《勇者になれなかった俺は異世界で》大魔王様とソラ

永遠と続く暗闇の中、急速に落下していく。

何も出來ずに落下していく。

  唯一出來る事といったら憎む事位だ。

このまま憎む事しか出來ずに死ぬ。

嫌だ。嫌だ。こんな死に方だけは絶対に嫌だ!

このまま死ぬならせめて

――痛みと死の恐怖に耐えながら俺は最後の力を振り絞って大聲で笑った。

――ハハハハハハハハッグハ……ッハハハハッハッ!

何度もを吐いた。だが笑う事をやめなかった。

憎んで死ぬより笑いながら死んだ方がマシだと思ったからだ。

だから俺は笑った。

痛みで気を失いそうになっても笑い続けた。

聲がカッスカスになっても笑い続けた。

――ッ……

そしてついに聲が出なくなった。

だが、それでも俺は笑う事をやめなかった。

例え聲が出なくても表は笑い続けた。

やがて意識が薄くなり視界もぼやけ、最期になってあいつ等の事を思い出す。

無事でいてくれよ。

そう心の中で呟き、笑顔で目を瞑った。

後は只死を待つのみ――だが、

痛みやを失った時にその覚は不意に訪れた。

優しく暖かい何かに包まれた。

これが死の覚なのかは分からない、

だが、今の俺にはその覚が心地よく、優しく暖かい何かにを任せた。

を任せ時間が経ったが、俺の意識がなくなる事はなかった。

意識がなくなるどころか痛みが消えていき、が楽になってきた。

不思議な覚に驚き、目を開けるとそこには――の顔があった。

「え?」

聲が、出た。

だが、そんな事なんてどうでも良い。

暗闇の中そのの髪は輝いているかのような明るい銀髪、

何もかもを魅了してしまいそうな紫眼をしている。

Advertisement

どうして目の前にの顔があるのか理解するのに數秒掛かった。

俺は今、膝枕されているのだ。 

急速に落下していたはずだったが、何故か落下は止まっていた。

何故、膝枕されているのか、このは誰なのか、どうして傷は治っているのか、

々な疑問が頭の中で飛びっていた。

俺が混しているとはニッコリと微笑み、話しかけてきた。

「いや~、ビックリしたよ。

まさか亜空間に人間がいるとはねえ~

しかも瀕死の癖にいきなり笑い出すしね~

やっと靜かになったと思ったら勝手に死のうとしてるし~もうビックリだよ~」

の聲はとても優しく、

聞いているだけで幸せな気分になるそんな聲だ。

「何……」

知らぬ間に傷は治っていたが、俺の力は限界に近かった。

本當は々と聞きたい事があったが、俺はそのまま眠ってしまった。

「ちょっと~、聞いてる?おーい――」

・・・・

ピヨピヨと鳥の鳴き聲が聞こえる。

が、を照らした。

が溫かいに包まれ幸せな気分になったが、

はっ!と何かを思い出したかの様に目を覚ました。

目を覚ましたばかりでボーとする意識を理矢理起こし両腕を使い、

を起こし立ち上がったが、ふらついてしまい餅をついてしまった。

「いてて、ここは――」

餅をつき、痛めたおでながら周りを見渡す。

周りは青々とした植が沢山生え、

近くには太を反してキラキラと輝いている川が流れており、その周りには小さな鳥がいた。

「あれ?確か、亜空間にいて――」

先程まで居た場所とは似も付かない場所に驚き、獨り言のようにぶつぶつと呟いた。

Advertisement

「おっ!目が覚めたんだね~」

「っ!」

いきなり聲を掛けられビクッ!となったが落ち著き、

聲がした後ろの方を振り向いた。

「あっ、」

そこには、亜空間で見た銀髪で紫眼のがいた。

今、を改めて見て思ったがとてもスタイルが良い。

ボンキュッボンだ。

さらに、よく見るとからは尾が生えていた。

尾には驚いたが、表には出さず心の中にしまった。

大きく深呼吸をし、に何と聲を掛けようか考えた。

そして三つの案が出た。

1、ここはどこですか?

