《勇者になれなかった俺は異世界で》宴とソラ達

エリルスから教えてもらった宿の代わりになる空いている部屋の中は、

教室二つ分位の広さの部屋で、

天井からは巨大なシャンデリアが複數ぶら下がり、

壁には立派な絵畫が幾つも飾ってあった。

他にも高級そうな々な裝飾が飾ってあり、

本當に此処は魔王城なのか?と疑いたくなるほど立派な部屋だった。

俺もこの部屋の立派さには驚いていたが、

俺以上にゴリラ達は魔王と出會った時よりも驚き、

唖然とし、口をパクパクとしていた。

「……ここって本當に魔王城なのか?」

奈央は目を大きく見開いたままそう呟いた。

まぁ、無理もない事だ。

俺は良く知らないが、反応を見る限り、

リザリル王國のあの王が居る城よりも立派なのだろう。

「魔王城と言うより高級ホテルってじですね……。」

「こんな部屋初めて見るぞ……。」

「凄いな。」

「おぉおおお。」

「凄いな……おい、兄ちゃんこれは夢なのか?」

俺とヤミ達を除いた皆が部屋の立派さに見とれて想を呟いているだけで

部屋の中に一歩たりとも進もうとしなかった。

「見とれている所悪いが、

さっさと部屋の中にってくれないか?」

俺がそう言うと、皆、はっ!

と我に返り荷を持って部屋にりだした。

・・

「全く、立ったまま気絶する奴なんて初めて見たぞ。」

部屋の中にり、荷などを整理しながら、

俺はし嫌味っぽくゴリラ達にそう言った。

「し、仕方ねえだろ!相手は大魔王だぞ!?

兄ちゃんは慣れてるかもしれないが俺達は初対面なんだぞ、

しかもあの威圧……思い出しただけで震えて來るぞ……」

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威圧?あのエリルスのか?

……威圧なんて一切じられなかったんだがな……

「はぁ、戦う前に死んじゃうかもなー……」

かおるは部屋にある窓を開け遠くを見て黃昏ながらそう呟いた。

「私も何だかそんな気がします……」

「「はははは」」

かおると結は無気力な笑い聲を出しながら二人して窓から遠くを見ていた。

俺はそんな二人から目を逸らし、荷を整理した。

「ふぅ、荷整理も終わったことだし――」

整理が終わり、

次は何をしようかと思っていると俺は途中でヴェラに後で話があると

言われていた事を思い出しヴェラに會いに行くことにした。

「ちょっと、ヴェラの所に行ってくる。

どこかに行きたい時はスラに道案してもらってくれ、

たぶんスラなら道を覚えてる。」

「もしかしなくても一人で行く気ですか?ずるいです!!

……確かに道は覚えていますが……」

「一人で行く気だ。」

そう言うとスラが頬を膨らませ凄く不機嫌そうな顔をして此方を睨んで來た。

……面倒くさいな……そうだ、スラは純粋だから――

「道を覚えているなんてやっぱスラは優秀だな。

流石だ――そんなスラだから俺は結達の事を安心して預けられるんだ

……だから、な?」

「……わかりましたよ。」

スラは下を向いてし嬉しそうにニヤけながらそう言った。

そして、それを聞いた俺は『ちょろいな』と心の中で呟いた――事はだ。

スラの事を説得し終わり、

俺はヴェラの事だから戦闘訓練とかしそうだな、

と考え一応武を裝備してヴェラの所へ行こうとし、

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扉がある方へ歩き出した。

もうしでドアに手が屆くという時に突然、

後ろから誰かが走って來て、

扉を遮るように俺の前にヤミが立ちはだかった。

「……どうした?」

「ますたとわたしはいっしんどうたい……」

「……知ってる。」

「ますたとわたしはいっしんどうたい」

……何だ?ヤミは俺と一心同だから連れて行けとでも言いたいのか?

……確かヤミは魔王達の事あまり好きじゃないはずじゃ

……まぁ、ヤミは靜かだし小さいから別に良いか。

「わかった。一緒に行くぞ。」

「うん!」

「ちょっと!!!ソラ!

