《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》救出

しばらく馬車を走らせ、漸ようやく城に到著した。

城の門には既に何人ものおじさんの部下と騎士達が待機していて、俺とシェリーを見つけると急いで駆け寄って來た。

俺は、おじさんの部下に荷臺に気を失った拐犯がいることを伝えて、運び出して貰った。

犯人たちが運ばれて行くのを眺めていると城から大きな聲が聞こえた。

「シェリア~」

聲のする方を見ると……。

そこにはシェリーのお母さん、皇妃様がこっちに向かって走っていた。

後ろから必死に皇帝が追っているのも見えた。

そして、皇妃様はシェリーに抱きついた。

「本當にごめんね。恐かったよね」

皇妃様はそう言いながら泣いていた。

邪魔しては悪いので離れた。

「お疲れ、大活躍だね」

だ、誰?

「おじさん……気配を隠して後ろから話しかけないでよ」

「ごめんごめん。今回はレオくんに任せてごめんね。僕たち大人の仕事なのに本當に不甲斐ないよ」

「いいっていいって。僕が勝手に探し出しただけだから」

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「そうか……それでも本當にありがとう。姫様が無事で何よりだよ」

「うん、本當に無事で良かったよ……。それと、今日はもう帰っていいかな? なんか、安心したら眠くなってきた」

「ああ、もう日が昇って來る時間だ。子供なら寢ている時間だから眠いはずだよ。帰るんだったら姫様に一言ってから帰りなよ。それと、明日……じゃなくて今日、起きたら學校に行かないでそのまま城に來てよ。いろいろ聞きたいことがあるから」

「わかった。それじゃあ、シェリーの所に行ってくる」

「いってらっしゃい」

シェリーの所に行くと……

既に皇妃様は泣き止んでいて、シェリーと皇帝の三人で話していた。

「あ、レオ君。この度は、娘を助けてくれて本當にありがとう」

俺が近づいてきたのを気がついた皇帝が深々と頭を下げた。

「っちょ! 頭をあげてください! 僕がシェリーを助けたくて助けただけですから」

俺は慌てて皇帝に頭をあげてもらう。

「いや、娘の命の恩人に頭を下げるなんて當たり前だ。本當に謝する」

「は、はい……。そ、それじゃあ、僕は一旦、寢に帰らせて貰います」

「おお、そうか。それなら城に泊まっていきなさい」

「え?」

城に泊まる?

城って、俺なんかが泊っていいの?

「なに、どうせ起きたらすぐに城に來なくては行けないんだ。それなら泊まった方が楽だろう?」

「は、はい……。それじゃあ、お言葉に甘えて……」

とりあえず眠いから早く寢たい。

「よし、それじゃあ中にるぞ!」

皇帝は俺の肩をがっちり組んで中に案してくれた。

《それからしばらくして》

ザバ~~ン

「ふう、やっぱり風呂は気持ち良いの」

「はい、そうですね」

皇帝に城に案されるなり、風呂にるように言われた。

戦闘で汚れたで寢るのも申し訳ないので、風呂にらせてもらった。

そしたら、皇帝もって來た。

今はそんな狀況だ。

「・・・」

どうしよう……何か話さないと。

「えっと……」

「レオ君」

「は、はい?」

「娘のことは頼んだぞ」

「へ?」

た、たのんだ?

「まあ、大事に育て過ぎて我が儘で気難しいところもあるだろうがこれからもよろしくな」

「は、はい……」

これからもいつも通りによろしくってことかな?

「シェリアはな……アシュレイとの間でやっと出來た子供なんだ……」

「そうなんですか……」

「ああ、なかなか産まれなくてな。シェリーを籠ったのがわかった時のアシュレイの喜びようは凄かった」

「なるほど……」

「逆にメリッサはあの時からおかしくなってしまったな。今まで自分の子供が皇帝になるのが確実だったのが……それを脅かす存在が出てきたと思ったんだろうよ」

そうだったんだ……。

こういうのはどう反応していいかわかんないな……。

「あ、そういえばクリフさんは今どうしているんですか?」

クリフさんなら、ちゃんと自首しに來たはず。

「クリフならもう寢ているんじゃないか? とりあえず話だけ聞いて、処罰はシェリーが見つかってからすることにした」

「なるほど……それで……どんな処罰をするのですか?」

なるべく軽い罰にしてしいな……。

「いや、するつもりはない。今回の罪は今のところ全てメリッサにある。クリフについては自首したから、無かったことにしようと思う」

「本當ですか!? それは良かった......」

「ただ。罰を與えないのも良くないから、人パーティーまで謹慎で自分の部屋から出ないということにしようかな」

まあ、それぐらいの罰ならいいかな。

「それと、だいたい落ち著いたらレオ君に褒を與えないとな」

「え? この前貰ったばかりなのにいいんですか?」

ほんの數カ月前に貰ったばかりだぞ?

「ああ、功績をあげた奴には褒を與えないといけないからな。ただ、こんな頻度で貰う奴なんて初めてなんじゃないかな」

「そうでしょうね……」

そんなり上がり貴族がいたら伝説になってるよ。

「まあ、そんなことでよろしくな」

そう言って、皇帝は風呂から出て行った。

まあ、今回も斷れそうにないな……。

「ふう、疲れたし寢るか」

俺はしリラックスしてから風呂から上がった。

その後、城で働くメイドに泊まる部屋に案され、そのまま寢た。

寢る頃には、外がし明るかった。

<約8時間後>

「……ください……起きてください」

ああ、もう朝か……ベルか?

「んん~ん?」

重い瞼をこじ開けて、起き上がると見覚えのない場所だった。

そして……何かが重い……。

え? シェリー?

なんとシェリーが俺の上で寢ていた。

……どういうことだ?

あ、そうだ。

シェリーを助けた後に城に泊めて貰ったんだ。

でも、どうしてここにシェリーが寢ているんだ?

「おはようございます。レオンス様。晝食の用意が出來ております」

「う、うん。わかった。すぐに行くよ」

晝食? あ、そうか……もう晝なんだ……。

折角用意してもらったんだから行かないと。

って、シェリーはどうするの?

とりあえず起こすか……。

シェリーの肩を揺する。

「ん、うんん……」

「起きて、起きるんだシェリー」

「ん? レオ? そうだ、私寢ちゃったんだ……」

シェリーは眠そうに目をこすりながらを起こした。

「どうしてシェリーがここにいるの?」

「えっと……レオを起こして來るように言われて……來たんだけど……そのまま寢ちゃった」

「なるほどね。わかった。わざわざ起こしに來てくれてありがとう。それじゃあ、ご飯を食べに行こうか」

「うん、わかった」

と言いながらも、シェリーは首をコクコクしていて今にも寢そうだ。

「ほら行くよ」

仕方が無いので、俺はシェリーの手を引きながら晝食に向かった……。

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