「お、お前たち！回復し終わったら王國へ戻れと言ったはずだぞ！」

目の前に元太と照子が現れ、嬉しさ半分、怒り半分でんだ。

「馬鹿野郎！師匠を置いて俺たちだけで帰れるわけねぇだろ！」

「そうだよ！今度は私たちが助ける番だからね！」

2人は黒い太の中で苦しみながらも、満面の笑みでソードを必ず助けると言った。

「.......ふっ、お前たちのようなバカに何を言っても無駄だな」

「あったりめぇだろ！」

「うんうん！バカは叩いても治らないからね！」

「いや、褒めてないから威張るなよ.......」

大陸を滅ぼすほど威力がある黒い太の中にいるのだが、元太と照子とソードは不敵な笑みを浮かべながら闘志を燃やしていた。

「照子！この黒い太を跳ね返すぞ！」

「うん！破壊魔法 破滅の太デリート・ソラー！」

太には太で迎え打てばいい。と考えているのだろうか。

照子は、赤黒い太を放って押し返した。

しかし、完全に押し返すことは出來ず、黒い太から出する事しか出來なかった。

「おい！まだ押されてんぞ！」

「ふっふっふ.......この天才魔法 照子ちゃんをナメちゃいかんよ？異能発！『強化』！」

照子は、異能で『破滅の太デリート・ソラー』を強化し、邪神の黒い太に対抗した。

照子が放った赤黒い太は數秒だけ邪神の黒い太を止めることに功したが、やはり邪神の力には勝てず、一瞬で黒い太は赤黒い太を飲み込んでしまった。

「くっ.......やはり照子殿でも勝てないか.......」

「ちっちっちっ.......ソードさんもまだまだ、だなぁ」

と言って、照子は不敵に笑った。

「ま、まさか！まだ奧の手があるのか！？」

「いや、無いよ」

照子が、あっけらかんと言ったので、ソードは空中でズッコケるという用なことをした。

「今はふざけている場合ではないぞ！」

「ふざけてないよ」

ソードは怒鳴って怒ったが、照子の真剣な眼差しを見て息を飲んだ。

「だって元太がいるじゃん」

「.......！？」

この時、ソードは気付くことが出來なかった。

元太と照子が、黒い太の中にって尚、無事だった理由.......元太が、いつの間にか黒い太の目の前まで迫っていた事.......そして元太のから僅かに黃金の魔力が現れていたことに。

「俺には、輝のようなカリスマ、靜香の流れるような綺麗な剣、彩のように魔法の才能なんて一切ねぇ.......」

それは馴染たちに対する嫉妬だ。

元太は、ただ頑丈というだけで特別な才能など持っていなかった。

「そして優真の圧倒的な力も、照子のような圧倒的な魔力量を持ってるわけでもねぇ.......！」

元太の言っていることは、ずっと前からじていた劣等だ。

周りには凄い才能を持った奴が沢山いるのに、自分には何も無い.......。

元太は嫉妬していたのだ。

「確かに才能なんて無かったけどよぉ.......でも最高な仲間たちに囲まれたんだ.......」

そして元太は、"カッ！"と目を見開き、んだ。

「今、負けたらアイツらに顔を合わせらんねぇ！それに何より"漢"が廃るぜ！」

元太は、大きく聲を吸い込み、もう一度、大聲でんだ

「最終奧義 修羅悪鬼 極！」

元太は、ソードが持つ奧義を使った。

否。

元太は、ソードの奧義を進化させ、新たな奧義を生み出したのだ。

その名も『修羅悪鬼 極』。

この技は、と魔力の流れに神力を混ぜた技だ。

元太は、ソードの元で地力を上げると共に、『修羅悪鬼』も學んでいたのだ。

この技に必要なスキルは、機能を掌握するスキル『掌握』、魔力を掌握するスキル『魔力掌握』が必要なのだ。

この技を取得する事は出來たのだが、まだ練度が低く、ソードのように一瞬で発することが出來ないのだ。

しかも、『修羅悪鬼』が通用しないのは目の前で見た。

そこで考えて行き著いた答えが、人間では神に勝つことが出來ないのなら、自分も神の力を使えば良いんじゃないのか？だ。

そして、神の力を使うには、どうすればいいのか考えて思い付いたのが、優真の加護を介にして優真から神力を奪えば良いんだ！である。

思考が犯罪者のソレだ。

「うぉぉぉぉぉぉぉ！！」

元太は、腕を90度に曲げて、と魔力と神力の流れを加速させた。

元太のからは、黃金の"何か"が溢れ出し、ソードとは比べにならない程、能力が上昇していった。

「これなら負ける気がしねぇぜ！」

元太は獰猛な笑みを浮かべて、邪神の方へ飛んでいった。

そして第２ラウンドが始まった。