《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》次期皇帝

シェリーを救出して約一ヶ月が経った。

あれから、クリフさんのお母さんがすぐに見つかり、おじさん達は忍び屋のアジト探しで忙しそうだ。

それと、クリフさんの人パーティーに向けてたくさんの人々が帝都に集まって來た。

各地の有力貴族や教國と王國の使者。

いや、王國は今回、お斷りしたんだった。

あちらも、自國の騎士が捕まっているので何も言えずに承諾した。

俺はと言うと、この一ヶ月間は特に何も無かった。

毎日學校に通うだけ。

それだけだった。

何か変わったこと言えば、學校生活だろう。

シェリーに人が集まらなくなった。

あれだけ學校で話すことが難しかったシェリーが今では余裕で話せる。

理由はいろいろあるのだろうが、シェリーに皇位継承権が無くなったと思われているのだろう。

この前の拐事件について皇帝は箝口令かんこうれいを出した。

が、やはり貴族の間ですぐに噂となって広まってしまった。

ただ、その噂というのがあやふやで

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どうやらシェリーが拐されたらしくフォースター家が救出したらしい……。

けど、まだ拐した犯人は捕まっていないみたいだ。

これを聞いた貴族は、シェリーに継承権は無くなったとじたみたいだ。

シェリーはだ。

拐されれば、今回は無かったみたいだが……。

まあ、もしかしたらよからぬことをされていただろう。

そうなってしまうと清らかなでないのは次期皇帝にふさわしくないと言われてしまうそうだ。

実際に、貴族の間では政略結婚で婚約が結ばれていたのが、娘が拐されたことによって破棄されたことが多々あるみたいだ。

しかし、今回のような犯人がクリフさんの母親だった場合はどうなるのだろうか?

やっぱり皇帝の判斷なのかな?

そんな不確定な噂で貴族たちはシェリーにを売るのをやめて、クリフさんの陣営にを売り始めた。

當の本人は、やっと靜かな學校生活が送れると喜んでいた。

それに、シェリー的には皇帝になりたくないみたいだ。

まあ、俺がいるし、子だけでいる時はリーナやリーナの友達と仲良くしているみたいだから寂しくはないだろう。

それと、俺とシェリーの婚約問題なのだが……

シェリーに教えられた時から何もない。

シェリーは何も口に出さないし、

皇帝はここのところ忙しそうで聞くに聞けないしで全くどうなったのかわからない。

そんなこんなで一ヶ月が過ぎ、俺はパーティー會場にいる。

クリフさんの人パーティーだ。

早めに來たつもりだったが、既にたくさんの人で會場が埋めつくされていた。

「人多いね。こんな大規模なパーティーは初めてだ」

「私でも數回しかないわ」

「私は今の皇帝が人した時以來です」

會場にった時にアレックス兄さん、ばあちゃん、母さんが會場の人だかりを見てこんなことを話していた。

今回はフォースター家+聖+リーナで會場に來た。

と言っても、それぞれ話し相手を見つけてすぐにバラバラになってしまったけどね。

俺は、リーナと二人で會場を散策していた。

「あ、レオ!」

歩いていると人ごみの中からフランクが出てきた。

「あ、フランク」

「やあ、今日は會えたね。この前のレオのお兄さんのパーティーの時には探しても見つからなかったから良かったよ」

「そうだったの?」

そういえば俺、あの時ドラゴンのを食べるの夢中になっていたな。

それに、途中からパーティーにいなかったし……。

今思い出してみると全く兄さんのこと祝っていなかったな。

ごめん兄さん。

それからし時間が経ち、漸く主役のクリフさんがって來た。

「あの人が次期皇帝か」

フランクがクリフさんを見ながら呟いた。

「次期皇帝と決まったわけではないよ」

「そうだけど、みんなそう言っているよ。ここ最近、外に出ていなかったのもそのためなんじゃないかって言われてるし」

いや、クリフさんが外に出ていなかったのは他の理由なんだけど。

「どうなんだろうね」

「シェリーは皇帝になりたくないと言っていましたよ」

「継承を拒否することって出來るのか?」

「さあ。でも、本人がそう言っているならやっぱり決まりだね」

三人で會話をしていると皇帝が貴族たちの前に出てきた。

「今日は、息子のクリフの為にこれだけ多くの人が集まってくれたことを謝する。

こんなどうでもいい挨拶よりも、皆が早く知りたくてたまらことがあると思う。

だが、その前に聞いてしいことがある。

ここ最近、巷では私の娘のシェリアが拐されたのではと噂されているが……これは事実だ」

これを來ていた貴族たちがざわざわし始める。

「犯人はクリフの母親であるメリッサだ。

は既に捕まえられて牢屋の中だ」

貴族がもっと騒がしくなった。

「噓だろ……」

「これからどうするんだ……」

などなど頭を抱えている人がいた。

何かクリフさんの母親と黒い繋がりでもあったのかな?

「それでだ……次期皇帝が誰になるのかを発表しようと思う」

しーん

會場が靜まり返った。

「次期皇帝は、クリフだ」

「え?」

「どういうことだ?」

「どうしてだ?」

皇帝の発表に、貴族たちが一瞬で騒がしくなった。

「靜かに! クリフは今回の拐には関わっていなかった。

それに、母親の悪事を知ったらすぐに自首してきた。

私は、その正義を信じて皇帝になって貰うことにした。

その分、本人はこれまで以上に正義を持って行してもらわないと困るがな。

それと、これから皇帝になるまでクリフには監視を付ける。

これで問題は無いだろう?」

そう言って、皇帝はクリフさんに目を向けた。

すると、クリフさんは一歩前に出て頭を下げた。

「これから、自分の罪を償う為にも全國民の為、懸命に働きます。

者ですがよろしくお願いします」

クリフさんの挨拶が終わると、所々で拍手が聞こえ始め全に広まった。

そして、拍手が終わると皇帝がまた前に出てきた。

「それともう一つ、皆に伝えて起きたことがある。

実は、シェリアがレオンス・フォースターと婚約することが決まった。

レオンスはこれまで二度大きな功績を殘したが、今回の拐事件解決も彼の功績だ。

正式な褒はまた今度発表することになる。

私からは以上だ。それでは、パーティーを楽しんでくれ」

皇帝の話が終わるとさっそく貴族たちがざわざわと騒がしくなった。

「くそ……また、フォースター家か」

「確か、まだ十歳にもなっていないよな?」

などなど、俺について話し始めた。

貴族の頭の中からクリフさんのことは飛んで行ってしまったみたいだ。

流石だな……。

関心してしまうが……

「ねえ、どういうこと?」

「私、二人が婚約すること聞いていませんよ!」

隣にいた二人ががっしりと肩を摑んで問いただしてきた。

これは俺がめんどくさい。

それからパーティーの間、二人の尋問は続いた。

SIDE:???

「それで、結果を聞きましょうか」

「はい……やはり、勇者は死んでいました。それと……能力者と思わしき人の殺害は失敗しました」

「そう……それで? 彼、レオンス・フォースターは能力者だったの?」

「はい、間違いありません」

「そうですか……こんなことはずっとなかったのに……もう帰っていいわ。

重要なことがわかったから今・回・は許してあげる。

次からは失敗しないことよアレン」

「わかりました。それでは……」

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