《勇者になれなかった俺は異世界で》ファーストキスとソラ
俺達は魔王城を旅立ち、
行きよりもゆっくりしながらネルガ王國に帰っていた。
途中、ボールゴア王國でボロボロになった俺の服を買った。
服を買う時、俺にはセンスが無いのでヤミに服を選ばせたら、
上下真っ黒で彼方此方に鎖が付いている悪趣味な服と、
灰のフード付きローブ、それと灰の手袋。
なんで全部暗いなんだよ!とツッコミをれたがったが、
せっかくヤミが選んでくれた服だったのでそれを買うことにした。
ちなみに手袋は恐らく、この真っ黒で、
のように赤い線が何本か刻まれてる左手を隠すためのだろう。
優しい気遣いだ。
俺はそんな事を心の中で呟き、ヤミが選んでくれたを全部に付け、
ルネガ王國を目指した。
スラはどうやらローブのフードを気にったらしくずっとそこにっていた。
ちなみに、食料は魔王城を出る時こっそりと食料庫に行き、
おいしそうなを掻っ攫ってきた。
それから數十日後。
俺達は無事にルネガ王國付近に到著していた。
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そして、ルネガ王國に向かって歩きながら、
俺は門兵にヤミの事を何と説明しようか考えていた。
しばらく考え、一つの案が出て來たので一応ヤミに聞いてみた。
「なぁ、ヤミ。お前は今日から俺の妹でいいか?」
「いもうと?……ますたといっしょならなんでもいい。」
「……そうか。」
俺は若干照れつつ、ネルガ王國に向かった。
しばらく歩いていると、やっとネルガ王國の門が見えてきた。
俺はやっと帰ってこれた!と思い、
し歩くスピートを上げた。
そして、門の前に付くと、顔見知りの門兵が此方に向かってきた。
「誰かと思ったらソラじゃないか!久しぶりだな。
って、その子は?」
門兵はヤミの方を見て問いかけてきた。
ヤミは俺の後ろにを隠して、服をぎゅうっと握ってきた。
恐らく、ヤミの演技だと思うが俺はそんなヤミを見てほっこりとしながら門兵に話した。
「この子はヤミと言って、俺の妹なんですよ。」
「ほほ~!ソラの妹さんか。隨分とかわいいな。
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まぁ、妹なら安心だな。通っていいぞ。
あと、一応分証は作っとけよ。」
「わかりました~」
俺はそう言って門兵に軽く頭を下げ、ヤミを連れ門の中にった。
辺りはもう暗くなってきていたので冒険者ギルドには後で行こうと思い、
取り敢えず宿に向かった。
宿は冒険者ギルドの隣にある石煉瓦作りの宿だ。
宿の中にるとすっごい元気の良いおっさんが騒がしい聲で接客してきので、
一部屋を3泊頼んだ。案された部屋の中にり、
それから荷を置きし休憩をして冒険者ギルドに向かった。
俺は冒険者ギルドのり口に可らしい文字でようこそ!
と書かれているのを見て何だかなつかしいな。
と思っていると中からび聲が聞こえてきた。
急いで中にると、3人のごっつい男が二人の年にリンチされていた。
そして、それを止めようとして一人のが男たちの前に立ったが、
に腹パンをされ蹲ってしまった。
よく見るとそのは付嬢のリーザだった。
そして、年がリーザの頭を踏みグリグリとしていた。
おいおい、何だよこれ。
つか、リーザっ!?
流石に俺はそれを見て、黙っていられなかった。
俺は丁度いいと思い、旅の間に取得したスキルの一つ、
狂気インセニティ・モードを発した。
狂気とは、一時的に人格が多変わるがステータスが通常の10倍になるスキルだ。
俺は狂気インセニティ・モードを発しながら聲をかけた。
「おい、お前。今すぐその汚い足を退けろ。」
「は?何なのお兄さん。
邪魔するならアンタもこうなるよ?」
「ふっ、そうか。
ならやってみろよ。」
俺は鼻で笑いながらそういった。
それを聞いた年はリーザの頭から足を退け、
と顔を合わせニヤリとして二人で俺に襲い掛かってきた。
「ひれ伏せ――重力作グラビティ・コントロール」
俺がそう言うと、
年とは重力によって床に叩きつけられた。
「くっ!なんだよこれ!」
年がそうび、俺の事を睨み付けてきた。
俺はそんな年を見て、ふっと鼻で笑い年の頭を踏みグリグリとした。
「あーあー。踏まれるのはお前の方だったな。」
「貴様っ!この僕はAランク冒険者だぞ!
