《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》鳥籠のお嬢様①
「わぁ、ちょっと向きを変えただけでこんなに変わるなんて吃驚~! さっすが桜さんだわぁ!」
「そ、そんなことないですよ。私なんてまだまだですッ」
厳しかった寒さもようやく和らいできた、三月を迎えたばかりのある午後のこと。
いつものようにやたらと広い和室の一室で、華道教室に通ってきた、花嫁修業中の若い生徒たちにじって、淡いパステルブルーの小紋にを包んだ天澤あまさわ桜は生け花に勤しんでいた。
今を遡ること江戸時代中期。當時の家元が世の中に生け花を広めたという、長い歴史を持つ、華道の流派である『清風せいふう』。桜は、清風の現在の家元、天澤弦げんの娘である。
華道教室での桜の役割は、家元である父と次期家元となる十歳離れた兄・愼しんのサポート役だ。
心がついたい頃から、絵本や玩よりも華道に興味を示し慣れ親しんできた。この春免狀を取得したばかりの師範の腕前を活かして、若い生徒の指導も擔っている。
今日も、三ヶ月ほど前から花嫁修業の一環としてお稽古に通い始めたという、優子ゆうこが味わい深い京焼の花に生けたばかりの花に手を加えながら談笑をえていた。
もうすぐ二十歳を迎えようとしている桜は、今年二十三歳になるのだという優子と歳が近いせいか、気が合い、こうして一緒に話していると時間なんてあっという間に過ぎてしまう。
何よりも華道に重きを置く両親の意向で、大學への進學を諦めざるを得なかった家事手伝いのである、外の世界を知らない桜にとっては、優子は友人のような存在でもあった。
こうして華道教室で生け花に勤しんでいる時間が、唯一心が安らげる時間だといってもいいかもしれない。
本來ならば、華道教室ではなく、家族と一緒に過ごす時間が心ともに安らげる癒しであるはずだが、殘念ながらそうではなかった。
なぜなら桜は、父が人に産ませた子供、いわゆる妾腹の子だったからだ。
記憶などないが、ちょうど今頃の季節、三つになろうとしていた頃に実の母親を病気で亡くしている。
寄りのなかった桜は、母を荼毘に付してすぐ、父親の元に引き取られたのだ。
以來、父の本妻であり、腹違いの兄の母親・薫かおるに家のことをすべて任せきりの父の代わりに、それはそれは厳しく育てられてきた。
『あなたには、いずれうちの家をもりたてるための、駒として役立って貰わなければいけませんから、しっかり習い事に進してくださいね』
  いつだったか、まだい桜に対して冷たく言い放った、継母である薫の言葉が今も耳にこびりついている。
実の父である弦は、華道の家元として華道教室だけでなくカルチャースクールなどの講師としてたくさんの生徒を相手にしているだけあって、溫厚で腰もらかく、とても優しい人だ。
けれども人との間にもうけた桜のことを、いくら引き取り手がなかったとはいえ、前家元の指示により引き取ったという、薫に対しての負い目があるせいか、桜にはどこかよそよそしいところがあった。
それは昔も今も変わらない。
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