2、あなたはだれですか?

3、助けてくれてありがとう。

1と2は行きり聞くのは失禮だろう。

ここはまずお禮をすべきだ。と考え、3の助けてくれてありがとうにした。

「助けてくれてありがとう」

「あはは~、禮を言われたのは久しぶりだな~

しかも行きり禮を言ってくるなんて~

もっと違う事を言ってくると予想してたんだけどな~

うん~やっぱり君を助けて正解だったよ~」

よし!第一印象は完璧だ。次は……何を聞けばいいんだ!?

くそっ、いつもならポンポンと出てくるのに、どうして出てこないんだ!

よ、よし、取り敢えず自己紹介をしよう――

「我の名はエリルス=バーゼルド、大魔王をやっている者だよー」

くそっ!先を越された!!つか大魔王だと!?

確か魔王を倒せば元の世界に返れるって……あの王《くそ》噓をついたな!

魔王倒しても大魔王いるんじゃ意味ないじゃん!

ま、いいや。どうせ俺は勇者《・・》ではないのだから。

「俺の名前は高理ソラ」

「コウリソラか~君、もしかして勇者なの?」

なっ!?名前を聞いただけで分かったのか?

Advertisement

いや、當たり前か。この世界からしたらおかしな名前だもんな。

「それは……説明すると長くなるがいい?」

俺は、一から説明すると結構長くなると思ったので一応聞くことにした。

「ん~長いのか~、じゃあ今からソラの中を覗かしてもらうね~」

「は?」

エリルスはそう言うと紫眼で此方をジーと見てきた。

すると不思議な覚に包まれクラクラとして倒れそうになったが、

頑張って立ち続けた。

そして數十秒後。

「ふむふむ~なるほどね~。王にも神にも見捨てられた人間か~

あはは~これは面白いね~。そうだっ!ソラに我の名を授けよう」

「名を授ける?どういう意味?」

俺は名を授けると言う事の意味がわからなかったからエリルスに聞いた。

「んとね~簡単に言うと~

ソラ=バーゼルドになるんだよ~さらに~我の加護がつくよ~」

ソラ=バーゼルドか……ソラ=コウリよりカッコいいじゃないか!!

やったね、しかも加護もつくなんて!この大魔王様中々良い奴だ!

