《異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる》172話 ミーシャ達の戦い3
「何なのよ.......それは」
私の目の前には、魔力ではない"何か"を纏ったがいた。
最初は生まれたばかりの邪神だと侮っていたが、あの時の自分を毆り飛ばしたいわ。
「ふふふ.......巨には制裁を」
何かをブツブツと呟いていたので、聞こえるように耳を傾けていると、可らしい微笑みをしながら騒なことを言っていた。
「.......逃げるしかないわねぇ」
主神様の為、命を賭ける覚悟は出來ているけど、何の果も殘さずに死ぬのは真っ平ごめんだ。
そう考え、急いで転移魔法を発しようとしたのだが、何者かによって妨害されてしまい、一瞬で魔法陣が破壊されてしまう。
「逃がすわけないでしょ?」
気づいたら、自分の懐に潛られていた。
「これは.......まずいわねぇ」
そして、私は死を覚悟するのだった。
◇
「ふぅ.......これで敵に逃げられる心配は無くなりましたね」
ちょうど敵を追い詰めている所で、際どい服を著た魔が転移魔法を発しようとしていたので、妨害させてもらいました。
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この狀況で敵に逃げられてしまったら、マスターに顔向け出來ませんからね。
「くそっ!何なんだよテメェは!」
上半のムキムキ大男は、怒りで顔を真っ赤にして怒鳴り散らしていた。
その鍛え抜かれた強靭なには、無數の傷が刻まれており、無數に刻まれた傷からは強者としての雰囲気が溢れ出ていたのだが......思っていたほど強くなかった。
「確か.......シャオでしたっけ?【砕】の異能は強力ですが使い手が弱いので寶の持ち腐れですね」
「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇ!ぶっ殺してやる!」
「はぁ.......その狀態で私をどうやって殺すのですか?」
シャオの腹には風が空いており、手足は向いてはいけない方向に折られていた。
それでも戦意だけは衰えておらず、実力の差を理解できていないのだろう。
「うるせぇ!俺がぶっ殺すって言ってんだ!ぜってぇ殺してやる!」
「うるさいです」
先程から煩いので、そろそろ終わりにしましょうか。
「あ、そうだ。あなたの異能【砕】は解析済みなので、それ砕を使って倒しましょうか」
「.......な、何を言ってんだ?」
頭は悪そうだが察しがいいのか、初めて見せる恐怖した表に機嫌が良くなり、私は最高の笑みを浮かべる。
「異能とは.......こうやって使うのですよ」
私は一瞬でシャオに接近し、右手を相手の腹に添えた。
そして.......
「.......砕」
そう呟いた瞬間、シャオのは手が添えられている腹からしずつひび割れていった。
「ま、まさか!?本當に俺の異能をパクリやがったのか!」
「だから、そう言ったではないですか」
その一言でシャオは絶し、最後にはのようにが崩れ去ったのだった。
◇
腰に長剣を攜えている長の中年男は、クミホが放った魔法を全て躱して余裕の表を浮かべていた。
長は約190cm程で、顔には左側の額から右目まで大きな刀傷のようなものが出來ている。
「この程度の攻撃は躱されるか.......儂も面倒な相手に當たってしまったのう」
「ふんっ。貴様の攻撃に當たったら私もタダでは済まないだろうからな」
戦い始めてから、ずっとこの調子で攻撃をしているのだが、全く當たる気配がない。
本気で當てに行っても、長剣で斬り捨てられてしまう。
「本當に面倒な相手じゃ」
他の仲間達は敵を追い詰めている所じゃが、このままだと儂だけ長期戦になりそうじゃな。
「.......本來の姿で戦う方が楽に倒せそうじゃ」
「ほぅ.......この私を倒すと申すか。やれるものならやってみるが良い」
「くっくっく.......その薄ら笑みを絶に歪む表へと変えてやろう」
そして、本來の姿を現す。
黃金に輝く九本の尾を靡かせ、のように真っ赤な瞳を敵へ向けて、殺気を放った。
「ふむ.......神王級の強さを持っているようだな。しかし.......私は下級神でありながら自よりも上位の神を何人も屠ってきた。今更、狐ごときに恐れを抱くはずもない」
遠回しに、その威圧は全くの無意味だと言っているのか、涼しい顔をしながらクミホの殺気を流していた。
「その狐ごときに貴様は敗れるのじゃ!」
クミホは大量の青白くる火を生み出しす。
「我が名はエトーレ。このは主神様の剣であり盾だ。故に私が負けるなどありえぬ!」
エトーレの剣が鞘から抜かれた瞬間、周囲の青白い炎が全て消え去り、一瞬でクミホに接近した。
「はぁっ!」
気合いの籠った聲を上げ、剣を橫に一閃。
そのまま首を斬り落とす勢いで振ったが、黃金に輝く尾によって完全に防がれてしまう。
「ほれ。防がなければ死ぬぞ」
國を一つ滅ぼせそうな程の魔力が込められた尾を振り落とす。
その攻撃をけたエトーレは、苦しそうな聲を上げて地面を抉りながら吹き飛ばされてしまった。
「くっ.......蔵をやってしまったか。こんな無様な姿、主神様には見せられん」
盛大に吹き飛ばされ、をとって何とか勢を整えた後、エトーレは自分の狀態を瞬時に把握した。
その様子を見たクミホは、その真っ赤な瞳を敵へ向けながら、興味が失せたように冷たく言い放った。
「妄信的に何かを信じる奴ほど小臭がするものじゃな」
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