《勇者になれなかった俺は異世界で》ジョンとソラ
俺達は冒険者ギルドの中にり、
ヤミのギルドカードを作したかったので早速、
リーザに話しかけた。
「ヤミのギルドカードを作りたいんだが。」
「はい!ヤミちゃんのですねちょっと待っていてください。」
リーザは元気よくそう言い
機の引き出しから紙を取り出し渡してきた。
「俺が書くけど問題ないか?」
「問題ないですよ~」
本來であればヤミが書くべきだが俺はヤミには書かせなかった。
その理由は別にヤミが読み書きが出來ないというわけではない。
単にヤミには年齢と種族が無いからだ。
俺は紙をけ取りヤミ名前と年齢と種族を書いた。
ヤミの名前は一応ヤミ=バーゼルドと書いておいた。
そして年齢は俺の妹と言う事で12歳。
種族は俺と同じ人間にした。
俺は書き終わった紙をリーザに渡した。
リーザは紙をけ取り、そのままカウンターの奧に行った。
俺はその間暇だったのでランクの上げ方をエリルスの記憶で辿り、
確認してみた。
そして、ランクの上げ方は二つあるということがわかった。
一つはコツコツと依頼を完了させ一つ一つランクを上げる方法。
これが一番スタンダードな方法。
もう一つはなりたいランクの試験と直接勝負をし、
見事勝つことが出來ればそのランクに上がれる。
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この方法は楽だが、試験がかなり強いのであまりやる人はいないらしい。
俺はこの二つの方法があるとわかり、即決意した。
勿論、二つ目の方法だな。
試験がかなり強いなら、
俺の新スキルを試すのにピッタリの相手だ。
ちなみに、俺の新しいスキルとは配偶と転移である。
配偶は俺がモンスターを倒し経験値を得た場合ペットにも俺と同じ経験値がる。
というだ。転移は自分の行きたい場所に移できるというだ。
俺は後者の転移を試してみたいと思っている。
俺はしわくわくしているとカウンターの奧からリーザが戻ってきた。
満面な笑みを浮かべているリーザからプレートをけ取りヤミに渡した。
そして、俺は先ほど考えた事をリーザに話した。
「ランクを上げたいのだが、
今日中に勝負できる試験はいるか?」
「えぇ、いきなりですね……」
そう言うと、リーザはしの間黙り込んだ。
恐らく今日中に勝負できる試験がいるか頭の中で調べているのだろう。
そして、數十秒後。
「えっと、今日中に勝負できる試験は
……Sランク擔當のジョン=ボブさんです。」
ジョン=ボブってどっちが名前なんだろう……。
それにしてもSランクか俺はAランク位で良いと思っていたが、
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せっかくSランクがいるなら勝負してみようか。
「その、ジョン?ボブ?さんは何処にいる?」
俺は勝負を挑むため、居場所を聞いた。
「ええ!?勝負を挑む気ですか、
Sランクですよ?正直言って相手になると思いません。」
「じゃあ、聞くけどその人のレベルは?」
そいつのレベルがもしケルベロスよりも低いならばしは考えないといけないな。
と考えレベルを聞いた。
「確か……96だった気がします。」
俺はその言葉を聞いた瞬間、自然と口元が緩みニヤリと不気味な笑みを浮かべてしまった。
あのケルベロスよりも6レベル高い。
それは、沢山スキルを試せそうだ。
と思うと、どうしても笑みを抑えられなかった。
俺はリーザにその笑みを見られないように右手で口元を抑えた。
そして、笑みが収まり右手を口元から離し、
リーザに話しかけた。
「今すぐにでも勝負を挑みたい。」
それを聞いたリーザの表は若干呆れた表をしている気がした。
「はあ、そうですか。
何を言っても聞いてくれなさそうですね。
ジョン=ボブさんには私から伝えておくので
先に試験場に行っててください。」
「おう。」
俺はそれを聞いて、
わくわくしながら試験場に向かった。
試験場は、ネルガ王國の大中心にある。
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試験場は、石作りのしいアーチ型並んでいて3階建ての建だ。
2階、3階に客席がありその中心には大きな円があり、
そこで試験をやったり模擬戦をするらしい。
簡単に言うとコロッセオの小さいバージョンだ。
俺は試験場にるときに邪魔になりそうだったので
ヤミとスラを2階の客席に置いてきた。
そして俺は一階に行き試験を待った。
數十分後、試験はまだ來ていないが、
「お?」
何やら客席に大勢の人が集まりだした。
何だ?客なんて呼んだ覚えないぞ。
それとも試験を見に來た野次馬さん達か?
