《勇者になれなかった俺は異世界で》ロマンとソラ
俺はエリルスのお腹に突き刺した左手でエリルスのにある魔石を鷲摑み、
勢い良く引き抜いた。
心臓の様に脈打っている魔石を握り締め、勝ったと確信した。
かけだったが、何とか功したな……
だが、エリルスは魔石を取られたというのに消滅していなかった。
俺が不思議に思っていると、突然エリルスが笑い出した。
「アハハハハハハッ!!」
「な、何で……」
思わず聲が出た。
それもそのはずだ。
エリルスの種族は悪魔、
悪魔はモンスターと同じで魔石を取られると消滅するはずだからだ。
だが、目の前には魔石を取られたにも関わらず消滅せず、
笑っているエリルスがいる。
無理だ。
こんなの勝てる訳が無い。
「いや~、まさか魔石を取られるなんてね~
不覚だったよ~今回は我の負けだね~。」
「え?俺の勝ち?」
「そうだよ~」
俺は大魔王エリルスに勝った。
だが、俺は喜んではいなかった。
俺は勝ちを喜ぶ前にどうしても知りたいことがあったからだ。
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それは何故、エリルスは魔石を取られているのに生きているのか。
という事だ。
「エリルス、一つ聞いてもいいか?」
「何~?」
「何故、魔石を取られているのに生きているんだ?」
「ん~、説明すると長くなるから記憶を辿った方がいいかも~」
「わかった。」
俺はエリルスの記憶を辿った。
そして、何故エリルスが生きているのかがわかった。
それは、エリルスには魔石が三つあるということだ。
しかも一つでも無くなると即復活するらしい。
こんなのどうやって倒すんだよ!
俺はそう心の中でんだ。
そして、素直に勝ちを喜んだ。
・・・・
戦闘を終え、再び円卓のある部屋に戻ってきた。
早速俺はエリルスに大魔王の加護の効果について聞いた。
「大魔王の加護の効果って?」
「ん~実は我も初めてだからわからないんだよね~。
だから今から調べるよ~。」
エリルスはそう言って、
俺に近づき、全を舐めまわすように見てきた。
「なにしてるの?」
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「ん~今、魔眼で効果を調べてるんだよ~」
魔眼。俺も持っているスキルだが、
エリルスは魔眼のスキルを5つも所持している。
一つは、相手を乗っ取る事が出來る魔眼。
一つは、相手を見ただけで殺す事が出來る魔眼。
一つは、相手のスキルなどの効果を見る事が出來る魔眼。
一つは、遠くまで見る事が出來る魔眼。
つまり千里眼的なやつだ。
そして、相手をする魔眼。これらの5つだ。
恐らく今、エリルスが使っている魔眼は三つ目の相手のスキルなどの効果を見る事が出來る魔眼だろう。
俺がそんな事を思っていると、
エリルスが何やら聞いてしそうな顔をして此方をチラチラと見ていたので、
仕方なく聞いてみる事にした。
「何かわかったのか?」
「ふっふっふ~、良くぞ聞いてくれたね~
大魔王の加護の効果がわかったよ~」
エリルスはそれから大魔王の加護の効果について説明してくれたが、
とても長い説明だった。
それを簡単かつ簡潔にまとめるとこうだ。
大魔王の加護をけた者はそう簡単には死ななくなる。
そして、ステータスの上がり方は普通のステータスとあまり変わらないが、
強力なスキルをレベルMAXの狀態で習得する事が出來る。
さらに、レベルの上限がなくなる。
「どう~すごいでしょ~。」
「確かに凄いな。加護が無かったら俺は今頃ケルベロスにやられていたな……」
「うん、うん。我に謝だね~」
しうざいと思ったが、実際にエリルスには頭が上がらない。
エリルスが助けてくれなければ今の俺はいない。
エリルスの加護が無ければ今頃ケルベロスの腹の中だ。
本當にエリルスには謝しなければいけないのだ。
「ああ、ありがとう。」
俺はエリルスに謝しながら、最後の質問をした。
それは、エリルスの記憶と異なる事がある事だ。
「エリルスの記憶と異なる事があるんだが、
例えばケルベロスとか。」
「ん~それね~我もビックリしたんだよね~。
恐らくだけどね~我が居ない間に々と変わっちゃったんだよ~」
「あー、そっか。」
俺はあっさりと納得した。それもそのはずだ。
エリルスは數百年もの間、亜空間の中に封印されていたのだから。
數百年も経てばモンスターだって変わる。
知りたいことも全部しったので、
俺はヤミ達を連れて帰ろうとしたが――エリルスに肩をつかまれ、
引き止められた。
「どこに行くの~?」
