《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》専屬メイド
母さんが來てから一ヶ月としが経った。
あれから、毎日忙しかったよ。
新居の生活に必要なを兎に角たくさん買った。
買ったは家、日用品、食、等々……。
家は、注文して一ヶ月で屆いた。
手作業で一ヶ月って凄くない?
もちろん、早いよね? という意味だけど、異世界の職人には特別な技か能力があるのかな?
今度、誰かに聞いてみよう。
そして、今日は募集していたメイドや執事、料理人と會う日になっている。
どうして今日なのかは、アメリーさんとエリックさんは昨日まで面接で忙しかったらしい。
なんでも、募集した數を大幅に上回る凄い數の応募があり、選ぶのに時間がかかってしまったようだ……。
男爵家の使用人なんて、そんなに魅力的か?
そんなことを俺は考えてしまうが、男爵というより、フォースター家にどうやら人気があったようだ。
勇者は、この國、この世界の人気者なので、その家系で働くことが出來るのはとても名譽なことらしい。
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やっぱり、じいちゃんは凄いなー。
ちなみに料理人の方は、サムがちょっと面接しただけで雇う人を即決したみたいで、とっくに決まっているらしい。
流石だな……。
そういうことで、うちのメイド、執事、料理人は優秀な人材が揃ったそうだ。
どんな人達なのか、これから會うのが楽しみだ……。
俺は學校が終わるとすぐ、我が新居に向かった。
そして、家にると……。
『お帰りなさいませ、ご主人様』
そこには、メイドと執事が綺麗に並んでいた。
なんと言うか……めっちゃくちゃ恥ずかしいぞ!
一旦、外に逃げようかな?
というか、これを毎日やられるの?
それと、よく仕事初日から全員の聲が揃うよな……。
流石、高い倍率を勝ち抜いたエリート集団なだけあるね。
「えっと……レオンス・フォースターです。これから、家のことをよろしくお願いします」
俺は、メイド達に舐められない為にしっかりと挨拶をした。
すると、皆が俺の対応に驚いた顔をした。
え? 俺、何か間違ったことをしてしまったか?
うん~挨拶の仕方が違ったのかな?
俺は、どうしてなのか、疑問の目をアメリーさんに向けた。
すると
「ふふふ、皆、レオ様の対応が丁寧過ぎて驚いただけですよ」
アメリーさんが笑いながら教えてくれた。
「え? 今ので丁寧過ぎたの?」
「あ、気にすることは無いですよ。ただ、ここにいるほとんどのメイドも執事も一度は他の貴族の所で働いていますからね」
言外に他の貴族はもっと偉そうだったと聞こえるぞ……。
「それじゃあ、僕はこのままでいるよ」
偉そうにしていても、何にも得にはならないからね。
「それはメイドとして凄くありがたいです。それでは、これからの予定について説明しますね」
「うん、よろしく」
そういえば、今日は何をするのか聞いてないな。
「はい。今日の予定ですが、レオ様は専屬メイドについての説明した後、サムが話したいことがあるそうなのでよろしくお願いします」
「う、うん?」
専屬メイド?
サムが話したいこと?
「それでは、ここで話していても仕方が無いので、こちらの部屋に來てください」
俺は頭の中を『?』にしながら案された部屋にった。
「それで……専屬メイドとは?」
ここにいるメイドは皆、俺の専屬メイドじゃないの?
「それは、レオ様が小さい頃の私みたいなメイドのことです」
「ああ、俺に付きっ切りでお世話してくれるメイドってこと?」
「そうです」
「え? でも、もう必要なくない?」
俺は付きっ切りで世話が必要な歳ではないぞ?
「そんなことは無いですよ? 家の當主には絶対に必要ですし、レオ様はこれから寮にることになっても必要ですよ?」
「そうなの?」
貴族の當主が必要になるのはまだわかるが……學校の寮にるのに必要な理由がわからない。
「ええ、レオ様は問題ないと思いますが、他の貴族のご子息が一人での回りのことが出來ると思いますか?」
「ああ、どうなんだろう?」
そもそも、そういうことを學ぶための寮なんでは?
