《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》努力の果
今日は、クラス替えテストだ。
クラス替えテストは三年生最後の日に行い、四年生の初日に結果が張り出される。
気がついたら、今日になってしまった。
フランクに魔法を、ヘルマンに勉強を、ベルに格闘を教えていたらあっという間の一年だった。
それぞれ、ちゃんと長してくれた。
フランクの魔法は、シェリー程とまでは言えないが、それに近い魔法技を手にれたんじゃないかな?
ヘルマンは、この一年間必死に頑張ったおかげで、後半から急激に長した。
今なら、俺がどんな問題を出しても答えられるだろう。
ベルの格闘は、毎日しの時間だけしか教えていなかったけど、オーク一くらいなら倒せるようになったと思う。
まあ、ベルの格闘は置いといて、今日のテストでフランクとヘルマンの果が試される。
フランクは心配してないけど、ヘルマンが出來るか心配だな……。
俺が予想していないような問題が出たら諦めるしかないな。
一時間目は算數だ。
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解いてみたじ、三年生の初めにけた抜き打ちテストと難易度は変わらないかな?
うん、このレベルならヘルマンでも高得點が取れるだろう。
「師匠! 全問解くことが出來ました!」
案の定、テストが終わったらヘルマンが嬉しそうに駆け寄って來た。
「おお、やった! けど、まだ始まったばかりだから気を抜いたらダメだぞ」
「そうですよね。気をつけます! よし、次の剣も頑張るぞ!」
元気だな……前回とは大違いだ。
二時間目は剣の試験。
「今回も、ここにいる先生たちが相手して貰って點數をつけて貰え。それと、レオとヘルマンはこの試験は免除だ。この時間は休んでいろ」
「え? いいんですか?」
「ああ、お前たちが満點を取ることはわかり切ったことだからな。それと、これに異議がある奴は遠慮なく言ってくれ。そこの二人に勝つことが出來たら満點をあげるぞ」
俺とヘルマンを指さしながら先生が聞くと、皆は勢いよく首を橫に振った。
「そんなに俺たちとやるのが嫌か?」
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「當たり前だろ? お前たちとやるより、先生に相手して貰った方がまだ満點の可能があるからな」
「な、なるほど……」
まあ、余計な力を使わなくて済んだしいいか。
「そんな~」
ヘルマンとしては、気分転換がなくなってしまったから殘念かもしれないけど。
それから、皆の試験を見學するようなことはせず、ヘルマンとこれからのテストに向けたおさらいをしていた。
フランクは見ようと思っていたんだけど……気がついたら終わっていた。
本人が言うには、去年よりは上手く戦えたとか。
まあ、大丈夫だろ。
三時間目は歴史だ。
どうやって帝國は建國された?
初代皇帝は誰か?
勇者の功績は?
などの帝國についての問題が出題された。
うん、どれも予想通りの問題だ。
これならヘルマンでも大丈夫。
四時間目は國語
語を読んで問題に答える方式だ。
こればかりは対策が出來なかったから、とにかくヘルマンに本を読ませて読解力をつけて貰った。
ヘルマンの苦手科目であり、この教科が出來ればヘルマンはAクラスにはれるだろう。
そして、問題の五時間目……魔法だ。
ヘルマンは実技が出來ない分、筆記で満點近く取らないといけない。
だから、ヘルマンには徹底的に魔法の理念、理論、魔法陣の方式などを教えた。
おかげで、どんな問題が出されても満點を取れるまでに仕上がった。
あとは、ヘルマンがケアレスミスをしないことを願うだけだ。
そして、実技の時間。
「今回のテスト方式は前回と変えさせて貰います」
ヘロンダス先生に代わって、この一年間魔法を教えてくれた若いの先生……リーズ先生が皆の前でテストについて説明していた。
リーズ先生は、前任の男とは違って生徒思いの素晴らしい先生だ。
魔力がない人、屬に恵まれなかった人にも、丁寧に魔法を教えていた。
それに、俺とヘルマンが授業中に無屬魔法を使って鍛錬をしているところを見たら、俺に無屬魔法を教えてしいと土下座をする勢いで頼んできた。
何でも、屬に恵まれない人にも魔法を教えられるようになりたいらしい。
もちろん、教えてあげたよ。
まあ、その話はまた今度。
それより、今はテストだ。
「今回のテストは、何をしてもいいので自分の魔法をアピールしてください。遠いところから魔法を的に當てるのもよし、大きな魔法を見せるのもよし、自分の得意なことを先生に見せてください」
おお、なんだか凄いな。
この方法なら屬に関わらず、公平な採點が出來る。
無屬魔法はもちろん、聖魔法とか非戦闘系の屬を持っている人たちは嬉しいんじゃないかな?
