《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》魔法を求めて

「この度、我が國の王、シェリアを救出したことに謝として褒を與える。褒はレオンス・フォースターに子爵を敘爵し、シェリアとリアーナとの婚約を認める」

あれから約半年が経った。

俺は九才になり、あとしで一年生も終わりだ。

皇帝によってシェリーとリーナとの婚約が発表されてから、周りの目が凄かった。

俺は最年で子爵までり上がり姫様と婚約した羨ましい奴と有名になり、貴族の間では俺を知らない人はいない。

學校では、前までシェリーだったポジションが俺になった。

つまり、一日中同級生に囲われているのだ。

「私を側室に」

とか

「僕を配下に」

などなど

本當にうるさかった。

まあ、我慢できなくて

「側室も配下も募集してないから! これ以上うるさくするなら絶対に仲良くしないからな!」って言ったら

次の日から誰も近づかなくなったけどね。

そんなじで今は平和だ。

學校では、ヘルマンとフランクと一緒にいることが多い。

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シェリーとリーナとは、周りがうるさくて學校では朝のあいさつ程度しか話していない。

その分、放課後は俺の家で遊ぶことが習慣になっているけど。

毎日、特に何かやっているわけではなく、話したり、二人の魔法の特訓を手伝ったりしていた。

二人ともこの半年で無屬魔法を使いこなせるようになった。

それと、シェリーはおじさんに、リーナは聖にそれぞれ魔法を日々教わっているそうだ。

それぞれ、得意魔法がめきめきと上達しているみたいで今度果を見せてもらうことになった。

そんな二人を見て、俺も暇だし何か出來るようになりたいと思ってしまった今日。

俺は、帝都の商業區に來ている。

前から気になっていた魔法の調査をしようと思っている。

魔法とは、俺が造っている魔法アイテムとは似ているけど全く違うだ。

俺の造る魔法アイテムは、俺しか造れないし、魔石を補充する必要が無い。

それに対して、魔法は技があれば誰にでも作れるが、魔石を偶に取り換える必要がある。

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魔法は前世で言うところの電池でく便利道みたいなだ。

その例えだと魔石は電池みたいなかな。

お湯を沸かしたり、部屋を明るくしたり、この世界ではなくてはならないみたいだ。

そんな魔法の作り方を知らない俺は、どうせ暇なら覚えてしまおう!

……みたいなことを思って休日に一人で家から出てきた。

まあ、創造魔法が使えるんだから必要は無いんだけど……。

何かの役に立つかな……と、思ってね。

それに、暇つぶしが出來るし。

現在、俺は目的のお店の前にいる。

『フェルマー商會 本店』

フェルマー商會は魔法のトップシェアを誇っている。

俺の家に昔住んでいたのが、ここのトップ。

店の中には沢山の人がいて、繁盛しているのが簡単に見て取れた。

店にると綺麗なお姉さんが対応をしてくれた。

「いらっしゃいま……僕、お父さんとお母さんは?」

「いえ、一人で來ました」

「それじゃあ、何かおつかい? 何を頼まれたの?」

「いえ、特に何も……」

「それじゃあ帰ってね。お客様の邪魔になるから」

「え、っちょ、俺もおきゃく…………さまだから」

言い終わる前に外に出されてしまった。

「なんだよ……。話くらい聞いてくれてもいいじゃないか……」

「はあ、これからどうするかな……。この辺りに魔法を売っている他の店を探すか……」

ため息をつきながら商業區の散策を始めた。

「どこにも見當たらない!」

あっちこっち歩き回って探したが……それらしき店は無かった。

どうやら、フェルマー商會が強すぎて誰も帝都で魔法を売っていないみたいだ……。

「僕どうしたの? もしかして迷子?」

もしかして、聲大きかったかな?

心配して、若いが話しかけてきた。

「え? いえ違いますよ」

「それじゃあ、何が見當たらないのかな?」

「実は魔法を売っている店を探していまして」

「魔法? それならフェルマー商會があっちのわかりやすいところにあるわよ」

「いえ、フェルマー商會以外のお店を探しているんです」

「フェルマー商會以外? 他にあったかな……あ、ひとつあった! 商業區の端の小さな店ね。わかりづらい場所だから案してあげる」

マジで!?

「ほ、本當ですか? ありがとうございます!」

こうして、たぶん優しいお姉さんに案してもらうことになった。

まあ、仮にこのの人が拐目的でも俺なら大丈夫。

「ここよ。ほら、あの古びた小さい店」

が指した方向には……既に潰れてしまっていると言われても納得してしまうような薄汚れた店があった。

「あ、あれですか? わかりました……ありがとうございます」

あれ、本當に営業しているのか?

