《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》極道の妻として①
政略結婚ではあるが、尊と正式な夫婦となってから、早いもので一月が経とうとしている。
思いの外濃厚な初夜を過ごした翌日と変わらず、尊は絵に描いたようなスパダリぶりを発揮し続けていた。
夜の夫婦生活のほうは初夜同様、一度や二度では収まりがつかないようで、何度も求められてしまい、お決まりのように、桜が意識を失うことで終わりを迎えるのがデフォとなりつつあった。
多忙だった尊の仕事のほうも、結婚準備のために前倒しでしていたのもあり、隨分と落ち著いてきているらしい。
終業後、會食などが特にない日などは、十八時に上がり、十九時をまわった頃には帰宅するようになった。
とくれば、さぞかし楽しい新婚生活を送っているのだろうと思われるかもしれないが、あいにくそうではない。
なぜなら、尊の仕事が落ち著いてくるのとれ替わるようにして、桜の仕事が忙しくなってしまったからだ。
結婚する前から決まっていた、ハッピーフラワープロジェクトの一環としての、簡単なフラワーアレンジメントの畫撮影に、PRのためのCMの撮影、専門誌をはじめとする雑誌の取材などなど。桜は分刻みのスケジュールを粛々としていた。
ゆえに、帰宅は尊より遅くなることもしばしば。遅いときには二十一時をまわってしまうこともあった。
尊はそういうことも見越していたらしく、桜の負擔にならないように、家事はハウスキーパーを雇ってくれている。
おで、掃除や洗濯といった家事に手を取られることはなかったし、桜が帰宅すると、あたたかく出迎えてくれる尊だけでなく、もれなく味しい料理もついてくるという贅沢なオマケつきだ。
それはとても有り難いことなのだが、桜としては、夫である尊のために得意な料理を振る舞いたかったというのが本音だ。
けれど平日勤めの尊とは違い、プロジェクト関連のイベントごとなどの監修や華道の講師として休日に招かれることの多い桜には、そういう時間を捻出するのが困難な有様だった。
そんな新婚生活の最中 、七月を目前に控えた六月の下旬。今日は朝から梅雨獨特の分厚い雨雲に覆われた仄暗い空は、しとしとと細い雨を絶えず降らせている。
そんな日にも関係なく、スタジオのなかは眩い照明のが降り注いでおり、たくさんのスタッフらの活気のある聲で満たされていた。
その傍らには、結婚前と変わらず、世話係兼護衛のヤスとヒサの姿もある。
「桜さん。今度は花に手を添えたままで、目線だけこっちに向けて、畫面の向こうの視聴者ににっこりと笑顔を振り撒くイメージでお願いします」
「……あっ、はい。こ、こんなじでいいでしょうか?」
「そんなに張しなくていいですよ。もっとこう肩の力を抜いて。ほら、リラックスリラックス!」
「……は、はい」
「あー、いいですねえ、初々しくて。じゃあ、それで撮り直しましょうか」
たくさんのスタッフらに見守られるなか、桜はまだ慣れずにいる、自然な笑顔を求められ、いつものやり取りを數度繰り返してようやくOKをもらえたことにホッとをで下ろす。
ふと壁に掛けられている時計を仰ぎ見ると、もうすぐ十七時になろうかとしていて。
ーーこの調子だと、十九時過ぎには帰宅できるかも。よし、頑張ろう。
気合いをれ直した桜は、再びまわりはじめたカメラの前で、とびきりの笑顔を綻ばせた。
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