《勇者になれなかった俺は異世界で》リベンジ
「さて、そろそろ教えてもらっても?」
マヨネーズ脅しで正直に答えてから、
しして再びエキサラがマヨネーズを吸い始めた頃、
俺はエキサラの前に座り真剣な眼差しを向けた。
「む?……おお!」
何のことか分からなかったのか、
エキサラは首を傾げたが直ぐに理解した様で、
はっ!とした表になった。
今のは俺が悪いな。
『リミッター解除の事を』
というのが抜けていたな。
「リミッター解除の事かのう。」
「うん。」
「ふむ、まず何から説明しようかのう……」
エキサラはマヨネーズを吸うのを止め、
首を傾げ悩みだした。
そんなに悩むって事は
やっぱり相當難しい事なのか……
「よし!決めたのじゃ!!」
そんな事を思っていると、
突然エキサラが立ち上がりそう言い放った。
此処で何を?とは聞かない。
何を決めたのかは分かり切っている事だからな。
だから此処は無言でエキサラに真剣な眼差しを向けるだけだ。
「リミッター解除のやり方はのう、
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まず――」
「まず?」
「興することじゃ!!」
「は?」
「何じゃ聞こえなかったのかのう。
こ・う・ふ・ん・することじゃ!」
「いやいや、聞こえてたけど……」
興するだけでリミッターを解除する事が出來るのか……
大聲を出したらリミッターが解除されるとか聞いた事あるから
正しいのかもしれないけど……
「もうし的に説明できないか?」
「むぅ……的にと言われてものう、
興は興なのじゃ。」
興は興……説明の仕様がないのか。
「そうか……と言う事は、
戦っている時ご主人様は興してたのか。」
「うむ!何時もは一瞬で終わってしまうがのう、
ソラは々な魔法を使って、妾を縛ったりして屈辱を與えたじゃろ?
あんな験は初めてじゃったからのう、凄く興してしまったのじゃ。」
えぇ、興ってそう言う興なのかよ。
「この世界にはまだ妾の知らない事だらけじゃ、
ソラならもっともっと妾に々な事を教えてくれると思ったらのう、
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興が抑えきれかったのじゃ。」
ああ、そう言うことね。
てっきり、屈辱された事で興したのかと思った。
つか、俺ならエキサラにもっと々な事を教えれると?
絶対エキサラの方が知りだと思うんだが。
「そっか……リミッターの解除方法がは分かったが、
他に何か説明することあるのか?」
これだけの説明の為にエキサラは悩んでいたのか?
悩む要素なくないか?
「あるのじゃ。メリットとデメリットじゃ。」
「デメリット……」
やっぱりあるのか。
流石にデメリット無しってのは無いか。
「まずメリットからじゃ。
強くなれる。
以上じゃ。」
「おう。」
メリットは別に説明しなくても
大分かっているからざっくりとした説明で助かった。
「デミリットじゃが、
これが中々厄介なのじゃ。」
エキサラが厄介と思う程のデメリットなのか……
これは相當ヤバイんだな。
「普通の奴等がリミッターを解除してものう、
そんなに長い間は解除していられないのじゃ。」
「ああ。」
「じゃが、妾と今のソラには力があるおかげでのう、
制限が無いのじゃ。」
「ああ。」
「制限は無いのじゃが、
副作用が起きるのじゃ。」
「副作用?」
一どんな……
「自然と凄い殺意が沸いてくるのじゃ。」
「さ、殺意だと?」
殺意ってあれだよな。
殺すとかだよな?
「うむ、殺意の対象は目の前にいる全てじゃ。
只の殺意じゃったら良いのじゃがのう……ちとこの殺意は特殊なのじゃ。」
特殊な殺意って何だよ。
怖いな。
「殺してやるのじゃ、とかそんな簡単な殺意じゃなくてのう、
の隅々まで切り刻んだり、目玉を抉りぬいたり、
のを破裂させたり、抜きをしたり
とじゃな、中々エグイ殺意が沸いて來るのじゃ。」
「……」
まじかよ、ちょとキツイな。
今改めて思ったが、加護が無くなったせいで、
そういう耐が無くなってきてるな……
殺意か……ん?
「なぁ、ご主人様は一どんな殺意が沸いて來ていたんだ?」
「む、聞きたいかのう?」
エキサラが不気味な笑みを浮かべて
意地悪な目をしてそういってきた。
実は俺が逃げなければもっと
エグイめにあってたとかありそうだな……やめておこう。
「いや、やめておく。」
「うむ、その方が良いのじゃ。」
「良かったのか……まぁ、これでリミッター解除の事は全部聞いたし、
教えてくれてありがとな。」
「うむ、もっと謝するのじゃ。」
それにしても一どこに悩む要素があったのか……
そんな事を思っていたが、
心のに閉まっておくことにした。
「使ってみたいかのう?」
「ん~今はいいや。」
リミッター解除を一度くらいは験した方が良いのかも知れないが、
どうも気が起きない。
強くなれるのは良いが、それの副作用として殺意が沸いて來るのがな……
目の前にいるのはエキサラだし、
エキサラを殺そうとしたら逆に殺される――いや、殺されるだけじゃ済まないかもな。
もしかしたら永遠と喰われるかも知れない。
復活した瞬間にぐちゃりと……
うぇ、想像しただけで吐き気が。
「ふむ、そうかのう……ちと殘念じゃ。」
「殘念?」
おいおい、エキサラさん。
何が殘念だと言うのかね。
「妾としてはリミッターを解除したソラと戦ってみたかったのじゃ。
々と新たな発見があるかもしれないしのう。」
つまりは、実験か。
エキサラがむなら別に良いが……
「そうか……ご主人様がリミッターを解除しないで戦ってくれるなら
別に戦っても良いぞ。」
リミッターを解除したら一どれほどの力になるのかは分からないが、
今よりは格段に強くなるって事は確信できる。
だが、幾ら強くなったとしてもエキサラも更に強くなっては到底勝ち目は無い。
例え実験だとしてもずっと負け続けるのは
俺のプライドが許さない。
……俺にプライト何てあるのか分からないが。
「おお、良いのか!!
