《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》初仕事

勉強會を始めて約一週間が経った。

ヘルマンの果はまだわからないが、フランクの魔力は急激に長した。

ここ最近、フランクは暇さえあればの魔力を循環させている。

授業中にやっていた時は驚いてしまったよ。

「そうか、こうやって暇潰しをすればよかったのか」ってね。

本人は、どんどん魔力が増えていくのが嬉しくて仕方なくて、つい夢中になってしまうそうだ。

うんうん、その気持ちわかるぞ。

そして、三年生初の休みの日になった。

今日の勉強會は休みにしている。

もちろん、理由は俺が冒険に出る為だ!

二人には、たまには休むことも重要だよとか適當なことを言っておいた。

まあ、二人とも一人で頑張れるとか言ってたんだけど。

そんなわけで現在、ベルとギルドの掲示板を眺めている。

「うん……やっぱり一番下のDクラスは簡単な依頼しかないな」

「仕方ないですよ。簡単なからコツコツこなしていくことで、強くなっていくんですから」

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「それもそうだね……じゃあ、今日はどれにしようかな……」

Dクラス向けの張り紙を確認していく。

『捜索を願う! 《キンバリー家の飼い貓》 報酬:銀貨二枚』

『屋敷の掃除 報酬:銀貨一枚』

『薬草を求む! 報酬:十枚につき銀貨一枚』

『犬の散歩 報酬:銅貨五十枚』

『草取り 報酬:銀貨一枚』

だいたい、銀貨一枚で二千円前後の価値がある。

どれも安い仕事ばかりだな。

「俺的には、薬草の依頼がいいと思うけどどう?」

「はい、私もそれで特に問題ないです」

「了解、それじゃあこれを付に持って行くか」

薬草の依頼を剝がして、付の列に並んだ。

「はい、薬草の依頼ですね。薬草を十枚、ギルドに持って來て頂ければ達です。場所は、帝都の西側の森に生えています。それと、薬草がどんななのかがわからないのでしたら、帝都を出る前に薬屋にて確認しておくことをお勧めします」

「わかりました」

付のお姉さんに會釈をしてから、ギルドを出た。

「ベルは薬草を見たことある?」

俺は、學校で習ったから知っているぞ。

「ありますよ。孤児院ではポーションを買うお金がなかったので」

「そうだったんだ。じゃあ、さっそく行こうか」

「わかりました」

それから、帝都の西門を出て森を探した。

ん? 辺り一面、何もないんだけど?

森なんて見當たらないぞ……。

「もしかしてあれ? なかなか遠いな……」

西側の方向には確かに森があるにはあったが、ギリギリ見えるくらいの遠さだった。

「仕方ないですよ。我慢して歩きましょう」

「そうだな……他の依頼よりも報酬が高いわけだ」

往復するだけで半日かかってしまいそうだもんな。

よし、さっさと森に向かうか。

そうだ、一緒に歩くよりベルを抱っこして走った方が速いよね?

うん、そうしよう。

「しっかりつかまっててね」

「え? キャ! 何しているんですか!?」

不意に持ち上げられたからか、珍しくベルが可い悲鳴を上げてくれた。

「こうして俺が走った方がすぐに著くでしょ?」

こんな距離歩いていたら、薬草を取っている時間がなくなっちゃうよ。

「そうですけど……」

ベルが何か言いたそうな顔をしていたが気にせず走り出した。

それから、二十分くらいで森に到著した。

ベルとゆっくり歩いていたら、あと數時間は森に著くことはなかったな。

「よし、著いたね。じゃあ早速、薬草を探すよ」

この短した時間を無駄にしないぞ。

「はい、たくさん見つかるといいですね」

「その心配は無用! 俺達には心強い味方がいるから大丈夫だよ」

「味方? 何かアイテムでもあるんですか?」

お、勘がいいね。

「うん、アンナがいればきっとたくさん見つかるよ」

何か探したいがある時は、やっぱりアンナだよね。

ベルに、俺の相棒のゴーグルを見せてあげた。

「そうですか……そのゴーグルに名前があったんですね」

「うん、これを著けると話しかけてくるんだ」

「え!? そのゴーグル、喋るんですか?」

そういえば、教えてなかったっけ。

「そうだよ。あ、そうだ、ベルが著けてみなよ」

「え、いいんですか?」

ベルが著けていても、アンナならしっかりと案してくれるでしょ。

「うん、著けたらアンナに薬草の場所を教えて貰って」

ベルにアンナを手渡した。

「わかりました……うわ! 本當に話しかけてきた」

ゴーグルを著けると、さっそく話し掛けられたからか、辺りをキョロキョロしていた。

「それで、どこに生えているかわかった?」

「はい、こっちの方向にたくさん生えている場所があるそうです」

ベルが森の奧の方を指さして、教えてくれた。

「おお、流石アンナ! 頼りになる」

これで、冒険者としての初仕事は楽々達だな。

それから、三十分くらいして

「ねえ、まだなの?」

結構歩いたよ?

