《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》
「タクトの母ちゃんって、おもしろいな☆」
「そ、そうか?」
記念寫真を撮り終えた俺とミハイルは、店のソファに通された。
今日は客が來ていないようだ。
母さんのBL容院は人を選ぶ……ため、完全予約制で接客している。
しかも、一人ひとり丁寧に応対するために、『セットチェア』も鏡も一人分しかない。
それだけ凝っているのだ。
『お客様が落ち著いてBLトークできる容室』をテーマに開店したのが、20年ぐらい前。
時代を先取りしすぎて、開店當初は近所からのクレームが絶えなかった。
だが今ではご近所さんも母さんの詐欺師ばりなBLトークで腐りはててしまった。
人はこう呼ぶ、新宮しんぐう 琴音ことねは『真島のゴッドマザー』と。
「さあ、ミハイルくん♪ 召し上がれ」
母さんがソファーの前のローテーブルにアイスコーヒーと手作りのクッキーを並べてくれた。
ちな、グラスは『真剣』同士で斬りあうBL侍のイラストだ。
恐ろしいグラスよな。
「あざーす☆ いただきまーす☆」
「あらあら、ミハイルくんはお行儀がいいわね?」
え? 俺を學式に毆った男の子がいい子とは思えませんが?
「うまい! すっごいな、タクトの母ちゃん☆」
「そうか? 古賀、口元にクッキーのくずついているぞ?」
「ん? どれ?」
すかさず、真島のゴッドマザーがく。
「タクくん? 取ってあげなさい」(迫真)
おい、母上。背後から「ゴゴゴッ」と気味悪い音が聞こえるのだが。
「え? タクトが……?」
なぜ顔を赤らめる、ミハイル。
「はぁ、了解したよ。母さん」
ミハイルの小さな口元に手を運ぶ、アゴあたりにくっついてたので、小指が思わず、にれる。
「あんっ……」
そんなエッチな聲を出すんじゃない!
「ほれ、取れたぞ」
母さんはすかさずスマホを取り出し、業務連絡をする。
「タクくん、さあミハイルくんからとったクッキーを食べるのです!」(迫真)
こえーんだよ! クソがっ!
「了解だよ!」
小石サイズのクッキーを食べると『いつも』の母さんの手作りクッキーと再確認できた。
だが、それだけではない『古賀 ミハイル』の香りをほのかにじるのは先観のせいか?
「タ、タクト……」
思わず目を背けるミハイル。
そりゃそうだわな……。
なにが楽しくておっとこのこ同士で間接キスを促されるなんてドン引きだろうな。
たぶんミハイルも『もう二度……』我が家には近づけまい。
なんなら、すぐに帰る……というか逃げるに違いない。
「ひゃひゃひゃ! 尊い! 尊すぎるで! ダンナ!」
ヨダレ垂らしている琴音初號機。
息子とミハイルをかけ算のネタに使うな!
「古賀? 大丈夫か? 気分を悪くしてないか?」
「ううん……オレは楽しいし、クッキーもうまいし……」
俺はドン引きだし……。
「そうだわ! ミハイルくん! せっかくだから、タクくんの部屋にあがっていって♪」
「ええ!? オレがっすか!」
そんなに嫌なん? 俺の部屋は別にイカ臭くないけど……。
「いいでしょ? タクくん?」
「別に構わんが、男同士だしな」
エロ本なんて余裕だし。
「タクト! おとこ同士じゃねーよ……ダチだろ!」
固く握られる両手。
手らかいし、みたいに細いし、ドキがムネムネしちゃいそう。
「……古賀」
「なんてことなの!? タクくんがおっ友達から告白されるなんて……母さん、泣いちゃう!」
本當に泣いてはるし……。
「お待たせ致しましたわ!」
例の『どうしてほしいの?』というイケボと共に、ツインテのJCが店にる。
「かなでちゃん! 予想外だわ!」
「どうしましたの? おっ母様!」
「タクくんが今、おっ友達のミハイルくんに告白されたのよ?」
「な、なんですって!?」
床に落ちるスーパー『ニコニコデイ』の袋が2つ。
「おっ母さま! 一大事ですわ! おっ父様にもご一報してきますわ!」
「ええ、今日はタクくんの記念日ね……おっ友達と言う名の……」
家出しよっかな~
「タクト……オレはずーっと、おまえのダチでいてやっからな☆」
「お、おう……」
なにこれ~ 俺ってこんなに可哀そうな人間だったの?
後は野となれご令嬢!〜悪役令嬢である妹が婚約破棄されたとばっちりを受けて我が家が沒落したので、わたしは森でサバイバルすることにしました。〜
「すまん、我が家は沒落することになった」 父の衝撃的ひと言から、突然始まるサバイバル。 伯爵家の長女ヴェロニカの人生は順風満帆そのもの。大好きな婚約者もいて將來の幸せも約束された完璧なご令嬢だ。ただ一つの欠點、おかしな妹がいることを除けば……。 妹は小さい頃から自分を前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢であるとの妄想に囚われていた。まるで本気にしていなかった家族であるが、ある日妹の婚約破棄をきっかけに沒落の道を進み始める。 そのとばっちりでヴェロニカも兵士たちに追われることになり、屋敷を出て安全な場所まで逃げようとしたところで、山中で追っ手の兵士に襲われてしまった。あわや慘殺、となるところを偶然通りかかった脫走兵を名乗る男、ロスに助けられる。 追っ手から逃げる中、互いに惹かれあっていく二人だが、ロスにはヴェロニカを愛してはいけない秘密があった。 道中は敵だらけ、生き延びる道はたった一つ。 森の中でサバイバル! 食料は現地調達……! 襲いくる大自然と敵の兵士たちから逃れながらも生き延び続ける! 信じられるのは、銃と己の強い心だけ! ロスから生き抜く術を全て學びとったヴェロニカは最強のサバイバル令嬢となっていく。やがて陰謀に気がついたヴェロニカは、ゲームのシナリオをぶっ壊し運命に逆らい、計略を暴き、失われたもの全てを取り戻すことを決意した。 片手には獲物を、片手には銃を持ち、撃って撃って擊ちまくる白煙漂う物語。 ※この物語を書く前に短編を書きました。相互に若干のネタバレを含みます。またいただいた感想にもネタバレがあるので読まれる際はご注意ください。 ※続編を別作品として投稿しておりましたが、本作品に合流させました。內容としては同じものになります。
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