《勇者になれなかった俺は異世界で》迷宮とソラ

「武も買ったことだし、次はどうする?」

「そうだな……ちょっと行きたいところがあるんだが良いか?」

俺はエリルスに迷宮に行ってほしいと頼まれていた事を思い出し、

ゴリラ達に聞いてみた。

「良いぞ。ちなみに何処に行くんだ?」

「この街に最近出來た迷宮に行ってみたいんだ。」

「おお、良く知っているな。でも、あそこの迷宮は相當ヤバイらしいぞ。

噂に聞いた話だが、あの迷宮にって既に30人近くは死んだらしい。」

30人近くも死んだのか!?

モンスターにやられたのか罠にやられたのか

、一どっちなんだ……まぁ、し怖いが、

エリルスに頼まれた以上、行かないわけにはいかないからな。

「そうか。で、どうするんだ?

行くのか、行かないのか。」

「勿論行くぞ。だが、危険だと思ったら逃げるからな。」

Aランクのくせに逃げるなよ

……まぁ、ゴリラには奧さんが居るから奧さんを殘して死ぬわけにはいかないよな。

別に聞かなくても良いと思うが、

一応ヤミ達にも聞いてみるか。

「ヤミ達は來るか?」

「うん」「勿論」「行きます」

やはり、聞くまでも無かったな。

「よし、じゃあ行くか……って、迷宮ってどこにあるの?」

「知らないのかよ!まったく……確かこっちのはずだ。」

・・

「確かここだ。」

ゴリラについて行くと、地面が盛り上がり窟の様になっている所に著いた。

その窟の近くには大勢の武裝した人々がいた。

恐らく冒険者だろう。

結構人が多いのも驚いたが、それにしても、

「でかいな。」

地面が盛り上がり窟の様になっている所の大きさは

口だけでも縦20m橫10mぐらいはある。

「確かにでかいな、俺は何度か別の迷宮に挑んだ事があるが、ここまででかいのは初めてだ。」

「そうなのか。ところで、迷宮ってどうやって生されるんだ?」

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エリルスの記憶ではあまり詳しい事がわからなかったので、

俺はし疑問に思っていた事をゴリラに聞いてみた。

「なんだそんなことも知らないのか。

ま、俺も良く知らないが、迷宮は突然出現するらしいぞ。

どういう原理かはわかっていないがな。

一部では神が與えてくれた~なんちゃら~とかいっているな。」

「不明な點が多いんだな。」

「ああ。」

「まぁ、原理なんてどうでもいいけどな。」

「おいおい、じゃあ何で聞いたんだよ!」

「何となくだ。よし、行くぞ!」

俺達は他の冒険者達をかき分けて迷宮の口の前まで來たが、

突然、ネルガ王國の門兵と同じような格好をした門兵らしき人に

「ちょっと待て。」と言われ止められた。

「この先は危険だ。実力が無いと通すことは出來ない。」

俺はてっきり通行料とか取られるのかと思っていたが、

そんな事でし安心した。

だって実力があればここを通れるんだ、

こちらはAランクとSランクだぜ?余裕で通れるじゃん。

俺はそう思い、ゴリラの一緒にギルドカードを門兵に見せた。

「「ほらよ」」

二つのギルドカードを見た門兵らしき人は一瞬固まっていたが、しばらくすると顔を真っ青にして謝ってきた。

「ご、ごめんなさい。どうぞ、お通りください。」

何故謝る。そして、何故敬語になった。

それにライラ達の事は何も言わないんだな。

まぁ、ライラには奴隷の首が付いているから関係無いんだろうな。

俺はそんなことを思いながら、迷宮の中にっていた。

「うわっ、暗い。」

迷宮の中は真っ暗で殆ど何も見えなかった。

「こりゃ、何も見えないな。

ちょっと待ってろ。……はっ!」

ゴリラの『はっ!』と言う聲と同時に周りが一気に明るくなり、

迷宮の中が良く見えるようになった。