「是非ください!!」

「まあ~神の加護ではないけどね~それでもいい~?」

神の加護?あの憎たらしいショタ神の?ふざけるな。

「神の加護なんていらない、

だって俺はそのうちあの ショタ神野郎をぶん毆るからな」

「あはははは~最高だねソラは~よし~では今から名を授けるよ~

名を授かった瞬間我の記憶が大量に流れてくると思うけど~頑張って耐えてね~

気を失ってもしっかりと守ってあげるから安心してね~じゃあいくよ――」

「っ!?」

突然、頭の中に大量の記憶が流れ込んできた。

記憶の中にはエリルスの過去、今までの行いなど々な事あった。

數分たったがまだ大量に記憶が流れ込んでくる。頭が割れそうな位痛い。

「うっああああ――っ!」

俺はびながら頭をおさえ、耐えた。

何度も意識が飛びそうになったが、ひたすら耐えた。

別に気を失っても問題ないが、それは俺のプライドが許さなかった。

そして數十分後――

「あ……あれ?痛みがなくなった。」

突然痛みが無くなり、思わず口に出してしまった。

「おお!耐えたかのか~すごいなソラ~」

俺は何とか耐え抜いたようだ。

そして、今の俺の頭の中にはエリルスの記憶がある。

エリルスの記憶のおかげでこの世界のことがわかった。

まず、大魔王エリルスの事だ。

エリルスは昔、この世界に生まれた一人の悪魔だった。

だが、彼の力は圧倒的なで他の悪魔達とは比べにならなかった。

そして、気がつけば彼は大魔王になっていた。

そして數百年前彼は先代勇者達によって亜空間に封印され

亜空間に封印されている途中王が現れ、先代勇者達は――王の命令で自害した。

先代勇者達は王からもらったペンダントを裝備していて、

そのペンダントの能力、絶対服従によって逆らうことができず自害した。

その景を最後にエリルスは亜空間に封印された。

そしてそれから數百年後封印が弱まり、

封印をやっと解くことが出來たエリルスは亜空間の中をさ迷っていた。

そして――亜空間に一人の年が現れ――今に繋がる。

ん?あの王って一何歳なんだ?なくても100歳は超えてるよな……

エリルスの記憶によると神の加護があれば長く生きられるらしいけど……

あの王、見た目と年齢釣り合ってないじゃないか。

見た目まで噓つきやがって。

他にも々な魔や國の名前などわかった。

「で~これからソラはどうするの~?」

「……取り敢えず、レベルを上げないとね」

俺のステータスは雑魚に等しかったので、

取り敢えずレベルを上げてステータスを向上させようと思いそういった。

「そっか~、じゃあ暫くお別れか~

私はこれから魔王城に戻るから~

暇なとき遊びにきてね~何時でも歓迎するよ~」

「魔王城か……わかったよ、そのうち遊びに行くよ」

俺は魔王城と聞き、

し怖いと思ったがエリルスがいるなら安心だなと思ったのでそのうち遊びに行くと答えた。

「うん~楽しみにまってるよ~じゃあね~」

エリルスと別れた後、取り敢えずステータスを確認してみた。

=============

名前:ソラ=バーゼルド

年齢:15

種族:人間

レベル:1

力:100

魔力:60

攻撃力:20

力:50

素早さ:20

運:10

スキル

能力

大魔王の加護:Lv MAX

稱號

大魔王の弟子

=============

ん?加護と稱號がついているけど、何も変わってないな。

レベルを上げたら変化するのかな?