ヤミちゃんには隨分と甘いんですねええ!」

「私は主人の奴隷……」

「ぼくもぉ!」

ヤミの同行を許したせいで、

うるさい連中が後ろでワーワーと騒ぎだした。

俺はし失敗したなと思いつつも3人から逃げるように

ヤミを連れて急いで部屋から出た。

部屋から出た俺とヤミはヴェラを探しに魔王城を歩き回った。

円卓のある部屋、武庫、倉庫、空き部屋、訓練部屋、大浴場……

々な所を探し回ったがヴェラの姿は見當たらなかった。

途中、メルキアに出會い、ヴェラの居場所を聞いたが知らないと言われた。

「はぁ、どこにいるんだ……」

「いないね。」

「……ん?何かあそこ開いてるな……行ってみるか。」

長い通路を歩きながらヴェラが全然見つからなくて、

段々疲れて來ていた頃、

遠くの方の部屋の扉がし開いていてその隙間かられていた。

俺はその部屋に誰かが居るかもしれないと思い、

その部屋に向った。

「……見えないな。」

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隙間から部屋の中を覗こうとしたが、

隙間が思っていたよりも小さく覗く事が出來なかった。

俺は覗いて見る事を諦め、普通に扉を開ける事にした。

「よいしょっ。」

扉を開けるとそこには、

――ヴェラが居た。

「あ?ソラか。

何だ、ヤミも連れて來たのか。」

「ああ、まずかったか?」

「いや、むしろ助かった。」

助かった?

何のことだ

……これから話す事と関係ある事か。

「話って何だ?」

「えっとな、話は二つある。まず一つ目、

今日の夜アイが帰って來るからちょっと遊ばないか?

何やらあいつもソラに會いたがっていたからな。」

アイか……

あれ?確か悪魔達は仲間を呼びに行っているから暫く居ないはずじゃ……

「別にいいけど、暫くいないはずじゃ?」

「ああ、そんなもの魔王の権限でどうにでもなる。」

うわぁ、何でもありだな魔王。

「そうなのか。わかった今日の夜な。」

「ああ。それともう一つの話なんだが……

これはさっき思いついた事なんだが、

ソラの仲間達の為に宴を開こうと思っている。」

結達の為に宴か……中々良いな。

これでしは魔王達と打ち解けてくれればいいんだけどな。

「良いんじゃないか。

それで結達が打ち解けてくれたら々と助かるし。」

「おお、ソラならそう言ってくれると思っていたぞ

――じゃあ、早速準備に取り掛かるぞ。」

「……」

「……」

何を準備すれば良いのか分からず、

俺はヴェラからの指示を待っていたが、

ヴェラは一向に指示を出さず、

それどころか腕を組んで仁王立ちして一歩もいていなかった。

「……的に何をすれば?」

「ああ、ちょっと待て。

さっきローズ達に食料の調達を頼んだからそろそろ來ると思う。

役割決めはそれからだ。」

何だよ、まだ食材も準備出來てなかったのか。

しかも、さっきローズ達に食料調達を頼んだって……

「流石の魔王でもさっき頼んだのにそんな直ぐ調達出來な――」

――ドォゴオンッ!

