《異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる》149話 元太の修行語22〜決著〜

元太たちの目の前には、絶対の死と圧倒的恐怖を撒き散らす化けがいるが、しも気負った様子もなく邪神の前に立ちはだかっていた。

「見た目に騙されるでないぞ。威圧は上がっているが魔力と能力は、さっきよりもずっと低い」

マリフォイは諭すように元太たちに聲を掛ける。

邪神は、自の能力値の低さを隠すために、殺気を放つ時、魔力を混ぜているのだ。

「賢者殿の言う通りだ。このまま元太殿が攻撃を加え続ければ倒せる」

ソードは、邪神から放たれる威圧に騙させることなく、冷靜に敵の戦闘能力の分析を行っていた。

「そんなこと言われなくても私は大丈夫だよ!それより元太の方が心配だよ〜。邪神が復活した時、顔引き攣ってたしね!あはは!」

照子は、邪神に対して恐怖したじはなく、逆に元太を馬鹿にできるほどの余裕を見せていた。

張し過ぎて本來の力を出せなくなったら本末転倒なので、しふざけて張をほぐしているのだろう。

「うっせぇ!そんなことより前を見やがれ!そろそろ來るぞ」

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元太は、照子に言われたことに対して、顔を真っ赤にしながら悪態をついたが、邪神がき出すのをじ取って、照子たちに警戒するように促した。

 — グォォォォォォォ!!!

邪心が雄びを上げた瞬間、更に威圧が跳ね上がった。

『憤怒』の力で自の魔力と能力を上昇させたのだ。

しかし、元太たちは敵のパワーアップを黙って見ているほど甘く無い。

「オラァァァ!!」

元太は『黃金の右腕』を邪神へ放つ。

その攻撃を邪神は後ろへ飛んで躱す。

恐らく、元太の『黃金の右腕』をけたら、自分は殺られてしまうと、頭部とを破壊されたことから學んだのだろう。

邪神は、知は無いが優真の力から生まれた影響なのか、戦い方には全く隙がなく、戦っている最中に敵の戦闘能力の分析も行っているようなのだ。

優真は、これら全て本能的にやっている。

その勘の良さをしっかりと邪神が引き継いでいるのだろう。

元太たちからしたら、いい迷である。

「うぉぉぉぉ!」

邪神が後ろに飛び引いた後、元太は敵を絶対に逃すまいという意思が伝わってくるほど、しつこく邪神に付き纏った。

しかし、邪神の首を狙っているのは1人だけではない.......。

「おりゃぁぁ!」

「はぁぁぁぁ!」

照子とソードは、邪神の死角から接近して、それぞれ攻撃を放つ。

その一方.......

「ほっほっほ.......儂を忘れるでないぞ」

マリフォイは、穏和な笑い聲を上げている。

しかし、杖に込めている魔力量を見たら、誰もが顔を引き攣るだろう。

それ程の魔力を杖に込めているのだ。

つまり、ここで勝負を仕掛けに行くということである。

そして、マリフォイは邪神へと杖を向け、目を"カッ!"と開いて魔法を放った。

「ビーーーム!!」

マリフォイの杖から放たれた高度な魔力の線は、地面を大きく削りながら真っ直ぐ邪神へと飛んでいった。

全方位からの攻撃で逃げ道がない。

邪神は、そう判斷したのか、両腕で顔を覆って防した。

そして、全ての攻撃が邪神に直撃する。

照子、ソード、マリフォイの攻撃は、どうにか耐え切ることが出來たみたいだが、元太の『黃金の右腕』には、しの抵抗も出來ずに直撃をけた。

そして、『黃金の右腕』の効果により、あっさりと邪神は跡形もなく消滅した。

倒した実が無いのか、元太たちは大聲で喜ぶことは無かった。

「思ってたよりも、あったりと消えたね!」

疲れをじさせない態度で、照子は明るく言った。

照子の想に対して、ソードが一息ついて答える。

「ふぅ.......どんなに強い相手でも倒す時は呆気ないものだ」

『人類最後の砦』と言われているからなのだろうか、その言葉には、とても強い説得力を持っていた。

今までも、自分よりも強い強者たちと何度も戦ってきたのだろう。

「儂も強敵を倒す時は、いつも呆気ないのぅ。たまにし粘ってしいと思うくらいじゃ」

「いやいやいや!こんな奴に粘られたら溜まったもんじゃねぇよ!呆気なくて良いんだよ!」

マリフォイの言葉に対して悪寒をじたのか、元太は直ぐに言い返した。

「安心せい。アニメでもないのだから"フラグ"を立てたくらいで、あんな化けが復活するわけが無いじゃろう」

どうやら、"フラグ"を立てた自覚はあるようだ。

「いや、俺の場合は、よくあったから笑い事じゃねぇんだよ.......」

元太は昔のことを思い出しながら、地面に大の字に倒れて息を切らして言った。

「まぁ、いいや.......やっと倒せたぜ」

全員、大はしゃぎで喜ぶことは無かったが、その顔からは"やりきった"というが滲み出ていたのだった。

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