《異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる》176話 久しぶりに怒る優真くん
「ふぅ.......ダンジョン攻略、結構疲れるなぁ」
能力を人間レベルに引き下げると、半端なく弱化するからキツイぜ。
魔王よりも強いスライムとか倒すの面倒いし.......もし、次も手伝う時は制限かけずにやるか。
.......いや、それはそれで面倒だよな。
やめとこ。
ダンジョン攻略が終わると、王都へと一直線に戻り、ユキとは直ぐに別れた。
俺は久しぶりに疲労をじたので、ダンジョン攻略の打ち上げをする気力など殘っていなかった。
.......まぁ、っても斷られるだろうけど。
「ナビに連絡取るか」
王城の自室に戻った後、特にやることも無いので、こちらの狀況を報告しようと思い、俺はナビに話しかける。
元々は俺のスキルだったので、異世界に居ても簡単に連絡を取る事が出來るのだ。
『もしもーし。ナビさん返事お願いしやーす』
『.......何ですか?その変な話し方は』
『いや、何となく』
『そうですか.......こちらに連絡を寄越したという事は、やはり何かあったのですか?』
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『初代勇者が何か襲ってきてな。すっげぇ大変だったよ』
『っ!?.......それは本當ですか?』
初代勇者.......それはアーサーの2つ名のようなものだ。
そして數多く存在する勇者の中で、最も正義の溢れる最高の戦士であり、世界最悪の裏切り者でもある。
『あぁ、本當だ。アイツの【正義ミカエル】てスキルやば過ぎだろ。何度も殺したのに生き返りやがるし、死神とか終焉の力を使ってもピンピンしてやがる。バケモンかよ』
『それは.......確かにバケモンです』
ナビは『貴方の方が化けです』という言葉を飲み込み、アーサーに対しての想をシンプルに言う。
『そんで、そっちは何かあった?』
『私達も襲撃されましたが、難なく撃退する事に功しました』
俺がいない間に襲われた.......俺がいないのを狙ってたのか?
『.......敵の目的は聞いたのか?』
『いえ、襲ってきた者達の主がいることは分かったのですが、一人一人の戦闘能力が上級神を遙かに上回っておりました。それ程の手練を容易に送れるほどの敵ならば、拷問や魔法で報をらされるようなヘマはしないでしょう。念の為に頭の中を覗こうとしましたが、簡単に弾かれてしまいました』
『そうか.......厄介な相手だな』
ナーヴァの力を一部引き継いでいるナビでも、報を得ることが出來なかっただと?
やっぱり、ナビやミーシャを置いてきて良かった。
2人の戦闘能力は、そこらの神よりも圧倒的に高いからな。
『申し訳ございません。私の力が足らないばかりに.......』
『いや、お前はよくやったよ。次からは何かあったら、すぐに連絡しろよ』
『は、はい!分かりました!』
自らの失敗に落ち込んでいたようだが、し勵ましてみると元気が出たようだ。
念話越しでも分かる。
『じゃあな』
『はい。マスターもお気をつけ下さいませ』
『おう』
最後に軽く挨拶を済ませてから、念話を切った。
『ふぅ.......アイツらも襲われたのか』
異世界では宣戦布告され、しかも初代勇者が手の狼を連れて襲ってきた。
そして、俺がいなかったのを見計らったかのように、俺の達に手を出してきやがった。
もしかしたら、俺がダンジョンでじた神のぶつかり合いも関係しているかもしれない。
「クソッタレが.......俺のに手を出した代償は大きいぞ.......!!」
死と終焉の魔力を全から滲ませながら、怒りで【憤怒イラ】の力も無意識に発させてしまう。
あまりにも強大な力で世界は悲鳴をあげ、空間自が震えているような現象が起きた。
確か、襲ってきた奴らには主がいるって言ってたな。
そいつは必ず潰す。
「生まれてきたことを後悔させてやるよ」
そう呟いた直後、己の力が溢れ出ていたことに気が付いた。
「あ、やべ。あとしで"ぶっ壊す"とこだったな」
危ねぇ危ねぇ.......このまま気付かずに力を使ってたら、世界が滅んでたわ。
さすが【終焉ラグナロク】と【憤怒イラ】の魔力。
ナーヴァが壊れないように対処してくれたのかね。
そんな騒なことを呑気に考えていると、大きな音を立てながら扉が開かれた。
「な、何してんの!?あんた!!」
「お?誰かと思ったら靜香か。どうしたの?」
靜香の鬼の形相を見ながら、爽やかな笑みを浮かべて返事をした。
「今、アホみたいな量の神気が溢れ出てたわよ!?もうしで世界崩壊してたじゃない!」
「いやぁ.......ちょっとね」
視線を逸らしながら言った。
まぁ、やらかした自覚はあるからね。
「いやぁ、ちょっとね.......じゃないわよ!」
「そんな怒ってばかりいると老けるぜ」
「あ"ぁ?誰のせいだと思ってんのよ?」
「す、すんません」
くっ!今回は俺が悪かったから何も言い返せん。
まぁ.......怒られる時は、ほとんど俺が悪いんだけどさ。
「.......はぁ。ミーシャ達に何かあったんでしょ?」
「さすが靜香。よく分かってますねぇ」
「茶化さないで。何があったか早く言いなさい」
「うっす」
そして何があったら話し、ブチ切れた靜香を抑えながら一日は終了したのだった。
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