《勇者になれなかった俺は異世界で》つい楽しくてのう、呪ってしまったのじゃ!

「――はぁあああああ」

を撒き散らして弾けてどれ程経ったのかは

分からないが、俺は復活すると同時に空気中の酸素を

大きく吸い込んだ。

燃える様に熱かった全は常溫に戻っており、

も止まって、

呼吸も先程とは違い普通に出來ている。

何時も通りの健康の俺だ。

唯一、何時も通りじゃない點があるとすれば、

あり得ないくらい怠い。

「ふぅ――」

まぁ、が弾け飛んだんだから、

仕方ない事……なのかな。

それにしても、自分のが弾け飛ぶって

かなりショッキングだぞ。

俺はエキサラに何度もを喰われているから

自分のがエグイ狀態になる事には多の耐は付いてるけど、

普通ならトラウマになるレベルだ。

まぁ、そもそも普通ならが弾け飛んだら

死ぬけどな。

改めて思ったけど、

エキサラって容赦ないよな。

幾ら死なないからって言ってもさ、

酷すぎるよ。

「うぅ……」

怠いけどずっと此処に居る訳にはいかないな。

戻るか……

うつ伏せに倒れている

腕を使いつつ起こした。

「やっと復活したのかのう。」

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「うおっ!」

を起こすと、

先程まで地面を見ていた俺の目には

エキサラが映りこんでいた。

エキサラは先程とは違い額の紋章や稲妻も無く、

何時も通りの可い姿だった。

いきなり視界にったエキサラに驚き、

思わず後退った。

「何じゃ、ご主人様の顔を見て驚くとは!

妾の方がもっと驚いたのじゃ!」

「ごめん……ちなみに、ご主人様は何に驚いたの?」

「後を追って來てみればのう、

だらけになってソラのが彼方此方に飛んでて驚いたのじゃ。」

確かにだらけでの部位が彼方此方に飛んでたら

誰でも驚くだろうな。

……だけどな、そうなった原因はお前なんだよ、エキサラ。

まるで他人事の様に話すエキサラの事を見て

俺はそんな事を思っていた。

「確かにそれは驚くなぁ、

弾け飛んだ本人はもっと驚いたけどな。

滅茶苦茶、苦しかったし!」

俺が若干怒り口調でそう言った。

「くはははは、すまんすまん。

つい楽しくてのう、呪ってしまったのじゃ!」

「笑えねえ……」

呪ってしまったのじゃ!

