《勇者になれなかった俺は異世界で》お引越し
思いの外疲れていたらしく、
俺は直ぐ気を失うかの様に眠ってしまった。
戦いの中、何度か武をイメージして現化させる事が出來、
魔力作はほぼ完璧と言ってもいいだろう。
問題はリミッター解除の制だ。
何時もやろうとは思っているのだが、
どうしても邪魔がってしまう。
これは運命なのかもしれないな。
今までは魔力作をメインとして練習してきたが、
次からはリミッター解除の制をメインとしてやっていこう。
一応ヘリムに一緒に居てもらおう。萬が一があるかもしれないからな。
「ふぅ、」
目が覚めた俺はそんな事を考えながら、
軽く息を吐き寢すぎて鈍ったを思いっきりばす。
「ん~~~」
ぽきぽきと骨がなるが、
それが何故が心地よい。
ベッドには俺一人しかいなく、
あの爺の事をもうし詳しく知りたい俺は
取り敢えずリビングに向う事にした。
リビングに行くと何時も通り、
エキサラとヘリムが何やら話していたが、
肝心の爺が何処にも見當たらない。
「む、おはよじゃ。」
「おはよー」
「ん、おはよ。」
此方に気が付いたエキサラに続き、
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ヘリムも挨拶してきたので當然返す。
「爺なら帰ったのじゃ。」
「ええ!」
俺がキョロキョロしていたのに気づいたエキサラは
さり気無くそう言ってきた。
「々と聞きたい事あったんだけどな……」
「何じゃ、奴の事なら妾に聞くのじゃ」
「おお、助かる。」
今思えば俺が聞きたい事は
爺の正と何故此処に來たのかと言う事だったから、
前者は親し気に話していたエキサラに聞けば分かる事だった。
後者は運よく爺がエキサラに話していればいいんだけど。
「じゃ、まず爺は何者なの?」
「奴はのう、昔の妾の執事じゃ。
爺は滅多に仮面を外さないから正はあまり知られていないがのう、
爺の正はのう、怨念の塊見たいな者じゃ。」
「みたいなものって……」
怨念の塊……どおりで一人だけ雰囲気がやばかった訳だ。
納得納得。
つか、怨念の塊が執事だったって……
いや、エキサラなら別に不思議な事では無いか。
「他に聞きたい事はないかのう?」
「最後、なんで此処に來たのか。」
「うむ、それについてはのう
結構大事な事だからのう
ソラが來てから話そうと思っていたのじゃ。」
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エキサラが言う結構大事な話とやらを聞くために、
皆でテーブルの椅子に座る事になり、
ヘリムと俺がエキサラと向かうじに座った。
話し手と聞き手が分かれていて良いじだ。
エキサラがこれから話そうとしている事は
一応エキサラと一緒にヘリムもいただろうから知っている事なのだろう。
だが、一応聞き手だ。
「では、早速話すとするかのう。」
「おう」
「うん」
軽く返事をしエキサラの次の言葉を待つ。
一どんな話をするのだろう。
良い話しなのか悪い話なのか。
ワクワクもするがそれ以上に不安だ。
「最近、王國やら何やら知らぬが、
妾達の平穏のす輩が現れ出したのじゃ。」
「うん、そうだね。」
「ああ。」
「爺が言うにはのう、
どうやら、王國は妾の事を捕まえたいらしいのじゃ。」
「なるほど。」
この前此処で大量殺があったし、
結構強い騎士様も此処で亡くなったし、
そりゃ、國としてはこんな危険人放っておくわけにはいかないよな。
殆どヘリムの仕業で、エキサラのせいではないが、
生憎、此処に住んでるのはエキサラだけという認識なのだろう。
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爺はそれを伝える為にわざわざ來てくれたのか。
「それでのう、爺からも提案があったのじゃが……」
ごくり、と唾を飲み込む。
ここから先の言葉が怖い。
もし、王國を滅ぼしにいくのじゃ。
とか言い出したらどうしよう。
せめて俺が強くなってからにしてくれ。
「お引越しする事にするのじゃ。」
「おお、良いね!引っ越し。」
「……良かった。」
平和的解決策がエキサラの口から出て、
俺は凄く安心した。
それにしてもお引越しって……
いい歳した……いや、これ以上はの危険をじる。
「ちなみに引っ越す場所は決まっているのか?」
「うむ、爺が既に爺が先に行って準備をしてくれているのじゃ。」
「おお。」
爺仕事が早い。
的な場所を聞きたいところだが、
地名など言われても分かる訳がない為、
心の中にしまい込んだ。
「移は妾が転移で移するのじゃ。
引っ越す準備は早めに済ますのじゃ。
出來れば今日中に彼方に行きたいからのう。」
「分かったよー」
今日中か、準備と言っても特に何もすることはないが、
隨分と早いな。
それほど王國のきが深刻的なのだろうか。
「俺は特に持っていくは無いから
何時でも準備――噓、ごめん。」
「む?今妾に噓を付いたのかのう?」
危ない危ない。
せっかく現化したエクスカリバーの存在を
すっかり忘れていた。
「噓を付いたのかのう?のう?」
何故か知らないが、
エキサラが構ってほしそうにぐいぐいと來るが、
無視だ。無視無視。
「ヘリムは何か準備するあるのか?」
「のう!のう?」
「ん~、僕は特に無い――あっ、
ソラ君を持っていければいいかな。」
「……」
何も言わないぞ。
言ったら負けだと思ってるからな。
エキサラにも一応聞いてみるか。
「ご主人様は何かあるのか?」
ずっと向かいでぐいぐいと來ている
エキサラの行を無視して俺は質問した。
「むぅ……特に無いかのう」
若干拗ねたが、確りと答えてくれた。
「そっか、じゃあ俺だけか。」
「……あっ、噓じゃ。
ソラを持っていくのじゃ!」
こいつ、無理矢理俺をねじ込んで來たな。
絶対何も言わないからな!
