《勇者になれなかった俺は異世界で》學食とソラ
シルロ達に連れられ、學食に來た。
學食は1階と2階と3階に分かれている様だった。
エシアに聞くと1階は1年生が使う學食で2階は2年生、
3階は3年生という事になっているらしい。
學食の中はし大きめの丸いテーブルが沢山置いてあり、
生徒達がいくつかのグループに分かれて食事をしていた。
俺のいた高校では學食がなかったため、すこしわくわくしていた。
シルロ達に連れられ學食の中にると、
食事をしていた生徒達が一斉に此方を向いた。
「?」
何だこの反応は……
「なぁ、俺何かしたか――って」
シルロ達は此方を向いてきた生徒達の事を無視して空いているテーブルに向った。
俺はし不思議に思いながらヤミを連れてシルロ達についていった。
テーブルの上にはメニューが置いてあり容を見ると、
ラビットスープ、フェルネン、ゴブリンの串焼き……
など々な食べの名前が書かれていた。
「オススメはあるか?」
沢山ありどれにしようか迷ったのでシルロ達に選んでもらうことにした。
「え、えっと、このラビットスープとか……」
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ビクビクしながらレイがそう言った。
ちなみにラビットスープとはそのままの意味で、
ラビットという低レベルモンスターのをグツグツと煮込んだスープの事だ。
「じゃあ、ラビットスープにする。」
「わたしも」
俺とヤミのメニューが決まると、
エシアが近くにいたメイド服の可いの子を呼んだ。
うわぁ、メイドさんだ……
「ご注文は?」
「ラビットスープ5皿お願い。」
「かしこまりました。數分お待ちください。」
「ちょっとまった。」
メイドが戻ろうとした時俺はスラの事を忘れていた事を思い出し、
ラビットスープをもう一皿頼んだ。
メイドは『かしこまりました。』と言って戻っていった。
「なんでもう一皿頼んだのですの?」
エシアが不思議そうに質問して來た。
「何でって、スラの分を忘れていたから。」
「「「ええ!?」」」
俺が普通に答えると、ヤミを除いた3人が何故が驚いていた。
不思議に思い何を驚いているのか聞くと、
どうやら、ペットにはペット専用の餌を與えるのが當たり前だそうだ。
確かに、そうかもな。
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犬の餌はドッグフードとかだもんな……
でもスライムって何食べるんだ?
「そうだったのか、でも、俺はそんな面倒な事はしない。
スラには俺と同じを食べてもらう。」
俺は買いに行くのが面倒だと思い、そう言った。
それからしすると、メイドがラビットスープを持ってきた。
ラビットスープの見た目はコンソメスープの中に兎がっているじだ。
「味いな……」
「うまい」
「ですの!」
食事をしていると、突然2人の男が近づいてきた。
2人共、獣耳が生えていたので種族は獣人ビーストだろう。
若干顔がオオカミに近いじの男、
顔は人間だが牙をむき出しにしている男。
うわ、見るからに悪って顔してんな……
関わらない様にしよっと
俺のそんな思いは無駄だった。
「ああ?何でお前ら見たいな
“落ちこぼれ”が普通に食事してんだあ?」
「ここは“落ちこぼれ”共が來ていい場所じゃねえ。
なぁ、皆!」
「「そうだ、そうだ。」」
「「帰れ!」」
狼男達はニヤニヤとしながらそう言うと、
周りで食事をしていた生徒達も文句を言ってきた。
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シルロ達はそれを悔しそうにを噛みしめていたが、
あーあ、どうしてこうなるんだよ。
面倒臭いな……
まぁ、今の所俺には害は無いし無視安定だな。
「誰だお前、転校生かあ?」
「……モグモグ」
俺は顔面オオカミの発言を無視して食事を続けた。
スープを飲みながら狼男達の顔をチラリと見てみると顔に漫畫の様な怒りマークを浮かべていた。
「テメェ!無視してんじゃねえ!」
――ドンッ!
顔面オオカミが怒りをテーブルにぶつけてきた。
叩かれた衝撃でテーブルの上にあったスラが現在進行形で食べているラビットスープが宙に浮き落ちた衝撃でこぼれてしまった。
他のラビットスープは完食していたのでこぼれることはなかった。
スラは悲しそうにこぼれたスープを見ていた。
スラには表など存在しないが、スラとずっと一緒にいた俺にはわかった。
狼男達はそれを見て笑っていた。
「あーあー、こぼれちまったよ。
勿ないなあ!」
「つか、何で雑魚のスライムがいるんだよ
きたねえなぁ!」
「黙れ。」
俺は何もしないつもりだったが、
流石に大切な仲間スラの事を馬鹿にされて黙ってはいられなかった。
「お前はさっきこいつらの事を“落ちこぼれ”と言ったな?」
「ああ?だから何だあ?」
「“落ちこぼれ”ってお前らもそうだよな?