そう思い、レベルを上げるために近くにスライムが出現する草原向かった。

地図などはもっていないが、エリルスの記憶のおかげでスラスラと道がわかる。

そして、草原に向かっている途中に重大な事に気がついた。

が――ないのだ。

今の裝備は制服、靴、素手。こんなじだ。

「ま、まあスライム位だったら素手でいけるでしょ……」

そんな事を呟きながら草原に向かった。

草原に著くと地面から突然明なが沸いてきた。

その明なの中には赤くてひし形の石があった。

その石は心臓みたいにドクンッドクンッといていた。

あれは、確か――エリルスの記憶を辿った。

そして、あれは魔石と言うだとわかった。魔の中には必ず魔石がっており、

それを取ると魔は消滅する。魔によっては素材を剝ぎ取れるらしい

魔石の取り方は単純で、魔に一定のダメージを與えれば魔が魔石になるらしい。

だが、その魔石を放置しておくと魔が復活するらしい。

ちなみに今、目の前にいる明なはスライムだ。

レベルは3ぐらいが平均らしい。

スライムは俺の存在に気づいていないので、チャンスだと思い。

姿勢を低くして近くに生えている草に隠れて、息を潛めタイミングを見計らう。

そして、スライムが後ろに進んでいくのを確認して

今だ!と思い飛び出し、そのままの勢いでスライムの中に手を突っ込み、

心臓の様にドクドクと脈打っている魔石を鷲摑みにしてスライムの中から引っ張り出した。

スライムはベチャと音を立てながら消滅した。

「ふぅ、やっぱ素手で何とかなったな。

でも、流石に一倒しただけじゃレベル上がらないよな」

そう思ったので、

それから10ほどスライムの中に手を突っ込み魔石を引っ張り出して倒した。

そして、ステータスを確認して見た。

=============

名前:ソラ=バーゼルド

年齢:15

種族:人間

レベル:2

力:120

魔力:90

攻撃力:25

力:55

素早さ:22

運:10

スキル

魔眼:Lv1

能力

大魔王の加護:Lv MAX

稱號

大魔王の弟子

=============

「能力全然あがってないな……でもスキルが増えてるぞ。

えっと、魔眼だと!?遂に俺の目が覚醒する時が來たようだなっ――魔眼発っ!」

俺は魔眼と言うスキルを見て廚二心がくすぐられ、テンション上がった。

そして、近くに沸いて出てきたスライムに魔眼を発してみた。

======

スライム

Lv3

スキル

======

と、ボンヤリとだが、目の前に浮かんだ。

「おぉ、レベルと名前とスキルがわかるのか。

魔眼のレベルを上げればもっと詳しく見れるのかな?」

そう思い、エリルスの記憶を辿った。

やはり、魔眼のレベルを上げると詳しく見れる様になるらしい。

これは他のスキルでも同じでレベルを上げると効果が上がるらしい。

ついでに、大魔王の加護についての記憶を辿った。

だが、その記憶は存在しなかった。恐らく大魔王の加護自俺が初なんだろう。

さて、もうしスライムを狩ったら宿を探しに近くの國に行くか。

辺りが薄く暗くなって來て、俺は流石に野宿はしたくないなと思い心の中でそう呟いた。

それから20ほどスライムを倒し、近くにあるルネガ王國に向かった。

ルネガ王國は、周り全が壁に覆われており中の様子が全く分からない。

唯一、出り口には門兵らしき人が立っていた。

俺がルネガ王國にろうとしたら門兵らしき人に捕まった。

まあ、予想はしてたけど。

分証明書か分を証明出來るを持っているか?」

と、聞かれたのでステータスを見せようと思ったが、

それはダメだと判斷した。

大魔王の加護とかみられたら絶対にまずいだろう。

と思ったからだ。そして、ここはテンプレらしい言葉で何とかしようと考えた。

「実は遠くの村から來まして、分を証明するはもってないです……」

「あー、そうか。遠くの村って言えばネドル村か?」

ネドル村?そんな村はエリルスの記憶には存在しない村だった。

そこで俺は考えた。この門兵は俺の事を試しているのでは?と。

「ネドル村?そんな村は知らないです

俺の住んでいた村は恐らくそこよりも遠い所にあると思います」

「そうか、よし。っていいぞ。

分証が無いならギルドに行ってギルドカードでも作ってもらうといいぞ。無料だしな」

「そうですか!ありがとうございます。」

やはりこの門兵は俺の事を試していたのか。

まあ、いいや。取り敢えず魔石をお金にかえないとな。

えっと確か魔石は……冒険者ギルドか。

どの道行く予定だったから丁度いいな。と思い、冒険者ギルドに向かった。

・・・・

クラスメイト編

ソラと別れたかおる達は別の部屋に移った。

別の部屋では、部屋や食堂の説明がされた。

それから、一旦解散になりクラスメイト達はそれぞれの部屋に向かった。

「かおるさんと凜さんは後で私の部屋にきてください。あと奈央さんも。」

と、結が言った。

すると、かおると凜は頷いていたが奈央が文句を言ってきた。

「あ?何でだよ」

「ソラの事で話があります」

「……わかったよ」

奈央はそういいながら自分の部屋に向かった。

すると、かおるが不満そうな表している様だった。

「何で奈央もったんだよ」