いや、正確には周りが明るくなったわけではない。

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ゴリラが暗視の様なスキルをかけてくれたんだろう。

ヤミ達の方を見ると驚いた様な表をしていたので、

ゴリラはヤミ達にもかけてくれたのだろう。

「凄いな。」

「だろ?中々便利だろ。」

「いや、その事じゃなくて迷宮の事な。」

「えええ!?」

迷宮の中は鍾の様になっていてとても綺麗だった。

俺はその景を見て思わず凄いなと言ってしまった。

だが、そんな綺麗な所でも奴等はやってくる。

「ますた、きます。」

――カタカタカタ

そんな音を鳴らしながら現れたのは右手に錆びた剣を持っている全骨のスケルトンだ。

「何だ、スケルトンか。ヤミ、任せた。」

「うん」

――ボウッ

瞬殺だ。まぁ、スケルトンなんて雑魚モンスターだから當たり前だが。

「前も見たけど、やっぱりお嬢ちゃんは強いな。」

「當たり前だ。俺の仲間だぞ。」

俺はそう言いながらヤミの頭をポンポンとでてやった。

「はははは、それもそうか!

だが、それより後ろが大変な事になっているぞ。」

「後ろ?」

後ろを振り返るとそこには、

今にも発しそうなぐらい頬を膨らませたスラとライラが此方を睨んできていた。

「げっ。」

「げっ!って何ですか!聞きましたかライラさん。

今げっ!って言われましたよ。」

「ああ、聞いたぞ。主人よ、げっ!とは何だ、

それに何時までイチャイチャしてるんだ?」

俺はそう言われ、ヤミの頭から手をどかそうとすると、

ヤミが俺の手を強く握ってきた。

「?」

「わたし、がんばった。だからもっと」

「しょうがねえな。」

――ポンポン。

「きいいいいいいい!聞きましたかライラさん。

あんな雑魚倒しただけでご褒ですって!」

「うむ、聞いたぞ。

だったら私たちもモンスターを倒すぞ!」

「はい!」

二人はそう言って凄い速さで奧へ進んでいった。

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ライラとスラの後を追いかけて、俺達は螺旋狀の階段を數階下りた。

ちなみに、エリルスの記憶によると迷宮は下に降りていくにつれ

1、2、3…と増えていくらしく、1層、2層、3層…と言うらしい。

そして、今俺達が居るのは4層だ。

ここまで來る時に一度もモンスターと出會う事は無かった。

その代わりに複數の魔石が地面に転がっていた。

スラとライラが倒したモンスターの魔石だ。

俺達はそれを拾いながらライラとスラを追いかけて來た。

ちなみに、迷宮の中は1層からずっと鍾のままだ。

特にこれといった変化は無かった。

「にしても、この迷宮今のところは何とも無いな。」

ライラ達を歩きながら追いかけていると、

突然ゴリラがそう呟いた。

「そうだな。魔石を見た所、モンスター達も大して強くない様だしな。」

落ちている魔石はこの迷宮で最初に倒した

スケルトンの魔石と大して変わらない大きさで3~5cm程だった。

「ああ。『今の所』はな。」

「ゆだんはだめ」

「そうだな、ヤミ。この迷宮では既に30人近くが死んでいるんだ。

だったら、それなりに強力なモンスターや罠があるはずだからな。

モンスターならまだ良いが、もし理不盡な罠とかだったら嫌だな。」

「理不盡な罠か、即死もあり得そうだな。

まっ、この俺が居る限り罠何かに掛ったりしないけどな!」

「おい、それっ――」

――ガチャン

ゴリラの足元の地面の一部が沈み何かが

く音と同時に俺達が居た地面が崩れ落ち、

そのまま地面の欠片と共に下に落下した。

「「うあああああ!?」」

くそっ!ゴリラの奴ふざけやがって!!

このまま地面に激突したら間違いなく即死じゃねえか!!

