《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》お寶探し①

「これが転移か……」

「本當に一瞬ね」

現在、俺たちはシェリーとリーナとベルを迎えに行ってから領地に帰って來たところだ。

イヴァン兄さんとユニスさんは初めての転移にしていた。

「ここは……どこですか?」

転移の存在も知らなかったフレアさんは驚いているというか、混しているけど。

「ここはミュルディーン領にある城の中だよ」

「ここがですか?」

まあ、信じられないよね。

「そうだよ。転移を使うと一瞬で移出來るんだ」

「本當に一瞬なんですね……」

「初めて転移をした時ってやっぱり驚くわよね」

「はい。本當に一瞬ですもんね」

驚いているフレアさんを見ながら、シェリーとリーナは懐かしんでいた。

「それじゃあ、エドワンさんを呼んで兄さんたちとフレアさんの部屋を用意して貰わないと」

それから、エドワンさんを呼び出し、兄さんたちを案してもらった。

その間、俺はシェリーたちと部屋でくつろいでいた。

「これで、しは不安要素が減ったかな」

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更にフィリベール家には恨みを買ってしまったかもしれないけど、金がない狀態じゃあ何も出來ないだろうから、心配ないだろ。

「本當に、良かったです。明日からはどうするんですか?」

リーナは心から嬉しそうにそう言いながら、俺に質問してきた。

明日からか……。

「とりあえず、ゴッツの家から金になるを全て取り出して、その金を元手に何かやりたいよね」

「なるほど。どのくらいゴッツが貯金していたかで、今後のきが変わってくると」

流石リーナ、わかっていますね。

本當、ゴッツがどれだけ貯金していたかによってこれからの行が変わってくる。

もしかすると、これから二カ月は金を稼ぐことを考えるだけで終わってしまうかもしれない。

「そうだね。とりあえず、明日にでもゴッツの家に行ってみるよ」

今後のことは、それから考えよう。

「私たちも行っていい?」

「今回は待っていてくれないか? 一応敵の家だし、何か罠が仕掛けられているかもしれないからね」

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それに、まだゴッツの使用人が屋敷には殘っているからね。

「わかったわ。おとなしくお留守番しているわ。あ、それじゃあ、モニターだけ置いて行って」

「モニター? ああ、そういうこと。いいよ」

あの盜撮ネズミを使えば、俺の様子を遠くからでも見ることが出來るからね。

シェリーは、それを使ってお寶探しの様子を見ていたいんだろう。

「やったー。お寶発見の瞬間を見守っているわ」

「そんなに期待しない方がいいと思うよ。あいつの腹を見たでしょ? 絶対、豪遊しちゃって、ほとんど金が殘っていないと思うんだよね」

どんなに遊んでも、使い切れないくらいの金を持っていたら別だけど。

まあ、期待しない方が後でガッカリしなくて済むだろう。

「え~~」

「まあ、仕方ないよ」

と言っても、期待しちゃうんだけどね。

《次の日》

「それじゃあ、行ってくるよ」

俺は、城を出る前の挨拶を皆にした。

皆は、俺の部屋でこれからの様子をモニター見守っていることになった。

ネズミは、俺の肩に乗っているから、俺目線で寶探しを楽しむことができるだろう。

「いってらっしゃい。楽しみにしてるわよ」

「無理しないでくださいね」

「レオ様、安全第一でお願いします」

シェリー、リーナ、ベルはそう言って、不安な顔をしていた。

「心配しなくても大丈夫だよ。レッドゴーレムもたくさん連れて行くから」

この前、城の警備の為に大量に造ったら作り過ぎちゃって、まだたくさんリュックの中で眠っているんだよね。

「そうですか……わかりました」

俺が持っているゴーレムの數を知っているリーナは、し不安な顔が和らいだ。

「本當に、レオ様自ら行かれるのですか? 私は、騎士たちに行かせた方がいいと思います」

何も知らないフレアさんは、まだ不安のようだ。

まあ、普通の貴族は、わざわざ危ないところに行かないよな。

「そんなことないよ。たぶん、俺が行くのが一番安全だと思うよ。それに、俺は騎士団を持っていないし」

そうだ、騎士団もどうにかしないとか……。

流石に、全員ゴーレムはダメだよな。

「そ、それでも……レオ様に何かあったら……」

うん……どう説得すればいいだろうか?