突然、俺の言葉を遮るように轟音と衝撃が部屋全に響き渡った。

「ッ!?何だ?――なっ」

轟音と衝撃に驚き、

何時でも鞘から武を出せる様に警戒しながら、

轟音と衝撃それが引き起った場所に目をやった。

すると、そこには轟音と衝撃それを引き起こした原因であろう人達の姿があった。

金髪のグラデーションカットで目がし垂れ、

瞳のも黃金悪魔、

スキンヘッドで顔の彼方此方に傷がある隻眼の男悪魔――

「ローズ、ウィルライア!?」

「ただいまー、食料調達して來ましたよー。」

「おう、帰ったぞ。」

おいおい、もう帰って來たのよ!いくらなんでも早すぎだろ。

まぁ、移はローズの転移を使えば直ぐだけど……

どうやってあんな大量の食料を調達してきたんだ……。

ローズ達の近くには大量のモンスター、野菜、木の実、果……

など、沢山の食料が転がっていた。

恐らく、ローズ達が転移してやってきた時の衝撃などは

この食料の量が原因だろう。

「ああ、ご苦労。

じゃあ、準備に取り掛かるぞ。

まずは役割決めだ。」

・・

し話し合った結果、

ヴェラとヤミ、ローズとウィルライアと俺の二つのグループに

別れることになった。

ヴェラとヤミは炎系のスキルが得意なので主に食材を焼く系の作業だ。

ヤミを連れて來た時にヴェラが『むしろ助かった』

と言ったのはヤミにこの仕事を手伝ってもらう事に対しての

助かっただったのか……

ローズとウィルライアと俺のグループは、

ヤミ達の様に炎系のスキルが得意では無いが、

力は結構あるので只管食材を切り分けるだけの単純な作業だ。

俺とウィルライアは分かるが、

ローズって力あるのか……。

そんな事を思いながらローズの事を見ていると

「ん?どうしたんですか?

……まさか、力がある様には見えないとでも思っているのですか?」

「え?べ、別にそんな事思ってない……」

俺の視線に気が付いたローズがそう言ってきた。

俺は、こいつ心を読んだだと……

そんな事を思いながら、

何となく失禮だと思い咄嗟に誤魔化した。

「本當ですか――まぁ、いいです。

じゃあ、さっさと作業に取り掛かりましょう。」

――トントントン、ザクザクザク……

作業に取り掛かった俺は強化を使って人間離れした速さで

只管食材を切り分けていた。

ローズ達も目にも留まらぬ速さで切り分けていた。

「なぁ」

「何だ?」

黙々と食材を切り分けていると

突然、隣で同じ作業をしているウィルライアが話しかけてきた。

俺はし面倒臭いなと思いつつも返事をした。

「お前さん、一本命は誰なんだ?」

「……」

案の定、面倒くさい質問をしてきたウィルライア。

……こいつ、本當に魔王なのかよ

本命か……

「別にあいつ等にそういうは無い。」

「へぇ。」

「俺はあいつ等の事は家族同然の存在だと思っている。」

「フー、かっこいいね。俺も一度は言ったみたいセリフだな。

じゃあ、ヴェラと大魔王様の事はどう思っているんだ?」

「エリルスは俺の命の恩人で

ヴェラは俺の師匠ってじかな。」

エリルスの事は言うまでも無いが、

ヴェラは俺に戦い方を教えてくれたりするから

何となく師匠的な存在かなと思い、

そう言った。

「んーそう言う意味で聞いたんじゃないけどな

……まぁ、良いか。

じゃあ、ローズの事は――」

・・

ウィルライアとくだらない話をしていると、

あっという間に食材を切り分け終わり、

後はヤミ達が食材を焼き終わり

味付けをするだけで準備は完だ。

ヴェラはスキルで綺麗な赤の炎を出し、

切り分けた食材を良いじに焼き上げ、

ヤミはヴェラとは真逆の漆黒の炎で切り分けた食材を良いじに焼き上げていた。

そんな景を俺とウィルライアはくだらない話をしながら眺めていた。

一方、ローズは良いじに焼けた食材から塩等を振りかけたりして

味付けや盛り付けをしていた。

「なぁ、俺達、こんなくだらない話なんかしてていいのか?

こんな話なんてしてないでローズの事を手伝った方が良くね?」

「あのなぁ、お前さんよぉ、

よーく考えてみろ」

ウィルライアは若干俺の事を呆れたような目で見てきてそう言った。

考えろって何を……と思っていると、

悩んでいる俺の事を見てウィルライアがため息をついて話し出した。

「本當にお前は鈍いな。

あのな、俺達野郎が盛り付けた料理何て誰が得するんだ?

野郎ってだけで食沸かねえだろ?