くそ野郎!俺はそんな事を思いながらスキルを発させた。

「重力作グラビティ・コントロール!」

「うほぅ!?」

ゴリラは驚き、本のゴリラの様な聲を出した。

「兄ちゃん、こんな事も出來るのか。凄いな!」

重力作グラビティ・コントロールを使い、

ゆっくりと一番下の地面に下りると、

そこには気絶したライラとスラが倒れていた。

恐らくこいつらも同じ罠に引っかかって落ちてきたのだろう。

「まさか、お嬢ちゃん達死んだりしてないよな?」

「大丈夫だ。気絶してるだけだ。」

「それにしても、30人近くの冒険者はここで死んだようだな。」

今、俺達が居るところには約30人程の死が転がっている。

が飛び散っている者、関節が変な方向へ曲がっている者……

皆落ちた衝撃で死んだのだろう。

「ああ、そうだな。せめてギルドカードだけでも持って帰ってやろう。」

「ああ。」

俺達は死からギルドカードを優しく取り、

ギルドカードを取った死はヤミの炎で燃やしてもらった。

エリルスの記憶によると、死を放置して置くと、

稀にモンスター化するそうだ。

「悪いな、ヤミ。」

俺は黙々と死を焼いているヤミの姿を見て複雑な気持ちになった。

「ん?」

ヤミは俺の言葉の意味が分からず

首を傾げて此方を見てきたので俺はヤミに近付き頭でてやった。

「うふふふ~」

「お、おい。兄ちゃん、死ぬなよ?」

「は?」

俺は後ろから寒気がしたので恐る恐る振り返ってみた――するとそこには、

漫畫とかで良くある『ゴゴゴゴ』ってじの文字が出てきそうな

ライラとスラが立っていた。

「お、おはようございます……」

「ソラッ!!」「ソラ!!」

――アアアアアアア

その後、俺は小一時間位気絶した。

「いてて……」

目が覚め、最初に目にってきたのは皆で楽しそうに

サンドイッチを食べている姿だった。

恐らく、ゴリラの奧さん特のサンドイッチだろう。

「?」

皆で楽しそうに食べていると思ったが、

そこにはヤミの姿だけが無かった。

俺は不思議に思い、周りを見渡した。

すると、俺の中で一つの疑問が生まれた。

何か視界高くね?俺は今橫になっているはずなんだが

……しかも、この覚“あの時”と似てるな。という事は――

「っ!?」

俺は真実を確認する為、

勢い良く起き上がろうとしたが両肩を途轍もない力で抑え込まれ、

起き上がる事が出來なかった。

そして、その力の持ち主が俺の顔を覗いてきた。

「ますた、まだうごいたらだめ」

「やっぱりヤミだったか……何で膝枕何てしてるんだ?」

「なんとなく?」

「何となくって……。」

「ますた、これ」

ヤミは近くに置いてあった籠の中からサンドイッチを取り出して

俺に渡してきた。

「おお、ありがとな。」

もぐもぐ

「あいつら元気だな。」

俺はサンドイッチを食べながらライラ達の方を見ると、

そこにはライラとスラとゴリラが何やら楽しそうに騒いでいた。

「うん」

ヤミから渡されたサンドイッチを食べ終え、

俺はヤミに膝枕やめてもらい、ゴリラ達がいる方へ向かった。

ゴリラ達に近付くと、

此方に気付いたスラとライラが立ち上がり此方によって來た。

「あ、ソラ――って、また二人でイチャイチャしてるんですか!?」

「おう、主人よ、またお仕置きされたいのか?」

「ああ、おはよう……ってお仕置きって何だ!?

俺はお仕置きされてたのか?」

「うむ、あんな事やそんな事を……。」

俺が気絶している間に何が起きたんだ!?

