《【コミカライズ】寵紳士 ~今夜、獻的なエリート上司に迫られる~》「今夜は優しくできそうにない」1

◇◇◇◇◇◇◇◇

それから二日が経ち、金曜の夜。

ふたりはいつものように仕事終わりにカフェで待ち合わせ、ミツハシデンキへ寄った。

を取りに行くときに不便なため、やはり必要だと蛍燈を購したのである。

さらに雪乃の家へ寄り、蛍燈を取り付けてから晴久の自宅へと向かう。

食事、シャワーを終え、いつものようにふたりでベッドにる。

ランプに切り替え、「おやすみなさい」と挨拶をわした後。

一度は平行に寢る姿勢をとるのだが、すぐに我慢できなくなった晴久がを寄せて彼の頬を指ででる。

「ごめん雪乃。控えようとは思ってるんだけど……」

腕をついてを起こした晴久は彼れ、口をつけた。

「晴久さん……」

謝りつつも角度を変えながらキスを堪能し、求を満たしてからを離す。

「まずいよな、こんな何回も」

晴久は自嘲気味に言ったが、視線は彼に許可を求めるものだった。

を初めて抱いた日、晴久は結局我を忘れるくらいに夢中になった。

もちろん手酷いことはせずに終始優しくしたものの、雪乃の余裕のない表に煽られ続け、をぶつけたのは事実。

あれから一日も置かずに、彼を抱いている。

せめて初日の次は置こうと思っていたのに。

一度彼を抱く幸福を味わってはとてもキスだけでは収まらず、応えてくれる雪乃に甘えてずるずると続けていた。

「私は大丈夫です」

雪乃はなにがまずいのかよく分かっておらず、首をかしげならが笑顔で応えた。

つらくない?」

「つらくないです。初めてのときも覚悟してたんですけど平気でした。今も特になんともありません。きっと痛いって思ってたんですけど、どうしてでしょう……?」

「どうしてだろうね、相とかかな」

真面目に話し合った後、ふたりは相がよいという結論に恥ずかしくなって赤面した。

「あ、あ、相とか、あるんですね」

「うん。多分、けっこう、いいんだと思う。俺もよかったから」

(なに言ってるんだ、俺)

の相がよいと口走ってみると、その覚がよみがえる。

(でも実際、かなりよかった……)

が覚えている。晴久は今夜も絶対に我慢できないとあきらめ、もう一度雪乃に許しを乞う視線を向けた。

も自分のを抱きしめながら、コクンとうなずく。

溶けるように重なり、深くキスをした。

「雪乃。明日どこか行こうか」

「えっ」

淺いキスをえながらふたりは會話を続けた。

「これじゃ、まるで俺がこれ目當てみたいで嫌なんだ。雪乃と一緒にどこか行きたい」

「……いいんですか?  うれしい」

「デート。どこ行きたいか考えて」

「は、はい。あの、そしたら今日はし手加減していただけると助かります……。なにも考えられなくなっちゃいそうで……」

じろぎする雪乃に、晴久の糸はプチンと切れた。

「……うん。気をつける」

まったく守る気のない約束をし、彼は今夜も彼に沈みこんだ。

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