「ソラに頼まれましたので」

「そうなのか……」

それから皆部屋に向かった。

部屋の中には大きなベッドがあり、風呂など々な設備が充実していた。

結は大きくため息をついてベッドの上に座った。

「我が友よ……どうか無事でいてくれ」

結が部屋の中にってから數十分が経った。

すると、誰かが部屋のドアをノックしてきた。

結はベッドから立ち上がり部屋のドアに近付いてドアスコープを覗いた。

そこには、奈央が立っていた。

奈央の事を確認した結はドアを開けて奈央を部屋の中にれた。

奈央は部屋にった瞬間に結にソラの事を聞いてきた。

だが、結は答えずに、皆來たら言いますと言った。

奈央はあまり納得のいかない様な顔をしながらベッドの上に座った。

それから數分後、また部屋のドアがノックされた。

結が確認すると、かおるが立っていた。

かおるを部屋の中にれて、取り敢えずベッドの上に座ってもらい、凜の事を待った。

數分後、凜がやってきた。

結は全員來たことを確認し、

大きく深呼吸をしてソラについて話し始めた。

まず最初にソラのステータスの事を話した。

その次にソラがこっそりと結に伝えていた事を皆に伝えた。

「ソラさんは、あの王が々と説明している中私の耳元でこう言ってました。」

『我が友よ、このままテンプレ通りに進んでいくと恐らく俺はこの國から追放されるだろう。

そしてこの後、俺は王に呼び出される。まあ予想だがな。

それでだ、もしも俺が戻ってこなかったら俺は追放されたと

かおると凜と奈央に伝えてくれ。それと、王には逆らうなよ。

あいつは俺達を利用しようと考えているはずだ。だからチャンスが來るまで耐えるんだ。

そしてチャンスがきたらあいつにギャフンと言わせてやれ』

「と、言ってました。

恐らく先ほどの説明の時にソラさんはいなかったので、

この國から追放されたと判斷していいでしょう」

結の言葉を聞いたかおると凜はしばらく唖然としていたが、

奈央だけは平然の顔をしていた。それに気がついた結は奈央に話しかけた。

「奈央さんはあまり驚かないんですね」

「ああ、別に驚かないさ。あいつらしいとしか思わないね。

それに、あいつの事だから例え國から追放されても死なないさ

昔からそうだ。あいつは何時もそうやって一人だけ危険な目にあっては

何事も無かったかのようにケロッとして現れるんだ。今回も……きっとそうだ」

その言葉を聞いて先ほどまで唖然としていた二人も『そうだよな』といっていた。

それから4人はこれからどうするか話し合った。

話し合った結果、ソラの事は4人の緒にして

取り敢えずソラに言われた通りに王に利用され、チャンスをうかがう事にした。

・・・・

翌日、クラスメイト達は昨日と同じ巨大な天使らしき像がある部屋に集められていた。

かおる達は一応ソラが居るか周りを見渡したがやはりソラの姿はなかった。

他のクラスメイト達もソラが居ない事に気が付き、

若干ざわつき始めると同時に勢い良く木のドアが開き王がってきた。

そして、何やら思いつめているかの様な表をしながら皆の前に立った。

そんな王の表を見て、

クラスメイト達はざわつくのを止め、真剣な眼差しで王を見た。

そして、王は大きく深呼吸をして語り始めた――

「勇者の皆様にとても大事なお話しがあります。

既に皆様はこの場にソラ=コウリが居ない事はお気付きになっているでしょう」

クラスメイトの數人が首を縦に振った。

「今から話すことは他言無用でお願いします

――ソラ=コウリは私たちを“裏切り”ました」

王がそういうと、クラスメイト達はざわつき始めた。

そして、一人の年が聲を上げた。

「詳しく聞かせてください」

年の言葉を聞き王は口元を緩めニヤリと笑った。

大半のクラスメイト達は気付いていなかった様だが、

かおる達はそれを見逃さなかった。

「昨日、皆様が部屋を移る時、

ソラ=コウリには話があるためこの部屋に殘ってもらいました。

ここまでは皆様も知っているでしょう。

ですが、皆様がこの部屋から消えた瞬間ソラ=コウリは突然暴れだし、

近くにいた兵士から武を奪い私を人質にして兵士達を脅し、

金貨などを奪いこの國から逃走しました。これは許されない事です!例え勇者――」

王が話している途中、かおるは拳を強く握り震えていた。

「ふざけるな、ソラは――」

我慢の限界が來てかおるが王に文句を言おうとしたが、

咄嗟に結に口を押えられ言葉を封じられた。

そして結は小聲で

『ソラはそんな人では無いことぐらいわかっています

ですが、今は耐えてください。昨日話し合ったじゃないですか』

と言い、口から手を離した。

「ああ……ごめん」

「――ソラ=コウリにはキツイ罰を與えなければいけません。

ですが、今、生きているかはわかりません。

萬が一見つけた時は、勇者の皆様、國を守るためと思ってソラ=コウリを捕まえてください。

最悪の場合、生死は問いません」

こうして、ソラの知らない間にクラスメイト達はソラの敵となった。

    人が読んでいる<勇者になれなかった俺は異世界で>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください