「まずは皆のステータスを見せてくれ」

その言葉にクラスメイト達は首を傾げた。

何となく予想はついているが、元の世界にステータスというものは、なくとも現実には存在していなかった。

この世界獨自の理なのだろう。

「ちなみにこの世界の一般人の平均ステータスは100で一般の兵士の平均ステータスはだいたい300くらいじゃ」

これはあれか？全員チート級のステータスを手にれてる中、一人だけクソしょぼいスキルと能力値だったり.......俺は元殺し屋だし大丈夫だよな？(謎の自信)

「それではみんなステータスを見てくれ。ステータスと唱えれば見れるぞ。」

國王に言われ、クラスメイト達は同時に「ステータス！」とんだ。

周りの奴らはビクッと肩をかして驚いたり、変なテンションになって騒ぎ始めた奴もいる.......本當にステータスが出たのか。

察するに、自分のステータスは周りには視認することが出來ず、自分だけが見ることが出來るのだろう。

一通りステータスについての考察が終わると、俺は自のステータスを確認する。

「マジかよ.......本當に一人だけ雑魚がいるとは思わなかったぜ」

俺はステータスを確認したことに対して激しく後悔しながら、どうすれば周りからクラス最弱の汚名を著せられないかを考えていた。

別に凡人以下のステータスだった訳では無いが.......他の奴らより圧倒的に低い事は間違いない。

「では、そこにあるステータス確認の水晶に手をかざしてくれ」

これはあれか？.......俺だけ異世界ハードモード系っすかね。

り上がり系の語は好きだが、現実ではやりたくねぇぞ.......前の世界では滅茶苦茶苦労したからな。

しかし、自分の思うがままに事が進まないのが現実である。

「じゃあ、僕からやりますね」

絶対に勇者になるであろう輝君が一番手のようだ。

だって、前の世界からキラキラしたオーラ纏ってるし、俺の長年磨かれてきた勘では"アイツこそが主人公"と言っている。

天 輝

男    16歳　人族

HP500

MP500

筋力500

防500

俊敏500

固有スキル

聖剣召喚 長促進 限界突破

魔法

魔法Lv1 雷魔法Lv1

スキル

強化Lv1 剣Lv1

稱號

勇者･･･聖剣を召喚出來るようになる。

異世界人･･･異世界の言葉が分かるようになる。

「お、おぉ.......これが勇者の力か.......凄まじい潛在能力であるな」

國王がドン引きする程の能力だったようだ。

さすが勇者っすね！

「次は彩が行きなさい」

「え、えぇ.......なんか恥ずかしいなぁ」

姫乃は周りの皆に自のステータスを覗き見られるのが恥ずかしいのか、頬を仄かに赤く染めながら天野に背中を押されていた。

そして、何やかんや言いながらも、水晶に手を乗せるのだった。

姫乃 彩

　16歳　人族

HP300

MP600

筋力200

防400

俊敏200

固有スキル

長促進 魔力強化

魔法

治癒魔法Lv1 魔法Lv1 水魔法Lv1

スキル

強化Lv1 MP自回復Lv1

稱號

聖･･･治癒魔法の能力が上がる。

異世界人

「よっしゃぁ！次は俺が行くぜ！」

怖いもの知らずは異世界でも健在だった才剛は、指をポキポキ鳴らしながら水晶に手をかざす。

才剛 元太

男　16歳　人族

HP600

MP300

筋力600

防600

俊敏200

固有スキル

長促進

無敵狀態･･･10秒間攻撃をけない。

鉄壁･･･明な壁を築く能力。

魔法

土魔法Lv1

スキル

強化Lv1 腕力強化Lv1 防強化Lv1

稱號

守護者･･･スキル鉄壁を取得する。

異世界人

「次は私かしらね」

周囲にいる貴族や騎士、そして王族達から注がれる期待の眼差しなど意に返さず、堂々とした振る舞いで中央を歩いていき、水晶に手をかざした。

「こんな所で、よくあんな堂々としてられんな」

一般人が張せず堂々としている事に違和をじたが、そんな奴も偶にはいるよな。

そう思い至り、俺は考えるのをやめた。

天野 靜香

　16歳　人族

HP400

MP400

筋力500

防400

俊敏700

固有スキル

限界突破 長促進

神速･･･負擔が大きいが神と同等の速度を出せる。

魔法

風魔法Lv1

スキル

強化Lv1 俊敏強化Lv1 回避Lv1

稱號

剣聖･･･歴代剣聖の剣が使える。

異世界人

天野に至っては『俊敏』700オーバーである。

近接戦闘は天野が最強だろう。

「ここまでだったとは.......これで世界を救えるぞ！」

よほど嬉しかったのか、國王は椅子からを乗り出して水晶の上に浮かぶステータスに見っていた。

まぁ、平均が100と言っていたしな。

「マジでどうしよ」

どうすればステータスを見られないか思考を巡らしていると、遂に俺の番になってしまった。

他のみんなの平均ステータスは300くらい.......初期ステータスで一般兵レベルの能力値に、チート級のスキルを所持しているのだ。

周りの奴らがチート級のスキルを自慢し合っている中、俺だけハブられてしまう狀況を想像すると吐き気がする。

引退してからというもの、シリアスな雰囲気が苦手になるなど、メンタルがだいぶ弱くなった気がする。

だが、この狀況でステータスを見せるのを拒めそうにないので、大人しく見せることにした。

「次で最後だな」

「天草君のステータスは絶対すごいよ！」

姫乃に期待され、俺は乾いた笑みを作った。

「アハハ.......そうだと良いな」

チクショォォ！折角、異世界に來たんだからチーレムしたかったよぉぉ！

俺は心の中で悲痛のび聲を上げ、頬から一粒の涙を流す。

そして、水晶にれた。

天草 優真

男　16歳

HP100

MP100

筋力100

防100

俊敏100

固有スキル

？？？ 長促進 限界突破

スキル

鑑定Lv1

稱號

異世界人

ふっ.......どうよ？この凡人ステータス.......歴代の異世界人にも中々いないんじゃないか。