《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》ヤクザと政略結婚⁉㉑*

募りに募っていた憤りを口にしたことで、桜は開き直った心地になってくる。涙なんて引っ込んでしまっていた。

ーーもう、こうなったら、恥ずかしいなんて言ってられない。

「何でもしますから教えてください。どうやったら尊さんに『抱きたい』って思ってもらえますか?」

「こんなにも俺のことを煽っておいて、思い違いもいいとこだ」

「ーーへッ!?」

しきりの桜の元に、ようやく事態を把握した尊の至極呆れたような聲が屆くも、まったく予想外なものばかりで、呆気に取られすぎて、裏返った聲で聞き返すのがやっとだった。

そんな桜の言葉など完全にスルーした尊は、端正な相貌に妖艶な微笑を湛えて、口端を吊り上げ。

「さっきも言ったよな。自分の言葉には責任をとってもらうって」

   し前にもされた言葉の再確認をしてくる。

ーーこ、この雰囲気……。なんか嫌な予がするんですけど。

そうは思いつつも、もう後には引けないし、引く気もない。

桜は、尊の切れ長の雙眸を真っ直ぐ見據え潔く言い放った。

「はい。言いました。もちろんそのつもりです」

直後、満足そうに眇めた瞳で桜のことを見遣った尊がゾクゾクするような香を孕んだ重低音を轟かせる。

「だったら今から、コイツをこんなにした責任をたっぷりととってもらう。泣こうが喚こうが知らないからな」

「ーーヒャッ!?」

全てを言い切るよりも早く、猛々しく存在をアピールしてくる『コイツ』の様を目の當たりにし直した桜のを軽々ヒョイと姫抱きにしてしまう。

思わず桜が短い悲鳴を上げるも、尊は構わず腳をズンズン進めていく。

パウダールームで用意しておいたバスタオルで桜を包むと、そのまま向かった寢室のベッドへと橫たえられ、あっという間に組み敷かれていた。

因みに、お互いまだ髪は洗っていなかったので髪を乾かす必要はない。

條件反桜が瞼をギュッと閉ざし、尊の出方を待っているところへ、尊から思いの外優しい低い聲音が降ってくる。

「お前は自分が思ってる以上に、としての魅力が充分あるから安心しろ。ソレを今から嫌と言うほどたっぷり教えてやる。いいな?」

その言葉がこれまた意外すぎて驚きを隠せない。

同時に、好きな人から、そんな風に言ってもらえて、嬉しくてどうしようもない。

   しばかり傲慢な口吻でも、も気にならない。

目を見開いた桜は、激の余り泣きそうになるのをぐっと堪えしっかりと頷いてみせる。

するとやっぱり満足そうに切れ長の雙眸を眇めた尊がそうっと覆い被さってくる。

   ーーいよいよなんだ。

   桜のは高鳴り、喜びと期待ではち切れてしまいそうだ。

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