《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》80 お土産は薄い本

俺は変態JKこと、北神 ほのかと別れた……というか、逃げてきた。

あれが世にのさばっている時點でこの國も終わりだな。

なにが「國境なき同人活」だよ。

要は変態同人誌をバラまきたいって言っているようなもんだろうが。

帰宅すると、玄関で不満げにこっちを睨む妹、かなでがいた。

「おかえりなさいですわ……」

口をとんがらせて、橫目でこちらを睨む。

「ただいま。どうした? かなで」

腕を組んで壁に背を預けているのだが、中學生にしてはデカすぎるがモニュッとワンピースから上にはみ出る。

「どうしたって……最近のおにーさまは冷たいですわ!」

「なにがだ? 昔からお前には冷たく対応しているつもりだ」

がキモいし、趣味もキモいし、全的にキモいし。

「そういう事じゃないですのよ!?」

なんだ? 今日はやけに機嫌が悪いな。

「つまり?」

「毎日毎日、遅くまでコソコソと誰かと會していらっしゃるじゃないですか!?」

「そ、それは……」

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「絶対にですわ!」

鋭い……。

「どうせ貞を捨てるなら、そんじょそこらの小便臭いより、このかなでの処をもらってくださいまし!」

なに言ってんだ、この妹。

それにお前の方が中學生で小便臭そうだし、イカ臭そう。

「あのな……かなで。なにか勘違いしていやせんか? 俺はなんてしてないぞ。確かに複數のと會っていたことは事実だが」

「な、なんですって!?」

顎が外れるぐらい大きな口を開ける。

のどちんこが丸見え。

「おにーさまのハレンチ野郎!」

うるせーな、こいつ。

「だからといって、関係に至っているわけではない。あくまでも取材だ。今日もほれ……」

そう言ってリュックサックから薄い本を取り出す。

「お土産だ」

タイトル

『真剣十代、ヤリ場! らめぇ、お兄ちゃん! ボクは男の娘だよぉ~』

とかいうクッソやばい同人誌だが。

それを見るや否や、かなでは奪い取るかの如く、同人誌を素早く自の手にする。

「こ、これは……巷で話題のクッソエロい同人誌!」

はぁ、中學生の妹が発言することではないな。

「おにーさま、だーい好き!」

さっきまで不機嫌だったくせに、かなでは大喜びして俺に抱きつく。

キモいがプニプニと俺のに當たる。

「は、離れろ……かなで」

「嫌ですわ~ おにーさまはかなでのことが大好きなんですね♪」

どうやったらそんな解釈になる?

「だってぇ、こんなクッソエロい男の娘ものを買ってくるお兄さんは世界で一人だけですわ♪」

え? そう言われるとそうだよな。

どこの兄貴が妹のおかず本をしてくるんだよ? って話だぜ……。

俺の人生、もう終わってる気がする。

「あらぁ、楽しそうね、二人とも」

振り返ると眼鏡を怪しくらす腐り母が。

「あ、おっ母様! おにーさまがかなでのために、クッソエロい同人誌を買ってきてくれたんですわ!」

「へぇ……タクくん。今晩、かなでちゃんとヤル気? そんなことで腐子を落とせるとでも思っているの?」

なにを言っているんだ、このババア。

「嫌ですわ、おっ母様ったら……かなではまだおにーさまとを重ねるには心の準備が……」

エロ同人誌を大事そうに抱いて、ツインテをブンブン左右に振り回すかなで。

あの、俺は最初から準備なんてしてないからね?

「ところでタクくん……例のブツは?」

ヤクザの取引かよ。

BLの話になると怖いんだよ、この母親。

「母さんには頼まれたものを買ってきたよ」

リュックサックからもう一冊同人誌を取り出す。

タイトル

『俺のハッテン場はヤリ目だらけ』

酷いタイトルだ。

すべてのホモに謝ってほしい。

時代はLGBTプラスQだというのに、この界隈は無慈悲だ。

「なん……だと!?」

驚愕するアラフォー

「ん? 母さん、間違ってたか?」

「いいえ……噂以上のブツだわ! 今晩はこれでBLママ友とオンライン飲み會できるってもんだわ!」

目が走ってるよ……クソキモ!

同人誌を手に取ると、俺とかなでの存在をなかったかのように熱中して食いるように読み始める。

するとブツブツ言いながら去っていった。

歩く変態だ。

「やっぱりうちの家族って仲がいいですわよね♪」

ニッコリと笑うかなで。

「なあ、俺たちって歪んでないか? 家族として……」

「健全すぎるぐらいですわよ♪」

「そ、そうか……」

俺は疲れからか、自室にると仮眠することにした。

~數時間後~

ピコン!

スマホの通知音で目が覚める。

畫面を見ると見慣れない名前だった。

北神 ほのか。

メールを開くと

『YO! チェックしときな、ダンナ!』

と訳のわからんメッセージと共に、何かのファイルが複數、添付されていた。

「なんだ?」

俺はなにも考えず、ファイルを開く。

「うえ!」

そこには目を覆いたくなるようなデータが。

俺は忘れていたんだ、北神が普通のJKでなかったことを。

が俺に送り付けた大量のファイルは全部BLのマンガ。

だが、お世辭にもあまり上手いイラストだとは思えなかった。

ストーリーやエロ描寫としてはエグい……のでそっちの界隈からしたらおかずになるのだろうが、素人の俺からしても、絵は全的に下手だった。

作者の名前を見ると『変態へんたいおんな』

誰だよ…。

そう思っていると、新たな通知音。

メールを開くとまた北神 ほのか。

『忘れてたけど、自作だよ!』

てめぇの煩悩かよ!?

そう考えると北神の後頭部にチャックがあったとして……それを開いて覗き見しているような妙な覚を覚えた。

「クッソきめぇ……」

俺はファイルをそっと閉じた。

するとまた通知音。

『あ、遅くなってもいいから想ちょうだいね』

えええ!? 想を言う前に読みたくない!

更に追い打ちをかける変態先生。

『これも琢人くんの取材のうちだからね! 読まないとダメだよ! ラブコメのためだよ♪』

ラブコメってBLジャンルのうちなんですか?

「どうしたんですの、おにーさま?」

二段ベッドの下から、かなでが心配そうにこちらを見上げていた。

ノートPCで絶賛男の娘を楽しんでいらっしゃる。

ちな、エロゲー。

ヘッドホンもなしに大音量でプレイしている。

『ら、らめぇ! おにーちゃんの太いのがボクのア●ルにぃぃぃ!』

『ボ、ボクとチャンバラごっこしてぇぇぇ!』

『ダメだよ? 外に出してぇ! じゅ、しそう!』

いや、男同士なら妊娠しないから。

今のところ。

「かなで。お前、俺の代わりにBLマンガを読む気はないか?」

そう…逃げたかったんだよ。

業務委託。

「ええ……かなでは抜ける男の娘しか、興しませんもの」

その発言も異常。

「だよな」

俺は北神 ほのか基変態先生のBLマンガを読むことにした。

しんどっ!

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