《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》師匠の店をどうにかしよう作戦②

大きな歓聲の中、二人の男が戦っていた。

片方は、大剣を片手で振り回していて、見るからに力自慢の大男。

もう片方は、細だが素早い剣が得意なイケメン。

両者の実力は拮抗していた。

そして、観客の応援も半々だった。

「ギガン! お前の馬鹿力であのムカつく顔をぶっ潰しちまえ!」

「シード様! あなたを信じてます」

主に男とで半々だ。

二人は、観客の聲援を浴びながらお互い一進一退の攻防が続いた。

ギガンが豪快に一発でも當たったら致命傷になる攻撃を繰り出す。

それをギリギリでシードが避けて、チマチマと小さい傷を與えていく。

ただ、何回か繰り返していくうちにシードが避け切れなくなってしまい……ギガンの大剣を剣でけてしまった。

そして……

バキン!

長い戦いの末、シードの剣が折れた。

ギガンはその隙を見逃さず、顔面を蹴り飛ばし、相手を倒した。

その瞬間、會場は野太い歓聲が響いた。

『ウオオオオオオオ』

「只今のギガン対シードの結果、ギガンの馬鹿力が勝利!」

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『ウオオオオオオオ』

結果発表の結果を進行係が宣言するともう一度男達の聲が響いた。

「既に、もの凄い盛り上がりを見せているが……皆さんもご存知の通り、今日はもっと盛り上がる闘いがある!」

「それじゃあお待ちかね。今日のメインイベント、ワイバーン対帝國最強の男!」

「まず、先に登場しますのは、勇者なき今、この國、この世界で最強の男、ダミアン・フォースタ〜〜!」

紹介の聲と共に、おじさんが手を挙げながら場して來た。

會場の反応は

「やっちまえダミアン!」

「きゃ~こっち向いて!」

共に人気だった。

流石おじさんだな。

「次に登場しますのは、この世界で最強と名高いドラゴンの次に強いとされる魔、ワイバ〜〜ン!」

アナウンスと共に、騎士たちに無理やり引っ張られながら、しっかりと拘束されたワイバーンがって來た。

拘束されていても、ワイバーンには狂気をじてしまう。

「お、恐ろしいな……」

「おいおい、あれを倒せるのか……」

観客は思っていたよりも大きくて兇暴なワイバーンの姿形を見て、恐怖した。

「おお、もうしで始まるな」

「なんとか出來ましたね。準備は想像をはるかに超える程大変でしたけど」

現在、俺と師匠はわざと最後列で観戦していた。

俺たちが観たいのは観客だ。

「ああ、お疲れ。まさかワイバーンが出て來るとは思わなかったよ」

「本當、まさかですよ……あれを捕まえるのがどれほど面倒だったか……」

本當にあれは苦労した。

皇帝も本當に無茶を言うよ。

「あれって面倒で済むような相手なのか……?」

「倒すのは簡単なんですけどね……捕まえるとなると本當に疲れましたよ」

「そ、そうか……最近気がついたんだが……お前って化けなんだな」

「そ、そんなことないですよ! この世界にはもっと強い人がたくさんいますから!えっと……魔王とか魔王とか……魔王とか」

「魔王しかいねえじゃねか! まあ、そんな事よりもお前の叔父さんの雄姿を見屆けようじゃないか」

「そうですね……まあ、おじさんならワイバーンくらい大したことないと思いますよ」

「お前、ワイバーンだぞ?」

「まあ、ワイバーンですから」

ワイバーンなんて、ドラゴンと比べたら蟻と象ぐらいの差があるよ?

「そ、そうか……勇者の家系は一般人の覚と全く別なんだな」

「こ、今回は師匠の発明品がありますから!」

「そうだな。って、アイディアはお前だけどな」

「細かいことはいいじゃないですか。今日、功したら明日から忙しくなりますよ」

「そうなるといいな」

なる。いや、ならないと困る。

今回の苦労が無駄になるから忙しくなってもらわないと困るよ……。

そんなことを考えながら、おじさんの方に目を向けた。

「両者、準備が出來たようだ! それじゃあ、數年に一度にあるかどうかのこのビックイベントが始まるぞ!」

『ウオオオオオ』

「ワイバーンの拘束が外れた瞬間が始まりの合図だ。一瞬で終わるかもしれないからお前ら、絶対に見逃すな!」

その言葉と共に、ワイバーンの近くにいた騎士たちが一目散に逃げて行った。

シーン

バッキン!

