《異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる》171話 ミーシャ達の戦い2
高度の魔力雨が降り注ぎ、私達の家が跡形もなく壊されてしまった。
「あ!私と優真君のの巣が!」
「私達とマスターのの巣です。勝手に二人だけにしないでください」
「その"私達"という言葉に儂は含まれておらぬじゃろうな?」
ナビの機転で上手く攻撃を躱すことが出來たのだが、家を壊されてしまい腸が煮えくり返る程の殺意を覚えた。
彩とナビとクミホは冗談を言い合えるくらいの余裕はあるようだ。
「殺す.......絶対に殺す」
しかし、私にはそんなものない。
れれば一瞬で魂を奪われてしまいそうな程の邪気を纏い、激しい殺意を含んだ眼差しで上空にいる敵をる。
しかし、敵にはそよ風の如く表一つかさずにけ流されてしまう。
「ミーシャ様、この世界は祓魔師の方々が作った結界。元の世界にある家は無事でございます」
「そんな事は関係ない.......偽だろうが同じ姿形を持つ家を壊された。その罪、死を持って贖わなければならない」
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死んだところでしも許す気はないが、最低でも死より恐ろしい恐怖を與えなければ気が済まない。
そして、優真に頼んで蘇生させたあと、もう一度殺す。
「あなた達は指をくわえて見てなさい。私がボコすから」
「ちょっと!私もイラついてるから殘してよ!」
「私も多.......いえ、かなり頭にきているので殘してもらわなければ困ります」
仕方ない.......同じ夫を持ったよしみで殘してやろう。
「なら私が皆殺しにする前に倒した方が良い」
一言そう殘して、私は我が家を壊した敵に向かって飛んでいった。
「儂は適當にサポートでもしておるから皆は頑張るのじゃぞ」
「何を言っているのですか?相手は四人いるので一人相手してください」
「.......仕方ないのう」
見ての通り、クミホは優真のように面倒くさがり屋である。
しかし、居候のであるから頼まれたら斷りにくいのだ。
「私は先に行くからね!」
いつの間にか神化した彩は、エメラルドのように鮮やかな緑の魔力を纏い、髪も同じに変させていた。
そして、彩は緑のを殘して一直線に空中の敵へ高速移する。
「.......儂らも行くか」
「はい。先を越されてしまったので急がなくては」
ナビとクミホは様々なに染まっている空を見上げながら、戦場へと向かっていくのだった。
◇
「あんなバカげた攻撃をしたのは貴様か」
私達の家を壊した張本人を睨み付けながら、すぐにでも攻撃できるように魔力を練る。
「うふふ。可い顔してるんだから、そんな怖い顔しちゃダメよぉ」
目の前には、出度が高い服に先端が尖ったトンガリ帽子を被っている魔がいた。
箒の上で優雅に座っている姿は絵になるが、見ていて腹が立つ。
特に、その満なを見ていると激しい殺意が湧くのだ。
「あら.......私のを凝視してどうしたのかしら?羨ましいのぉ?」
その言葉を聞いた瞬間、プツンと理の紐が切れてしまい、濃な邪気を纏う魔法を放った。
「家を壊すだけでなく.......あまつさえ貧の私に無駄にデカいを見せつけるなんて.......萬死に値する!」
うん、殺っちゃうだけじゃ溫い。
そのを削りながら殺らないと。
「うふふ。なかなかの威力ね。でも殘念.......私には効かないわぁ」
魔は箒から降りて片手に持ち、飛行魔法で浮いていた。
恐らく、その箒は杖であり魔法の効力を高めるなのだろう。
「私の名はキャサリン。付與魔法をりし最強の魔よぉ」
「これから死ぬやつの名に興味ない」
「あら、冷たいわねぇ。お姉さん悲しいわぁ」
もう一度、邪気を纏った魔法を放つ。
本來、防ぐことがほぼ不可能である攻撃なのだ。
しかし、あっさりと攻撃を防がれてしまったので、その方法を見破らなければならない。
「その程度の攻撃.......私には無意味よぉ」
貓が主人に甘える時のような聲で呟き、キャサリンは箒を軽く振って魔法を消失させた。
「.......私の魔法に付與を使ってる」
「あら、バレるのが早いわねぇ」
「得意魔法をバラしたのは自分。バレて當たり前」
言われなければ気づかなかったかもしれないが、相手の扱う魔法が分かれば種は直ぐに割れてしまう。
「でも、分かったところで対応できるかは別よねぇ」
初めて敵からの殺気をじ取り、私は構えた。
「それじゃ行くわよぉ」
キャサリンは箒の先端を真正面に向け、魔法の矢を放った。
そして、邪気を含んだ魔力障壁を展開する。
「えっ.......!?」
完璧に防いだと思った矢は、障壁を貫いて私のに風を開けた。
「.......やられた」
【付與魔法】も極めれば厄介だ.......そんな事を思い浮かべながらに空いたを塞ぎ、口端から垂れたを拭う。
恐らく、あの【付與魔法】はイメージした事象を付與するものだ。
付與する対象は何でもあり.......魔法や武、そして生きだろうが付與することは可能だろう。
「でも.......その程度なら私に勝てない」
そちらには魔力を放出できる限界がある。
しかし、私は邪気だけなら放出できる限界はない。
「ふふふ.......巨には制裁を」
私の瞳からが消え、ただ目の前の巨を消し去ることだけを考えながら、キャサリンの方へ歩いていくのだった。
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