じゃねえよ。

呪いって何だよ騒だな。

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「で、その呪いはもう解けたんだろうな?」

「うむ、ソラが弾けたって事は解けたって事じゃ。」

「うわ……まさか呪いが解けると弾け飛ぶ呪いだったのか?」

「む~、正確には呪いを掛けてから

時間が経つと弾け飛ぶってじの呪いじゃ。

弾け飛ぶまでの時間が一番痛くて苦しいと思うのじゃが、

ソラには関係のない事じゃな。」

「お蔭様で、息が出來なくて苦しかったけど

痛みは無かった。」

「うむ、良かったのじゃ。」

何が良かったのじゃ。だよ。

かなりエグイ呪い掛けやがって、

本當に死ぬかと思ったんだぞ、死んだけど。

「まぁ、そんな怒るではない。」

俺がそんな事を思っていると、

顔に出てしまったのか、エキサラはそんな事を言ってきた。

「そりゃ怒るだろ……」

「今晩めてあげるからのう、

機嫌を直してくれないかのう。」

今晩……

めるって……

的に?」

「生的にじゃ。」

「初めてだから優しくしてね。

痛くしないでね」

「む?初めてでは無かろう。

それに、もう痛くは無いじゃろ」

「え?」

「む?」

またかみ合ってないな……

今晩俺は又喰われてしまうのか……

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「さて、十分楽しんだ事じゃ帰るとするかのう。」

「ああ。」

勝負に勝ち、満足したのかエキサラは

凄く満足そうな顔をして手を差しべて來た。

「よっと、」

「おっと……」

手を握りエキサラが引き上げてくれたが、

凄く怠く立った瞬間、

ヌルリとエキサラに倒れて掛かってしまった。

「なんじゃ、ひ弱じゃのう……ほれ、」

そう言い、一旦俺のを優しく地面に置き

それからしゃがみ、背を向けて來た。

「おんぶしてやるのじゃ、

謝することじゃのう。」

おんぶって……確かに今の狀態では歩く事すらままならないが、

の子におんぶされるって……いや、ちょっとまてよ。

エキサラは見た目ロリだけど中は婆さんだよな、

だったらおんぶされても問題ない気がしてきたぞ。

そういえば、昔婆さんにおんぶされながら寢かしつけられてたな……

懐かしい。

「失禮。」

俺は力を振り絞って怠いかし、

エキサラにしがみついた。

「うむ、それじゃ行くかのう。」

「頼んだ。」

・・

「なぁ、一つ聞いても良いか?」

「うむ、良いのじゃ。」

おんぶされなが森を抜けている中、

沈黙の時間が続き、

何かがムズムズしてきたので何か話しかけることにした。

だが、話題が何も無く、

只管考え、勝負している時に気になった事を聞くことにした。

「戦闘中にご主人様が突然覚醒した様に見えたんだが、

あれは一何だったんだ?」

エキサラのに赤い稲妻が走り、

額には不気味な紋章が浮かび……

明らかにあの瞬間エキサラは変わった。

化けが超化けになった。

「あれはのう、脳のリミッターを解除したんじゃ。」

脳のリミッター?

……確か脳のリミッターを解除したら

コンクリートも素手で砕く事が出來るとか出來ないとか。

納得。

だが、リミッターを解除しただけで

あそこまで強くなれるものなのか?

なれるものなら是非俺もやってみたいものだ。

「なるほど、ちなみに俺も出來たりする?」

「うむ、出來るのじゃ。

回數を重ねれば常時リミッター解除狀態で

いられるようになるのじゃ。」

常時リミッター解除狀態だと……

そんな事したら筋がボロボロになるんじゃかったか?

