《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》64 初験はいくつのとき?
「いつっ……」
激しい頭痛で目が覚めた。
まだ意識がはっきりしない。
瞼を開くと、視界がもやがかかったようにフワフワとしている。
「ここは一……」
耳元で何やら軽快な音楽が流れている。
どこなんだ?
視界が次第と定まってきた。
目を細めてどうにか、把握できた。
「星空?」
一番に目にったのが、それだった。
だが、どこかおかしい。
だって星が薄い緑。
しかも俺との間隔が2メートルほど。
あれ? 星ってこんなに近くに見えるもんでしたっけ?
今度は首を右にかす。
すると誰もいない枕……と布団?
いや、ベッドか?
「誰の家だ?」
俺はゆっくりと起き上がる。
その時だった。
車酔いの時のような覚を覚えて、姿勢を崩してしまう。
吐き気をじた。
「う、うえ……」
吐く寸前で口を手で抑える。
そうか、そうだったな……。
俺は福間のやつに毆られたんだ。
頬に手をやると熱を持っていた。
腫れているな、こりゃあ。
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パチン! となにかの音が鳴った。
と同時に星空は消え失せ、眩しいぐらいの明かりが點く。
俺は眩しさから手をかざす。
「あ、目が覚めたんですね!」
そこにはバスタオルを元から巻いた一人のがいた。
濡れた髪をショートタオルで拭いている。
「まだ寢ていてください!」
押し倒すように俺を布団に寢かせる。
そして自は枕元に腰を下ろす。
俺の額に手をやり、熱を計っているようだ。
「……おまえは?」
「え!? 私が誰かわからないんですか!?」
心配したのか、顔を近づける。
その距離、キス寸前。
「は?」
「ええ!? 記憶喪失ですか? 新宮センパイ!」
「誰が何を喪失したって? 赤坂」
「なんだぁ~ よかったぁ」
安心したのか、うなだれる。
「ところでここはどこだ?」
「ここはですね……その……」
なぜ顔を赤める?
俺は改めて辺りを見回す。
右手には壁掛けのテレビ。左手にはソファーと小さなテーブル。
それから小さな冷蔵庫……のうえには『蜂の巣』のような販売機。
商品の上にラベルがあり、『クセになる振』とか、『これがあればの子も大喜び!』とか、訳の分からんキャッチコピーが連なっている。
一、どういうことだってばよ!?
「赤坂、まさか俺たちがいるのは……」
「はい、ラブ…ホテルです」
頬を紅く染めて、うつむく。
なんなんだ? 急にしおらしくなりおってからに。
しかも、なぜこいつの髪は濡れているんだ?
「なあ赤坂。お前、なんで風呂にってたんだ?」
「え? あ、これは……倒れたセンパイをおんぶしてラブホテルにったから、汗かいちゃって」
ファッ!?
男の俺を擔いでラブホテルにったんかい!?
「ま、まさかと思うが……俺は記憶だけじゃなく、貞まで喪失……」
と言いかけた瞬間、平手ビンタが俺を襲う。
「いってぇ!」
「そんなわけないじゃないですか! た、助けてくれたから介抱してただけです……」
て言いながら、また頬を赤らめるのをやめてくださいます?
なんかさ、チミがバスタオルだけでいるから事後みたいなんだよ。
「そうか、禮を言うぞ」
「セ、センパイがお禮を言わなくてもいいですよ! こっちこそ、その……助けてくれてありがとうございます」
「……ふむ。ところで福間のやつはどうした?」
「新宮センパイがワンパンで倒れたから、私が咄嗟にんだんです。そしたら、怖くなったみたいで逃げていきました」
「あ、そ」
いや、ワンパンで倒されるとか、カッコ悪すぎだろ……。
しかも赤坂も褒めてんのか、けなしてんのか、どっちなんだよ?
「頭、痛みます?」
「いや、頭痛はまだいい。だが、頬が熱い」
「し腫れてますもんね」
「鏡を見てみる」
「いたらダメです! 私がスマホで撮ってあげますよ♪」
いや、撮らんでもカメラを自分に向けるって発想に至らないの?
「はい、チーズ♪」
思わずピースしてしまった。
「うわぁ、改めて見ると酷いですね……」
絶句すんなよ、俺の顔がブサイクみたいじゃないか。
赤坂からスマホを渡されると、自の顔を確認できた。
左の頬が紫に腫れている。
ソフトボールのように大きく。
「こ、これは母さんに何と言ったものか…」
「すみません! 私、センパイのお母さんに謝ります!」
「いや、別にええけどさ…」
その時、アイドル聲優のYUIKAちゃんの可らしい歌聲が聞こえた。
俺のスマホの著信音だ。
「あ、電話みたいですね。私が持ってきます!」
「すまん」
赤坂はテーブルの隣りに置いてあった俺のリュックサックからスマホを取り出す。
丁寧に両手で摑んで、俺のもとへ運んでくれた。
「はい、どうぞ♪」
「ありがとう」
著信名を見ると、俺は一気にの気が引いた。
古賀 アンナ。
や、やべっ!
ラブホテルにいるなんて知られたら、アンナに殺されるぞ。
ここは電話をスルーしておこう。
「あれ? センパイ、出ないんですか?」
「ああ……仕事関係の人でな」
「そうなんですか?」
YUIKAちゃんの可らしい歌聲が止む。
と思ったら、すぐにL●NEの通知音が鳴る。
『タッくん、いまどこ?』
『アンナはおうちでクッキー作っているよ☆』
『今から持っていてもいい?』
いや、やめてぇ~ しかもクッキーって、あーたのお家の仕事でしょ?
ピコン!
更に通知音が鳴る。
『久しぶりにツインテールにしてみたよ☆』
メッセージの後、自撮り寫真が屆く。
文章の通り、ミハイル……じゃなかったアンナちゃんがピンクのリボンでツインテールしてる。
フリルがふんだんに使われたブラウスに、ピンクのジャンバースカート。
か、かわいい~!
けど、今は畫像保存する暇はねーよ。
「なんです? さっきから?」
不服そうにこちらを伺う赤坂。
「い、いや。ちょっと仕事の取引先とな……」
「高校生が仕事の取引? 何の仕事をやっているんですか?」
「その……俺は小説を書いててな。その取材相手だ」
「え!? センパイって小説家だったんですか!?」
驚きを隠せない赤坂。
それはありがたいんだが、この狀況から早く逃げ去りたい。
「ま、まあな」
「でも、なんの取材しているんですか?」
質問攻めだな、ちきしょう!
「ら、ラブコメだ……」
「ラブコメ? それって取材する必要あります?」
す、鋭い。
「俺は経験がない……なのでヒロインのモデルを探していたんだ」
「ってことは相手はの子ですか!」
めっさキレてはるやん。
「そういうことだ……」
「……」
うつむいて黙り込む赤坂。
「あの……赤坂さん?」
視線を戻したかと思うと俺のスマホをぶんどる。
「あ……」
赤坂はキーッ! と猿のように聲を上げて怒り狂う。
人様のスマホを勝手に見てはいけませんってお母さんに習ってないの?
「誰です? この可い子?」
目ぇ! 目が怖いって!
冷たすぎるだろ、恩人に向ける視線かよ。
「アンナちゃん……です」
「へえ、私のことは上の名前で呼ぶくせに、『アンナちゃん』ですか?」
なにこれ? 俺ってば、今から襲われるの?
「アンナちゃん、アンナちゃん、アンナちゃん、アンナちゃん、アンナちゃん……」
ブツブツと念仏のように俺の取材対象の名を連呼している。
怖い~!
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