俺がそんな事を思っていると客席から、
「あの鬼が、Sランクに勝負を挑んだのかよ。」
「リーザさんが言ってたから期待してきたんだけどな……あの子弱そう。」「ま、暇つぶしにはなりそうじゃね?」
などと聞こえてきた。
うわ、酷い事言ってんな。
結構傷つくな……
それにしても、リーザが言ってたって……
俺はし落ち込んだが、
それ以上にこの大勢の人がリーザから聞きつけて來たとい事に驚いた。
リーザって人気者なのかな……
俺はそんな事を心の中で呟きながら試験を待った。
観客が満席になりそうになった頃、
やっと目の前に一人の男が現れた。
「うわぁ……」
その男は長が2m位でスキンヘッドで顔の彼方此方に傷があり、
優しそうな目をしし尖った耳をしていた。
裝備は全鉄の様な鎧を裝備していた。
武は背中に背負っている大きな大剣。
そして、魔王達ほどではないが漂ってくる圧。
……こいつがジョン?ボブ?なのか。
何かアレだな。
優しい目をしてるから悪になろうとしても、
最後までなり切れない奴だな。コイツ。
「お前が、俺に勝負を挑みたいって言った奴か?」
すごく低く男らしい聲でそういわれた。
「そうだが?お前の名前ジョン?ボブ?か?」
間違えは無いと思うが、
一応確認することにした。
「なんで全部疑問形なんだ……
そうだ、おれがジョン=ボブだ。
ちなみにみんなはジョンと呼んでいる。
で、お前の名前は?」
ジョンは自分の鼻をりながらそう言ってきた。
俺は名前がボブじゃなくてジョンだったということにし驚きながら自己紹介した。
「俺の名前はソラだ。ちなみにGランク。」
俺はあえて、バーゼルドとは名乗らなかった。
理由はこんなに人が集まっているので
一人位はバーゼルドの名を知っていると思ったからだ。
「ハッハ!Gランクだと?命知らずだな。
ちなみに俺は昔勇者と冒険をした事があるぞ。
ああ、思い出したらまたあいつ等と冒険したくなってきた。」
勇者。恐らく、ジョンの言っている勇者は先代勇者の事だろう。
だが、ジョンは先代勇者が自害した殺された事は知らないだろうな。
そう思ったが、俺は一応ジョンに聞いてみる事にした。
「それは、楽しみだ。
ちなみに、その勇者とは今どこにいるのかわかるか?」
「……」
その言葉を聞き、ジョンは下を向いた。
そして、俺だけに聞こえる聲で喋りだした。
「……あいつ等は自害したよ。
いや、正確には殺されたんだ。
あのくそ王によってな。」
ジョンは小さな聲でそう言ってがあまり伝わってこなかったが、
手を見ると力いっぱい握っていた。
……こいつも王を憎んでいるんだな。
「その事実をしっているとは思わなかった。
だが、何故その事をしっているんだ?
あの場には大魔王と勇者と王しかいなかったはずだが?」
俺はジョンだけに聞こえる聲で疑問に思った事を言った。
すると、ジョンは信じられない者を見たような顔をして此方を見てきた。
「お、お前も知っていたのか?
ちなみに俺は悪魔の殘黨に聞いたんだ。
最初は信じられなかったが、
死を見てしまってな……お前は何故しっているんだ?」
ジョンは真剣な眼差しで此方を見てきた。
俺は何と答えようか迷った。
正直に話す訳には行かない、
ここは適當に誤魔化すか。
「実はな、この前悪魔を拷問したら、
たまたまその事をしったんだ。
俺も最初は信じたくなかったが他の悪魔達の事も拷問したら、
皆同じ事を言うもんだから信じるしかなかったんだ。」
話している途中で自分でも何を言っているのか分からなくなってきたが、
何とか言い切ることが出來た。
流石に噓だとバレるかなと思い恐る恐るジョンの事を見た。
「なるほどなそれにしても悪魔の拷問か。
お前の方が悪魔みたいだな。」
あれ?意外と信じてる!?
俺はそんな事を心の中で呟いているとジョンが
「このことは後でゆっくりと話し合おう」と言ってきた。
俺はそれを聞き、小さく頷いた。
そして、ジョンは自分の頬を叩き、
気合をれて大聲でんだ。
「さぁ、やろうか!」
それを聞いて俺も大聲で答えた。
「ああ、いくぞ!」
武を鞘から抜くと客席からは大きな歓聲が聞こえてきた。
俺はしやりにくいな。
と思いつつも先手を取った。
「強化リインフォースメント・ボディ」
俺は96レベルはどれほど強いのか調べるため、
強化リインフォースメント・ボディを全にかけ、
ジョンに突っ込み右手の短剣で斬りかかった。
――ギンッ!
