《【コミカライズ】寵紳士 ~今夜、獻的なエリート上司に迫られる~》「連絡を取るのは控えましょう」1
アラームの音で目が覚めた雪乃は、広いベッドの真ん中にひとりで橫になっていると気が付いた。
れた髪を整えながらを起こし、半分開けられているカーテンの朝日に目を細める。
戸の向こうには人の気配があり、それが先に起床した晴久だと分かるとすぐにベッドを降りて戸を開けた。
晴久はソファに腰掛け、かすかな音量でテレビのニュースを流している。彼は戸の開く音にすぐに振り向き、微笑んだ。
「おはようございます、細川さん」
立ったままの雪乃は、やはり昨晩の出來事は夢ではなかったと自覚し、早朝でも爽やかな彼にさっそく溫が上がる。
「おはようございます。すみません、先に起きてらしたんですね」
「この時間のニュースを見るのが日課なもので。ゆっくり眠れましたか?」
「はい」
「買ってきたものですが、よければ食べて下さい」
テーブルに置かれた袋の中にはビニール包裝のされたサンドイッチとペットボトルの緑茶がっており、彼はそれを手繰り寄せた。晴久が早朝に買ってきたものだ。
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申し訳なさから雪乃はのあたりをキュッと握りしめる。
「すみません、なにからなにまでしていただいちゃって……」
「いいんですよ。自分のを買ったついでです」
雪乃は一度寢室に引っ込み、著替えを済ませてから再度リビングの晴久へ戻った。
いつもの白のブラウスに、グレーのスカート、黒のカーディガン。素顔のおかげでかすかな華やかさは保っているものの、桃のパジャマからは一気にトーンダウンした。
これはこれで綺麗だ、晴久は改めてそうじたが、ここに眼鏡とマスクが加わると昨夜のような地味な仕上がりになるのだと思い出し、今の彼をよく目に焼きつけた。
雪乃は何気なく、シンクに目をやった。あまり生活がないのは食事を外で済ませているからだろうと納得した彼は、晴久の食生活がし心配になる。
しかしなにもれずにソファで晴久の隣に座り、サンドイッチを食べ始めた。
「俺はいつもの電車で出勤しますが、細川さんはどうしますか?」
彼の問いに、雪乃はしばし考えて答えた。
「私は一度家に戻って荷を置いてから行こうと思うので、今日は遅い電車に乗ります」
「會社は間に合うんですか?」
「はい。もともと始業までは時間があるんですけど、普段はかなり早めに行って仕事をしているんです。殘業になると、暗い中を帰るのがつらいので……」
「なるほど」
話は終わったかに思えたが、雪乃は続けた。
「高杉さんも始業は遅いんですか? いつも、カフェに寄っていますよね」
その質問に、晴久は「え」と聲をらして彼を見た。
(しまった!  思わず聞いちゃった。駅から見てたのがバレちゃうっ)
赤くなって口を押さえる雪乃。彼の様子に、晴久もつられて赤くなった。
「……どうして細川さんが、それを」
不安が的中し、不思議がる晴久を誤魔化せず、もう観念して白狀するしかなかった。
「その、昨日も言いましたが、高杉さんのこといつも見ていたので……。す、すみません」
晴久は、昨夜の彼の告白まがいな言葉を思い出した。
口を覆いながらその意味を考えていたが、出勤前のタイムリミットがある中で話題にするのはもったいなく、いったん「そうですか」と保留にし、落ち著いて返答する。
「俺は出勤前にコーヒーを飲んでから行くんです。會社の人と電車で乗り合わせるのがあまり好きではないので、早い時間に乗っています。実際の始業は八時半なのですが」
「あ、私も本當は八時半です」
朝食を終え、晴久が家を出る時刻のし前に出ていくことにした雪乃は、荷をまとめた。
洗濯も全てここのものは汚さず、なにもやり殘していないことを確認して回る。
準備が終わり、雪乃は持ってきたトートバッグを肩に掛けると、晴久に「本當にありがとうございました」と最後の挨拶をした。
見送るためにエントランスまで來た晴久だが、雪乃にまた會いたい気持ちが抑えきれず、「細川さん」と彼の手を握って引き留める。
「は、はい」
戸う雪乃を、手を離す代わりにじっと見つめた。
「もしまたこういうことがあったら、俺を呼んでもらって結構なので」
「えっ?」
「昨日はたまたま會社のトラブルで殘業が長引きましたが、普段は七時頃には帰宅しています。事前に連絡をもらえればもっと早く帰ることもできますから。遅くなったときは遠慮しないで、呼んで下さい」
「高杉さん……」
見つめ合う瞳は、どんどん熱を帯びていく。
「心配なんです。細川さんのこと」
心配なのは噓じゃない、これは下心ではないはずだと自分に言い聞かせながら、晴久は「ね?」と念を押した。
それに圧倒されながらも、雪乃は嬉しさを隠せずに「はい」と高いトーンの返事をする。
「じゃあ、また。連絡します」
「はい。私もします。本當にありがとうございました」
小説家の作詞
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