《俺を嫉妬させるなんていい度だ〜曹司からの過度な溺〜》謎の【3】

今の時間帯は、ベンチには誰も座っていない。エントランスで仁王立ちで待ち構えたいくらいの気持ちだが、なんとか抑え込みベンチに腰掛ける。

暁がベンチ座って數分程で、定時を迎えた。

ポツリポツリと退社し始めるが、はロッカーに寄るのだろう。男社員の姿が現れ始める。みんなエントランスを出り口に向かい歩いているが、オーラなのか威圧なのかをじ、ベンチの方を見る。

そして、驚き目を見開く。それはそうだろう。自社の社長が、ベンチに前屈みに座りエレベーターの方を凝視しているのだ。

気になるが簡単に話しかけれる相手ではもちろんない。立ち止まるわけには行かず、みんな振り返り見るものの、そのまま退社していく。

何回かのエレベーターが一階に到著し、退社する社員が出てくる中に、社員の姿が見え始めた。

先程までと同じように、戸いの表や好奇心が見えるが、今のところ話しかけるものはいない…

暁の視線は開くたびにエレベーターを凝視する。だが、芹らしきはいない。機嫌が下降する中、暁の元へ自信満々なが近づく。その後ろには、の同僚らしき數人が「止めなよ」と止めている。

「新城社長〜何かお困りごとですか?」鼻に掛かったようなびた聲。

「…」暁は返事すらしない。

「社長〜」

暁の機嫌が更に悪くなっているのに気づけない。

「…失せろっ」

「えっ?」短く放たれた言葉の意味が瞬時には理解出來なかったらしい。

「だから」暁が更に怒鳴りそうになった瞬間だった。

「社長、そろそろ社長室にお戻り下さい。君も晝間に注意しましたよね?付での態度」

駿から、付での態度を注意されたばかりなのに、何も學んでいなかったらしいだったのだ。

は、これ以上は自分の會社での立場がなくなるとようやく察したのか、見ていた同僚と共に帰っていった。

エントランスは、退社ラッシュが終わり閑散としている。

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