回復が間に合わなくて筋がボロボロの狀態から戻らないから

リミッターがあるとか何とか……昔サラッと報を見ただけだから

詳しく分からないな。

あっ、でも何が起きても

復活するから問題ないのか。

「是非やり方を教えてくれ。」

「うむ良いぞ、帰ったらじっくり教えてやろう。

その代わり今晩は楽しませてもらうからのう。」

「お手らかに……」

やっぱりただで教えてくれるわけないか。

つか、どっちみち今晩俺の事喰らうつもりだったろ。

何がその代わりだ。

まぁ、それぐらいで強くなれるなら

別に良いけどな。

・・・・

やばいぞ、非常にやばい。

どれ程やばいかって言われると、

かなりやばい。

俺はエキサラにおんぶされながら、

重大な事を忘れている事に気が付いた。

それは、服を著て居ないという事だ。

エキサラに呪いを掛けられ、

俺のは弾け飛び復活した。

つまり、俺が弾け飛んだ時、

服も一緒に弾け飛んでしまっていたと言う事だ。

……さっきからスースーすると思ったら

そう言う事だったのか。

余りにも怠くて気が付かなかったな……

つか、服も弾け飛ぶってどういう事だよ。

が弾ける衝撃がそんなに強かったのか……

それにしてもこれはちょっと……

落ちない様に俺はエキサラにしがみ付いているが、

一方のエキサラも俺の事を落とさない様にガッチリと

足を抱えてくれているので、俺のはエキサラとピッタリと著しており、

男の大事な部分がエキサラが著ている

ゴスロリの裝のフリフリの部分にれ、

非常にまずい狀況になっていた。

ただでさえまずい狀況だが、

俺はさらにまずい狀況に襲われていた。

やばい……

下もやばいが、凄い睡魔が襲ってきた。

エキサラのおんぶが心地良いのか、

ほどよいく揺らされ自然の風がで、

俺はウトウトしてきてしまった。

ウトウトと、

徐々に下の方の事は意識しなくなり、

それにつれ「寢てしまえ」と睡魔が呟いて來る。

あぁ……何か下はどうでも良くなってきた……

この心地の良い揺れと風に勝てる気がしない。

睡魔にをゆだねる……か……。

俺は睡魔には勝てず、

下の事は放っといて寢てしまった。

・・・・

「んん?」

目を覚まし、周りを見渡し狀況を確認すると

俺はエキサラの家の寢室で天蓋カーテン付きの大きな純白ベッド

で寢て居た様だ。

エキサラが此処まで運んでくれたのだろう。

謝だ。

純白ベッドのシーツは今朝、真っ赤に染まっていたが、

今は純白に戻っていた。

俺の事を喰うエキサラも流石にで染まったシーツは取り換えるか。

「ん~~」

大きく背をばし、を起こすと

が全くと言っていいほど怠く無かった。

寢て居たから怠さが抜けたのか……

そんな事を思っていると、

俺は妙な味がする事に気が付いた。

寢起きで味覚が寢ぼけていたのか、

それは徐々に濃さをまして來た。

「う゛!」

鉄の味と共に、

鉄の臭いが鼻を劈く。

こ、これは、か!?

若干ざらつきが下に殘り、

非常に気持ち悪い。

俺は本當にかどうか確認する為に、

恐る恐る自分の口の中に指をれてみた。

すると、案の定指の先は唾と混ざり、

若干薄い赤になっていたが、口の中から出て來る赤いなど、

トマトか、しかないので味と臭いでだと判斷できる。

「うぅ、不味い……」

このは恐らく――いや、確実にエキサラのだろう。

前に飲まされた時と全く同じ味がする。

そもそも、の味に個差があるかどうかは分からないが、

恐らくこれはエキサラのだ。

……この狀況からして、怠さが抜けているのは、

寢たからじゃなくエキサラののおかげって

考えた方が良いのかも知れないな。

じゃないと、エキサラが何で俺にを飲ませたのかが

分からない。

どちらが真実かは分からないが、

取り敢えず、エキサラの元へ行ってみるか。

「おっと、危ない。」

エキサラの元へ行く前に、まだだったという事を思い出し、

近くに綺麗に畳んで置いてある執事服を手に取り、

慣れたきで執事服を著た。

初めて執事服を著た時は、

し苦戦したが、

流石に何回も執事服を著ていると

慣れるものだ。

確り執事服に著替え全じゃなくなった俺は、

改めてエキサラの元へ向かった。

主従関係があるからと言って、

エキサラが何処に居るか、

など分かると言う便利な能力は無いが、

何となくなら予想が付く。

玄関に一番近い所の扉、

リビングへと続く扉だ。

木材で出來ている扉は、

そこら辺の木材とは何か違い、

深みのあるをしている。

そんな扉を開けると、

案の定そこにはエキサラの姿があった。

エキサラは皮の上で可らしく座って、

何かを味しそうに吸っていた。

それは――

この前作ったマヨネーズの殘りを

のマヨネーズ見たいな容をたまたま

エキサラが持っていたので、

それに詰めて保管していたのだが……

エキサラはその容に口を付け、

チュパチュパと吸っていた。

此方の存在に気が付いていないのか、

ボケっとしながらマヨネーズを吸っている。

人形見たいで可いな。

つかマヨネーズだけって味しいのか?