短剣はジョンの大剣によって弾かれた。
弾かれた衝撃でバランスを崩しそうになったが即座に立て直し、
左手の短剣で再び斬りかかった――瞬間、ジョンの蹴りが飛んできて俺は3mほど遠くに飛ばれた。
幸い、強化リインフォースメント・ボディのおかげで痛みなどは無かったが、
もし、何もかけてない狀態であの蹴りをくらったら……と考え俺は震いした。
俺は態勢を整え再びジョンに突っ込もうとジョンの方を見ると、
何やら口をポカーンと開けていた。
「どうしたんだ?
カップラーメンにお湯を注いだつもりが、
水を注いでいた時の様な顔してるぞ。」
「カップ何チャラは良く分からんが、
Gランクで強化を使える者がいたとはな……
しかも俺の蹴りをけたのにも関わらず無傷か。
これは俺も本気を出さないと負けそうだな。」
あの蹴りは本気じゃなかったのかよ……
「出來るだけ優しくしてくれよ。」
「ハッハ、じゃあ俺もスキルを使って行くぞ!強化!」
「――っ!」
ジョンは一瞬にして俺の視界から消えた。
消えたっ!?……
何処だ――後ろかっ!
気配をじ咄嗟に後ろを向き、
左右の短剣を頭の上でクロスさせジョンの大剣を防いだ。
――ギギギッ
俺の短剣とジョンの大剣がれあって、火花を散らしている。
ジョンの力が予想以上に強く俺は押されていた。
やばい、力強すぎだろっ
……ここはしズルいかもしれないが――っ!
俺は右足でジョンの腹を蹴った。
ジョンは吹き飛びはしなかったがし怯んだ様で力が弱まったので俺は一気に押し返し、
ジョンの大剣を弾き、
そのまま姿勢を低くしスライディングをする様な態勢でジョンの足を刈り取った。
ジョンは足を刈り取られバランスを崩し、その場に倒れた。
「よしっ!って……」
だが、ジョンは即座に立ち上がり再び斬りかかってきた。
俺は今度は防がずにそれを弾いた。
ジョンは弾かれても怯まずに何度も斬りかかってきた。
時々ジョンの大剣を弾いた時に逆に怯みそうになることがあったが、
俺は必死に耐えた。
そして、數分弾いていると何となくだがジョンのきが分かってきた。
ジョンは3回に一度弱く斬りかかってくる。
恐らくずっと全力で斬りかかっていると
力がもたないからだろう。
だったら、それを利用してやる!
――ギンッ
一回
――ギンッ
二回……次だっ!
――ギィンッ!
俺はジョンの通常より弱い斬りを力一杯弾いた。
流石のジョンもこれには対応出來ずに怯んでいた。
そして、俺は再び姿勢を低くしスライディングをする様な態勢でジョンの足を刈り取った。
ジョンは足を刈り取られバランスを崩し、その場に倒れた。
今度はジョンが立ち上がろうとした瞬間、
俺は重力作グラビティ・コントロールを発した。
急に重力が重くなりジョンは再び地面に倒れた。
「もらったっ!――っ?」
俺はそのまま斬りかかろうとしたが、足がかなかった。
不思議に思い足を見てみた。
すると、そこには不自然に盛り上がった地面が俺の足を拘束していたのであった。
くそっ、何だよこれ!
全然抜けねえぞ!
俺は頑張って足を引き抜こうとしたがビクともしなかった。
俺が焦っていると突然ジョンの聲がした。
「ふっ、抜け出すことは不可能だ。
これで終わりだっ!」
重力作グラビティ・コントロールを破ったジョンはそう言って、
斬りかかってきた。
俺は再び左右の短剣を頭の上でクロスさせ防いだ。
れ合い火花が飛び散る中俺はジョンに押し負けそうになっていた。
「ハッハ!足がかないんじゃ蹴る事は出來ないなぁ!」
ジョンはそう言いながら更に力をれてきた。
ぐっ、このままだと確実に負けるな……仕方ない、
もうし々なスキルを使いたかったがもうアレを使うしかないか。
俺は心の中でそう決めた。
そして、勝利を確信したのか笑みを浮かべているジョンの顔を見て、
不気味な笑みを浮かべ言った。
「まだ勝利を確信するには早くないか?」
「あ?何を言って――」
「転移テレポート!」
俺は転移にテレポートと言う呼び名を付け唱えた。
唱える瞬間、俺は転移したい場所を強く頭の中でイメージした。
そして、唱えた瞬間俺は拘束から抜け出しジョンの後ろに立っていた。
よし、功!
