《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》62 いい映畫を鑑賞すると、テンションが上がる
白金の策略にまんまと引っ掛かり、俺は初のラブコメ作品『気にヤン』の執筆にとりかかった。
まずは主人公が高校に學し、アンナと衝撃的な出會いからデートをするまではスラスラと書けた。
しかし、それ以上は書けなかった。
なぜならば、実験を元に小説を書いているために、デートの回數が足りない。
「またアンナの力を借りないとな……」
キーボードのタイピングを止めるとノートPCをたたんだ。
スマホの時刻を見れば『17:45』
もうこんな時間か……。
「ダメだ。なにも浮かばない」
そう……こんなときこそ映畫でも観てリラックスせねば!
ダメだ。映畫が観たくなってきた……ポカーン。
よし映畫を探そう。
俺は簡単に著替えをすますと、家を出た。
地元の真島駅から博多駅へと向かう。
目的地はカナルシティ。
この前、アンナと世界のタケちゃんの作品『ヤクザレイジ』を観たのだが、あの時はアンナの癡漢騒ぎで容が頭にらなかったので、もう一度観たいと思ったのだ。
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博多駅にも映畫館はあるが、俺は昔からカナルシティが好きだ。
でも一番好きなの中洲にある映畫館『中洲サンシャイン』だ。
カナルシティにつくと、平日だというのに若者で溢れかえっていた。
たぶん學校帰りの學生たちだろう。
ちらほらと制服を著たままのJKやDKがキャッキャッとアホみたいにはしゃいでいやがる。
リア充は他にいけ!
軽くイラつきながら映畫館へと向かう。
チケット売り場でもやはり學生たちが多い。
こいつらは制服著たままで遊びやがって……。
おめーらが、映畫の悅びを知るにはまだ早いんだよ!
と毒づいたところへ、見慣れた制服が。
あれは三ツ橋高校の生徒だな……。
がたいのいい青年と校則無視のミニスカJK。
カップルかよ……。
「なあ、なにを観たい?」
青年は親しげにJKへと肩を寄せる。
JKは何か嫌そうな顔しているな……。
なんじゃろ、倦怠期か?
「私は別になんでもいいです……福間先輩からわれたんで」
福間? どこかで聞いた名だな~
「じゃあこうしようぜ。この映畫館は13個のスクリーンがある。だからお前の好きな番號で決めよう」
ファッ!? そんな無茶苦茶な選び方……全ての映畫監督に謝れよ!
「おもしろそうですね。じゃあ5番で♪」
も同調すんな!
「よし、5番か……えっと『ヤクザレイジ』だな」
そう言うとルーレット覚で男はチケットを購し、を連れて劇場へと向かった。
キレてもよかですか?
ったく、こんな映畫が足りない奴らとタケちゃんの崇高なる作品を観なければならないとは……。
俺は激おこぷんぷん丸で、チケットを買う。
「ヤクザレイジ、高校生一枚」
機嫌の悪さを察したのか付嬢が苦笑い。
「お席の方はどうしますか?」
「一番前の真ん中で」
あのバカップルとは並んで観たくない。
席を一番前にすれば、一緒になることはないだろう。
~2時間後~
「いやぁ、いい映畫だったなぁ。公開終了するまで毎日見に來ようかなぁ」
だって、経費で落とせるからね♪
俺はタケちゃんの作品を存分に楽しむと、余韻に浸りながら映畫館をあとにした。
スマホの時刻を見ると、『19:30』。
ふむ、腹が減ったな……。
ラーメンでも食って帰るか。
俺は『はかた駅前通り』をてくてくと歩く。
鼻歌じりで。
歩くこと數分、博多駅の駅舎が見えてくると、俺は右手に曲がり、人気のない通りにった。
主に居酒屋が多く、サラリーマンなどが帰りに一杯やるところで、知られている。
そしてラブホが複數あるのだ。
こんな駅の目の前で『おせっせ』しなくてもよかろうもん。
そして、お目當てのラーメン屋に著く。
「う~ん、いい香りだ」
豚骨ラーメン獨特の濃ゆい香りが漂う。
俺はこのラーメン屋が大好きだ。
博多駅に來れば、決まってラーメン屋はこの店と決めている。
その名も『博多亭』。
「よし、食うか」
その時だった。
ラーメン屋のすぐ隣りのビルからび聲が聞こえた。
「いやっ!」
「いいだろ!」
「やめてって言ってるじゃないですか!」
制服を著たJKとDKがラブホの前でめている。
大柄のDKがJKの手を摑み、強引にラブホへと連れ込もうと試みている。
なんじゃ? 癡話げんかか?
トラブルはごめんだ……と願い、俺はぶJKを無視して、再度ラーメン屋にろうとする。
が、甲高い聲が俺を呼び止めた。
「あ! 新宮センパイ!」
「へ?」
「助けてっ!」
そう言うと彼は俺の背中に逃げ込んだ。
「よかったぁ。新宮センパイがいてくれて……」
振り返るとそこには安心したかのように元で手を握るが一人。
ショートカットで三ツ橋高校の制服を著たミニスカJK。
赤坂 ひなたか……。
めんどくせっ!
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