《勇者になれなかった俺は異世界で》生的に食らう

「さて、どうしてやろうかのう。」

「出來れば優しく。」

「それは無理かもしれぬのう。」

筋トレをしているに夜になってしまい、

俺は今寢室に連れ込まれていた。

俺はベッドに腰かけ、

エキサラは仁王立ちしながら俺の事を見ている。

「痛いのはごめんだぞ?」

「む~痛いのは最初だけじゃ。

回數を重ねる事に徐々に痛みなど無くなるはずじゃ。」

「そ、そうなのか。」

「うむ、取り敢えず暴れられた困るからのう、

ちと、けなくなる魔法を掛けさせてもらうからのう。」

「わかった。」

暴れるって……俺にそんな勇気ない。

今直ぐに此処から飛び出したいぐらいだ。

「ほれ、これでけなく――あれ?おかしいのう。」

「普通にけるが?」

エキサラは何やら俺にけなくなる魔法を掛けたらしいが、

全くと言っていい程ける。

「なんじゃソラよ、お主魔法耐が在るのかのう。

道理で牢の中でも生き生きとしとった訳じゃ。」

魔法耐?……ああ、そういえばヘリムが何か言ってたな。

良く分かってないが、エキサラの魔法が利かないって事は

効果は発されてるらしいな。

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「む~魔法が利かぬなら……仕方ないのう。

余り首の力は使いたくないが、仕方ないのう。」

「首?」

「うむ、その首に付けてるやつじゃ。」

ああ、これか。

俺は自分の首に手を持っていき、

った。

奴隷の首の力か……あれかな、

言う事聞かなかったら痛みが走ったり、首から上が吹っ飛んだりする系かな?

……やばい、恐ろしい。

「今から首の力でソラをけなくするのじゃ。」

此処で暴れたら頭飛びそうだから

大人しくしてようか。

「わかった。」

「ソラよ、いたらダメじゃ!」

エキサラが右手をバッと此方に向けてそう言い放つと、

し熱くなり、が全くと言っていい程かなくなった。

けない……」

瞬きや呼吸や聲を出す事は出來る様だが、

それ以外は全くかない。

功じゃ、これでもうくことは出來ないのう……」

エキサラはそう言ってニヤリと不気味な笑みを浮かべてきた。

「取り敢えず、寢かせるかのう。」

「うおっ」

エキサラはベッドに腰かけたままけない俺の

軽々とお姫様抱っこし、ベッドの中央まで持っていき、

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優しく寢かせてくれた。

何かにお姫様抱っこされるって……

しかも余り長が変わらない相手に……意外と悪くない。

「では始めるとするかのう。」

「……」

エキサラは仰向けになってる俺の上に乗って來た。

思っていた以上に重が軽く、苦しくは無い。

ドクドクドクと鼓が早まっていく。

やばい、逃げ出したい。

何か話した方が良いのか?

くそっ、何も出てこないぞ。

……頭の中が真っ白になるってこういう狀況なのか。

「さて、頂くとするかのう。」

エキサラはそう言って俺の右手を持ち上げて、

口に近付けた。

何をする気だ……

そして、俺の人差し指をパクリと、

「!?」

何してんのこの子!

指なんて食べられたの初めてだよ。

うわぁ、口の中で凄くペロペロされてる……

こういうプレイなのか?

ちょっとくすぐったいな。

そんな事を思っていると、突然――

「!?」

エキサラの口から大量のが流れ落ちてきた。

そして、そのを見た瞬間――

「ッ――!!」

聲にならない痛みが襲ってきた。

くそっ、何が起きたんだ?

滅茶苦茶いてええ!

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「ああ……何をした?」

俺に痛みを與えた犯人であろうエキサラにそう質問した。

すると、エキサラは先ほどまで口にれていた人差し指を抜いた――

「なっ!?」

だが、そこには人差し指は存在しておらず、

代わりに只々、痛々しい傷口からが出ているだけだった。

は?

何で?

お前、何を食べてるんだ……

エキサラがモグモグと口をかして何かを食べていた。

俺は混して今の狀況が摑めずにいた。

している俺とは裏腹にエキサラは幸せそうな顔をして、

「やっぱり妾の目に狂いは無かったのじゃ!

味しいのじゃ、ソラは味しいのじゃ!」

「な、何――っ!?」

している俺はエキサラの発言により更に混したが、

それ以上に混する事が目の前で起こった。

「復……活?」

先ほどまでを流していた傷口だったが、

その傷口から出たが気持ち悪いきをして、

人差し指の形をつくり上げ、

弾けたかと思ったら、そこには傷一つ付いていない人差し指があった。

「おお、功じゃ!」

「何だよ、これ……もう訳分かんねえよ――」

しすぎて脳がパンクし、俺は気を失ってしまった。

・・・・

「うぅ……」

凄い倦怠と共に目を覚ました。

あぁ……滅茶苦茶だるいな。

何でこんなにだるいんだ?

確か昨日……っ!

