《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》危険な違法奴隷①

「ただいまー」

俺の部屋に転移すると、シェリーたちがモニターの前で固まっていた。

俺が帰って來たのに気がつくと、すぐに振り返って飛びついて來た。

「おかえりなさい。無事で良かったわ。凄い場所だったわね」

「本當、凄い場所だったよ。広いし、人が多いし、危ないが多いし、どうやったら潰すことが出來るのか……」

あれ、一つの街を壊滅させるよりも難しいぞ……。

「大変ですね……。私も何か解決策を考えておきます」

「ありがとう。どうするのがいいんだろうね?」

本當、何をするべきなのかな……。

「レオ様、今日はこの辺にして休みましょう。疲れた中で考えてもいい案は浮かびませんよ」

俺が悩んでいると、ベルがそう言ってきた。

確かに、今日は休むとしようかな。

「うん、そうするよ」

俺は、それから風呂にゆっくりと浸かってを癒した。

《次の日》

昨日言っていた通り、招待狀が屆いた。

差し出し人は、クラークと書かれていた。

「これが例の奴隷商を経営する幹部からの招待ですか……」

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「そう。なんでも、この街の商業組合の會長もしているみたいで、その挨拶がしたいので是非來てくださいだって」

商業の街だし、商業組合の會長の所には挨拶しに行かないとダメだよな……。

斷る方向は無理だな。

「その容なら、行くしかないわね。で、レオは奴隷を買うの?」

「買わないよ。今、必要とは思っていないし、違法奴隷なんて買ったらダメだよ」

それに、あんなに危ないって言われるような奴隷を買う勇気は出ないよ。

「ですよね。でも、闇市街の勧を斷ったら、レオくんを殺そうとしませんか? 報を知ってしまったわけですし」

「まあ、そうだろうね。そしたら、それを口実に闇市街と戦うしかないね」

もしかすると、他に何も思いつかないし、直接対決が一番簡単かもしれないかもね。

「レオ様、危ないと思ったらすぐに逃げるんですよ」

ベルが俺達の會話を聞いて、心配そうに言ってきた。

「わかっているよ。何かあったら転移を使って逃げるよ」

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何もないのが一番いいんだけどね。でも、斷った俺をほっといてくれるわけないからな。

「それなら、いいのですが……」

「まあ、心配しなくても大丈夫だよ。今回は、あっちも俺のことを子供だと思って油斷しているだろうから、そこまで戦力を揃えてはいないと思うんだよね」

たぶん、逃げるくらいはできるだろう。

「レオ様も油斷したらダメですからね」

ベルがちょっと余裕ぶっている俺にくぎを刺した。

「わかっているよ。それじゃあ、行ってみるよ。何かあったら念話してね」

「はい。わかりました」

「それじゃあ!」

俺は転移しようとした。

「ちょっと待つんだレオ。護衛はどうするんだ? 流石に、レオが凄く強くて大丈夫でも護衛なしで挨拶に行くのはダメだろ」

あ、確かに、領主として行くんだから、もっとしっかりしないとね。

「それじゃあ、ゴーレムを二、俺の護衛にしておくよ」

あの赤い鎧が凄い威圧になるだろうから、もしかすると俺に危害を加えることを諦めてくれるかも。

「それなら、大丈夫か……。俺が行ってもいいんだぞ?」

「いや、兄さんはシェリーたちの護衛に専念して。これから、何が起こるのか全くわからないんだから。もしかすると、俺が斷ったらシェリーたちを人質にしようとするかもしれないんだから」

