《勇者になれなかった俺は異世界で》

壁の中へるとやはりそこは戦地と化していた。

燃え盛る家などから逃げう人々で溢れかえり悲鳴、時には罵聲も聞こえてきた。

皆パニック狀態になっているのだろう。

それも仕方がないか……

視線をずらすとそこには巨大なエクスマキナの姿があった。

壁の外から見た時は頭しか見えておらずてっきり人型なのかと思ったのだが、

それは大きな間違いだったようで、現在目の前にいるエクスマキナは

が金屬で出來ているのだろうか沢を放ち、複數の腕がび、

それと同じように複數の足を持っている。

「機械仕掛けの神様ねぇ……なるほどなるほど」

ロウォイを見た時は全くエクスマキナと言う言葉が當てはまらなかったのだが、

今目の前にいるのはエクスマキナと言う名前がとてもお似合いな存在だ。

周りを見渡してみたが、どうやらここにいるのはこの一のエクスマキナだけの様だ。

だが、その一だけでも倒すのは苦難らしい。

ポチに乗り人混みを避けて屋上をつたって走りながら観察しているのだが、

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上位陣同盟の者だと思われる人たちが一斉にエクスマキナに攻撃を加えている。

しかし、その攻撃は半明の壁に弾かれ、彼方此方に飛んでいき、家などを破壊していた。

「なにあれ」

『簡単に言うとバリアだ。あれがある限り攻撃は通らない。

それと我らも通る事はできない』

「ん?――うわ、本當だ!厄介だな」

気が付けば俺たちの前には半明の壁が存在しており、

ポチが進むにも進めない狀況になっていた。

一瞬、どうすれば良いんだ?と悩んだのだが、ポチの心を読みそれは直ぐに解決した。

『準備は良いな?』

「ああ!」

しっかりとポチにしがみつく。幾らポチでも今からやるのはかなりの力を使うため

衝撃を抑えきれないらしく、俺が落ちてしまう可能が生じる。

ポチと俺のがうっすらと緑に発し、力が漲ってくるのをじる。

そして、一度距離を取り、勢いよくバリアに向かって突っ込んでいく。

『ふんっ!』

バリンッ!となかなか気持ちの良い音を立て、エクスマキナのバリアは砕けた。

一か所が割れるとヒビが広がっていきバリア全が脆くなり、

上位陣の攻撃をけただけで々に砕けて行った。

「ポチってやっぱ凄いよね」

『ふっ、ソラと共に居るのだからこれぐらいは出來て當然だ』

當然と言われてしまったのだが、俺は當たりでバリアを壊せる自信は無い。

現化した武でがりがりとやって削る事は出來るのだろう。

『それはすごく間抜けに見えるからやめた方が良いぞ』

「……」

確かに、自分でも想像したら慘めな気持ちになってきたぞ。

『っ!』

ポチの心から背後から途轍もない魔法が放たれると言う事を知り、

再びポチにしがみ付いて落ちないようにする。

今までよりも遙かに速度を上げて距離を離してから包み込むように結界をりその場で止まった。

振り返りエクスマキナの姿を確認すると、複數の手が巨大な魔法陣を形しており、

そこから幾つもの柱上の眩い魔法が放たれ、次々と建や周囲のものを破壊して行く。

魔法が落下してきた場所は一瞬にして無と化し、何もかもを消し去っていく。

その攻撃は數分間もの間続き、止んだ頃には辺り一面がだらけになり、

とても今まで人が住んでいたなど想像もできない程に壊滅していた。

『急ぐぞ』

まさか大賢者田中がこの攻撃によってやられていたら――

いくら不老不死になったとはいえ、相手はエクスマキナだ。

予想外の事が起きているかも知れない。

そう思った俺の心を読んだポチはすぐさま行を開始した。

『どうやら大丈夫の様だな』

「え、本當だ……」

あれから數分後で大賢者田中がいる所に辿り著いた様で、

ポチが言う様に、目の前の建だけが無傷だった。

周りは壊滅しているのにも関わらず傷一つ付いていない建に違和を覚える

『この建霊の加護が付いているからな』

「あーなるほどね」

霊の加護と言われてしまえば直ぐに納得する。

その凄さは近にいるポチ様から分かっている事だ。

流石ポチ、流石霊。

ポチに乗ったまま建の中に潛する。

警備兵の様な者は存在しておらずすんなりとれてしまった。

これほど頑丈な建なら中に避難しているのではないかと思ったのだが、

中にもそれらしい姿は発見出來なかった。

『逃げ込む前に消滅したんだろうな』

「うへぇ……」

し想像するととても可哀想な景が浮かび、頭を振って振り払う。

暫く歩くと、何やら話し聲が聞こえてきた。

二人の聲、その片方は聞き覚えがあるロウォイの聲だった。

となると、もう一つの聲は大賢者田中って事で良いのかな

『敵意はじない。恐らくその通りだろうな』

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