何か行ってほしそうにウズウズと
待っている二人を放って置いて、
俺は壁に立てかけてあるエクスカリバーを取りに向かった。
「ふんぅん!」
全力で持とうとしてもし引き摺る事が出來る程度だ。
エクスカリバーが重いのか、
俺の力が無いのか……いや、エクスカリバーが重すぎるんだ。
そう、俺は悪くない。
「ソラ君ー、その剣なら僕が持っていくから無理しないで~」
「おお、そっか助かる。ありがと。」
先程までウズウズしていたのが噓かの様に、
何時も通りのヘリムだ。
ヘリムがエクスカリバーを軽く持ち上げてくれて、
俺の準備が終わり皆引っ越しの準備は萬端だ。
短い間だったが世話になったこの家とお別れを
するのはちょっぴり寂しい気もする。
俺以上にこの家に居たエキサラの方が
きっと寂しい思いをしてるんだろうな。
と思い、俺はエキサラの方を見た。
「ふわぁ~」
が、エキサラからは寂しいと言うが一切伝わって來なく、
呑気に大きな欠をしていた。
そんなエキサラに釣られて、
「ふわぁあ~」
俺まで欠をしてしまった。
「何だいソラ君達、二人して欠なんて隨分と仲が良いんだね。
僕だけ仲間外れにされた気分だよ。」
「なんと、酷い奴じゃのう、ソラは。」
「えぇ……」
釣られて欠をしただけで拗ねられる。
……理不盡だ。
しかも、さらっとエキサラまで俺の事を責めてる。
冗談とは分かってるけど理不盡だ。
「むぅ……」
「ん?どした。」
何やらエキサラが顔を歪めて悩んでいる様に見えたので、
何事かと思い聲を掛けた。
「うむ、流石に行くにはちと早いかのう。」
んー、爺が出て行った時間は分からないが、
先に行って準備をしてくれてるなら早く行って準備を手伝った方が
良いと思うのだが……いや、此処は準備が終わるまで待っていた方が良いのか……
迷うな。
爺は昔執事だったらしいから、
執事服仲間として手伝った方が良い気もする……
「別に今行っても良いと思うよ~
僕があの爺だったら早めに行って準備を手伝ってくれたら嬉しいからね。」
「俺も同じく。」
俺が悩んでいる間にヘリムが意見を言ってくれて、
俺はそれに迷わずに賛した。
やっぱり自分で々考えるより信頼できる人が言った事の方が
納得できるし良いな。
「うむ、分かったのじゃ。
じゃあ、転移を始めるから妾の近くまで來るのじゃ。」
エキサラに言われた通り、
近くまで言った。
「では、転移するのじゃ。」
「ああ、」
「うん」
空間が歪み、気が付けば空間に吸い込まれ、
眩いに思わず目を閉じる。
一度験した事はあるが慣れないだ。
瞼越しのが小さくなった事を確認し
俺はゆっくりと目を開ける。
「うぉ」
「おぉ!凄いね!見て見てソラ君、大きいね!」
目を開けると子供の様にぴょんぴょんと燥ぐヘリムが映り、
その背景には石煉瓦製の大きな城が建っていた。
魔王城には何度か行った事があるが、
それにも負けない程の大きさと立派さがある。
「凄いな。」
「隨分と早いな。
まだ準備は終わってないがりな。」
「うむ」
爺に言われて俺達は城の中にぞろぞろとっていった。
裝はまだ無いそうで、只々広い空間が広がっているだけだった。
爺曰くこれから裝をやるらしいかったので俺達は手分けをして全力で手伝う事にした。
折角の城なんだ、立派な城にしてやろうじゃないか。
・・・・
……立派な城にしてやろうじゃないか。
なんて思ってた頃が俺にもありました。
「うむ、それはそこに置くのじゃ。」
「分かったよ~」
「爺はそこにあれを」
「了解」
「……」
エキサラが指揮としてヘリムと爺に
家を置く位置などを指示してそれをけた
二人は文句を一切言わずに寧ろ楽しそうにテキパキと行していた。
ちなみに俺には一切指示してこない。
……この通り。
完全に孤立してしまった。
皆がテキパキといてる中、
広い城で道端に落ちている小石の様にポツリと。
べ、別に良いさ……
城の隅へと行き足を丸め小さくなり
明らかに構ってしそうにチラチラとエキサラ達を見る。
……って言うのは冗談で、俺は隅に座りながら魔力作の練習を始めた。
暇な時間を有効活用する。
なんて優秀な子なんだ。
イメージするのは盾。
長剣、短剣と攻撃系の武と來たら次は防系の盾。
初めは割と簡単そうな良くゲームなどで見る木の盾の様な形をイメージする。