フレアさんは、本気で俺のことを心配してくれているだろうから強く言えないし……。

「フレア、心配ないよ。レオはこの中で一番強いからね。たぶん、隊長よりも強いよ」

俺が悩んでいると、兄さんが助けてくれた。

「そ、そうなんですか?」

フレアさんは、兄さんの言葉が信じられなくて俺に聞き返してきた。

「ま、まあ……。心配なら、そこにある映像を見ていてくださいよ。何事もなく、終らせてみせますから」

俺はそう言って、モニターを指さした。

「……わかりました」

フレアさんは何か言いたそうだったけど、それを飲み込んで承諾してくれた。

「ということで、行ってきます」

全員の承諾を得ることが出來たので、俺は部屋を出た。

まず、ゴッツの家付近に転移する。

それから、アンナの案を頼りにゴッツの家の前にたどり著いた。

「これがあいつの家? どこの貴族の豪邸だよ……。無駄に金を使いやがって……」

ゴッツの家は、帝都にある俺の家よりも広かった。

これだけで、そうとう無駄遣いしているのがわかった。

「それじゃあ、乗り込むか」

まずは、門番に友好的に話しかけた。

「すみません。ゴッツさんの家で間違いありませんか?」

「ああ、そうだ。何の要件だ?」

門番の男は、ぶっきらぼうに対応してきた。

まあ、今の俺の格好は冒険者の格好だから仕方ないんだけど。

「それはですね。こういう要件です」

仕方ないので、俺が書いた手紙を門番に渡した。

「なになに……この度、ゴッツ氏の橫領が見つかった為、ゴッツ氏の財産を差し押さえることになりました。レオンス・ミュルディーン」

「はあ? ゴッツ様が捕まった?」

片方の門番が手紙を読み上げると、驚いて俺に聞いてきた。

「はい、捕まりました。ということで、そこを退いて貰えませんか?」

俺は優しくお願いした。

「いや、お前みたいな子供が持って來たを信用できるか、帰れ」

門番は、そう言って手紙をビリビリに破いてしまった。

「え~~。ここは大人しく従った方がいいと思いますよ」

「従わなかったらなんだ? お前に何ができる?」

そんなことを言ってしまっていいのかな?

「こういうことができます」

俺は、リュックからレッドゴーレムを二出した。

「な、なんだ……それは……」

門番は、急に現れたゴーレムを見て腰を抜かしてしまった。

「どうします? 早く決めて貰えないと、無理やり中にりますよ?」

今度は、脅しながら頼んでみた。

レッドゴーレムが門番に近づいて行く。

「わ、わかりました。ど、どうぞ……」

門番は、腰を抜かしながら、門を開けてくれた。

「うん。正直でよろしい。それじゃあ、他に誰もらないように見張っていてね」

そう言って、俺は門番二人と外の監視の為にゴーレム二をそのまま置いといた。

「それじゃあ、隠されてしまう前に急いで見つけるか」

そんなことを言いながら、レッドゴーレムを無駄に広い庭に並べていく。

たぶん、五十以上はいると思う。

「二一組でくこと。抵抗しない限り、ここで働いている人には手を出さないこと。もし、何かしてきたら、縛るなりして殺さずに無力化すること。金目のは見つけ次第、この庭に持って來ること。あと、何か問題があったらすぐに俺に連絡すること。以上のことを守って、これから行して下さい。それじゃあ、スタート」

ゴーレム達は俺の命令を聞き終わると、屋敷に向かって一斉にきだした。

「俺も向かうか。アンナ、よろしく」

そう言って、俺はアンナに話しかけた。

(了解しました。金庫までの道案を開始します)

アンナがそう言うと、ゴーグルに矢印が現れた。

(おお、流石アンナ。金庫の位置までわかるんだ)

アンナに心しつつ、屋敷の中に突すると、メイドさんたちが驚いた顔をしていた。

何も知らないだろうから、急にたくさんの人がって來て怖いだろうな。

「すみません。大人しくしていてください。全てが終わったら説明しますので」

そんなことを繰り返し言いながら屋敷の中を走っていると、ある事に気がついた。

「この屋敷、メイドしかいない?」

走りながら隅々まで見ていたが、まだ執事や警備の兵士が見當たらなかった。

「もしかして……屋敷の中を自分以外にしてハーレムにしようとか考えていたのか?」

確か、好きって言われていたよな……。

「ヤバ……そこまでするか」

そんなことを言いつつ、屋敷一階の一番奧の部屋に辿り著いた。

「ここに金庫があるの? どこにも見當たらないけど?」

部屋の中心にベッドが置いてあり、あとは壁にの人が描かれた絵が飾られているだけの至って普通の寢室だった。

(いえ、絵をどかしてみてください)