「あとしみたいです」

あとし? それ、さっきも聞いたぞ……。

「それにしても、こんな奧にっても大丈夫? 魔とか出て來たりしないの?」

ここ、魔とかいるよね?

「えっと……いるにはいるみたいですけど、レオ様なら問題ないそうです」

「そうなの? わかった」

まあ、俺が相手して問題がある様な魔がここにいたとしたら、今頃帝都は存在していないだろううけどね。

「あ、この辺りです。わ~本當にたくさん生えていますね」

ベルが止まったので、俺も辺りを見渡してみた。

すると、周りに生えている木の元にびっしりと薬草が生えていた。

うわ~本當にたくさんだ。

「流石アンナ。よし、いっぱい取るぞ!」

それから、薬草摘みが始まった。

葉っぱに傷を付けないよう慎重に薬草を取っていく。

そして、だいたい一時間くらいして、ようやく見える範囲にある薬草を取り切ることができた。

「ふう、これで終わりかな。じゃあ、帰りは歩くのも面倒だし、帝都の近くまで転移するか」

もう、歩くのも走るのも面倒だ。

「はい、お願いします。それにしても、たくさん取りましたね」

そう言って、俺が背負っている袋にベルが目を向けた。

大きな袋には、パンパンに薬草が詰まっている。

「うん、何枚あるのか楽しみだね。それじゃあ、転移するよ」

ベルの手を握って帝都付近に転移した。

「じゃあ、ギルドに向かうか」

帝都の近くに転移したことを確認してから、俺達はギルドに向かった。

それから、ギルドに到著すると、朝とは違いギルドの中はガラガラだった。

まあ、俺たちも転移を使わなければ帰って來るのにもっと時間がかかったわけだし、混みだすのはもっと遅い時間で、この時間帯は空いているのかな?

そんなことを考えながら、付のお姉さんに報告した。

「すみません。依頼を達したので確認して貰えませんか?」

「はい、それではカードを出してくださいね。えっと……薬草を採取してくる依頼ですよね?」

付のお姉さんは説明しながら、俺が差し出した袋を二度見していた。

俺の袋、何か変かな?

「はい、この袋の中にたくさんっているので確認して貰えますか?」

「え? あ、はい……ちょ、ちょっと待っていてくださいね……」

「わかりました。それじゃあ、よろしくお願いします」

俺が持っていた袋を抱えながら、付のお姉さんは奧にって行ってしまった。

たぶん、この奧で枚數を數える魔法とかがあるのだろ。

「はあ!? 何だこの枚數は? これを二人だけで持って來ただと? いったいどこのどいつだ!」

ん? 何か大きな怒鳴り聲が聞こえた気がしたけど……うん、きっと気のせいだ。

そんなことを考えていると、奧から白髪じりのおじいさんが出てきた。

「薬草を取って來たのはお前たち……ああ、そういうことか。失禮しました。おい、さっさと枚數を數えて報酬をお渡ししろ!」

出てきたと思ったら、俺の顔を見るなりそう言って奧に戻って行ってしまった。

「あいつ、レオンス様じゃねえか。そう、あの有名な勇者様のお孫さんだ。ああ、お忍びだろうよ!」

あの……さっきより聲が小さいからコソコソ話しているつもりなんだろうけど……全部聞こえてますよ?

てか、俺の顔をなんで知ってるの!?

「それと、あの二人のランクを上げてしまえ。なに、薬草二百枚以上あるんだから、既定の依頼二十回を達したと考えれば文句なしだろ? ああ、本當はダメだが、バレなければ大丈夫だろ。ほら、さっさと行ってこい」

だから聞こえているんだって。

不正がバレているぞ……。

「お、お待たせしてすみませんでした。これが今回の報酬、銀貨三十一枚です。ご確認ください」

おお、三百枚もあったのか。

それに、銀貨三十一枚、約六萬二千円も儲けてしまったようだ。

何に使おうかな~。

そんなことを考えながら、銀貨の枚數を確認した。

「はい、大丈夫です」

「わかりました。あ、それと今回、依頼二十回以上分を達したことになりましたので、ランクが上がることになりました。おめでとうございます!」

うん、今さっき聞いたよ。

「ですので、明日からはCランクの依頼をけてください」

「はい、わかりました」

まさか、こんな簡単にランクが上がってしまうとは……

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