こんな事して――」
「そうか。
じゃあGランクに踏まれる気分はどうだ?Aランクさん。」
俺はわざとランクの部分を強調して言った。
そして、頭を踏む力を強めた。
「――あ゛あ゛!」
年が悲鳴の様な聲を上げた。
俺はそれを聞き、更に力を強めようとした――が、突然ヤミが手を握ってきた。
「ますた、それいじょうやったらしんじゃうよ。」
ヤミの聲を聞き、はっ!
となり我に返った俺は狂気インセニティ・モードを解除し、
年の頭から足を離した。
「ありがとうなヤミ。
狂気インセニティ・モードは暫く封印だな。」
「うん。」
俺はヤミの頭をでた。
そして、年とにかかっている重力作グラビティ・コントロールを解除した。
すると、解除した瞬間立ち上がり、
『覚えとけよ!』と言って逃げるように冒険者ギルドから出て行った。
すると、冒険者ギルドにいた人たちから歓聲が上がった。
「良くやってくれた!」「かっこいい~」「ふぅ~」
聞くところによると、先ほどの年とは俺達が魔王城に向かい、
ネルガ王國を出た次の日に突然やってきて、
自分達はランクが高いからと言って威張り
気に食わなかったら先ほどのようにリンチしていたのだとか。
俺は歓聲をけて照れていると、リーザが聲を掛けてきた。
「先ほどはありがとうございます!
そして、おかえりなさい!」
リーザはお腹を押さえながらそう笑顔で言ってきた。
俺は「ただいま」と言ってそれから、
皆で倒れているおっさん3人を回復させたり、
散らかった椅子などを戻していた。
そして、冒険者ギルドの中も元通りになり、
リーザは改めて俺に話しかけてきた。
「改めまして、おかえりなさ――その子は誰ですかあ!」
リーザは俺の襟を持ち、
先ほどまでお腹を痛めていたとは思えない位の勢いで前後に激しく揺すってきた。
「ちょ、ちょっと!」
俺は説明しようとしても激しく揺すられているためうまく喋ることが出來ずにいた。
リーザはその事に気づいた様で、揺するのをやめてくれた。
「で、その子は誰なんですか?」
「あ、ああ……こいつは俺の妹のヤミだ。
ヤミ、挨拶して。」
俺がヤミにそう言うと、
ヤミはリーザに軽く頭を下げた。
それを見たリーザは俺の襟をはなし、ヤミの事を抱きかかえた。
「ヤミちゃんって言うんだ~
可いね。」
ヤミはそれからしばらく、リーザにつかまっていた。
その間、俺はフードからスラを取り出し、
ツンツンと突っ突き、暇を潰していた。
・・・・
ヤミがリーザから解放され、もう外は真っ暗だったので俺達は宿に戻った。
俺は部屋の中にると早速、風呂にった。勿論スラと一緒にだ。
そして、ヤミにはってこない様にと釘を刺しといた。
「ふぅ~」
俺はお湯に浸かりながら、ボケーとしていた。
そして、ふと、魔眼の事を思い出した。
そういえば、エリルスと戦ったけど、
魔眼は俺のことを認めてくれたのか?
俺は心の中でつぶやき、気になったので魔眼を発した。
そして、曇っている鏡を見て語りかけた。
「お前は俺の事を認めたのか?」
――はい、ソラ様はエリルス様に勝負を挑み、
見事勝ちました。ソラ様は私が思っていた以上の力の持ち主です。
「確かに勝ったけど、
エリルスは全然力を出していなかっただろ。」
――確かにそうですが、
勝ちは勝ちです。
「はあ、そうか。で、
今の俺はすべてが見えるようになったのか?」
――はい、試しにそこのスライムの事を見てください。
俺は魔眼に言われるがままにスラの事を見た。
すると――
=================================
オリジナルスライム
♀
Lv40
12,000/12,000
22,000/22,000
スキル
言語理解LvMAX
スライム言語を理解するスキル。
ファイアLvMAX
魔力を50消費して炎を出すスキル。
威力は弱いが使い方次第ではかなり強くなる。
擬人化?