「ひどい家では、メイドに著せてもらわないと服も著ることが出來ないような人もいます」
「そ、そうなんだ……」
噓だろ? でも、それならメイドを連れて行かないと死活問題になっちゃいそう……。
「まあ、下級貴族はメイドを寮に連れて行く余裕はないので任意なんですけどね」
「なるほどね……」
「それで、レオ様専屬メイドなのですが……」
「ああ、そういえばどうするの? アメリーさんがやってくれるの?」
「いえ、私はメイド長ですから。家から離れて學校で働くことは出來ません」
「そうだよね……それで、僕の専屬メイドはどんな人?」
「今から連れて來ますね」
「う、うん」
これから、ずっと俺の傍にいるメイドさんか……。
なんか、張するな……。
それから、しばらくしてアメリーさんが一人のの子を連れて來た。
「この子がレオ様の専屬メイドになるベルです」
「よ、よろしくお願いします!」
そう言って、ワタワタしながら挨拶をするメイドに俺は息を呑んだ。
なぜなら……紹介されたメイドの耳が獣耳(犬耳)なのだ!
よく見ると尾もあるぞ……。
つまりこの子は……かの有名な獣人だ!
「レオ様、そんなにの子をジロジロ見るのはダメですよ」
「あ、ごめんなさい」
言われて気がついたが、俺が黙ってずっと見ていたので凄く怖がられてしまったようだ。
「でも、レオ様が気にったようなので良かったです。頑張って調べた甲斐がありました」
「え? 何を調べたの?」
「それは、レオ様がどんなメイドが好みかについてです」
「そんなの俺も知らないぞ!?」
何を調べたらわかるの?
もしかして、俺よりも高能な鑑定のスキルを持っていたりしない?
「私も全く分からなかったのですが、魔導師様のところにいるメイド長が勇者様は獣人の専屬メイドを凄く気にっていたから、勇者様に似ているレオくんもきっと獣人が好きなはずと教えてくれました」
「え? うちに獣人のメイドなんていたっけ?」
俺の記憶では、家にいたのは全員人族だったはずだぞ?
「その方は、レオ様が産まれる十年前くらいに引退されました」
「そうなんだ~俺はじいちゃんと似ているのか……」
確かに、前世から來たじいちゃんは俺と同じで獣人を見ればテンションが上がっちゃうかも……。
あの獣耳、後でりたいなー。
「はい、レオ様もいつか英雄になるかもしれませんね」
英雄か……。
俺が英雄になってしまうような事件や災害が起こりませんように。
「ありがとう。それと、ベル、これからよろしくね」
「は、はい! よ、よろしくお願いします」
やっぱり、ワタワタしてる。
可いな……。
うん~。
「ベルって、何歳?」
とても大人には見えないぞ?
「えっと……十才です」
「え? 俺とほぼ変わらないじゃん」
働いていても大丈夫なのか?
「それも心配しなくても大丈夫ですよ。この國は十才から働くことは出來ますし、レオ様が寮にるまでには私が完璧なメイドに鍛えておきますので」
「う、うん。まあ、よろしく」
まあ、あと二年はあるから心配する必要はないか……。
「はい。それじゃあ、一通り説明も終わったのでサムの所に行ってください」
「う、うん」
本當にどんな話があるんだ?
この前、何故か舌なめずりをしていたからな……。
それから、俺は不安な気持ちを抑えながら廚房にった。
「サムさん、來たよ」
「あ、レオ様。よく來てくださいました」
部下たちと料理をしていたサムが俺の聲に気がついて、近づいて來た。
「そ、それで……話したい事って何?」
俺は、恐る恐る聞いてみる
「単刀直に言わせて頂きます。どうか、どうか、ドラゴンのを料理させてください!」
そう言って、サムさんは一生のお願い並みに頼んできた。
ドラゴンの?
「え? なんだそんなこと? それなら、次來た時にでも大量にあげるよ」
何に使っていいかわからなかったし、たくさんあるからどうすればいいのか悩んでいたんだよね。
どうやら、この前の舌なめずりは俺では無く、ドラゴンのだったらしい。
そんなことなら、すぐに言ってくれれば良かったのにな……。
「ほ、本當ですか!? もう俺、一生レオ様に盡くします!」
「あ、ありがとう」
やっぱり、一生のお願いだったらしい。
そんなに、ドラゴンのは味しいのか?
「それでは、次の引っ越し祝いのパーティーで最高のドラゴン料理を出させて貰います!」
「そういえば、そんなパーティーがあったな……うん、ドラゴンの料理を楽しみにしておくよ」
最近、パーティーが多いな。
「はい。料理人生をかけた料理を出させて貰うので楽しみにしてください!」
「う、うん。楽しみにしておくよ」
なんか、サムの気迫が怖い……。
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