「絵? わかった」

俺はアンナに言われた通りに、絵を壁から外してみた。

すると……そこには、鍵があった。

「これが金庫? 壁が金庫になってるの?」

それにしては、隨分と大きいような。

(いえ、違います。とりあえず、鍵を開けてください)

「どうやって? 今から鍵を探さないといけないの?」

(いえ、魔法アイテムを造ってしまってください)

「ああ、それなら問題ないか。ちょうど、リュックも持って來ているし」

そんなことを言いながら、俺はリュックから魔石とミスリルを取り出した。

そして、そのまま創造魔法を使った。

出來たは……

<萬能キー>

どんな鍵になることもできる

にこれをさせば最適な鍵の形になり、簡単に解錠することが出來る

創造者:レオンス・ミュルディーン

また、便利なが出來てしまったな。

悪用はしないようにしよう。

「それじゃあ、開けますか」

俺は、萬能キーを挿し込み回した。

すると、カチャという音がして何かが開いた音がした。

「何も変わらないけど?」

鍵は開いたのに、壁はうんともすんともしない。

(いえ、変わりましたよ。ベッドの橫を見てください)

「ベッドの橫? うわ、がある」

振り返ると、何故かベッドの橫に大きなが開いていた。

(そこから地下に行けます)

そう言われてを覗いてみると……下に続く階段があった。

「なるほど……隠し部屋になっているのか……」

(はい。この下に金庫があります)

「無駄に金をかけ過ぎだろ。防犯意識が高すぎ」

まあ、良からぬ金をどうにかして隠す為だろうけど。

暗かったからワナテラスをリュックから取り出して、階段を下りて行くと……扉が二つある部屋に出て來た。

「これ、どっちに金庫があるの?」

(金庫は右側の部屋にあります)

右か。左には何があるんだろう?

後で行ってみるか。

「じゃあ、とりあえず右に行ってみるか」

俺は右側の扉を開けて、奧の部屋にった。

すると……部屋の一面に大きな金屬製の扉があった。

「うわ~大きな金庫だな。これで、中がしょぼかったらあいつを毆りに行こうかな」

そんなことを言いつつ金庫に近づくと、ダイヤルが四つあった。

「これ、暗証番號だよな……。ゴッツから聞き出さないといけないといけないな……」

また城に戻らないといけないのか?

面倒だな……。

(大丈夫です。私がわかります。全て7です)

と、思ったらアンナが簡単に教えてくれた。

「え? そうなの? てか、全部7って……」

ここに來るまで厳重だったのに、最後で臺無しだな。

「7、7、7、7と……。お、開いた。あいつ、馬鹿だな……」

そんなことを言いながら重い金庫の扉を開いた。

すると……

「ヤバ。どんだけ貯めこんでいたんだよ……」

金庫の中は、金貨や見るからに凄く高価なお寶などが敷き詰められていた。

「あいつ、この金を使って何をしようとしていたんだ? まあ、今日から俺のになるから許してやるけど。とりあえず、このお寶はここに置いておくか。金庫をどうにかすれば、ここに置いておくのが一番安全だし」

これを全部リュックにれるわけにもいかないからね。

俺みたいにアンナがいなかったら、隠し部屋の存在もわからないだろうし。

後で、ゴッツから隠し部屋の鍵は沒収しないと。

(そうですね。金庫は改造してしまいましょう)

「うん。わかった」

魔石を取り出して、金庫に創造魔法をかけた。

そして、出來たは……

<セーフティー金庫>

何があってもあなたのお寶を守ってみせます

認証を突破しない限り、この金庫を開けることはできません

創造者:レオンス・ミュルディーン

「おお、これで問題ないな」

(はい、大丈夫です。試しに開けてみてください。金庫にれば生認証が始まります)

おお、なるほど。

「わかった。やってみる」

アンナに言われた通りに金庫にってみた。

すると『生認証完了。レオンス・ミュルディーン様で間違いございません』と言って、金庫が開いた。

「なるほどね。これなら、大丈夫そうだ。じゃあ、他の部屋を見ていくか。あ、そういえば、さっきの左側の扉の向こうに行ってみるか」

俺のお寶探しはまだ続く……

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