《勇者になれなかった俺は異世界で》闘技大會は中止になります。

「いや~元気ですね」

「ああ、元気ありすぎて困るな」

俺が席に座ってからかれこれ數十分が経過したが、

未だに二人の戦闘が終える気配はない。

寧ろ激しくなっていき攻撃によって破壊された何かの破片が

幾度も此方目がけて飛んできてそれを重力作で沈めている。

ちなみにこの席に座ってからポチは一言も発していない。

顔は見えないが明らかに不機嫌だ。

何故わかるかって?そりゃ、これだけ付き合っていれば分かるよ

……と言いたいところなのだが。

『ソラよ、こいつ邪魔だ。今すぐ殺すか何処か別の場所に移するぞ

おい、聞いているのか?変な事を言ってないで返事をしたらどうだ!

あ~、ソラよ無視してるって事で良いんだな?本當に良いんだな?』

と、こんなじにこの席に座ってから

ずっと言っているのだ。

いっそ騎乗を解除してやろうかと思うほどうるさいが、

そんな事をしたら本気でイケメン奴隷が殺されかねないので、

そろそろポチの相手をすることにした。

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まぁ、まぁ、落ち著けって。

『やっと返事しやがったな!』

こらこら、言葉遣いが汚いぞ!

『やっと返事してくれてありがとな』

ん~、ちょっと違うけど良いや。

んで、何かようかポチ

『何か用かだと?さっきからこいつが邪魔だと言っているだろ』

まぁ、そういうなってどうせこいつとはもう二度と會わないんだし、

それに、なんか鬼族とか言う珍しそうな種族なんだろ?

ちょっと付き合ってくれよ

し興味がある程度で、しかもどんな風に角が生えるのだろう

とかそんなくだらない興味だ。

まぁ、興味があるからと言って出して!なんて言いはしないが。

「ん~そろそろ行こうかな」

「ん、何処行くんだ?」

「そろそろ帰ろうかなって。

どうせ、今回の闘技大會は中止だろうしね」

「ははは、なんか悪いな」

荒れまくりだが一応試合はまだ続いているが、

イケメン奴隷の言うように闘技大會は中止になるだろう。

ヘリムやご主人様と戦えないのはし嬉しくし殘念だが、

仕方がないので素直に諦めることにする。

今回の真の目的である実力を確かめるという點は

一応全員クリアしている為此処で中止になっても問題は無いのだ。

俺とポチは十分に戦ったし、言うまでも無いと思うが、

ヘリムとエキサラは十分、それ以上に楽しんでいる。

「では、また何時か」

「ああ、そうだな」

二度と會うことは無いが一応そういっておく。

イケメン奴隷が瓦礫を華麗に避けながら姿を消し、

それを待ってましたと言わんばかりに――

「やっと言ったか!本當に邪魔臭いやつだったな」

「どんだけ嫌いなんだよ……」

「ふんっ、我が心を許し好むのはソラだけだ」

「ふっ、照れる」

そんな會話をしている間も激しい戦闘は続いており、

気が付けば司會者の悲痛なびは消えており、

司會席は空席になっており――二人のどちらかの攻撃によって

ペシャンコにされてしまった。

「危ないな、もうしで巻き込まれてたぞ

まぁ、どうせ死なないんだから別に良いんだけど」

「ん?死ぬぞ?この會場にってあった結界はすでに壊れるぞ」

「はっ!?」

ポチ曰く、誰も死なないぜバリアが破壊されてしまっているらしい。

犯人は捜さなくても目の前で楽しそうに戦っているアホ二人だ。

そんな事よりも――

「よし、ポチ!巻き込まれてる人がいないか確かめるぞ!」

「そう慌てるな、さっき出て行ったアイツ以外誰も居ないぞ

巻き込まれた間抜けもいない」

「え……本當だ」

二人の試合しかみていなかったため、気が付かなかったが、

周りを見渡す限りもうこの會場には誰も居ない様だ。

「それにしても……むずむずするな」

「ん?おしょんか?」

「違う!」

何やらモゾモゾとかしているので

てっきり尿意かと思ったがそれは違った様で

軽く頭を叩かれてしまった。

「あの二人の戦いを見てると、我もきたくなるぞ」

「ふ~ん、混ざって來れば?あの二人なら大歓迎だろうよ」

「ソラは行かないのか?」

「ああ、俺は疲れたからな。ここで見てる」

「そうか、では行って來るぞ!」

本音を言うとあの化けたちにもう一人化けが追加された戦場に

このをささげたら、それはもうひどいことになるのは間違いない。

そんな恐ろしい事になるぐらいならここで楽しく見ていた方が良い。

ポチが凄い跳躍で今は無きステージに飛んでいくと、

エキサラ達は攻撃を止めることは無かったが、薄っすらとポチも楽しむのじゃ~

と聞こえた気がするので歓迎されているのだろう。

「あーあー」

ポチが介したことによってステージ――會場全が崩壊したのはの話だ。

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