキルを學び強くなっていっています。いづれは勇義様にも勝てるようになる筈ですよ?」

「僕は……本當に勝たないといけないところで勝てなかった。樹ちゃんを守れなかったんだ。僕の力で守らなきゃいけなかったのに、肝心な時に僕の力が足りなかったから……。」

「では月様には一つ、私について話します。私は以前にレベルの割にはステータスが低いって事を話したことがありましたよね?それでスキルを鍛えているって。」

たしかに、弟子になってすぐの頃にそんな話をしてもらったことがあったような…………。でもそれがなんなんだ?

「私は昔は短剣を使って冒険してたんです。職業は拳闘師だったですけど、私、壊滅的にかすのが得意でなかったんですよ。だから一番扱いやすい武とも言われるナイフを使っていて、それを投げたりして戦ってたんです。」

そう言えばステータスに[投擲]とか[短剣]って書いてあったな。てっきりメイドになってから覚えたのかと思ってた…………。

「それでも冒険者をやってたんですけど、いつまでたっても強い魔とは戦えなかったんです。同期はおろか後輩にまで置いていかれてもう冒険者辭めちゃおうかな?と思いました。でもそこで最後に自分の職業に向き合ってみようと思って凄い頑張って訓練したんです。そしたらしずつではありますけど段々なんか強くなっていっていることに気付いて…………。」

そうだったのか、師匠でも挫折した時期はあったってことか……。

でも、師匠は、はなから才能があってそれに気付いてなかっただけなんじゃ……?

「そのままどんどん鍛えていってたら、いつの間にか冒険者ランクS……ラ……。………!!」

あっ!この人、今冒険者ランクSランクって言いかけたっていうか、ほぼ言っちゃってるし…………。隠し事な筈なのに大丈夫か?

必死に誤魔化そうとしてるな。

「S……S…………そう!エスパーです!エスパー的なじで気付いたらそこそこ強い冒険者になれてたんです。そう!そうなんです。」

なんかテンパってなんか意味わかんないこと言っちゃってるし……、本當にこの人は時々、暗部の人とは思えないドジ屬が垣間見えるな。

「あ、あ~そうなんですか。」

次は、誤魔化せたことが嬉しかったのか饒舌に話しだした。

「そうなんです!こんな私でもやってこれたんです。月様も必ず強くなれます。肝心なことは自分の弱さを認めて、それを肯定して、その対策を模索し、努力を続ける。天才と言われる人に比べると時間は掛かりますが、それを続ければいつかは必ず勝てます。まだ諦めるのは早いです。頑張りましょう!…………って!すいません。私メイドなのに上から目線で語ったりして!」

この人は本當に…………。

必死に隠しきれてないことを誤魔化そうとしたり、自分で話をしてから自分で謝ったりして。

本當に面白くて、それでいて………………本當に魅力的な人だな。

こんな人が応援してくれてるんだ、自分の才能がどうとかって悩んでも強くなれないし、とりあえずもっと頑張ってから考えても遅くないな。

「あはは!ありがとうございました。おで元気出ました。とりあえず頑張ってみます。まだ悩むには早かった見たいです。

「?……そうですか?元気でたなら良かったです?」

急に僕が笑いだしたから驚いてるみたいだ。でも僕が元気が出たことが嬉しかったみたいで笑っている。

本當に可い人だな。この人僕より年上で24なんだよな…………。まじで天然記念だなw

よし!帰ったら鍛え直そう。次に魔と戦うまでに勇義に勝てるように々模索しよう!

リリア師匠も手伝ってくれるだろうし、取り敢えず頑張ってみよう。

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