知ってるぞ、この學園は落ちこぼれの集まりと化しているってな。」
「なんだとテメェ!」
狼男達は顔を真っ赤にして毆り掛かってきた。
よく見ると周りの生徒達も此方に向ってきていた。
俺は正直、煽るだけでここまで反応してくるとは思っていなかった。
「ひれ伏せ“落ちこぼれ共”、重力作グラビティ・コントロール」
――ドンッ
俺は學食(1階)全に重力をかけた。
ヤミとスラとシルロ達とメイドには重力がかからないように調節した。
食堂にいた生徒達がひれ伏している中、
數人の生徒は普通に食事を続けていた。
余り重力を掛けてないので力のある者であれば、
無効化できるだろう。
「これ位でけなくなるとはな、
がっかりだ……ほぉ、まだ睨む余裕はあるようだな。」
「あ゛あ゛……」
俺はさらに重力をかけた。
學食の中は悲鳴ではなくうめき聲で溢れかえっていた。
中には気絶し、らしている者もいた。
……これ位でいいか。
本當であればもっと痛めつけてやりたいが
これ以上やったら死にかねないな。
「次俺の仲間の事を馬鹿にしたら、
これ位じゃ済まないからな。」
俺はそう言って、重力作グラビティ・コントロールを解除し、
椅子に座った。
椅子に座った俺を
シルロ達は何やらスッキリした様な顔をして此方を見てきた。
「凄いですね!」
シルロは目を輝かしてそう言ってきた。
「そうか?」
「はい、とてもカッコよかったで――危ない!」
シルロがそうぶと同時に顔面オオカミが襲い掛かってきた。
俺は咄嗟に立ち上がり、左手で顔面オオカミの顔を鷲摑みにし、攻撃を止め、
そのまま持ち上げた。
「ア゛ア゛ア゛ア゛!」
左手はヴェラによって作り出されただったので、
し加減が分からずに摑んでしまっていた様で顔面オオカミは
汚い悲鳴をあげていた。
さて、どうしようか……あっ!
どうしようか悩んでいると突然、
學食に理事長リディアがってきた。
恐らく騒ぎを聞きつけて來たのだろう。
俺は丁度良いと思い、
摑んでいる顔面オオカミを投げつけた。
「うわぁっ!何をする!ソラ君!!!私は理事長だぞ!?」
顔面オオカミは勢い良く、理事長リディアの方に飛んで行き、
片手でキャッチされていた。
キャッチされた衝撃で顔面オオカミは気絶してしまった様で、
白目をむいていた。
周りの生徒達は理事長リディアに頭を下げていた。
「うるせえ、そんな事はどうでもいいから、
そいつをどうにかしてくれ。」
「どうでもいいか……。
まぁ、いい。取り合えず狀況を聞いても?」
俺は説明するのが面倒だったのでシルロ達に任せ、
説明している間にメイドを呼びソラの分のラビットスープを再び頼んだ。
シルロ達が説明を終え、
テーブルに戻ってくると何故か理事長リディアがついてきていた。
シルロ達の顔をよく見るとし申し訳なさそうな表をしていた。
「ソラ君一応狀況は把握したが、
學園で魔法やスキルを発するのは校則違反なんだ。
そのため、これから會議を開いてソラ君の処分をどうするか話し合う必要があるんだ。
面倒だとは思うけど事件を起こした張本人のソラ君には
一応會議に來てもらうけどいいか?」
「嫌だよ。面倒くさい。」
俺は即答した。だって會議とか堅苦しそうだし。
そもそも、校則違反って何だよ。
何も説明されてねえぞ。
「お願いだ。」
「嫌だ。」
「……これでもだめか?」
理事長リディアはそう言うと深く頭を下げてきた。
その景を見ている周りの生徒達は
「何で理事長が頭下げてるんだ?」「あの理事長が?」
などと、戸いの聲を上げていた。
それもそのはずだろう。理事長リディアはこの學園で一番偉い人だ、
そんな人がただの生徒に頭を下げているんだ。
傍から見れば明らかに異常だ。
「……行ってやるよ。」
流石に、周りの目が痛かったので仕方なく會議に行くことにした。
だが、俺がそう言った瞬間理事長リディアの口元がニヤリとした。
「お前!この俺を騙したな!」
「何のことかな?では行くぞ!」
理事長リディアはそう言って、
強引に俺の手を摑み引っ張ってきた。
流石はSランク、俺が踏ん張ってもそのまま引っ張られてしまう。
そのまま、俺は引っ張られ、會議室的な所に連れてこられた。
中は魔王城の円卓よりは小さいが、
そこそこの円卓がありその周りに見知らぬ大人達が座っていた。
この世界って円卓が流行ってるのかな?