それに比べてローズときたらあの顔、あのスタイルだぜ、

そんな人が盛り付けをしてると考えただけでヨダレが止まらねえだろ?」

「……そうだな。」

俺は心、食べる側からしたら盛り付けた奴なんて分からないし、

それより肝心なのは味の方だろ……

と思っていたが聲には出さず心の中に留めとき、

取り敢えず『そうだな』とだけ返した。

「おっと、そろそろ完するな。

お前さんの友達――

いや、その前に他の魔王達と大魔王様を呼んできてくれないか?」

「面倒臭いな……

まぁ、良い。で、何処に呼べばいいんだ?」

「あー、えっとな長ーい機がある部屋分かるか?」

長い機か……

俺はエリルスの記憶を辿って長い機がある部屋を探した。

「分かった。その部屋に呼べばいいんだよな?」

「おう。任せたぞ。」

ウィルライアはごっつい顔には似合わない爽やかな笑みを浮かべて來た。

俺はそんな笑みを見て見ぬふりをして部屋から出ようと

扉の前まで行ったが途中でヤミの事を考え、

一応一言言っておくか。

と思い、殘りない食材を焼いているヤミに聲をかけた。

「ちょっと、皆の事を呼びに行ってくるから良い子にしとけよ。」

「うん」

ヤミは焼く手を止めずに顔だけ此方に向けてそう答えた。

ヤミの返事を聞いた俺は部屋の扉を開け、

魔王達を呼びに行く為部屋から出た。

呼ぶメンバーはグウィンとメルキアそれとエリルスか

……何処に居るか何て見當もつかないが 

適當に歩きながら適當に部屋をあたっていればその出會うだろう。

俺はそう考え、長い廊下を歩き出した……。

誰一人とも出會わなく、

歩き出してから數十分。

俺は円卓のある部屋の前まで來ていた。

はぁ、それにしても無駄に広い城だな。

嫌になる……取り敢えずこの部屋に誰も居なかったら

諦めて戻ってウィルライアに助けを求めるか。

――ゴゴゴ

重たい扉を開け、

目にって來たのは椅子に座って円卓に

倒れ掛かってヨダレを垂らしながら寢ているエリルスの姿だった。

まったく、だらしない大魔王様だ。

――ツンツン

俺はエリルスを起こそうと寢ているエリルスの頬を突っついた。

「ぅん…んん……」

何とも言えない気のある聲を出され、

若干ドキッっとしたが、

直ぐに冷靜になり、次は肩を揺すった。

「ぅんんん……んっ、ソラおはよ~」

無防備な大魔王だ。

もし誰かに襲われたらどうするんだろうか……

「ああ、おはよってヨダレを拭け。」

「ん~拭いて~」

エリルスはそう言ってヨダレが付いている口元を近付けて來た。

……何だこの大魔王。

寢ぼけてんのか?一発毆ってやりたい。

「寢ぼけるのもいい加減にしろ。」

「む~ケチだな~。」

エリルスは頬を膨らませてそう言いながらヨダレを拭き取った。

そして、エリルスは改まって

「おはよ~」

と、言ってきた。

「はぁ、おはよ。

今から宴をやるから――」

「宴~宴~!!行く行く~」

エリルスは俺の言葉を遮り勢い良くそう言ってきた。

寢起きのくせに元気良すぎさだろ。

「ああ。その前にグウィンとメルキアを探すのを手伝ってくれないか?」

「うん~良いよ~グウィンはね~

自室でゴロゴロしてるよ~、

メルキアもね~自室でゴロゴロしてるよ~。」

「そうか……」

って、何で分かるんだよ!……

くそう、そんな簡単に居場所がわかるんだったら

真っ直ぐにエリルスを探すべきだったな。

・・

エリルスが言っていた通りにグウィンろメルキアの自室に行くと、

本當にゴロゴロしていた。

二人ともエリルスの姿を見た瞬間、

同じ様に飛び起きて姿勢を正していた。

そんな二人に宴の事を伝えると、

一目散に部屋に向かった。

まったく、元気が良いな。

「よし、俺達も行くか。」

「うん~行こ行こ~」

エリルスと共に長い機のある部屋に行くと、

そこには既に魔王達全員とヤミがいた。

そして、長い機の撃上には機からはみ出しそうになるほど

大量の料理が並べられていた。

途中まで一緒に作っていたが、

見違えるほど味しそうになってる。

「おお~味しそう~。」