それをされるのが、一番困るんだよね。

「そ、そうか……」

「ということで、兄さんとユニスさんにシェリーたちを頼んだよ」

「任せなさい」

「ああ、何があっても守り通してみせるさ」

俺の言葉に、二人は力強く返事してくれた。

「うん、お願い。この城を警備しているゴーレムは、兄さんたちの命令を聞くようにしているから、必要になったら使って」

「ああ、わかった」

「あ、それと、結界玉を置いておくよ。これがあれば安心でしょ?」

そう言って、シェリーに結界玉を渡した。

これがあれば、アレンが相手でもシェリーたちの安全は守られるだろう。

「わかった。結界を張っておくわ。だから、私たちのことは心配しないでいいからね」

ちょっとは安心するけど、心配しないのは無理かな。

「うん、わかったよ。それじゃあ、行ってくるよ。何かあったらすぐに念話をするんだからね」

大事なことなので、念を押しておいた。

「わかりました。頑張って來てくださいね」

「うん。頑張ってくるよ」

そう言って、俺は部屋を出た。

それから馬車に乗り、ゴーレムと共に奴隷商のクラークの所に向かった。

奴隷商の前に馬車が止まり、馬車から降りると……店の中から一人の男が出て來た。

「はじめまして。クラークと申します。この店の店主と、この街の商業組合の會長を務めています。今回、招待狀を送ったその日のうちにいらしてくださり、ありがとうございます」

ああ、昨日話していたのはこの人だったな。

「こちらこそ、この街の商業について知りたいと思っていたのでありがたかったです」

もちろん、そんなことはこれぽっちも思ってないよ。

「そうですか。では、こちらへ」

店の中にると、応接室らしき場所へ案された。

「では、改めて自己紹介をさせて貰います。私の名前は、クラークと申します。奴隷商をしておりまして、貴族相手に高級な奴隷たちを扱っています。そして、この街の商業組合の會長を十年ほどやっております」

「そうなんですか。ちなみに、高級な奴隷とは、どのようななのですか?」

し奴隷に興味を持っているような雰囲気を出してみた。

「お、気になりますか?」

クラークはすぐに食いついてくれた。

「ちょっとね。僕の実家では奴隷がいなかったから、し気になっていたんだ」

「そうだったのですか。それではこの後、お話が終わったらこの店にいる奴隷を見て貰いながら、奴隷について説明しましょう」

その後に、例の奴隷を俺に売りつけようとか考えているんだろ?

「おお、それは助かる。それじゃあ、話を始めるか」

「はい。私がこの街について語るような形で大丈夫でしょうか?」

「うん、お願い」

「わかりました。それでは、語らせて貰います。この街は、商人の間で世界の中心と呼ばれています。その理由は、どこの首都に行くにしても、この街を通らないといけないからです。アルバー王國からベクター帝國、ガルム教國からベクター帝國はもちろんのこと。アルバー王國からガルム教國に向かうにしても、この街を通らないといけません」

「そうなの? アルバー王國とガルム教國って、隣同士だったよね?」

わざわざ、ここを通る必要がある?

「はい、そうです。ただ、間には大きな森があります」

「あ、そういえば」

本で地図を見た時に大きな森があったな。

「あの森を馬車などで荷を運びながら通り抜けるのは、非常に困難なのです。それなら、遠回りをしてでも、安全な道を通ることを選びます」

確かに、それはそうだな。

「なるほど……。続けて」

「はい。そんな、世界中の商人が集まるこの街には、世界中の特産品や珍しいが自然と集まります。そして、その商品を求めて、世界中の貴族や富豪たちがこの街に集まるのです」

