《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》師匠の店をどうにかしよう作戦④
「レオ様、レオ様! 起きてください! 朝ですよ」
んん……ベルの聲が聞こえる……もう朝か……。
「うんん……まだ早いよ」
「何を言っているんだすか! レオ様がこの時間に起こしてって言ったんじゃないですか!」
「そうだっけ……? うんん……」
まだ早いよ……寢てたいな……。
「何を寢ぼけているんですか! 今日はお師匠さんのお店の手伝いをするんじゃないですか?」
「そ、そうだった……起きないと……」
瞼をりながら起き上がる。
「レオ様は相変わらず朝が弱いですね」
「うん……昨日は早く寢たんだけどな……」
今日は大変だからって、夜更かしはしなかったはずなんだけど……眠い。
そんなことを考えながら、俺は自分の部屋から出た。
「おはようございます。既にお店にはたくさんの人が集まっているようですよ」
部屋から出るとエリックさんが待機していて、店の狀況を教えてくれた。
「やっぱり……それじゃあ、急がないと」
けど、眠いな……。
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眠気と戦いながら急いで朝食を取る。
それから三十分程度して、支度は終わった。
「それじゃあ、行ってきます」
そう言って、俺は師匠の店に転移した。
「師匠! 來ましたよ!」
俺が挨拶をすると師匠は作業部屋から出てきた。
「おお、來たか。もう外は大変なことになっているぞ」
「みたいですね」
外を見てみると……
「おい! まだかよ!」
「こっちは昨日から待っているんだよ。早くしてくれ!」
などと言いながらドアをどんどん叩いていた。
「早くしないと店が壊されそうだな」
「仕方が無いですね。早めに開店しましょうか」
「ああ、それじゃあ。頼んだ」
「僕が開けるんですか?」
外に出たら危ないよ?
「そうだ。俺より強いお前の方が適任だろ? 頼んだ」
「わかりました……あ、そうだ! 整理券を作りましょうか」
いいことを思いついた!
「整理券?」
「はい。番號の札を渡して、その順番で商品を選べるというです」
そうすれば、なんとか人數制限を出來るかな。
「それはいいな。それじゃあ、よろしく頼む」
「わかりました」
そう言って、俺は籠とその中に番號が書かれた札を創造した。
「相変わらずその魔法は便利だな」
「そうですね。それじゃあ、これを配って來ます」
「おう、頼んだぞ」
ガチャ
「おお、開いたぞ!」
「ちょっと待ってください! 今から説明しますから!」
外に出ると視界が人で埋め盡くされた。
開いた瞬間にろうとしていてみたいだが、なんとか抑えることに功した。
「すみません。うちの店は小さく、この人數分の商品は無いため、買いが出來る人數を百人までに絞らせてもらいます。それと、今からこの札を前にいる人から順に渡していきますので、け取ってください」
そう言って、俺は札を近くにいる人に渡した。
「なんだこれは?」
「これは、書かれている順番に買いが出來るというですよ。一から百まであります」
「ああ、そういうことか。そうやって店を規制するんだな?」
「まあ、そうですね。このまま始めても列の後ろの方の人は何も買うことが出來ません。お客様の貴重な時間を無駄にはしたくありませんので、こういう形で店を規制させて頂きます」
「わかった。それじゃあ、貰ったらっていいのか?」
し落ち著けって。どんだけしいんだよ。
「まあ、待ってください。店の中が大変狹くなっているので、最初に中にれるのは五人までにしてください。僕がこれを配り終わったら導しますのでしばしお待ちを」
「ああ、わかった」
「あとしでれるってことだな」
それから百枚配り終わり、札を貰っていない人は謝って帰らせた。
これだけで、三十分は費やした。
「それじゃあ、開店します。まず、先に言っておきますが目玉商品の剣は一日五本限定なので、そこら辺はご注意ください」
「何? これまで待たされて買えないのかよ。それはないぜ~」
「まあまあ、この店の売りは剣だけではありませんから。それを買えるのも一日百人限定なんですから」
「そ、そうか……剣は無理みたいだが……他の商品だけでも見させて貰うか」
人は限定という言葉に弱い。
「ご理解ありがとうございます。それじゃあ、一から五の方! 札を持って店にってくださ~い」
「いや~ 昨日から並んでいて良かった。それじゃあ、目玉商品を見させて貰おうかな~」
「やっとれる~」
「なんとかご主人様に剣が屆けられそうだ」
「どんな剣なのか楽しみだ」
「あの剣を」
五人は嬉しそうに店にった。
「いらっしゃい。お目當てはこれだろ?」
師匠はって來た五人に五本の剣を見せた。
能は違うが、おじさんが使っていた剣と見た目が同じだ。
『うお~~』
五人は剣を見るなり、聲をそろえて嘆した。
「それじゃあ、一本金貨五枚だ」
「た、高いが……思っていたよりは安いな……」
「あの能を考えたらもっと高くてもいいくらいだ」
そんなことを言いながら、五人は考えもせずにすぐに払った。
「高めに設定したつもりだったんだけどな……」
だって、前世だったら約百萬円だよ?
し値上げしようかな……。
「毎度あり! それじゃあ、剣の説明を始めさせてもらうぞ。この剣は普通の魔法に比べてたくさん魔力を食う。だから、戦闘などで使う時は多めに魔石を持っておけ」
「一つ質問」
五人のうちの一人が手を挙げた。
「なんだ?」
「使う魔石の屬は?」
「好きなを使っていいぞ」
「好きな? ということは何でも大丈夫ってことか?」
「ああ、その代わり、使う魔石の屬によって効果が変わるぞ」
「どういうことだ?」
「簡単だ。炎なら炎、氷なら氷って、使うことができる魔法が変わるってことだ」
「なるほど……それは面白いな……いろいろと試してみよう」
「それじゃあ、次が待っているから外で試しな」
五人を店から出し、すぐに次の客を部屋にれた。
「はい、五人ずつでお願いします。商品は一人二つまでです」
「やっとだ……さて、どんな魔法があるかな~」
「二つまでか……しっかり考えて買わないとな」
ぞろぞろと、また店に人がって行く。
「おお、これは雷魔法を纏うことが出來る棒か。これは護用にいい武になりそうだ」
「うおお! びっくりした! こんなビックリ箱見たことがねえ。これを買ってあいつに試してみるか。ククク……」
「この球はなんだ? なになに、これを見ているだけでリラックスできる? 睡眠にお困りの方にお勧め? おお、そんなまで作れてしまうのか!? これは是非とも買わせてもらおう」
皆、この店の魔法に驚いてくれていた。
剣以外の魔法もちゃんと買ってくれるみたいでよかったよかった。
「はい、合計銀貨十三枚」
「はいよ」
「毎度あり!」
「次の人どうぞ!」
《二時間後》
「「ありがとうございました」」
最後の客が帰って行った。
「疲れた~ これを二人で毎日って無理じゃない? しかも明日から師匠一人でやるしかないですよ」
凄い稼げるけどこれはきついって。
「確かにな……まあ、それは置いといて。早く終わったことだし、とりあえずお疲れ會でもするか」
「おお、いいですね。やりましょう!」
「それじゃあ、俺の行きつけの店に連れてってやるよ」
「いいんですか? ありがとうございます」
「おう、好きなだけ食っていいぞ」
「流石師匠! 太っ腹!」
やったー!
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