《勇者になれなかった俺は異世界で》ヘリム

「ソラよ、落ち著いて聞くのじゃ。」

「ん?」

夢の中でヘリムと別れて、目覚めると大何時も通りの時間帯だった。

リビングから味しそうな匂いが漂い、

急いで準備をしてリビングに向って豪華な朝食を食べていた。

モグモグと口いっぱいに料理を詰め込み

幸せな気分で食べているとエキサラが急に改まって來た。

エキサラも口いっぱいに料理を詰め込んでたが、

何時の間にかに飲み込んだのか、口の中の料理が消えていた。

「この前來た男の事を覚えているかのう?」

確かロリコンの主の使いみたいな奴の事だろう?

國がどうこうとか言ってて面倒臭い奴だな

って思ってたから覚えてる。

一応料理を食べるのを止め、

口の中に詰め込んだ料理を飲み込んでから

答えた。

「ああ。」

「実はのう……あの男のせいでちと厄介な事になったのじゃ。」

「どんな?」

必ずエキサラを手にれるとか言ってたから

何となく予想付くな……

どうせ、実力行使でもしてくるんだろう?

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そんなもんだ金持ちのボンボンは何も知らないおバカだからな。

「あの男の主が攻めて來てるのじゃ、

千人程かのう……そして今この家は完全に包囲されているのじゃ。」

「あーやっぱり――って包囲されてんの?

こんな呑気に朝食なんて食べてて大丈夫なのかよ!?」

予想は合ってたけど、

包囲されてるってどういう事だよ!

「うむ、問題は無いのじゃ。

ソラは気付いていなかったじゃろうが、

妾の家には魔法が掛かっているのじゃ。」

「そうなのか……」

まじかよ、全然気付かなかった。

結界的な魔法でも掛かってるのかな、

だったら安心……か?