それよりも、集まるのはやいな。
心の中でそんな事を呟いていると、
理事長リディアに引っ張られ空いてる席に座らされた。
理事長リディアが空いている席に座り、口を開いた。
「皆、集まってくれてありがとう。
今回の會議の容は知っていると思うが、一応説明する――。」
理事長リディアの長い説明が終わると、
馬面の禿げが喋りだした。
「今日來たばかりの生徒が早速校則違反か。
これは厳しい処分を下さないといけないな。」
それから、大人たちが何やら話し合っていたが、
俺は別に停學や退學になっても良かったので、全く聞いていなかった。
しばらくボーとしている、
突然理事長リディアに名前を呼ばれた。
「ソラ君。何か言う事はある?」
話を聞いていなかったため、何を言えば良いのかまったくわからなかったが、
俺はずっと思っていた事を口にした。
「なぁ、そもそも俺、校則何て説明されてないんだが。」
「あ……」
・・・
今回の件は、校則を説明していなかった學校側に責任があるとして、
俺は処分されなかった。
正直に言って殘念だったが、まぁいい。
會議が終わり俺はヤミとスラを探し教室に向った。
教室の中にるとそこにはシルロ達とヤミが楽しそうに話していた。
スラはその橫で楽しそうに跳ねていた。
俺はその景を見て、結達の事を思い出した。
あいつらは元気かな?
そんな事を心の中で呟いていると、
此方に気付いたヤミがテクテクと小走りでやってきて、
そのまま抱き著かれた。
「ますた、おかえり!」
「お、おう。」
「おかえりですの!」「おかえりなさい!」「お、おかえりなさい。」
皆におかえりと言われ若干照れつつも、
ヤミの事を離し一応會議の容を説明した。
會議の容を知らせ、
それから何だかんだ話していると午後の授業が始まってしまい、
仕方なくけることにした。
授業の容は知っている事ばかりだったからボケーとしていると、
ある単語が聞こえてきた。
「え~、このように奴隷はとして扱われています――。」
奴隷はか……
エリルスの記憶によれば奴隷とは
生きでありながら名譽・権利・自由を認められず所有者に絶対服従し、
強制労働や売春をさせられ、
として扱われる存在。
俺が住んでいた所は皆平等に扱われるのが當たり前だった。
そのせいか、一部の人間などが奴隷として扱われているのが半分不愉快だと思ったが半分興味もあった。
興味というのは、可い奴隷が居るかどうかだ。
異世界と言えば可い奴隷を買ってハーレムを……
何てね。
……明日にでも行ってみるか。
そんな事を考えていると、
授業が終わりヤミが膝の上に乗ってきた。
「ますた、なにかんがえてるの?」
「ん?ちょっとな。」
「ますたのえっち。」
「ええ?なんでだよ……まぁ、いいや。
それよりもヤミ、授業は楽しいか?」
俺は明日こそ授業を一時間けて帰り奴隷を見に行こうと思っている。
それでもし、ヤミが授業を楽しんでいるなら俺一人で行こうと思いヤミに聞いた。
「たのしい!」
「そうか。お前は良い子だな。」
そう言いながらヤミの頭をでた。
そして、でながら俺は明日の事を説明した。
ヤミはし、しょんぼりとしたが、『わかった』と言ってくれた。
それから俺は、ヤミが楽しいと思うならと思い今日だけ全ての授業をけることにした。
・・・・
全ての授業が終わり、俺はヤミとスラを連れて帰ろうとしたが、
重大な問題に気付いた。
それは、帰る所がない。
という事だ。
ここはコウハリア王國。
何時も使っている宿はルネガ王國だ。
ここからルネガ王國に行くのには大1日掛かる。
どうしよう……
焦っていると、
エシアが話しかけてきた。
「ヤミちゃんは私の部屋ですの!」
「まて、エシア。部屋って何の事だ?」
「へ?部屋って言えば寮ですの。」
「ああ、寮ね。」
寮何てあったのかよ!とツッコミをれたかったが、
俺は取り合えず帰る場所が見つかり一安心した。
そして、エシアに質問した。
「ちなみに、俺は誰と一緒なのかわかるか?」
寮と言えばペアがいるはず……
そして、俺はと同じ部屋になり一線を越え――
「確か2年生のジン先輩と一緒だった気がしますの!」
「……そうか。ありがとう。」
俺はヤミと別れ、寮に向った。
寮の見た目は高級ホテルみたいで窓にはベランダが付いている。
中は立派シャンデリアが吊るされていて、
綺麗に掃除されておりどこを見てもピカピカとしていて、
メイドさん達が沢山いた。
俺が中にると一人のメイドがやってきた。
見た目は黒髪のおかっぱで優しい目をしている。
「初めまして。あなたがソラ様ですね?」
いきなりメイドに様付けで呼ばれし戸ったが俺は平然を裝って答えた。
「そうだ。」
「やっぱり!では、部屋に案するのでついてきてください。」
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