分かったのじゃ、妾は何があってもリミッターを解除しないのじゃ!」
エキサラは太の様に明るい笑みを浮かべ、
まるで玩を與えられた子供の様にはしゃぎだした。
「さっそく外にいくのじゃ!!」
「はいよ。」
・・
俺は再び、真ん中に大きな木が天までそびえ立っている平地にやって來た。
前回とは違い、地面がボコボコになっていた。
エキサラの仕業だ。
「早速戦うのじゃ!」
「はいはい――と言いたいところだが、
そんな簡単に興なんて出來ないと思うぞ。」
リミッターの解除條件が興なのだから、
興しないと何も始まらない。
「む~戦っているに興するじゃろ。」
「興する前に殺されそうなんだが。」
「大丈夫じゃ、かな~り手加減するからのう。」
こいつ……この前俺が手加減してくれと頼んだ時は、
嫌じゃ。手加減したら妾が負けてしまうではないか。
とか言ってたくせに、今回はかな~り手加減するからのう。
だと……
一度戦って俺の強さが分かったから
かなり手加減しても余裕だと言うのか……
くそっ……舐めやがって絶対にぎゃふんと言わせてやるっ!
・・・・
「行くのじゃ!」
「うおっ」
幾ら手加減すると言っても化けが手加減しても
化けは化けだ。
一瞬で間合いを詰められ、気が付けば目の前に拳があり
咄嗟に避けたが風切り音と共に、拳が頬を掠った様でがし飛び散った。
後數コンマ遅ければ俺の頭が汚い花火と化していたかもしれない。
そんな恐怖心を振り落とし、
俺は次の行へと移した。
「よ、我に力を――ルーメンボディ」
を使い能力を上げ
取り敢えずエキサラから距離を取る。
後ろに飛び跳ね距離を取る事は出來たが、
どうも足場が悪く転びそうになる。
「手加減してくれるんじゃなかったのか?」
俺はもう一つ魔法を掛ける時間を稼ぐために、
エキサラに話しかけた。
「十分手加減してるのじゃ。」
これで手加減って……
本當に化けだ。
「それで手加減してるとか……流石だよご主人様。」
と言った後に俺は小さな聲で
「よ、我を守りたまえ」
と魔法を唱えた。
「くははは!もっと褒めるが良いのじゃ――っ!」
そして、再びエキサラに一瞬で間合いを詰めてきた。
今度は避けられないようにか両手を使って攻撃をしてきた。
両手は俺の首へとびて來たが、
それは屆くことは無く不可解なきをし避けた。
ヌルリと下にり落ち、
俺はそのまま目の前に居るエキサラのお腹に
掌を向けて
「の槍よ、貫け――っ!」
槍と言う魔法を唱え、
掌からはを放っている槍が現れ、
勢い良くエキサラのお腹に向って飛んで行った。
「ぬっ」
槍は何の抵抗もけずスルリとエキサラのお腹に刺さり、
背中から飛び出した。
目の前に居る俺はエキサラのお腹に空いたから後ろの風景が見えていた。
そして、エキサラの腹、背中から大量にが噴き出した――のは一瞬の事で、
直ぐにそのは塞がり、
いつの間にかに飛びてきて居た手に倉を摑まれ、
「え、ちょ!」
勢い良く飛ばされ、大きな木にぶつかった。
木が大きく揺れ俺のは悲鳴を上げた。
だが、そんな悲鳴も直ぐに収まる。
くそ……あそこから此処までを片手だけでって……
本當に化けだ。
だけど、何でだろうな非常に楽しい。
勝てないことは分かっているけど、
負けることはわかっているけど、
もっと戦いたい、
もっと攻撃をしたい、
もっと、もっと――俺は
「俺は、殺し――」
「解除したようじゃな。」
いつの間にかに近付いて來ていた
エキサラがそう言った。
だが、今の俺には屆いていない。
懐かしい覚だ。
エキサラへの殺意は確かにある。
だけどそれは抑えられない程ではない。
これから徐々に強くなっていくのかもしれないが、
今はコントロールできる。
今の俺の中では殺意よりも、
楽しいという気持ちの方が上だ。
エキサラの様に俺の頬には髑髏の様な印が現れているのだろうか。
自分では確認する事は出來ないので分からないが、が変だ。
これがリミッター解除の狀態なのだろうか。
が冷たく、力は抜けほぼ無気力な狀態で立っている。
そして、何故かは分からないがが勝手にき出す。
まるで何かにられているかのように、
俺の口が開き、この世界では存在しないハズの魔法――スキルを唱えた。
「強化リインフォースメント・ボディ」
と。自分の口から出た言葉だが俺は凄く驚いた。
勝手に口がいて聲が出た事にも驚いたが、
それ以上に強化リインフォースメント・ボディが
確りと掛かっている事に驚いた。
この世界には存在しなく、
俺自もそのスキルは失ったハズだが、
今確かに俺は強化リインフォースメント・ボディを使った。
何がどうなっているんだ……
「なっ!」
エキサラは大きく目を見開き、
距離を取った。
「何じゃ、それは!何なのじゃ!
何故その様な力を持っているのじゃ!」
今まで見たことも無いような怯えた表で
エキサラはそう言い、敵意を丸出しにして戦闘態勢にった。
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8 161胸にヲタクという誇りを掲げて
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