「奴等如きでは妾の家に傷一つ付ける事は出來ないのじゃ。

じゃが、ちとソラの練習の邪魔じゃのう……

喰い終わったらちと遊んでやるとするかのう。」

そう言ってエキサラは再び豪華な料理を口一杯に詰め込み始めた。

それを見て俺も口いっぱいに料理を詰め込み始めた。

遊ぶって……エキサラの遊びは激しいから

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絶対死人が出るよな……

まぁ、攻めてきたあいつ等が悪いんだし何の慈悲も無い。

……転生する前はエリルスの加護のお蔭で何ともなかったが、

転生して加護が無くなってから殺しの耐が無くなったから、あまり激しいのは辛いかも。

そんな事を思いながら朝食を終え、

などをエキサラと一緒に片付け始めた。

料理の數が多いので皿の數も比例して多い。

どれも高そうな模様がり、高級溢れる皿ばかりだ。

落として割ったりしたら大変だぞと

自分に言い聞かせて慎重に片づける。

「ソラよ、妾は片付けが終わったら

ちと遊んでくるがソラはどうするのじゃ?」

「ん~俺も行こうかな。」

慎重になっている時に話しかけられ、

會話の方に気を取られて割ったりしないか心配だ。

「うむ、良い答えじゃ。

片付けが終わったら一緒に行くとするかのう。」

「うん。」

なんとか皿を割らずに片付けが終わり、

エキサラが赤いゴスロリの様な裝に著替え、

準備は完了した。

エキサラは何の武も持って居ない無防備な俺に

小さな短剣を取り出し渡してくれた。

凄く心もとない短剣だがエキサラから貰ったものだ、

きっと何か凄い力がめてるのではないか。

そんな事を考えながら短剣を眺めていると、

エキサラに「行くのじゃ!」と言われ、

短剣を鞘にしまい執事服のポケットにれて

エキサラの後をついて行った。

玄関に近付くと何やら外から聲が聞こえてきた。

「うるさいのう……」

エキサラはそんな事を呟き、

何の躊躇いもなく扉を開けた。

しぐらい覚悟を決める時間がしかったが、

開けてしまったものは仕方がない、

俺は出來るだけエキサラから離れない様にしながら

罵聲などが飛びっている外に足を踏みれた。

「くはははは、見ろソラよ、

がこんなにたくさんいるのじゃ!!」

外にはエキサラが言っていた通り

武裝した集団が沢山いた。

武裝した集団の後ろの方に大きな馬車があり、

恐らくその中に例の主が居るのだろうと思わせる。

エキサラは楽しそうな笑みを浮かべ

そんな武裝集団の事を玩と言いだした。

「おいおい、主様はあんなお子様がしいのか?」

「でもなかなか可いじゃねえの。」

「はっはは」

エキサラの発言はお子様の発言として捉えられ、

誰一人とも真にけてはいなかった。

まぁ、仕方ないよな……

俺はエキサラの事をしっているから本気だと分かるけど、

知らない人からしたらバカみたいな事をいっている子供だからな。

「ほほう、妾をお子様と言ったかのう……」

お子様と言われたのが気にくわなかったのだろうか、

エキサラの顔からは笑みが消え、

集団に向けられた殺気が徐々に溢れだし始めた。

殺気を向けられてやっと先程の言葉が冗談ではないと分かった

集団は急いで武を取り出し戦闘態勢にった。

「くはははは、妾をお子様呼ばわりした事を後悔させてやるのじゃ!」

そういってエキサラが集団に突っ込もうとしたが、

踏みとどまり俺の下まで來た。

「ちと、ヤバイのじゃ。」

そう言ってエキサラは俺の事を守る様にして

俺の前に立ち、結界らしきものをはった。

エキサラの行を見て

集団も困していた。

「どうしたんだ?」

と俺が聞いたが、

エキサラが話す前に答えは上から降り注いできた。

「あれはっ!」

上からが落ちて來る――

――ドゴォオンッ

そのは集団目がけて落ち、

凄い音と衝撃を放ち周りを全て焼き払った。

唯一殘ったのは家とエキサラと俺だけだった。

が放たれ、先程まで沢山の生ある者達が居た場所は

一瞬にして焼野原と化していた。

想像を絶する、理解を超えた減に俺とエキサラは呆気に取れていた。

何か聲を掛けようとするが、

脳が混しており言葉が浮かんでこなかった。

俺は必死に何があったのかを理解しようとした。

――だが、理解する前に犯人答えは自ら舞い降りてきた。

真っ白なフリフリが付いた可らしい服をに纏っているが、

その服裝と見合わない大きな鎌を持っている

そのはまるで翼でも生えているかの様に、

ゆっくりと焼野原に舞い降りた。

その姿はまるで戦場に舞い降りた死神。

俺はそんな事を思った。

だが、それ以上に俺は思う點があった。

俺はその死神の事を知っている。

昨日あったばかりなのだから。

「ヘリムっ!」

唯一俺の全てを知っているヘリムにやっと會えて

してしまったのか、

気が付けば俺はエキサラの前に立って居た。

「ソラ危ないのじゃ!」

エキサラが心配そうにそう言って

袖を引っ張って來た。

「ご主人様、大丈夫。

俺の知り合いだ。」

「知り合いなのかのう?

本當にそうなのかのう?」

やけに疑ってくるな。

まぁ、それも無理は無いか。

目の前で想像を絶する出來事が起き、

それを引き起こした本人であろう人が目の前にいるのだ。

警戒しない方がおかしいだろう。

「ああ、本當だ。」

「そうかのう……じゃが一応警戒はしておくからのう。」

「そんなに警戒しなくても大丈夫だぞ。」

あいつ泣き蟲だし。

「話し合いは終わったかな?