稀に現れる中立モンスター。
生まれながら魔力が高い。
ソラのペット。
名前はスラ。
スラ自はとてもこの名前を気にっている。
ソラの肩に乗って移する事が大好き。
新しい仲間が増えて嬉しい。
==================================
と書かれていた。
「この擬人化?ってなんだ?」
――それは、これから覚える予定のスキルです。
「そうか。」
俺はスライムの擬人化という文字を見て、
しワクワクしていた――が、その事は緒だ。
「これがすべてなのか?」
――いいえ、
もうし集中して見て見てください。
俺は言われた通りにスラの事を集中して見た。
すると、スラのが半明になり、魔石が見えた。
そして、次にスラが行する事までが見えた。
「これは……すごいな。」
――お気に召して何よりです。
俺は魔眼の真の力を確認でき、満足したので魔眼を解除した。
そして再びゆっくりとお湯に浸かりながら、
自分のステータスも確認する事にした。
=============
名前:ソラ=バーゼルド
年齢:15
種族:人間
レベル:52
力:1300
魔力:1700
攻撃力:180
防力:1000
素早さ:326
運:30
スキル・魔法
魔眼:LvMAX
強化:LvMAX
闇魔法:LvMAX
重力作:LvMAX
狂気:LvMAX
配偶:LvMAX
転移:LvMAX
?
?
能力
大魔王の加護:Lv MAX
稱號
大魔王の弟子
大魔王を超える者
=============
この大魔王を超える者って言う稱號どうにかならないかな
俺はそんな事を思いながら、
十分に溫まってから風呂を出た。
風呂から上がり、ベッドに行くとそこにはヤミが靜かに座っていた。
ちゃんと待っていたのか、偉いな。
と思いつつ俺はヤミに話しかけた。
「ヤミ、風呂ってきな。
俺はちょっと疲れたから先に寢てる。」
「わかった」
ヤミはそういって風呂場に向かった。
ヤミが風呂場に向かった事を確認して、
俺はスラを連れてベッドに橫になった。
しっかりとヤミの寢る場所は空けている。
そして、俺は直ぐに眠りについた。
・・・・
眠りについてからしばらく時間が経った。
そして、俺は何やらがムズムズしてきたので目をを覚ました。
布団の中を見て俺は目を疑った。
そこには、まだ若干、濡れているのヤミが俺のに抱きついていた。
幸い暗かったので、大事な部分はあまり見えていなかった。
「な、なにしてるんだ?」
「ますた、まえあそぶっていったのに、あそんでくれなかった。」
「ええ?」
俺は記憶を辿った――そして、
「ヤミ!明日の夜なら遊べるから今日はやめてくれ!頼む。いや、お願いします。」
と言うセリフを思い出した。
あっ!と思い、俺は取り敢えず謝ることにした。
「……ごめんなさい。忘れてました。」
「や。おしおきする。」
「は?お仕置きって何を――」
――チュッ
突然、ヤミは俺の顔を摑み固定し、
口を近づけ、キスをしてきたのであった。
俺は突然の事で混していた。
「つぎやくそくやぶったら、もっときついおしおきね」
ヤミはそう言って、目を瞑った。
俺は初めてのキスだったので、いまだに混していて
眠気が覚めてしまっていた。
俺のファーストキス……
俺はそんな事を心の中で呟きながら、スラの事を見て、
癒されながら混している脳を落ち著かせ、
何とか眠りに付いた。
翌日。
俺は晝頃に起きた。
「ふあああぁ、おはよ。」
「ますた、おはよ」
俺はヤミを見て、夜の事を思い出して、
顔を赤くしそうだったので急いで目をそらし、
スラの事を見ながら、落ち著いた。
それから、俺達はしたくを済ませ、
冒険者ギルドに向かった。
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8 121僕はまた、あの鈴の音を聞く
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