「どこにって、もう用事は済んだから帰るよ。」
「ふ~ん、遊んではくれないのか~」
エリルスはそういいながらチラチラと見てきた。
こいつは本當に大魔王なのか?と疑問に思ったが、
流石にただで教えてもらって何もしないで帰るのは悪いと思ったのでエリルスと遊ぶことにした。
その事を伝えるとエリルスは子供のようにはしゃいでいた。
ヤミとスラにも一応伝えようと思ったが、ヤミ達は他の悪魔達につかまって々と聞かれていた。
俺はそんな景を見ながらあっ!そうだ。と思い、
エリルスの記憶を辿り、あの悪魔達の事を調べた。
まず、エリルスに頭を鷲摑みにされていた黒髪でが青白い男悪魔。
名前はグウィンと言って、悪魔達の指揮を取っている魔王の一人だ。
次に、金髪でグラデーションカットで目がし垂れ、
瞳のも黃金の悪魔。
名前はローズと言って主に、悪魔達の治療をしている魔王の一人だ。
次に、赤のグラデーションのボブカットで瞳のも赤の悪魔。
名前はヴェラと言って、武や防を作り出している魔王の一人だ。
次に、スキンヘッドで顔の彼方此方に傷があり、隻眼の男悪魔。
名前はウィルライアと言って、主に作戦を考えている魔王の一人だ。
ちなみに顔の傷は昔、エリルスに決闘を挑んだ時のらしい。
次に、青の髪をしショートでおっとりとしている目をし、
瞳のも青の悪魔。
名前はメリキアと言って、エリルスの護衛をしている魔王の一人だ。
うげぇ……
全員魔王だったのかよ……怖いなぁ
俺はここに居る全員の悪魔が魔王だと言う事を知ってし驚いていると、
エリルスが話しかけてきた。
「じゃあ、早速あそぼ~」
「何をし――」
俺はエリルスに何をして遊ぶのかを聞こうと思ったが、
エリルスは俺が喋り終わる前に腕を摑み、転移した。
そして、すぐに別な場所に転移し、また転移し、それをひたすら繰り返した。
ただ転移しているだけだったが、エリルスは楽しそうにしていたので俺は大人しく転移され続けた。
山や海、火山、砂漠、雪山、空、など々な所に転移した。
そして、転移し続けて數時間後、ある部屋に転移した。
そこは、真っ白な空間で、中央には椅子が置いてあるだけの部屋だった。
俺はその部屋を見て不思議に思っているとエリルスが喋り出した。
「ここはね~我の部屋なんだよ~。
「部屋!?でも何もないじゃん。」
「何も無いほうが落ち著くんだよね~」
エリルスの言っている事はわかる気がする。
だが、ここまで何もないと逆に落ち著けない様な気がするな。
と思っているとエリルスが語り始めた。
「昔ね~我にも好きな人がいたんだよ、
我は思いきってその人に告白したんだよね~
そしたらね~相手も我の事が好きだったらしくて付き合うことになったんだよ~。
それからその人とんな所を回ったんだよね~その人はとてもやさしくてね、
我に何でも與えてくれたんだよ~あの時の我は幸せだったな~と思うよ。
永遠にこの幸せが続けばいいな~と思っていたよ、
だけどね~そんな幸せは一瞬にして消え去ったんだよね~、
突然勇者とか言う奴等がやってきて、
我を倒そうとしたんだよ~
その人は倒されそうになっている我を守って死んじゃったんだよね~
その瞬間、我の頭の中は真っ白になったんだよ、
何もかもを失い……
そう、まるでこの部屋のようにね~」
「……それ、噓だろ。」
「あれ~ばれちゃった?」
「あたりまえだ、そんな記憶はないぞ。」
「まったく~ソラはロマンがないな~」
「ロマンって……
さっきのがか?あれは意味わからなかった。
あと長い。」
「もお~、ロマンって思えばロマンなの~!」
俺とエリルスはそんな事を數十分はなしあった。
そして、再び転移をして円卓のある部屋に戻ってきた。
「ふぅ~楽しかったよ~また行こうね~」
「う、うん。そうだねまた行きたいね。」
絶対行きたくねぇよ。
せめてもっとゆっくりなら良いんだが。
「じゃ~約束ね~」
俺は出來れば行きたくないと思っていたが、
エリルスの笑顔に負け、約束してしまった。
それから、俺はヤミ達を探した。
ヤミ達はまだ他の魔王達につかまり、質問攻めされていた。
「おーい、ヤミ、スラ。帰るぞー。」
「あっ!ますた!」
俺が聲を掛けると、ヤミはスラを抱えながら走ってきた。
他の魔王達はし殘念そうな顔をして此方を見て來ているが聲を掛けてくる者はいなかったので、
俺は魔王達に軽く頭を下げ、部屋から出た。
魔王城から出た俺達はまた長い旅の始まりか、
と思いつつ歩き出した。
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