會場が靜まり変える中、ワイバーンの拘束が派手に外れた。

それと同時に、おじさんが剣を抜いた。

すると、靜まりかえっていた會場が急に騒がしくなった。

「な、なんだあの剣は? あれが勇者様の聖剣なのか?」

「いや、聖剣は孫のレオンス様に渡ったって聞いたから違うだろう。あれは魔剣だ」

皆、おじさんの剣に興味津々だった。

それも當然だろう……。

なぜなら、おじさんの剣がバチバチと派手に電気を帯びているからだ。

皆、魔剣だと勘違いしているみたいだけど……

もうそろそろ仕込みが働くはず。

「いやいや、あれは魔剣ではないぞ」

「え? あれは魔剣じゃない?」

「ああ、あれは明日から営業が始まる、戦闘専門の魔法屋で特別な魔法らしいぞ」

「あ、あれが魔法? 噓だろ? 本當なら……俺、明日朝一で買いに行こう」

「でも、見た目だけかもしれないだろ? そもそも、あんな派手な剣でワイバーンを切れるのか?」

「まあ、見ていなよ。あれの凄さがわかるから」

「うんうん、予定通り仕込みが働いているな」

そこそこ高い金を払ったんだから働いてもらわないと。

「イケメンが持つと様になるな。作った俺でもしくなってくるぞ」

確かに、おじさんが持つと凄くかっこよく見えるな。

イケメンは金になると……。

「まあ、あの剣の凄いところはこれからですよ」

まあ、作った本人だから知っていると思うけど。

SIDE:ダミアン

『グギャア~~~~~~~!』

「うるさいな~さっさと襲って來てよ。僕が圧勝しても観客はつまらないんだから」

その言葉が通じたのかどうかは、わからないが、ワイバーンは前足の鋭い爪で攻撃してきた。

ガキン!

「くぅ……本當にレオくんは無茶を言うよ。ワイバーンの攻撃を剣でけ止めてくれなんて……」

『ウオオオオオオ』

「おお、盛り上がったみたいだな。それはありがたい。ほら、どんどん攻撃してよ」

『グギャ~~』

ガキン!

ガキン!

ガキン!

「もうそろそろいいかな……それにしても凄いな……この剣。魔力はそこそこ必要だけど、これまでの剣と能が桁違いだ」

あれだけワイバーンからの攻撃をけたにも関わらず、刃が欠けることすらない。

これが魔法の力か……。

レオくんに貰った剣にしていると

ワイバーンが攻撃を當てられないことに苛立ち、思いっきりを回転させて尾を當ててきた。

「流石にこれはけられないな……」

スパン!

「切れちゃうから」

『ウオオオオオオ』

「お、また盛り上がった。もうそろそろ……って、ヤバい急いで倒さないと」

なんと、尾を切られて完全にキレたワイバーンはブレスを放とうとしていた。

「それは流石に危ないって、観客に怪我人が出たらどうするのさ」

ブス!

頭の上から剣をぶっ刺した。

「それじゃあ、お休み」

ビリ、ビリビリビリ!

「ふう、任務完了と」

SIDE:レオンス

「うんうん、流石おじさん」

「ああ、お前の言った通りだったな。ワイバーンがかわいそうに思えたぞ」

「そ、そうですか? 一方的な試合の方が帝國の強さを示す事が出來ると思ったんですけど。ギリギリの闘いが見たいなら、今度はドラゴンでやります?」

「さ、流石にドラゴンはダメだろう……観客に死人が出るぞ? それと、帝國の強さってどういうことだ?」

「確かにそうですね……ああ、帝國の強さというのは、ここのところ帝國での事件が多いから、ここで帝國の強いところを見せて安心させましょうと俺が提案してこうなりました」

「そうだったのか……って、この企畫……確か皇帝主催だったよな? お前、皇帝に提案できるのかよ」

「まあ、コネですね」

「そ、そうか……流石公爵家のボンボンだ」

「それほどでも。それにしても、明日は思ったよりも忙しくなりますよ」

「うん? どうした?」

「思ったよりもおじさんが魅せてくれたから皆、あの剣がしくなっちゃったみたいですね」

會場のいたるところで

「明日の朝一で買いに行くぞ」

「いや、もう今から店の前に並んでいてもいいんじゃないか?」

「いったいいくらするんだ? あれは相當高いだろう……」

などなど

剣をどうやって手にれるのか話し合っていた。

「みたいだな。客がり切らないんじゃないか?」

「それは明日が楽しみですね」

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