「いえいえ。それじゃあ」

俺が頭を下げるとはそう言って行ってしまった。

「よし、るか……。こんにちは!」

重い扉を押して中にった。

「んあ? なんだお前?」

中にると、いかにも職人と言われそうなひげを生やした厳ついおっさんが暇そうにしていた。

「え、えっと……魔法を見させてもらってもいいですか?」

「ん? 客か! おお、何ヶ月ぶりだったかな?」

「そ、そんなに客が來ていないんですか?」

何ヶ月って、よくやめようと思わないよな。

てか、生活はどうしているんだ?

「ああ、誰も來やしねえ。まあ、何とかなるだろ」

店主は俺の心配をよそに楽観的に言いのけた。

「そ、そうなんですか……」

ヤバいな……この店で買いするの大丈夫かな?

「皆、フェルマーのところに行っちまうけどな……お前はあっちじゃなくてここに來たんだ?」

「えっと……あそこに行ったら、子供だからって追い出されました」

「何!? たく……客を選ぶなんて大層なことを大商會様は……」

「えっと……魔法を見せて貰ってもいいですか?」

「おう。どんなを探しているんだ?」

「えっと……特に何かあるわけでは……」

「そうかい。それじゃあ好きに見ていくといい」

「ありがとうございます」

それじゃあ、見させてもらおうかな。

店に並んでいる商品を片っ端から見ていく、店の裝は外見と同じで汚く、ほこりだらけだ。

商品は雑に置かれていて、どんながあるのかよくわからない。

俺はほこりをはらいながら、目の前にあったを引っ張り出した。

「これは何ですか?」

黒々とした球を店主に見せながら聞いた。

「あ? これは……確か、闇魔法が使われていて、見ているだけで眠くなるってやつだな」

「へ? 魔法ってそんなことも出來るの? それじゃあ、これは?」

今度は白い球を取り出して聞いた。

「これは聖魔法が使われていて、見ているとリラックスできる」

「り、リラックス……他にこれは凄いぞって言える魔法はないの?」

「それじゃあ……これはどうだ? 雷魔法を使って、ったらビリってくる棒だ」

そう言って、店主が引っ張り出して先端がバチバチ言っている棒を見せてくれた。

「それ……何に使えるんですか?」

「えっと……そ、そうだ。マッサージなんかにどうだ? それと……出力をあげれば武にもなるぞ」

「ス、スタンガン……この店、ヤバいばかり置いてあるな……この箱は?」

「それは開けると……」

「うわ!」

「炎が飛び出すビックリ箱だ。今なら安くしてやるぞ」

「あ、危なかった……あとしで前髪が無くなっていたぞ……とんでもないビックリ箱だな……」

「それほどでも」

「ほめてないし!」

「他にも雷が飛び出したり、水が飛び出したりするのがあるぞ」

そう言って同じ様な箱をたくさん出してきた。

「うん、どれもいらないです。それと……この店が売れていない理由がわかってきた」

「いらないのか……やっと金がると思ったんだが……え? 売れていない理由? そんなもん、フェルマーのせいに決まっているだろうが」

「いえ、それもあると思いますが、それ以上にこの店がひど過ぎます」

「あ? 俺の店がひどいだと!?」

「はい。店が汚くて客がりづらい。中にっても商品がどんななのかがわからない。商品を試したら怪我人が出そう。これがひどい理由です」

「う、うう……。くそ……言い返せられね……」

自分でもわかっていたんだ。

「そこで、一つ提案が」

「なんだ?」

「僕に魔法の作り方を教えてくれませんか?」

「は? なんでだ? それが店の売り上げにどう関わる?」

店主は聲を荒げた。

「もし、教えてくれるなら……僕がこの店を変えてみせます」

「なるほどな……」

店主はニヤリと笑った。

「それで、僕に教えてくれますか?」

「そうだな……弟子か……うん……まあ、どうせ暇だし騙されたと思ってそれに乗ってやるか」

「いいんですか? ありがとうございます!」

「ああ、その代わり俺の指導は厳しいからな? 途中で逃げ出すなよ?」

「ご心配なく、スパルタ指導には慣れているので」

じいちゃんとばあちゃんに勝てるスパルタはないだろう。

「そうか。それじゃあ、明日は朝からここに來い」

「それが……學校があるので休みの日以外、午前中は無理なんです」

「學校? お前、歳いくつなんだ?」

「え? 九歳です」

「九歳で學校……ってことはお前、貴族か!?」

「そうですけど?」

何か問題でも?

「どうして貴族の子供が一人でこんなところをほっつき歩いているんだよ!」

「僕の家は緩いんで」

てか、俺が當主だしな。

「はあ? いったいどこの貴族だよ……そういえばまだ名前を聞いていなかったな。なんて言う?」

「あ、レオンス・フォースターです。レオと呼んでください」

言われてみれば名乗らずに教えを乞うのは失禮だったな。

「そうか……って、勇者の家じゃねえか! まあ、なんか納得だ……レオか……それじゃあ、俺はホラントだ。好きに呼べ」

「わかりました……ホラントさん……師匠!」

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