俺は昨日の衝撃的でトラウマになりかねない出來事を思い出した。

思い出した瞬間、鳥が立ち全から汗が噴き出してきた。

くそっ、何だよこれ!

くし、指は生えてる……

夢だよな……夢であってくれよ

そう思いながら、俺はシーツにの染みがあるかどうかを確認した。

この記憶が現実なら、傷口から出たがシーツに落ちて染みになっているハズだ。

夢なら何もないハズだ。

夢であってくれ――っ!

「っ!」

だが、そんな俺の願いは目の前の景によって

ねじ伏せられた。

目の前には真っ赤に染まったシーツがあり、

その上にエキサラが気持ちよさそうに寢て居た。

そして、そのエキサラをよく見ると口元が真っ赤になっていた。

くそっ!現実なのかよ……

落ち著け、慌てるな……一旦整理しよう。

今すぐ逃げ出したかったが、

何処に逃げても主従関係が在る以上、

エキサラからは離れられない

と考え逃げる事は諦め、

俺はその場で大きく深呼吸をして

心を落ち著かせた。

そして、昨日の出來事を冷靜にまとめる事にした。

「よし、」

昨日俺は寢室に連れ込まれて、

エキサラに奴隷の首の力によってけなくされ、

ベッドに優しく寢かされ上に乗っかられ

右手の人差し指を食べられた――が、何故か俺の人差し指は復活した。

こんなじか。

自分でまとめて置いて何だけど、

かなり恐ろしい事だな、これ。

そしてそれを冷靜にまとめてる俺もかなり恐ろしい。

……エキサラの行は恐ろしいけど、

よくよく考えれば俺は全然この世界の事を知っていないし、

エキサラの行も何か意味が在るのかもしれない。

指が復活したのは謎だが。

それにしても、アレだな。

恐ろしいが一周回って何だか凄いな。

人差し指を食いちぎったエキサラも相當凄いけど、

何事もなかったかのように復活してる俺の指も凄いな。

何かこう考えると楽だな。

々と気になる所はあるが、取り敢えずエキサラが起きるのを待とう。

そして起きたらし怖いけど々と聞いてみるとするか。

そんな事を考えてから、

俺は先ほどから漂ってくる獨特の鉄の様な錆の様な臭いに

我慢できずにベッドから抜け出した。

幾ら自分のとは言え、

見ていて良い気分ではないし、

臭いは強烈だ。

ベッドから抜け出した俺は、

エキサラが起きるまで何をしてようか考えた。

只々待ってるのも暇だしな……

筋トレでもしてるか?

いや、流石に寢起き直ぐの筋トレは辛いな。

……今思えば、俺って相當暇なんだな。

毎日筋トレしかしてないし、

それが終わったら寢る意外にやる事ないし。

本當は魔法の練習をしたいんだけどな……

この首、手錠、足錠のどれかが魔法を封じてるから使えないんだよな。

本當に奴隷って言うのは不便だ。

「んん~」

そんな事を思っていると、

どうやらタイミング良く、エキサラが目覚めた様だ。

エキサラはベッドの上で上半だけを起こし、

両腕を上にばした。

「んん~ふぅ」

十分び終えたエキサラは目だけで此方をチラっと見て、

し驚いた様な顔をした。

「なんじゃ、意外と元気そうじゃのう。

怯えて小っちゃくなってると思ってたのにのう。」

冷靜にまとめてなかったら今でも怯えて

びくびくしていただろうな。

「冷靜になれば何とかなるものだ。」

「?良く分からぬが、良かったのじゃ。

ソラからしてみれば気を失ってしまう程の事だったのじゃ、

もう立ち直れないものかと思っていたのじゃ。」

そう思ってたなら事前に説明とかしろよ、

まぁ、説明されても信じなかったと思うけど……

々と聞きたい事があるけど、

取り敢えずその口どうにかしてくれ。」

エキサラの口にはがべっとりと付いていて、

とてもじゃないが、真剣に話し合いが出來る狀態では無かった。

「口?……ああ、そうじゃな。」

エキサラはそう言うと、

手で口に付いてるり取り、

そしてが付いた手をペロペロと舐め始めた。

「うわ……」

昨日程ではないが、

これもこれで衝撃的だ。

あれ全部、俺のなんだよな……

ひょっとして貧で倒れたりしそうだな。

「うむ、味じゃ」

綺麗に舐めとり、

満足そうな表で此方を向いた。

「ほれ、何でも聞くが良い。」

「ご主人様は一何なんだ?」

他にも質問したい事はあるが、

一番気になっている事を聞いてみた。

「ふむ、妾は何じゃか……

簡単に説明するとじゃな、

妾は魔じゃ。」

「っ!?魔?」

おいおい、本當か?

エキサラが魔だと?

人型の魔は図鑑で見たが、

こんなに可くて會話が出來る奴なんて知らないぞ。

「うむ、一応アンデットじゃ。」

「アンデットだと?

