《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》54 お邪魔します
そのは無言で店のシャッターを閉じると、振り返ってニヤリと笑う。
「さあ、これで時間はたっぷりできたなぁ、坊主」
こ、こえ~
なにこれ? 俺ってば今から殺されるの?
「は、はあ」
「なんだぁ? 男ならシャキシャキ喋れないのか、バカヤロー!」
バカヤロー? お前の所屬している組はどこだよ?
「す、すんません!」
「フン、こっちにこい」
生唾を飲む。殺されるのかも知らんからな。
お姉さまことヴィクトリアのあとに続く。
店の裏に回る。
どんどん奧へとっていくと、しさびた外付け階段が見えてきた。
「あがれ」
「はいっす……」
どうやら、俺の家同様に店の二階が自宅のようだ。
階段をあがると、『KOGA』と玄関の標識があった。
その下には『ヴィッキーちゃんとミーシャ☆』とある。
ヤンキーのくせして、可いことが好きなんだな。この姉弟。
鍵をあけるヴィクトリア。
だが、ドアノブに手を回すと舌打ちした。
「クソがっ、ポンコツのドアめが!」
そう言うと、自宅のドアをガンッガンッ! と蹴りまくった。
「な、なにやってんすか?」
振り向くその顔は鬼のそれと同じだ。
「ああん? オヤジが殘した家だからボロいんだよ。こうやってたまに蹴らないと開かないんだ、よ!」
ボカン!と何かが壊れた音がした。
「おし、開いたぞ」
ええ……壊れただろ、絶対。
「ほら?」
ヴィクトリアは「な☆」と言いながら、ドアが開くところを見せてくれた。
「じゃ、れ。私はシャワー浴びるから、坊主は適當にくつろいでくれ」
「え?」
「なんだ? 一緒にりたいのか、このスケベ坊主~」
むっかつくだな、コノヤロー!
「ま、ミーシャの部屋にってたらどうだ?」
「は、はあ……」
俺は「お邪魔します」と一応、挨拶してから靴をぐ。
家の中もやはり店と同様のクマのぬいぐるみが一面に並んでいた。
廊下には夢の國のネッキーのポスターやスタジオデブリのパズルアートが飾ってある。
本當に男っ気のないところだな。
そのポスターとポスターの間にトイレや洗面所がオセロのように挾まれている。
ヴィクトリアは客人の俺を殘して洗面所へと向かった。
洗面所の奧は浴室が見える。
先ほど俺に言った通り、シャワーを浴びるようで、服をぎだした。
気がつけば、ブラジャーとパンティーのみ。
俺は思わず、彼に背を向けた。
ヴィクトリアは構わず、鼻歌じりで浴室の扉を開いたようだった。
どうして、俺の周りのどもはこうも族ばかりなのだ?
頬が熱くなるのを確認すると、俺は勝手に廊下の奧へと進む。
だって、ねーちゃんが「ミーシャの部屋にってたらどうだ?」とか言ってたしな。
廊下を抜けるとリビングが中央にあり、左右に二つの部屋があった。
左手の部屋の前には律儀にもネームプレートがり付けてあった。
ハートの形で『ミハイル☆』とある。
これか、ミハイルの部屋は……すまんが勝手にるぞ。
俺は心で一応謝っておきながら、無斷で彼の自室に踏み込む。
「なんじゃこりゃ……」
壁紙はピンクでハートや星の柄り……。
なんかいけないホテルじゃねーか?
部屋中、ネッキーやその愉快な仲間たちのぬいぐるみでいっぱい。
もちろん、デブリのドドロやボニョも欠かせない。
絨毯は安定のネッキーとネニーのチューショット。(キスしているだけに)
「どんだけラブリーなんだよ、ミハイル……」
彼の趣味はわかってはいたが、いざ部屋にあがってみるとエグいな。
だって彼の部屋じゃないんだぜ?
しかも、なんか甘ったるい匂いがする……。
俺はリュックサックを床に下ろすと、近くに飾ってあったコルクボードに目をやった。
たくさんの寫真がってある。
いころのミハイル、制服姿のヴィクトリア、そして……。
「これは……あいつの」
一つの寫真が気になった。
ヤンキーっぽい男が中央に立ち、たくましい両手で二人のの肩を抱いている。
眩しいぐらいな笑顔で。
そして、左には制服姿のヴィクトリアらしき。
最後は優しそうに笑うしい。
金髪でエメラルドグリーンの瞳。
「ミハイルの母さんか……」
その証拠にの両手には生まれて間もない赤ん坊が大事に抱えられている。
「ただいま~っ☆」
俺は慌てて、コルクボードから離れた。
別にやましい気持ちがあったわけではない。
だが、以前ミハイルから親は死別していると聞いた。
勝手にって、人様の大事なものを土足で踏みにじっているような覚を覚えたからだ。
「お、おかえり。ミハイル……」
ミハイルと目があう。
彼はボンッ! と顔を真っ赤にさせて、俺を部屋から追い出す。
「なんで勝手にっているんだよ! タクトのバカ!」
「いや、姉さんがっとけって……」
「冗談に決まってんだろ!」
そう言うと、彼は「ちょっと待ってろ!」と言って、部屋の扉を暴に閉めた。
バタン! という音と共に、可らしいネームプレートがカランカランとゆれた。
エロ本でも隠してたんか?