俺は心の中でガッツポーズをした。
そして、俺が一瞬で消え戸っているジョンに音を立てずに接近し、
短剣をジョンの首に回した。
「お前の負けだ。」
「……ああ、そうだな。」
ジョンはそう言うと大剣を手から放した。
大剣が地面に落ち大きな音を立てた。
それを聞いた観客は靜まり返った。
すると、観客の誰かが「あの鬼やりやがったぞ!」と言った。
それを聞いた観客達は皆、立ち上がり歓聲や、拍手を送ってきた。
俺は若干照れつつ、ジョンと握手をした。
「まさか、転移魔法まで使えるとは……お前になら負けてもいいだろう。
今日からお前はSランクだ!」
Gランク冒険者が、Sランクの試験を倒した。
この衝撃な事は瞬く間に彼方此方に広がっていった。
だが、今の俺はこの事のせいであんな事になるとは予想もしていなかった。
・・・・
その後、俺はヤミ達を連れ酒場に行きジョンと語り合った。
勿論俺は未年なのでお酒は飲まなかったが。
ジョンは々な事を教えてくれた。
先代勇者の事がメインだったがリザリル王國の事を々と教えてくれた。
だが、殆どがエリルスの記憶で知っている事だった。
そして、ジョンと別れた後すっかり夜になっていたので宿に向う事にした。 宿に行くと元気の良いおっさんが夕飯を用意していてくれた。
俺達はそれを味しくいただき部屋にり風呂ってから眠りについた。
「ソ……ラ……ソラ……ソラ!」
俺は名前を呼ばれ目を覚ました。
「何だよ……誰だよこんな時間に。」
俺は目をりながら聲の主を探した。
そして、俺は聲の主を見た瞬間固まった。
「おーい。おーい。大丈夫?」
俺は、はっ!と我に返り、
狀況を把握しようと周りを見渡した。
だが、周りはひらすら白いだけだった。
俺は混しそうになったので、
ここはこの狀況を作り出した本人に聞いた方が良いなと考え、
聲の主に話しかけた。
「ここはどこなんだ?エリルス。」
俺は聲の主エリルスにそう言った。
「ん~、ここはね~ソラの夢の中だよ~。」
「俺の夢の中か……じゃあなんでエリルスがいるんだよ。」
「ちょっとね~、
ソラの顔が見たくなったからソラの夢にり込んだの~。」
「なんだよそれ。
用は特に無いってことか?」
「うん、そうだよ~。
よし、ソラの顔も見れた事だし帰るね~ばいばい~」
「本當にそれだけだったのかよ!」
俺はそうんだが、恐らくエリルスには聞こえてなかっただろう。
俺は心の中でため息をつき
再び目を瞑った。
【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔術師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ
第一部完結。 書籍化&コミカライズ決定しました。 「アンジェリカさん、あなたはクビです!」 ここは獣人は魔法を使えないことから、劣等種と呼ばれている世界。 主人公アンジェリカは鍛錬の結果、貓人でありながら強力な魔法を使う賢者である。 一部の人間たちは畏怖と侮蔑の両方を込めて、彼女を【劣等賢者】と呼ぶのだった。 彼女はとある國の宮廷魔術師として迎えられるも、頑張りが正當に認められず解雇される。 しかし、彼女はめげなかった。 無職になった彼女はあることを誓う。 もう一度、Fランク冒険者からやり直すのだ!と。 彼女は魔法學院を追いだされた劣等生の弟子とともにスローな冒険を始める。 しかも、どういうわけか、ことごとく無自覚に巨悪をくじいてしまう。 これはブラック職場から解放された主人公がFランク冒険者として再起し、獣人のための魔法學院を生み出し、奇跡(悪夢?)の魔法革命を起こす物語。 とにかくカワイイ女の子+どうぶつ萬歳の內容です。 基本的に女の子同士がわちゃわちゃして、ドタバタして、なんだかんだで解決します。 登場する獣人のイメージは普通の人間にケモミミと尻尾がついた感じであります。 ところどころ、貓や犬やウサギや動物全般に対する獨斷と偏見がうかがえますので、ご注意を。 女性主人公、戀愛要素なしの、軽い気持ちで読める內容になっています。 拙著「灼熱の魔女様の楽しい溫泉領地経営」と同じように、ギャグベースのお話です。 評価・ブックマーク、ありがとうございます! 誤字脫字報告、感謝しております! ご感想は本當に勵みにしております。
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