知っていたけど、改めてこの街が凄いことを実した。

そりゃあ、ゴッツもあれだけの金を橫領できるよ。

「そうなんだ。で、この街にたくさんの金を落として貰えると……」

「そうなんです。それはもう、たくさんのお金を貴族の方々には使って貰えますよ」

「それは良かった。あ、それと、この街で改善してしいこととかない? 何をしようか悩んでいるんだよね」

まあ、クラークが言ったことは悪い人たちの得になりそうだから、絶対にやらないけどね。

「いえ、特には。私的には、この街が好きなので、このままがいいです」

「わかった。參考にするよ」

このままだと悪い奴らの得になるってことだから、絶対に変えてやらないとな。

「はい。ありがとうございます。それでは、話はこの辺にして、店の奴隷たちを見ていきませんか?」

気が早いな。まあ、意味のない話をここでずっとしていても時間の無駄だし、いいか。

「そうだね。お願いするよ」

「わかりました。それでは、案しましょう。この店は、高級奴隷の専門店です。貴族やお金持ちの方を相手に商売をさせて貰っています」

クラークは、俺を案しながら店の説明を始めた。

「へ~そうなんだ。奴隷は、どうやって仕れるの?」

「沒落寸前の貴族から買い取ったもの、様々な場所で開催される奴隷オークションで落札してきたものをここで売らせてもらっています」

「なるほど。どれも高そうだね」

「いえいえ。レオンス様なら、お手頃な価格ですよ」

「そうなの?」

まあ、そうだろうけど……。

そんなことを思いながら、適當に反応しておいた。

「はい。それでは、この店の奴隷を紹介しながら、どのぐらいの値段なのかも言っていきましょう」

「うん、お願い」

「では、一番グレードの低い奴隷から紹介していきましょう。こちらのお部屋です」

そう言って、案された部屋には牢屋があり、二十人くらいの奴隷が中にれられていた。

「こちらの奴隷たちは全て庶民の出でして、教養がそこまでありませんので、若干お手頃の価格で、金貨五枚から十枚ぐらいの値段です」

「ここで、一番下のグレードなんだ……。流石、高級奴隷の専門店なだけあるね」

エルシーさんくらいの値段の人が一番下って凄いね。

どの子も人だから、値段には納得だけど。

「ありがとうございます。奴隷の質の高さがうちの売りなので。それでは、次のグレードの部屋に行きましょう」

次の部屋も牢屋があったが、今度は個室式になっていた。

奴隷たちの見た目は、さっきの部屋にいた奴隷よりも大人しそうだった。

「この部屋は、この店の中でも優れた容姿や技を持っている奴隷の部屋です。お値段は、白金貨一枚から五枚となっております」

高いな……。でも、持っている技によっては妥當なのかもしれないしね。

とても、買う気にはならないけど。

「そうなんだ。確かに、さっきの部屋よりも綺麗な人が多いね。やっぱり、ここら辺が人気商品なの?」

「はい。このグレードが當店の中で真ん中くらいの値段となっていますので」

「やっぱり、この上があるんだ。そっちも見せてもらえる?」

早くこの奴隷紹介の時間を終わらせたいので、次に進んで貰うことにした。

どうせ、買わないんだからね。

「はい。こちらになっております」

次に案された部屋は……今までの部屋みたいな牢屋はなく、一つの広い部屋に三人の首を著けたがいた。

三人とも、先程までの奴隷とは確かに違かった。

「おい、三人とも、お客様に挨拶しろ」

クラークがそう言うと、三人は急いで俺の所に寄って來た。

「クレアと申します。十六歳です。特技は弦楽です」

最初に自己紹介したのは、凄く人なだった。

挨拶のきも、洗練されていてまるで貴族の令嬢に挨拶されたみたいだった。

「こいつは、元々侯爵家のお嬢様ですので、教養もしっかりしていて書にお勧めです」

あ、やっぱり元々貴族のお嬢様だったのか。

貴族生活から、急に奴隷生活を味わうのは辛いだろう。

「イルマと申します。特技は……弓が得意です」

次に自己紹介をしたのは、エルフの奴隷だった。

人間とは違ったしさを持っていて、高い値段なのも納得してしまう。

「こいつは、先週の奴隷オークションで手にれたエルフの奴隷です。エルフの奴隷は、すぐに売れてしまうので、気にったらすぐに言ってくださいね」

確かに、そうだろうね。

「リアです。十四歳、特技は走ることです」

最後は、獣人の奴隷だった。

これは俺好みだ。俗に言う狐娘だろう。

あのふさふさの尾をモフモフしたいな……。

(レオ様? どうしてそんなにその尾を見ているのですか?)

(す、すみません!)

俺がデレデレしていると、恐ろしい聲が頭の中で響いたので條件反で謝ってしまった。

ベルの聲だったような……。

「こいつも、先週の奴隷オークションで手にれた奴隷です。エルフの奴隷と同じで、獣人の奴隷もすぐに売れてしまうので、気にったのであればすぐに言ってください」

気にったけど……買ったら恐ろしいことになりそうだからやめておきます。

「どの子も素晴らしいね。流石、この店の最・高・級・の奴隷だね」

「いやいや、まだ最高級ではないですよ。もっと珍しい奴隷を今回、レオンス様のためにご用意しました」

お、やっぱり來たか。

「そうなの?」

わざとらしく演技してみた。

「はい。部下に連れて來させますので、一旦応接室に戻りましょう」

「うん、わかった」

さあ、これからが本番だな。

どんな奴隷が來るのか……凄く不安だな。

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