エキサラの橫顔を見る限りじゃ、

幸せそうな顔してるし……俺も今度やってみるか。

そんな事を思いながらしの間人形の様なエキサラの事を眺め、

満足し、俺はエキサラに聲を掛ける事にした。

「おはよう、ご主人様。」

「むぇ?」

変な聲を出しながら此方を向き、

何やら焦りながら急いで先ほどまでチュパチュパ吸っていた

マヨネーズを背に隠した。

おぉう、何をそんなに焦っているんだ……

別にマヨネーズ吸っていたからって怒ったりしないぞ。

「や、や、やっと起きたのかのう。

待ちくたびれたのじゃ!」

頑張って何事も無かったかのように

平然を偽って話していたが、

聲も若干裏裏返ったりして揺が凄く伝わってきた。

「落ち著け。揺しすぎだ。

別にマヨネーズをチュパチュパ吸って居ようと、

俺は怒りも責めたりもしないぞ。」

そう言った瞬間、

エキサラの顔がパァっと明るくなり、

凄い笑顔で背に隠したマヨネーズを取り出し、

チュパチュパと吸い始めた。

「はぁ、そんなに味しいか?」

「うむ!ソラよりは味しくないのじゃが、

これは癖になる味じゃ。」

「……そうかい」

一番味しいのが俺と言う事に付いて

々と言いたい事はあるが、

言っても仕方ないから言わないでおこう。

「所で、ご主人様よ」

「なんじゃ?」

マヨネーズを吸いながら會話するのをやめてほしい。

と言いたいが、可らしいので出來ればずっと眺めて居たいから

敢えて言わない。

「さっき起きたんだが――おっと、忘れてた。

運んでくれてありがとな。」

「うむ、もっと謝するのじゃ。」

謝の気持ちは確りと伝える。

これ大事。

「で、さっきの続きなんだが、

起きたら何やら口の中が鉄臭くてな……

何か知っていないか?」

――ビクリッ!

と、まるで中に電流が流れたかの様に

皮の上でが跳ねた。

「し、知らないのじゃ。」

と言ったエキサラだったが、

先程までパァっと言う表だったが、

汗がだらだらと垂れだし目も彼方此方を見て泳いでいた。

あからさまに揺している。

揺するとこんな風になるんだな……意外だ。

俺の事を喰らってる時のあのエキサラからは想像できないな。

「本當に知らないのか?

……別に怒ってるわけじゃないぞ。

俺は只気になっているだけだからな。」

「そ、そんなことを言われてものう、

し、しら、知らないものは知らないのじゃ……」

う~む、この子本気で知らないのか……

ってそんな訳あるか。

知らないならどうしてこんなにも同様しているんだ。

はぁ、仕方ない。

此処はし脅しを……

つか、奴隷の立場である俺が主人にこんな事をしていいのだろうか。

まぁ、エキサラなら気にしないか……な?

「ご主人様よ、今正直に答えてくれたらまたマヨネーズを作るが、

もし、ご主人様が噓を付き続けるならもう二度とマヨネーズは作らない。」

「!!」

俺の言葉を聞き、エキサラは目を大きく開き、

目のを変え、マヨネーズを置き凄い速さで此方に突っ込んできて、

俺の事を押し倒した。

「痛っ……たくないけど、心臓に悪いからいきなりはやめて。

本當に死ぬかと思ったから。」

只でさえ化け級なのに、

そんな化けが目を大きく開いて凄い速さで

迫って來るんだ、本當に死を覚悟する。

「妾のを飲ませたのじゃ!

その方が治りが早いと思ったのじゃ!

噓じゃないのじゃ!信じるのじゃ!!」

俺の上に馬乗りになりながら

エキサラは肩を摑みそう訴えて來た。

しだが、目がうるうるとしており、泣きそうな顔をしている。

まさかマヨネーズで此処までとは……

でも、正直に言ってくれたな。

これは間違いなく本當の事だろうな。

「そっか、俺の為にわざわざを飲ませてくれたのか。

ありがとうな。約束通りマヨネーズは作ってやるから、

取り敢えず落ち著け。」

「本當かのう!

妾は謝するのじゃ!ソラ!!」

ははは、もっと別な事で謝されたいものだ。

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