《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》婚約騒②
「ふう、恥ずかしかった……」
現在、同級生からの痛い視線から逃れ、家に向かって馬車に乗っている。
「あの雰囲気は凄かったですね」
「本當よ! あれじゃあ、ここのところようやく楽に學校でレオと會話が出來るようになったのに、恥ずかしくて出來ないじゃない」
「まあまあ、しばらくしたら皆飽きて特に何もしなくなるよ」
「そうかな~?」
「人ってそんなもんだよ。新しいには敏だけど、慣れてくるとそこまで何かしようとは思わないよ」
「ふ~ん」
「そういえば、やっと今日、二人とまともに喋れた」
「ああ、言われてみればそうでしたね」
「確かに、二人で話しているのに夢中でレオと話すのを忘れていたわ」
「ええ? それだけ? 俺がどうやって話しかけようか悩んでいたのが馬鹿みたいじゃん」
あれだけ深刻に悩んでいたのに……二人は『ああ、そういえば』程度かよ……。
「それはすみません。二人でさくせ、いえ、お話をする事に夢中になっていました」
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「そうだったんだ……二人とも凄く真剣に話していたよね? どんなことを話していたの?」
「ふふ、ガールズトークですよ」
「へ、へ~ そうなんだ~」
容は教えてくれないみたいだ。
リーナの笑顔がそれ以上聞くなと警告している気がする……。
「あ、レオくんの家に到著したみたいですよ」
「う、うん。降りようか」
*****
現在、俺たちは部屋でグダグダしている。
特に誰も話し出さず、それぞれゴロゴロしている。
リーナもシェリーも既に何度も俺の部屋に來ているので、遠慮なく好きな場所でくつろいでいた。
ただ、ゴロゴロしながらも俺の心中はくつろげていなかった。
今日、授業中に考えていたことをどう実行しようかずっと考えていた。
いや、考えていたというより、実行するタイミングを窺うかがっていた。
つまり、いつでも出來るけど、実行する勇気が出ないのだ……。
しばらく、ゴロゴロとしながら気持ちを整え、俺は立ち上がった。
「ふう……。二人ともちょっといい?」
「うん、何?」
「はい、何でしょうか?」
「これから創造魔法を使うから見ていてくれない?」
「いいけど……何を造るの?」
「この前の拐事件を踏まえて、急時に二人の居場所がわかるようなアイテムを造ろうと思ってね」
「それは嬉しいけど……私たちだけじゃなくてレオがいる場所もわかるようにして」
「う、うん。わかった。それじゃあ、三つ同じアイテムを造るよ」
俺のも造るのは予定外だけど、大丈夫だろ。
「三人でお揃いですか? 嬉しいです!」
「造る前から喜んでもらえて僕も嬉しいよ」
リュックから、素材を出していく。
魔石×3、ミスリル、レッドドラゴンの鱗、ダンジョンで手にれた寶石。
「うわ~どれも綺麗ですね」
「うん、綺麗なを選んだからね」
魔石も今持っている中でもたくさん魔力がっている三つを選んだ。
「どんなが出來るのか楽しみね」
「うん、楽しみにしてて。それじゃあ……」
そう言って、素材たちに創造魔法を使う。
すると……素材たちが混ざって、り、出來上がった。
完したものは……指。
赤く輝いた三つの指だ。
予定外に自分にも造ってしまったが、これは……そう、婚約指だ。
俺らしく、プロポーズは創造魔法に頼ることにした。
「二人とも……大好きだ。俺と結婚してくれ」
完した二つの指を二人に差し出しながら、頭を下げた。
「え? あ、うん。け、結婚する」
シェリーは顔を赤くしながらけ取ってくれた。
リーナの顔を見ると……し戸った顔をしていた。
「わ、私もですか? いいんですか?」
「うん。リーナにもこれからずっと傍にいてしい」
これは、噓じゃない。
本當に、リーナには傍にいてしい。
「は、はい。こちらこそお願いします」
そう言って、俺の手から指をけ取ってくれた。
リーナの目には涙が溜まっていた。
「よかった~~」
安心して、その場に座り込んだ。
「二人とも本當にごめんね。シェリーには、なあなあになる前に俺から告白するべきだったし、リーナにもしっかりと俺の気持ちを伝えないといけなかったよ」
「そんなことを考えていたんだ……」
「うん、今日やっと気づいてね……。どうしてもっと早く気がつかなかったんだろう」
「いえ、告白して貰えただけで凄く幸せです」
「そう言って貰えると嬉しいよ。ありがとう」
(ただ、私の計畫が沒になってしまったのは殘念でしたけどね)
「ん、なんか言った?」
ぼそぼそっと何か聞こえた気が……。
「いえ、何も言っていませんよ。そんなことより貰った指を指にはめてもいいですか?」
「そうだ。折角だからレオにやって貰おうよ!」
「いいですね。レオくん、お願いしてもいいですか?」
なんか、リーナに無理やり話題を変えられた気がするけど……今はそんなことはどうでもいいか。
「う、うん。大丈夫だよ。二人とも指を出して」
「「はい」」
俺は二人から指をけ取り、それぞれが出した手の薬指に指をはめ込んだ。
「あ、折角三人でお揃いなんだからレオも早く著けてよ」
「はいよ」
俺も一つ余った指を自分の指にはめた。
「ふふ、これでお揃いだね」
三人は自分たちの指を見ながら嬉しそうに笑った。
「うん、お揃いだね……。あ、そういえば、この指がどんな能力なのか調べてなかった」
まだ鑑定をしていないことに気がついた。
早速鑑定する。
<幸福の指>
運の値を十倍
魔力を注ぐと他の幸福の指の位置がわかる
耐久抜群
創造者:レオンス・フォースター
おお、今回の鑑定結果は普通に嬉しいな。
特にヤバいと思うような容はなかったし、目的通りのが出來たし。
運が十倍されるのは凄いな……。
元々運が高かった三人だけど、もっと高くなるってことか。
そして、目的の位置が特定出來る機能。
どうやら、魔力を注げばいいみたいだ。
早速、指に魔力を注いでみた。
すると……手が二人の方向に引っ張られた。
「うおっとっと」
いきなり引っ張られたので、思わず前のめりになってそのまま倒れてしまった。
そして、シェリーとリーナも倒してしまった。
「ちょっ」
「きゃっ」
「ご、ごめん」
俺がシェリーとリーナの上に覆いかぶさる形になってしまった。。
「どうしたの? そんなにイチャイチャしたかったの?」
「そ、そういうわけじゃなくて、単純に転んだだけだから」
「またまた~ 今の狀況で転ぶ要素なんて無かったでしょ? 別に遠慮しないで甘えてくれて全く構わないんだからね!」
「う、うん。って、違う! 指に魔力を注いだらいきなり二人の方向に引っ張られて何も出來ずに倒れたんだよ」
「へ~ 魔力を注ぐと引っ張られるんだ……今日帰ったら試してみよう」
「うん、試してみて……って、リーナ大丈夫?」
會話に參加してこないと思ったら、俺に抱きついてに顔を埋めていた。
「は、はい。大丈夫です!」
俺に聲をかけられて慌てて顔をこっちに向けて答えたと思ったら、またすぐに戻った。
「あ、リーナだけずるい! 私も!」
「っちょ! え!?」
シェリーはリーナと同じ様に強く抱きしめて、俺のに顔をくっつけた。
完全にきがとれない……。
「ああ、幸せ~」
「はい、凄く幸せです~」
ただ、二人が嬉しそうなのでそのままにすることにした。
その後、今日一日いろいろと計畫を立てて疲れていた三人は、幸せに包まれて寢てしまった。
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