《異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる》168話 VS巨大スライム1
「もう來るんじゃねぇぇ!」
向かってくる魔たちなど気にせず、俺は化けたちから逃げていた。
「待ちなさぁぁい!坊やぁぁん!」
「お姉さん達が遊んであげるわぁぁん!」
「私たちと良いことしましょぉぉん!」
俺を追いかけているのは、ユキの幻によって生み出された3人のオカマだ。
「うわぁぁ!全然撒けねぇ!」
人間レベルにまで能力を弱化させたとはいえ、今でもSSSランク程度の力はある。
それでも逃げ切れないのは、それほどユキの幻が優れているということだろう。
しかし、あのオカマ共に捕まってしまったら、んな意味で俺の人生が終わる。
だから、俺は逃げ続けた。
時には引っかかってしまった罠をぶっ壊し、時には兇悪なボスを踏み潰し、行き止まりになった時は地面にを開けたりもした。
それでも逃げ切れず、これまでの人生でもトップにるほどの絶を味わっている時、遂に終わりがやってる。
「こ、これは!?」
最下層のボス部屋前まで來てしまったのだ。
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これでは先に進むことは出來ない.......オカマたちに食べられてしまう!俺は殺し屋時代でも経験したことの無い危機を覚え、覚悟を決めた.......覇神の力を全力で使用し、オカマたちを撃退すると。
「ふぅ。やっと最下層まで著いた。これで魔法は解除しても大丈夫だね」
この悪夢を作り出した元兇が現れた。
「て、てめぇ!よくも、こんな怖い目に合わせやがったな!あとしで襲われるとこだったんだぞ!」
「問題ない。だって幻だから」
「幻でも実態化させたら理的な影響も出んだろうが!」
の子に対しては海よりも広い心で対応するのが俺の流儀だが、さすがにオカマを寄越してくるのは許容できない。
別にオカマが嫌いなわけではないぞ。
差別する気は無いからな。
ただ、俺はの子が大好きなので、幻覚だろうが男を相手する気が全く無いというだけである。
「はぁ.......うるさいなぁ。また追い回されたい?」
あまりのしつこさにイライラしてきたのか、ユキは優真に対して最も有効な脅しをかけた。
「すんません」
またオカマに追いかけ回されるのはゴメンなので、人生初のジャンピング土下座を発する。
これをければ、誰であろうと許す気になるだろう.......多分。
俺はピクピクと震えながら、額を地面にり付けていた。
傍から見ると何ともけない姿だが、別に嫁さんたちや友人には見られていないので問題ない。
「それじゃあ、さっさと最終ボス倒してダンジョン攻略するよ」
「うん」
特に悪いことなどしてないのに怒られ、納得いかない自分がいるが、著いていくと言ったのは俺だし、これ以上文句を言ったら、更に恥をかく事になるかもしれないので黙ろう。
ため息を吐かきながらボス部屋を扉を開いているユキを見つめる。
「なに突っ立ってるの?早く行こ」
「おう」
そして、俺たちはボス部屋へとっていった。
◇
「わぁお.......こりゃあヤベェな」
「逃げる?私たちだけじゃ無理かも」
俺たちは目の前にいるボスを見ながら、頬を引きつらせていたいた。
思ってた以上に厄介な相手だったからだ。
目の前にいる巨大な生は、プルンプルンとプリンのようにを震わせ、明なをしている。
そう.......スライムだ。
「一般人でさえ、踏み潰せば倒せる程度の魔なんだが.......ここまで長すると國の一つや二つ簡単に滅ぼせるくらいの力は持ってそうだな」
「魔法耐が強すぎるから幻覚が効きづらい」
自分の得意魔法が全く効かず、ユキは珍しく狼狽えていた。
そして眠そうな表を切り替え、真剣な瞳を向けてくる。
何だか先程よりもっぽく見え、なんでも言うことを聞きたくなってきた。
「.......どうした?」
そんな雰囲気に飲まれながらも、俺は相手の目を見て話しかけた。
「.......私の囮になって」
こんなに頼まれたら斷れないよな。
「おう!俺が囮になってやるから早く逃げ.......は?いやいや、ちょっと待て」
危ない危ない.......危うく完全に墮とされるところだったぜ。
「魅了使って逃げようとすんじゃねぇよ!」
「でも、優真なら一人でも倒せるでしょ?」
「その拠は何処から來んのか知らねぇけど、俺でもキツイわ!」
「チッ」
「ねぇ。いま舌打ちしたよね?俺なんも悪いことしてないよ!」
「男なら黙ってを守りなさいよ」
「なんか急に我儘になったな!」
何故か急に我儘になったユキにツッコミをれつつ、巨大なスライムの弱點になりそうなところを探っていた。
しかし、なにも見つけることが出來なかった。
「來るぞ.......!」
「分かってる」
いつまでも仕掛けてこない俺たちに痺れを切らしたのか、中から手をばして攻撃を放ってきた。
俺は腰から鉄製の刀を抜刀し、ユキは人族とは思えないほどの膨大な魔力を練り上げていた。
「その程度の攻撃なら簡単に対処できるぜ!」
俺は待機中の魔素を知し、攻撃の予測を瞬時に行いながら、自の能力の低さを補っていた。
余裕が出來たところで、ユキの方をチラッと見てみると.......
「さすがSSSランク」
思わず、そんな言葉を口にしてしまうほどの戦闘を行っていた。
ユキは【幻魔法】を自にかけて姿を捉えにくくしているのか、スライムの攻撃は全て的外れな場所に放たれている。
「ふふふ。面倒だけど遊んであげる」
ユキは妖艶な微笑を浮かべ、殘的な瞳をスライムへ向けている。
そんな景を見て、久しくじていなかった恐怖心を覚えるのだった。
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