……ゾンビとかスケルトンとかと一緒なのか?」

「莫迦者、妾をあんな下等生と一緒にするでない!」

ゾンビと一緒にされた事が気に食わ無いらしく、

エキサラはし頬を膨らませて怒りだした。

ゾンビとかが下等生って……

この世界のゾンビはかなーり強いはずだぞ。

それを下等生とか……一エキサラは何なんだ?

「ごめん、じゃあご主人様はアンデットの何なの?」

「妾は、不死王ノーライフキング、不死の王じゃ。」

「は?」

不死の王って……何だよそれ。

てっきり俺はグールとか言ってくるのかと思ってたぞ。

グールだったら俺の指を食べた事だって何となくだが納得できる。

なのに不死王だと?

この世界にはこんな化けがいるのかよ……

しかも見た目は結構可い……々と反則だろ。

々と気になる事があるけど、

切りが無さそうだから次の質問するな。」

不死王とは的にどんな存在なのか……

など聞きたいことはあるが、

それを聞いて行ったら次の質問に進めないからな。

「ふむ。」

「何故俺の指を食べたんだ?

それと何故俺の指は復活してる?」

「一回に二つの質問とは張りじゃのう……

まぁ、嫌いではないのう。」

エキサラはそう言って、一度咳ばらいをし、

まずは食べた理由から、と前置きをし、

「妾はのう、普通の食事も出來るが非常に効率が悪くてのう。

効率良く栄養を摂取するには、人間を食らわなくてはいけないのじゃ。

今までは死んだ人間ばかり食らってたがのう、

ちと生きてる人間も食べてみたくなって奴隷を買いに行ったらお主、ソラに出會ったのじゃ。

他のゴミみたいな奴等とは違いソラは変わった魂をしていてな、

食用だけじゃなく、普通にソラに興味を持ったのじゃ。」

「ゴミみたいなって……」

なるほど、不死王ってのは人間からだと効率よく栄養が摂取できるのか。

生きた人間を食べたいという好奇心から俺を食べちゃったのか。

……変わった魂って不死王だからそういうのが分かるのかな?

んー、納得したくないが、

俺を食べた理由は納得出來るな。

最初に俺を食らうって言ってたのはこういう事だったのか。

「そっか、で俺の指が復活するのは何故なんだ?」

「む、今ので納得してくれたのかのう。」

「ああ、今思えばご主人様は最初から俺を食らうとか言ってたし、

そこで死なない程度ならと言ったのは俺だし。」

「むむ、ソラは意外と優しいのじゃな。と言うかもう既に狂っているのう」

「そうか?」

「うむ、じゃあ指の事を説明するかのう。

ソラよ、お主に無理矢理飲ませたの事を覚えているかのう?」

ああ、あれか。

栄養剤とか言って無理矢理飲まされた

凄く不味くて吐きそうになったエキサラの

「ああ、覚えてるよ。」

「それは良かったのじゃ、

あれは妾のと言ったのう?」

「言ってた。」

「妾は不死王じゃ、

妾のに取り込むとじゃな、

妾の力がしじゃが手にるのじゃ。」

不死王って事は死なない、

つまりエキサラのを飲んだことによって

治癒系の力がし手にったのか。

……アンデットなのに治癒能力があるって

相當チートだよな。

まとめると、

食らう目的だったが、興味を持ったエキサラは、

を飲ませて治癒能力を上げ食べても死なない様にしたって所か。

なるほど、だからエキサラはあの時

妾のが必要不可欠なんじゃとか言ってたのか。

納得。

「なるほど、ご主人様は俺を死なせない為に

を飲ませてくれたんだな、ありがとう。」

「うむ、もっと謝せい。」

「あーありがとう。

で、次の質問で最後の質問なんだが。」

「もっともっと謝しても良いのじゃぞ?……何じゃ?」

「俺の魂が珍しいとか言ってたけど的に

どう珍しんだ?」

「妾は魂を見る事が出來るのじゃ。」

うん、それは何となく分かってた。

不死王ってなんかそれっぽいし。

「ソラの魂はのう、普通の魂よりも力強いのじゃ、

それにのう、何やら面白いが刺さっておるのじゃ。」

力強い……か。

エリルスの加護をけてたから魂が強くなったとかかな?

それにしても面白いって何が刺さってるんだよ……

「なるほど。良く分かった。」

「うむ、もう質問はないかのう?」

「ああ。」

「じゃあ、朝の食事をしようかのう。」

「ああ――って、まさかっ!」

エキサラは笑みを浮かべてベッドからおり、

此方に寄って來た。

「ソラよ、くな。」

「――っ!」

奴隷の首の力によって再びけなくされた。

「やめろ!治るって言っても痛いものは痛いんだぞ!」

「大丈夫じゃ、そのうち快楽に変わるからのう。」

「いやいや、それ危ないから!」

エキサラが遂に俺の目の前まで來た。

「では、頂くとするかのう」

「や、やめ――っっっ!!」

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