あんな事とか何だよ!くそっ、気になるが何か嫌な予がする。

ここは誤解されない様にヤミと離れるか。

「ヤミからサンドイッチを貰っただけでイチャイチャ何てしてない。」

「本當にそうか?まさか膝枕なんてしてもらってないだろうな?」

「ま、まさかそんな事――」

「ないだろうな?」

くそ、本當にライラと話していると調子が狂う……。

このままじゃまずいな、何とか話を逸らさないと

……そうだ、ここは迷宮なんだ、だったら簡単だ。

「よ、よし、食事も済んだことだし、

さっさとこの迷宮を攻略するか!さぁ、行くぞ!」

「主人よ話を逸らす気か……まぁ、仕方ない帰ったらじっくりと聞くことにしよう。」

「そうですね。」

・・

迷宮の奧に進むと、突然上から數の人間の死が落ちてきた。

「何だ?」

ゴリラは不思議そうにその死に近付くと、

急に死が無気力に立ち上がった。

「うおっ!ゾンビだったか!」

ゾンビか、こいつも雑魚モンスターだ。

この迷宮は罠以外大した事無いのか?いや、まだ分からないか。

一応警戒していくか。

「ふぅ、終わったぞ。って兄ちゃん、何ボーっとしてるんだ?」

俺がそんな事を考えている間にゴリラがゾンビを全員倒した様だ。

「いや、ちょっと考え事をしていただけだ。」

「そうか、疲れたならし休憩するが大丈夫か?」

「問題ない。行くぞ――」

――ガチャン

「あ。」

俺が歩き出そうとして一歩進むと急にその地面が沈み何かのスイッチ音がした。

――ピーーーーン

「うっ」

耳を劈く様な音と共に途轍もないが放たれ俺は目を瞑った。

音が収まり、俺はゆっくりと目を開けると

そこには真っ白な空間が広がっていた。

「何ですかここは?」

「わからん、主人はわかるか?」

「わからない。だが、罠に掛かったという事だけはわかる。」

「お、おい、何だよあれっ!」

ゴリラが凄く焦りながらそう言い一ヵ所に指をさした。

俺はゴリラの指さす方を見るとそこには一のモンスターが出現していた。

「なっ、お前は……」

そのモンスターは、犬の頭が三つ、は獅子、尾は蛇。

俺はこいつを知っている。忘れるはずが無い――今の俺はあの時より強い。

次こそはお前に完全勝利してやる。

「お前はあの時のお前では無い。

だが、そんな事は関係無い。

俺はお前を絶対殺す。」

「お前等は手を出すな。」

「はぁ!?兄ちゃん戦う気かよ!

相手はあのケルベロスだぞ?

勝てるわけないだろ!逃げるぞ」

ゴリラの言っている事は正しい。

本來ならケルベロスは數十人のSランクが戦ってやっと倒す事が出來るレベルのモンスターだ。

だが、そんなモンスターに俺は左肩から下と引き換えに勝った事が一度だけある。

俺はあの時の痛み、悲しみをこいつにぶつけたい。

今から俺がこのケルベロスにやろうとしている事はただの八つ當たりかもしれない。

「確かにその通りだな。

だが、どこに逃げるって言うんだ?」

今俺達が居るのは何処を見渡しても只々白いだけだ。

り口何て存在しない故に何処にも逃げる事は出來ない。

この罠はここでケルベロスに殺される罠だったのだろう。

まぁ、転移を使ったら普通に帰れるけど。

「じ、じゃあどうするんだよ!」

「だから俺が一人であいつを倒すから引っ込んでろって。」

ゴリラは苦蟲を噛み潰したよう顔し、

納得したかのように後ろに下がった。

それを確認した俺はケルベロスの方へと歩き出した。

「お、お嬢ちゃん方は止め無くて良いのか?」

後ろから小さなゴリラの聲が聞こえてきた。

「だいじょうぶ」

「主人なら大丈夫だろ。」

「ソラなら絶対勝ちますよ。だって――」

――ガアアアッ!

スラの言葉はケルベロスの咆哮によって最後まで聞こえなかったが、

今はそんな事はどうでもいい。

「さぁ、圧倒的な力で殺してやるよ。

強化リインフォースメント・ボディ、

魔眼フルヴュー・アイズ、

闇魔法ダークネス・ソーサリー」

強化リインフォースメント・ボディをに掛け、

久しぶりに使う魔眼フルヴュー・アイズを掛け、

最後に長剣に闇魔法ダークネス・ソーサリー掛けた。

久しぶりに魔眼フルヴュー・アイズを使ったな。

今ならケルベロスのステータスを見る事が出來るけど、

別に興味無いから良いか。

――ガアアアッ!

ケルベロスはびながら凄い速さで此方に飛びかかってきた。

だが、今の俺は強化リインフォースメント・ボディのおかげで

並外れた能力になっているため、

ケルベロスの飛びつきをかわすことが出來た。

それ以前に、魔眼フルヴュー・アイズで

ケルベロスが次にどんなきをするのかが分かっている為、

避ける事はいとも簡単な事だ。

そして、次にケルベロスの右頭が火を吐く事が分かった俺は

転移テレポートを使い、

一瞬でケルベロスの右頭の前に移し、

漆黒の炎が宿った長剣でスパッと右頭を斬り落とした。

右頭を落とされたケルベロスは怒り狂って引っ掻いたり、

噛みつこうとして來たが俺は全部見えているので

いとも簡単にそれを避け続けた。

すると、魔眼フルヴュー・アイズによって

ケルベロスの右頭が復活する未來が見えた。

あ、そうだった。

確かケルベロスの三つの頭の象徴って【知能】、【再生】、【恐怖】だっけ。

――グチャァ!

