《異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる》174話 ミーシャ達の戦い5

「君は.......」

アルベルトは彩の底知れない力にしばかり恐怖心を抱いていた。

力や速度、そして魔力量など全てにおいて遙か上を行ってるので、自分では到底敵わないと理解してしまったからだ。

「あ、すみません。なんかヤバそうだったので.......迷でしたか?」

彩は何かまずいことをしたのかと思い、冷や汗を流しながら気まづそうに聞く。

「ふっ.......いや、助かった。禮を言う。ありがとう」

明らかに自分と実力の差がある相手でも、見た目と中は普通の.......そう思ったアルベルトは、怖がっていた自分が馬鹿らしくなり、眼鏡をクイッと指先であげた後、自分に対して鼻で笑った。

「あ、他のみんなも終わったみたいですね」

彩は上空へ視線を向け、仲間達が無事だったのを確認して、僅かにほっとした表を見せた。

「むぅ.......し雑魚に時間を掛けすぎた」

地面に降り立って、ミーシャは開口一番に不満を口にした。

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「ミーシャにしては珍しいね。いつもなら遊ばずに一瞬で仕留めるのに」

「.......無駄にデカイを強調してくるからムカついて必要以上に痛めつけた。後悔はしていない」

イライラを敵に全てぶつけることが出來たから満足。

優真が帰ってきたら絶対に褒めてもらう。

私は優真に頭をでられる場面を想像して、頬を緩ませた。

優真が異世界に行ってから"1日も"経ってしまったから、優真分が足りないのである。

優真が帰ってきたら、みんなからバレないように攫って襲ってやろう。

ふふふ.......次會った時は寢かせない。

「ふふ.......うふふふふ」

そんなことを考えていからなのか、自然と微笑を浮かべてしまう。

「うわぁ.......ちょっとキモイ。優真君には見られないようにした方が良いよ」

彩はミーシャの微笑みに対して、本気でドン引きした表を見せていた。

確かに傍から見ると危ない人のように見えなくもない。

ナビとアルベルトも、彩と同じような表をしている。

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「.......優真はそんな事で私を嫌わない」

優真は私にゾッコンだから嫌いになるはずがない。

むしろ、私の悪い所も好きになってくれるはず。

ミーシャはメンヘラ気味な思考になりながら、真っ赤に染まった頬に手を當ててをくねらせていた。

「う、うん。そうだね」

そんなミーシャの姿を見て彩は頬を引き攣らせながら目を逸らす。

ミーシャがクネクネとをしならせながら微笑むという気持ち悪いきをしている中、ナビは微妙な雰囲気になっている事などお構い無しに會話の容を切り替えた。

「そこでキモイきをしているミーシャ様の事よりも、先程のシャオとその他の者達の方が重要です」

ナビは今回襲ってきた者達の目的が理解できずにし困していた。

"主神"と呼ばれる主がいることは分かったのだが、どこから來たのか、そして何の為に自分達を襲撃してきたのか、それを完璧に予測することが出來ないのだ。

捕まえて拷問などで報を吐かせようと思っていたが、ナビは相手の能力の解析をすると何者かに阻まれた覚がした。

それほど用心深い相手なら、拷問程度で報を吐く者を送ってこないだろう。

そう考えたナビは、生け捕りは諦めて敵を倒すことにしたのだ。

「ただ襲いに來ただけならという事も考えられますが.......あれ程の手練を捨て駒にしてまで何を狙っていのでしょうか.......」

あまりにも報が無さすぎる。

ナビだけでなく、ミーシャ達やアルベルトまでも思考に沒頭していた。

「覇神である優真君がいる時なら狙われるのも分かるけど.......私達に襲い掛かる理由が分からないよね」

「そんな事はどうでもいい。優真に褒めてもらうことの方が重要」

「あはは.......そうだね」

彩は真剣に考え込んでいたのだが、ミーシャは優真に褒めてもう事しか頭にないようだ。

そのブレない態度に彩は思わず苦笑いしてしまう。

「儂は新參者じゃからの。そこら辺の事は全く分からん.......じゃが嫌な予がする」

それは妖狐としての本能なのか、狐耳をピンッと上に真っ直ぐばしながら拠の無い予を告げた。

しかし、それはナビも同じだったようだ。

「勘というものが好きではありませんが、私も同です.......それと、これはあくまで私の予想ですが.......」

そして、ナビは自の考えを述べる。

「世界を簡単に渡れる程の力を持ち、かつマスターがいない時を狙ったかのように襲撃をしてきた.......そして、ここは數ある世界の中で最も重要な神がいる世界.......これらの事を考えて私なりに分析した結果、その中で最も最悪な狀況は.......」

そして、ナビは言う。

「.......絶対神ナーヴァの暗殺」

真っ白な空間が無限に広がったかのような世界があった。

そこには、木で作られたシンプルなデザインの椅子に、人形のように可らしくしくもあるは座っていた。

とも大人のとも呼べるような容姿をしているは、黃金に輝く瞳を何も無い真っ白な空間へと向けていた。

もちろん、しいのは瞳だけではない。

雪が一面に振り積もった雪原のように真っ白な髪が地面に著くほど長くびており、顔のパーツの一つ一つが計算づくされたように配置されている。

まさに『神』。

その容姿を見れば誰もが直的に『神』だと理解できる。

この真っ白な何も無い世界に存在するだけで、神的な絵畫となり得るような容姿をしているのだ。

そして、その完された容姿を持ったは、その可らしいからき通るような聲を出す。

「どれだけ時が経とうと爭いが止むことはない.......『人』は勿論のこと言葉を発することの出來ない『』や『魔』.......そして『神』だろうと例外ではない。そう思いませんか?」

は何も無い真っ白な空間に視線を向けながら、後ろへ意識を向けた。

すると、の背中から約10メートルほど離れたところの空間に人一人が通れそうな亀裂が走った。

そこから一人の男が出てくる。

「.......それには我も同意見だ」

亀裂から出てきた男はの見えない表をしながら返事をした。

その男は全を真っ黒な裝束で纏っており、分かるのは聲だけで容姿を確認することは出來ない。

「貴方の目的は分かっております。私を殺しに來たのでしょう」

「よく分かっているじゃないか。死ぬ準備が出來たということか?」

先程まで穏和とまでは行かないが、これから戦闘をする、という雰囲気をしていなかった。

しかしが目的は理解していると言った瞬間、男の雰囲気が刺々しくなり、全から激しい殺気が滲み出始めた。

「貴程度の実力では私を倒すことは出來ません」

は相手から発せられる殺気などものともせず、視線すら向けずに穏やかな口調で答える。

「いつまでも高みの見でいられると思うな」

男は何も無い空間から禍々しい大鎌を取り出し、今にも溢れ出しそうな程の闘爭心を剝き出しにしながら構えた。

そして.......

「死ね」

一言だけ呟いて一瞬でとの距離を詰め、その軽くれれば折れてしまいそうな首へ刃を放った。

しかしは反応することが出來ていないのか、全く対応をする素振りを見せない。

「.......私がなぜ『絶対神』と呼ばれているかご存知ですか?」

鎌が首筋にれるかれないかの所で刃が勝手に止まる。

は拳を構えないだけでなく、視線すら向けていないというのに、男の初撃が止まってしまったのだ。

その手は若干震えており、誰が見ても恐怖していることが分かる。

「それは.......私こそが全世界を統べる『神』.......そして最強の『神』だからですよ」

そして、その.......絶対神ナーヴァは初めて視線を男に向けた。

しかしナーヴァの瞳には何のも篭っておらず、あるのは全てを見すような黃金の輝きだけだった。

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