そういうものは共有しようぜ!
- 連載中79 章
Waving Life ~波瀾萬丈の日常~
※題名を変更しました。 主人公、蔭山 剣也(かげやま けんや)が多くのヒロインと引き起こす、波亂萬丈の青春ラブコメディー。 岸川 蘭華(きしかわ らんか)は、いつも一緒に遊んでいた幼馴染。 皆田 絵里(みなだ えり)は、実は小學校時代に不良の自分を救ってくれた恩人。 そんな2人から入學して僅かの間に告白される。 そして更に、蘭華は留學することになり更なる問題に直面する。 その他沢山の問題にぶつかっても挫けずに頑張る主人公やヒロイン達に注目! 多くのヒロインと関わることで、主人公の感情は変化していく! 戀愛もの好き必見‼︎ ジャンル別日間最高19位、週間65位の作品です。
8 197 - 連載中32 章
右目を無くした少年の戀のお話
事故で右目を失った少年『春斗』は 高校三年間でどう生きるのか─ 卑屈な少年ととにかく明るい少女の戀の物語
8 59 - 連載中10 章
公爵令嬢!政略結婚なんてお斷り!!
公爵令嬢のルーナはほぼ毎日のよう婚約の話が入ってくる。そんな日々にうんざりしていた所お父様の頼みより王城が開く立食パーティヘ。 そこで出會った男性に一目惚れされてしまい……? ***** しばらく更新停止とさせていただきます、 申し訳ありません
8 180 - 連載中86 章
これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!
主人公まりが、車の衝突事故から異世界へ 転生してしまう。目覚めると典型的な だっさい悪役令嬢。性格も極悪。 そんな中、曲がった事は大嫌い!と 正しいと信じる道を貫くまり。 イケメン俺様王子にだって文句は 言わせないわっ! だんだんと、王子もまりの影響を受け まりを溺愛するように。 どんな困難も叩き切る! 正義の為なら、怖いものなんてないのよっ! どんどん、周りを幸せにしていくという、 少し、お節介、そして人情味あふれる ラブコメディ。 私の生き方を見せましてよっ! はじまり。はじまり~。 ※カクヨム、アクアポリスにて同時投稿
8 182 - 連載中15 章
【連載版】無能令嬢と呼ばれ婚約破棄された侯爵令嬢。前世は『伝説の大魔女』でした。覚醒後、冷遇してきた魔法學園にざまぁして、國を救う。
短編版の連載開始です。序盤の方から短編にない新キャラ等も登場予定です。 魔法王國で唯一魔法が使えない『無能令嬢』リンジー・ハリンソン。ある日、公衆の面前で婚約者アンドルー王子から婚約破棄を言い渡される。學院ではいじめられ、侯爵家である家族には冷遇され、使用人からもいびられる毎日。居場所のない日々だったが、ある日謎の旅人に出會い、『伝説の大魔女』だった前世の記憶がよみがえる。そして、伝説の虛(ゼロ)級魔法使いとして覚醒。とりあえず、學院でいじめてきた生徒たちを圧倒。掌返しをするアンドルーも拒否。家族や使用人にもざまぁします。さて、次はなにをしよう……と悩んでいたら、國王陛下から呼び出し?國を救って欲しい?辺境の魔物討伐?とりあえず、褒美を頂けるなら無雙しちゃいましょう。 チート級魔法での無雙あり。ざまぁあり。
8 65 - 連載中7 章
過労死した王妃、2度目の人生は『破天荒』に歩む!
ポワナータ國の王妃エリスは執務中に倒れそのまま亡くなってしまう。その直後に神に出會い夫である國王が裏切っていた事を知る。エリスは神から人生をやり直してみないか?と言われ承諾、現世に舞い戻る。『王妃も貴族もまっぴらごめん!今度は思うがままに生きてやる!』公爵令嬢の仮面を脫ぎ捨てたエリスはいつしか『破天荒令嬢』と呼ばれ歴史に名を殘していく事になる。
8 95