グロテスクな音と共にケルベロスの右頭が復活した。

「うわぁ、面倒くさ。もう一気に止めを刺すか。」

俺はそう呟き、漆黒の炎が宿っている長剣で刺す構えを取り、

そのまま地面を思いっきり蹴り上げ、

魔眼フルヴュー・アイズによって丸見えになっている

ケルベロスの魔石目がけて突っ込んだ。

――ブシャア

長剣はすんなりとケルベロスの皮を貫通し、魔石を破壊した。

ケルベロスは全からしぶきをあげ、消滅した。

「ふぅ。」

ケルベロスを倒し終わり、

俺はゴリラ達がいる方へ帰ろうと歩き出した瞬間

――パチパチパチパチ

「っ!?」

俺は何者かの拍手の音がした方に振り返った。

するとそこには、

長は150cm程での半分位あるクリームの髪をしていて、

目は若干釣り目で瞳がエメラルドの全の……年が立っていた。

顔だけ見たら完璧になのに、

その人は下半に男の象徴を付けている。

しかもナニを強調する様に突き出している。

それを見て俺は思った。

間違いないこいつは――変態だ。と。

「君は強いなぁ、まさかケルベロスを倒しちゃうなんてぇ。

しかもぉ、完全に遊びってじだったしぃ。

君は何者なんだいぃ?」

「……」

俺は変態とは離したくなかったので口を開かず、

その変態を哀れむ目で見た。

「ち、ちょっとぉ!何で無視するのぉ!

しかもぉ、何その目ぇ!……ふぅ~ん、

ボクにそんな態度取っていいんだぁ。」

「……」

「きいいいいぃ!もう怒ったぁ死ねぇ!」」

変態は凄い速さで近付き、まず俺の目を潰し視界を奪い、

そして右腕を引き千切り、跪かし、高笑いし、

俺の頭をグリグリと踏みにじみ、そのまま頭を潰す

――という事をしてくると魔眼フルヴュー・アイズ

で分かっていたので俺は変態が近付いてきた瞬間

右足で思いっきり男の象徴を蹴り上げた。

――あぎいぃいいいぃいい!!

変な悲鳴を上げ、変態は凄い速さで元居た場所まで戻り、蹲った。

「うううぅ、貴様ぁ、よくもやってくれたなぁ。うううぅ」

変態は蹲りながら々と言ってきた。

ずっとブツブツ言ってきて流石にイライラした俺を軽蔑するような目をし、

口を開いた。

「おい、変態。死ぬか、

大事な部分を潰されるのとどっちがいい?」

「うう、貴様ぁ、それではどっちを選んでも死ぬだろぉ!

くそぉ!これでもボクは霊王だぞぉ!」

霊王だと?何だそれは、エリルスの記憶にも存在しないぞ。

「おい、変態。霊王とは何だ?

それを説明したら見逃してやってもいいぞ。」

「本當かぁ!霊王とはぁ、このボクの事だぁ!」

「……」

誇らしげにそう言った変態に俺は無言で近付き

みたいに長い髪を摑み引っ張った。

「いたたたたいいいぃ。」

「おい、ちゃんと説明する気が無いなら

このまま振り回して引き千切るぞ?」

「はいいぃ!霊王とはぁ、

霊の王であってぇ

主に迷宮の生やこの世界の環境や気候を管理したり出來る存在ですぅ!」

迷宮の生だと!?つまりこいつが迷宮を生しているって事か!

それにこの世界の環境や気候を管理だと!?