そろそろ僕も話して良いよね?」

聲を聞き確信した。

ああ、ヘリムだ。

聲も口調も姿も、全てが一致する。

「むっ!喋ったのじゃ喋ったのじゃソラ!」

「いや、喋るよ?!」

子供が初めて言葉を発する玩を與えられた時のような

反応をしているエキサラを見ながら、

俺は子供みたいだなと思ったが聲には出さなかった。

「ねぇ!二人して僕を仲間外れにして楽しいのかい!?」

ヘリムが頬を膨らませてプンプンと怒り、

どしんどしん、という音が似合う程、

力強く地面を踏みしめ此方に寄って來た。

「むむ!ソラこっちに來たのじゃ!

逃げるのじゃ!!」

「大丈夫だって……たぶん。」

エキサラは數歩前で止まり、

ゴホンと咳払いをした。

「昨日――久しぶりだねソラ君!

それとエキサラ、僕の名前はヘリム、神様だよ。

よろしくね。」

「うむ、よろしくなのじゃ。

にしても初対面で呼び捨てかのう……

ちと悲しいのじゃ。」

悲しいと口で言っているが、

顔の表はどちらかと言うと怒りに近いじだ。

よほど初対面の相手に呼び捨てで呼ばれた事が気に気わなかったのだろう。

確かに何で俺はソラ君って君付けで呼ばれているのに

エキサラは呼び捨てなんだ?

「そりゃあ、僕はソラ君以外に興味は無いからね。」

呼吸をするかのようにサラッと當たり前の様にそう言い、

余りにも自然に言われエキサラは何も言う事が出來なかった。

「でも、ソラ君を助けてくれたエキサラは別だよ。

呼び捨てが気に召さなったのなら謝るよ。

ごめんね?」

「う、うむ……」

エキサラならてっきりもっとガツガツ言うかと思ったが、

何だかちょっと引き気味だな。

まぁ、仕方ないって言えば仕方ないか。

相手は見た目があんなんでも一応神だ。

エキサラが信じているかどうかは分からないが、

あれだけの力を見せつけられたのだから下手な行などは控えた方が良いと

判斷しているのだろう。

エキサラはふらりと俺に近付き、

耳元で「妾の苦手な相手じゃ。」と囁いた。

エキサラにも意外な弱點があるんだな。

と思いながら仕方なくエキサラの代わりに俺が話す事にした。

「ヘリム、エキサラには凄く世話になってるから

呼び捨ては止めてくれ。

「分かったよ。ん~そうだね。

じゃあ、僕もご主人様って呼ばせて貰おうかな。」

「むむ!?」

予想していなかった呼び方をされて、

驚きワタワタしているエキサラを見て面白がり、

俺とヘリムは追い打ちをかける。

「良かったなご主人様。」

「よろしくね、ご主人様。」

「お主等っ!!止めるのじゃ!

ソラよ、今晩覚悟しておく事じゃ!」

エキサラはそんな捨て臺詞を殘して

家の中に逃げ込む様にって行った。

改めて思うけど、

エキサラって意外と照れ屋だよな。

い。

「意外と可い面もあるんだね。」

「ああ、そうだな。」

そう言ってヘリムの方を向くと、

エキサラが消えるのを待っていたかのように、

勢い良く抱き著いてきた。

ヘリムの方が長が大きいため、

人型のモンスターに襲われているような覚になる。

「どうした?」

めっちゃ良い匂いする……

何で此奴こんなに良い匂いするんだよ。

「やっと會えたね。」

「そうだな。」

互いの息がかかる程顔が近い。

昨日も會っているが、

あれは夢の中での事であって、

現実で會うのは本當に久しぶりだ。

「話したい事が沢山あよ。」

「俺も沢山ある。勿論文句もな。」

「えへへ、あまり怒らないでね。」

「どうしようかな。」

「意地悪だね……話は後にして今はこのままの狀態で居させてくれよ。」

「ああ。」

俺はヘリムに抱き著かれたまま、

傍から見ると完全に俺が襲われている見たいなまま

暫く無言でヘリムの腰辺りに手を回しを支えた。

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