《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》極道の妻として⑧

それからはいつものように尊の腕のなかで、桜のも心もらにされ、聲の限りにあられのない聲で散々がされた。

桜は尊に宣言通りたっぷりと堪能され盡くしたのである。

尊になにもかもを曝け出し、すべてを捧げた初夜同然に、尊の昂りは一度や二度では鎮まらず、ソファで一度、バスルームで一度、寢室で二度ほどわってようやく鎮まったという絶倫ぶりを発揮されてしまった。

そのため、行為は夜更けまで続けられたが、ただひとつだけ初夜とは違っていることがある。

それはしっかりと避妊がなされていたということだ。

初夜では桜のみを聞きれてくれたが、翌日になり尊自から、『大事なビジネスパートナーである桜がもし妊娠して仕事が滯るようなことがあったら、鬼の阿久津に殺されかねないからな。なくとも一年は我慢してしい』と言い渡されているからだ。

以來、一貫して避妊を徹底されている。

    翌日になってそんなこと言ってくるなんてと、々不服に思ったが、仕事のためだと言われてしまえば、桜にはなにも言うことなどできない。

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確かに、ハッピーフラワープロジェクトの仕事を始めてまだ二月足らずでまだまだ認知度も低い。今はとにかく、この取り組みをひとりでも多くの人に認知してもらわないとならない。

その足掛かりとして始めた畫配信もしずつチャンネル登録者數がびてきている。

その裏では、様々な分野から集結されたたくさんのスタッフが攜わり、ご當地キャラクターとのコラボCMやイベントの企畫にはじまり、街頭でのPR活というように、様々な戦略を立ててくれている。

そんな時期に広告塔として採用された桜が欠けることがあってはならない。

確かに、今が一番大事な時期であるのだからしょうがない。

そうは思いながらも、なんだか尊に一線を畫されているような気がしないでもない。

そんな風に桜が邪推してしまうほどに、尊は結婚してから以前とは比較にならないほど優しくなった。そのことが妙に引っかかってしまう。

尊に散々されて疲れ果ててしまっているはずなのに、朝早く目覚めてしまった桜は、いつものように尊の腕にしっかりと包み込まれていた。

ぴったりと著している尊のからは心地よい心音と穏やかな寢息とが溫と一緒にじんわりと伝わってくる。

これも結婚前と変わったことのひとつだ。

こうして尊の無防備な寢顔を眺めていると、本當に夫婦になったんだなと実できる。

なにより、尊にしでも気を許してもらえていることが無に嬉しくもあった。

尊との新婚生活は思いの外甘やかで楽しいものではあったが、不意にやるせない気持ちになってしまう。

どんなに優しくされようとも、大事に扱ってくれようとも、所詮は政略結婚の相手なのだ。

こうしていつまでも一緒にいられる訳じゃない。

樹里とのことも気にはなるが、そんなことに構っている場合じゃないのかもしれない。

尊にとって駒としての価値がある自分の価値をしでも高めて、しでも長く一緒にいられるように、もっともっと頑張らないとーー。

そんなことをひっそりと決意していると、尊がぎする気配がして。

「ん? どうした? 眠れなかったのか?」

どこからともなく浮上してしまう不安な思いをの奧底にしまい込み、當たり障りのない返答をする。

「あー、いえ。ついさっき目が覚めて、今日の撮影でなにを著ようかなって考えてただけです」

「仕事熱心なのは心だが、面白くないな」

「……え?」

尊からの返答には一瞬首を傾げたが。

「いや、なんでもない。それより、來週一週間、夏期休暇をもらっているんだが。どこか行きたいところはないか?」

「ーーえ!? それってもしかして、新婚旅行ってことですか?」

「ああ。そうだ」

そこにもたらされた、尊からの思いがけない提案によって、桜の頭の中はそのことで瞬時に塗り替えられていく。

まさか政略結婚なのに、新婚旅行のことまで考えてくれていたなんて、夢にも思わなかったのだから當然だ。

日頃の疲れも、の気怠ささえも、噓のように吹き飛んでしまっていて、桜の心はもうすっかり新婚旅行へと旅立っていた。

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