五角形を浮かべて外側にはその形に合わせて木をはめ込み、
その外側を金屬で囲み補強する。
裏側にも――
そんなイメージを思い浮かべ、
俺はせっせと魔力を作しイメージに流し込む。
短剣よりは時間が掛るが、難しい事は無い。
無事魔力を流し込み、
俺は盾を現化する。
「ふぅ、」
無事現化する事が出來、
俺は胡坐をかき盾を持ってみる。
重さは重くないとは言い切れないが支障が出るレベルではない。
んー、盾か……
創ってみたのは良いけど如何にも防しながら戦うって
結構大変な事だよな……
攻撃に集中してしまって盾が邪魔とかにもなりそうだし。
折角創ったけどボツかな。
なんかこう、もっと軽くて防が出來る
そんなじのは無いのか。
と俺は目を瞑り必死に考える。
今まで自分が経験してきた中でそのようなは無いか、
ゲームでも漫畫でも良い、何か無いのか……
必死に考えていると、ふと、ある魔王の事を思い出した。
戦闘狂で口は悪いけど本當は結構優しい魔王。
部屋には沢山の武があり、その中に――
「ヴェラ、ありがとう。」
三人には聞こえない様に小聲でそう呟き、
俺はイメージをする。
ヴェラの部屋の行った時の記憶を辿り、
武の形をイメージした。
すると、
「うわっ!」
魔力作もしてないにも関わらず、
ボロボロの短剣が現化したのである。
俺はまた、ふと、思い出した。
そう言えば、あの短剣には呪いがあったよな……
『まぁ、落ち著け。呪いって言っても大したもんじゃない。
只その短剣は手にした者の心にり込むってだけだ。』
ヴェラの臺詞が脳再生された。
ああ、そうだ。
そうだった、すっかり忘れていた!
心にり込む、それがあの剣の呪いだ。
そして、俺はまたまた、ふと、思い出した。
『ソラ君の心――魂、心は高理ソラ――ソラ=バーゼルドの時と同じ何だよ』
ヘリムが言ってくれた言葉だ。
俺の心がバーゼルドの時と同じなら
あの時の呪いだって引き継いでいるはずだ。
「そう言う事か。」
ヘリムの言葉の意味をやっと理解することが出來、
俺はヘリムの方を見て言葉には出さなかったが、
心の中で頭を下げ謝した。
『あまりネタバレをしない主義』
確かにネタバレはしていないが、
俺の為になるヒントはくれている。
これからはヘリムの言葉を良く聞いて考える事にしよう。
そう俺は心に刻んだ。
短剣を手から離し、
短剣がの中へと消えて行き何とも言えない覚に襲われ、
俺は立ち上がりヘリム達の方へと歩き出した。
暇な時間を有効活用して魔力作の訓練をしようと思っていたが、
それよりも大きなとても大きな果を得られ今日の訓練は満足に終わった。
「なんか俺にも仕事をくれよ。」
「うむ、そうじゃな――」
思わぬ果を得られ気分が良くなった俺は
ふんふんと鼻歌を歌いながら積極的にエキサラ達の手伝いを始めた。
……初めからこうしていれば孤立はしなかっただろうが、
まぁ、良いだろう。そのおかげで思わぬ果が得られた事だし。
【コミカライズ&電子書籍化決定】大好きだったはずの婚約者に別れを告げたら、隠れていた才能が花開きました
***マイクロマガジン社様にて、コミカライズと電子書籍化が決定しました!応援してくださった皆様、本當にありがとうございます。*** シルヴィアには、幼い頃に家同士で定められた婚約者、ランダルがいた。美青年かつ、魔法學校でも優等生であるランダルに対して、シルヴィアは目立たない容姿をしている上に魔法の力も弱い。魔法學校でも、二人は不釣り合いだと陰口を叩かれていたけれど、劣等感を抱える彼女に対していつも優しいランダルのことが、シルヴィアは大好きだった。 けれど、シルヴィアはある日、ランダルが友人に話している言葉を耳にしてしまう。 「彼女とは、仕方なく婚約しているだけなんだ」 ランダルの言葉にショックを受けたシルヴィアは、その後、彼に婚約解消を申し入れる。 一度は婚約解消に同意したものの、なぜかシルヴィアへの執著を隠せずに縋ってくるランダル。さらに、ランダルと出掛けた夜會でシルヴィアを助けてくれた、稀代の光魔法の使い手であるアルバートも、シルヴィアに興味を持ったようで……? ハッピーエンドのラブストーリーです。 (タイトルは変更の可能性があります)
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