「それじゃあ、シェリアさんから順番によろしくお願いします」
「わかりました。それじゃあ……これはどうでしょうか?」
そう言って、シェリーが両手を広げた。
すると……
シェリーの周りに電気、水、氷の塊がたくさん発生した。
そして、様々な方向に散らばった。
シェリーの魔法たちは意思を持ったかのように飛び回っていた。
ヘロンダス先生も初めての授業で同じようなことをしていたけど、あんなもの比べにならない。
ヘロンダス先生は、風魔法で無理やり水をかしていただけだけど、シェリーは魔力作だけで魔法を自由に、しかも複數もかしている。
これは流石に俺でも真似できないな……魔力作のレベルが違い過ぎる。
たぶん、レベル7か8にはなっているはず……。
相當頑張ったんだろうな。
心の中で。シェリーを褒めていると、魔法たちは綺麗に的の中心に當たって消えた。
「俺……この後にやらないといけないの?」
隣からボソッと暗い聲が聞こえたけど……ドンマイとしか言いようがないな。うん。
「つ、次はフランクくん」
先生もシェリーの魔法に圧倒されていたが、気がついて次のフランクの名前を呼んだ。
「……はい」
フランクは、的の前に立つと手に先の尖がった金屬の塊を造った。
造ったと思ったら……的からパアン! と大きな破壊音が聞こえた。
的の方を見ると跡形も無く々になっており、フランクの手に視線を戻すと金屬の塊は無くなっていた。
「よし、功だ」
皆が驚いている中、フランクが嬉しそうにガッツポーズをした。
これは、魔力作を使って空気抵抗がない形にして、限界までスピードを上げた結果だ。
うん、頑張って練習した甲斐があったな。
「つ、次は……レオンスくん」
あ、俺の番だ。
「何をしよう……」
前の二人が凄かったからな……。
「あ、いいこと思いついた」
これなら、二人を見た後の皆も驚くだろう。
俺は地面に手をついて、創造魔法を使った。
何を創造するかというと、ここにいる全員の等大フィギュア。
皆の隣に生やすように造った。
「うお!」
「きゃあ!」
よし、皆驚いてくれたいだな。
先生も驚きつつ、自分のフィギアをまじまじと見ていた。
「こ、これを全てレオくんが?」
「はい」
凄いでしょ?
「そうですか……えっと……わかりました。次の人の邪魔になってしまうので、申し訳ないのですが元の床に戻してもらえますか?」
「あ、はい」
おっといけない、早く戻さないと。
それから、皆それぞれ魔法を自分なりにアピールすることはなく、前回と同じ的に當てる方法で終わらせてしまい、早々とヘルマンの番になってしまった。
「それじゃあ、次はヘルマンくん。好きにアピールして」
「わかりました」
ヘルマンは、返事をするとボールを持ち、的に向かって思いっきり投げつけた。
投げられたボールは、目で追うことが出來ないような超スピードで的に當たって貫通し、後ろの壁が凹ませた。
ちなみに、ボールは他の人がやっている間に頼まれて俺が造っただ。
これを魔法と呼んでいいのかわからないけど、どう評価されるかは先生に期待しよう。
そして、最後のリーナになった。
リーナはいったい何をするんだろう?
シェリーがあれだけ目立っていたし、それなりに凄いことはしそうだけどな。
「それじゃあリアーナさん、よろしくお願いします」
「はい。えっと……先に皆さんに謝っておきます。ごめんなさい」
「え?」
「あれ? 急に眠気が……」
「眠くなってきた……」
先生がリーナの発言に首を傾げていると、一斉に皆が眠りだした。
俺とシェリーとヘルマン、フランクと先生以外は寢てしまった。
「ちょ!? 皆!? リアーナさん、あなたがやったの?」
「はい。先生以外のここにいる皆の眠気をってみました。四人には通じませんでしたけど」
そう言って、俺たちとシェリーのことを見てきた。
聖魔法ってこんなこと出來るの?
てか、魔法アイテムが無かったら俺たちも寢ていたんじゃないか?
凄いとしか言いようがないな……ちょっと怖いけど。
「えっと……起こすことは出來ますか?」
「そこまで強い魔法を使ってないので、トントンすれば起きるはずです」
「そ、そう……」
そう言って、先生は苦笑いをしていた。
先生にまで怖がられちゃってるじゃん。
それから、先生が皆を起こしてクラス分けテストは終了した。
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