……中々の収穫だ。

「なるほど。じゃあ、お前に選択肢をやる。

1、死ぬ、2、大事な部分を潰される、3、俺の仲間になる。

さぁどうする?」

「仲間になるにきまってるぅ!」

ニヤリ

「そうか。じゃあ、名前を教えろ。」

「ボクの名前はぁ、

ノイって言うのぉ」

「そうか、俺の名前はソラだ。」

「ソラかぁ、

ソラは強いから特別にソラくんって呼んであげるぅ」

「……勝手にしろ。

あっ、それと、この迷宮のゴールってどこだ?」

「ん?この迷宮にゴール何て無いよぉ、

この迷宮は必ずどこかの罠で死ぬようにしてあるからねぇ。

ソラくんは死ななかったけどねぇ。」

「そうか、趣味悪いなお前。」

「えへへぇ~」

俺はそう言ってゴリラ達の方へ歩き出した。

クラスメイト編

初めて迷宮の中にった勇者たちは、

迷宮の中にいるモンスターが現れ怯えていた。

無理もない、勇者たちはこの世界に來て、

ずっと庭などで訓練をしていた為、

一度も國の外に出た事が無いのだ。

そのため、初めて見るモンスターに怯えていたのだ。

「お前達!こいつはスケルトンと言ってただの雑魚モンスターだぞ!

何を怯えている、お前達の力ならこんな迷宮簡単に攻略できるだろ!」

偉そうな騎士がびが木霊する。

そのびを聞き、はっ!となった數人の勇者たちが武を取り出し、

一人の勇者が皆に言い聞かせる様にびだした。

「そうだ、俺達は勇者だ!

この世界を救って元の世界に帰るんだろ?

こんな所で怯えていたら何時までも帰れねえぞ!」

そう言ってスケルトンの前に飛び出し、

そのまま剣を斜め上に振り上げ、スケルトンを倒した。

その景を見た勇者達は『俺達もやるぞ!』

と言って続々と武を取り出し迷宮の奧へと進んでいった。

それから勇者たちは止まらなかった。

モンスターが現れたら直ぐに倒し、奧に進んだ。

勇者たちは自分の力がどれだけ強力ななのかを知り、

まるで暴走した列車の様に一回も止まること無く、

凄い勢いで迷宮の奧へ進んでいった。

自分達の力を信じ切って、

自分達は最強だと確信して。

故に止まらない。

勇者たちは瞬く間に數々の迷宮を攻略していった。

その活躍から勇者たちはすっかり人気者になり、

この世界で勇者たちの事を知らない人はそう居ないとまで言われる

程人気になった。

そして、勇者たちは今、

王に呼び出され最初に召喚された部屋に集まっていた。

「勇者の皆様、知っている方も居ると思いますが、

先日、ニマエと言う街に新しい迷宮が現れました。

聞くところによるとその迷宮では既に30名ほどが亡くなっているそうです

……勇者の皆様にはこの迷宮に行って攻略してきてしいのです。

恐らく厳しい攻略になると思いますが、

勇者の皆様ならきっと攻略出來ます!

強制はしません、勇気がある方のみで構いません。

どなたか行ってくれる方はいませんか?」

王の言葉を聞き、勇者全員が『行きます』と答えた。

王はその言葉を聞き、ニヤリと笑ったがそれを見た者は誰もいない。

「ありがとうございます!勇者の皆様ならそう言ってくれると思ってました。

では、早速明日から出発するので、

今日はゆっくりと休んでください。」

翌日、勇者たちはニマエの迷宮に來ていた。

迷宮の周りにいた冒険者達は勇者の姿を見ると

凄い速さで近寄り握手などしていた。

握手などを終わらせ、勇者たちは迷宮の口に近付いた。

口の近くいる門兵は勇者たちを見てペコペコと頭を下げている。

「俺達は勇者だ!絶対に誰一人欠けずに攻略するぞ!」

勇者の一人がび、それに答えるように他の勇者たちは

大聲で『おおおお!』とんだ。

そして、迷宮に足を踏みれようとした瞬間――

――ドゴオオオンッ!

轟音と共に、迷宮が地面に沈んでいった。

その景を見て、勇者たちは愕然とした。

そして、土埃の中に數人の人影が見え、

勇者たちは一斉に武を構えた。

「何者だ!名乗らなければ――なっ!?」

「「「!!!」」」

勇者たちは土埃の中から出てきた人を見て絶句した。

そんな中、土埃の中から出てきた人が喋った。

「久しぶりだな。」

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