「大魔王様、もうしお待ちください。」

エリルスが勢い良く料理の元に近付くと

ローズが慌ててエリルスの前に立ちそう言った。

恐らく、ローズはエリルスが勝手に料理を食べてしまうと思ったのだろう。

まぁ、流石のエリルスでもここに來るときに宴の趣旨を説明したから

勝手に食べたりしないだろう。

「う~わかってるよ~

ちょっと味見しようかな~って思っただけだよ~」

「おいっ!」

しでもエリルスの事を信じた俺が馬鹿だった……。

「味見ぐらいいいでしょ~」

「ダメだ。」

「ケチだな~わかったよ~

待てば良いんでしょ~」

「ああ。」

俺とエリルスがそんな會話をしている時、

周りにいる魔王達が信じられない様な顔をして

見て來ていたが余り気にしない様にした。

「んで、ウィルライア。

そろそろ結達を呼んで來ても良いのか?」

「あ、ああそうだな。

ああ、そろそろ呼んできてくれないか?

サプライズだからくれぐれも悟られるなよ?」

「あー、努力する。」

悟られるなって……

どうやってここまで導すればいいんだ?

……普通にさり気無くご飯をじで良いかな。

「よし、ヤミ行くぞ。」

「うん。」

俺はヤミを連れて結達がいるあの無駄に豪華な部屋に向った。

部屋の中にると勢い良くライラが吹っ飛んできたが、

俺はそれを華麗に避けライラは壁に突き刺さった。

「ん~~~んん~~~」

「あっ、ソラ、ヤミおかえりなさい。」

「おかぇりぃ」

「おう、おかえりー」

部屋の中にいる皆(壁に突き刺さっているライラ以外)

が俺とヤミを元気よく出迎えてくれた。

俺は早速、結達をご飯にう事にした。

「なぁ、お前達お腹空いてないか?」

「お腹ぺこぺこぉだよぉ」

「お腹空きましたね。」

「何だ兄ちゃん、飯でも奢ってくれるのか?」

「ん~、奢るというより……まぁ、そんなじだな。

よし、皆ご飯に行く準備をしろ!」

準備と言っても大して準備するは無かったので皆直ぐに準備が完了し、

俺はさっそく結達をあの長い機の部屋に導した。

部屋の前に著き、早速俺は扉を開けようと扉に手をばしたが、

途中で手を止めた。

待てよ……普通に考えて俺が最初にるべきじゃないよな、

俺とヤミは一番後ろに行って、

結達に扉を開けさせるべきだよな。

だけど、此処でいきなり後ろに行ったら逆に怪しがられるよな……。

俺がそんな事を考え躊躇していると、

かおるが話しかけてきた。

「何してんだソラ。まさか、靜電気が怖いのか?」

え?……ラッキー。

何か変な勘違いしてくれた。

でも、これで何とかなるな。

「ああ、まぁな

……代わりに開けてくれないか?」

「ああ、いいぜ。」

かおるが扉に手を開けようと手を飛ばした時に

俺はヤミを連れて素早く皆の後ろに著いた。

そして、かおるが扉を開けた。

だが、部屋の中は真っ暗で何も見えない狀態だった。

かおるは恐る恐る部屋の中に足を踏みれた瞬間――

――パーン

クラッカーの様な音と共に部屋に明かりがつき、

結達の目の前には沢山の料理と大魔王と魔王達の姿が映った

。結達は驚きと不安でどうしたら良いのか分からず、

その場で固まってしまっていた。

「ソラの仲間達、私達は貴様等を歓迎する。

この宴は貴様等の為に開いたんだ、存分に楽しんでくれ。」

「え?」

結達はヴェラから予想もしてなかった言葉を掛けられ驚き、

目をパチパチとさせていた。

「さぁ~みんな食べよ~我はもう空腹だよ~」

エリルスの言葉に、

はっ!っとなった結達は戸いつつも開いている席に座った。

「よし~皆準備は良い~?」

エリルスはそう言って手の手を合わせた。

それを見た結達も何の準備か理解した様で同じように手と手を合わせた。

そして――

――いただきます。

それから々とあり、宴も終盤に近付いてきた頃、

ふと周りを見ると、

結達は皆、他の魔王達と何だかんだで打ち解けたらしく、

楽しそうに話している。改めて食事って凄いなぁと思った。

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