《勇者になれなかった俺は異世界で》ヘリムとの約束

片付けを済ませて俺はポチの様子を見に行こうと思ったが、

先程のポチの様子を思い浮かべ気を散らせてしまうのは

申し訳ないと思いもうし遅い時間帯に訪れようと考えた。

たまにはエキサラとコミュニケーションを取ろうかと思ったのだが、

既に風呂に行ってしまったようで其処等中にだらしなく下著やらが転がっていた。

やれやれ、と呟きながら下著を拾い軽く畳み一か所にまとめておく。

「さて、こうなるとヘリムに遊んでもらうしかないな」

ポチもエキサラも遊べないとなると、殘りはヘリムしかいない。

別にヘリムが嫌いだからと言って最後の選択肢にしている訳ではない。

ヘリムは々と恐ろしいから……うん、恐ろしいのだ。

ヘリムを探しに城を探索するが見當たらず、

何となく寢室に向かうと、そこに奴はいた。

「どうしたんだいソラ君」

「珍しいなヘリムがこんな時間に寢室にいるの。

まさか……取り込み中だったか?」

何時も真っ先に寢室に向かうのは俺であり

ヘリムやエキサラはゆっくりと風呂やら雑談やらをしてくる為

この部屋に來るのは何時も夜中になっていた。

そんなヘリムは誰よりも早く寢室に居るのは非常に珍しく、

相応の理由が思い浮かばなかった為、出鱈目な事を口にしてみた。

「ふ~ん、ソラ君、僕がそんな事をしているとでも本気で思ってるのかな?」

首を若干曲げてニッコリと笑みを浮かべてそう言っているが

目が全く笑っておらず恐怖をじる。

「はははは、冗談に決まってるだろ……うん」

「まぁ、してたんだけどね」

「……お邪魔しました」

してたのかよ!!と突っ込む余裕はなく。

俺はヘリムのプライベートの楽しみを邪魔する訳にはいかないと、

寢室を後にしようとした。

「こらこら、待ちなよ」

扉の方に振り向き出て行こうとする俺の腕を

何時の間にかに移したヘリムに捕まれてしまった。

若干だが生暖かいが腕に付いた様な覚がしたが、

気にしたら負けだと思い込み必死に気を逸らす。

「何だよ、続きでもしてたらどうだ」

「ん~中斷させたのはソラ君だよ?責任取らないとね」

確かにノックをしないでった俺が悪いのだが、

責任を取るほど重要な罪を犯したつもりはない。

変な事を抜かしているヘリムの腕を振り払い――たかったのだが、

そう簡単には離してはくれない。

「ヘリム、おかしなこと言ってないで

ご主人様と風呂にってきたらどうだ?」

「ん~もうししたらるよ。

そうだ、誰もいない今なら約束果たせそうだね!

どうする、今しちゃうかい?」

「?」

何とな責任云々の話しから逸らせることができた様だ。

以前も言っていたが、約束とは何のことなのか。

俺は頭上にクエスチョンマークを浮かべた。

「まさか忘れたの!?酷いよソラ君……」

ヘリムは悲しそうな顔をしたかと思うと

ニヤリと何かを閃いた様で俺の耳元に顔を近付けて

「ソラ君の貞を貰う約束だよ」

「!!!!」

と呟かれ俺は顔を真っ赤にしてヘリムを優しく突き飛ばして

寢室から逃げる様に飛び出した。

逃げながらも、そういえばそんな事言ってたなと思い出す。

あれは、俺が初めて死んだ時に

『はぁ、どうせ死ぬんだったら貞くらい卒業したかったな』

と呟いた時、ヘリムが貰おうとか言ったんだっけ……

別に嫌ではないのだが、せめて俺のがしっかりと発達してからにしてしい。

それと心の準備が整ってからだ。

こんな未だと一方的にやられるのが目に見えている。

それがヘリムともなると……考えただけで恐ろしい。

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