《勇者になれなかった俺は異世界で》埋まるのじゃ~

自分がどこの國に來ているのかは分からないが、

そこにあっただろう商店街や建築などは跡形も無く崩壊している。

崩壊した瓦礫に埋もれ幾人もの人々が命を落としている。

「っ……」

どうやらまだ息のある者がいる様だ。

俺の心が読めるポチは何も言わずに瓦礫をよけて埋もれ居た人を助け出す。

「――!」

聲が出ないのだろうか、ポチの姿を見てび聲をあげているのだろう。

怯えた表をしながらもう終わりだと言わんばかりの顔をしている。

そんな事は気にせずにポチに死なない程度までに回復魔法を掛けさせて

後はその場に放置する。

他にも埋もれている人々がいる為、一人一人助けては安全地帯に連れて行くなど

そんな手間のかかる事はやってられないのだ。

こちらにも目的があって此処に來ているのだから。

この世界に來た時からある目的。そして、この世界での最後の目的。

まさに最初で最後の目的だ。

ある程度人助けを終えた後、ふと空を見上げるとハッキリとは見えないのだが、

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遠くの方に人影の様なものが目にった。

魔眼さんを発させれば一発なのだが、どうやら目的の場所はあそこらしいので

わざわざつかななくとも分かるようだ。

ポチに乗って急いで向かうが、時既に遅かった様だ。

數人が地面に倒れこみ、それを楽しそうに見下ろしている男の姿を確認した。

ポチに気配を消してもらい、瓦礫で出來た影からこっそりと様子を伺う。

神の言うのだからてっきりヘリムやビィチアの様にしっかりと人型なのかと思ったのだが、

空に浮いているのは全が鱗に包まれ、手足には鋭い爪。

背中には紺の翼が生えており、顔はドラゴンそのものだ。

あれが神なのか?

『あれだな。昔から何も変わっていないな』

どうやらあのドラゴンが神様らしい。

禍々しいと言うじはあるのだが、あの見た目ならまだ間近で見るポチの方が怖い。

迫力が違うのだ。あの喰われる寸前にみるあのポチの表は恐ろしい……

『ソラよ、我が怖いだと?』

いや、あの……ドラゴンに迫力をじなくて、

ポチの方が……その、

『まぁ、良い。この戦いが終わったらお仕置きだ』

……優しくね?

『ふん、そろそろ行くぞ』

「おう」

敵の観察も終え、気持ちを切り替えて飛び出す。

『おっと』

急にポチが飛び上がり足を止めた。

何があったんだろうかと思い辺りを見渡してみると、

そこには地面にめり込んでいるヘリムとエキサラの姿があった。

「え、ちょ……なにしてるの?」

俺の聲に反応したのだろう、

地面から顔を出しパフ~と良く分からない聲を出した。

「ソラ君だ~」

「もう用事は済んだのかのう?」

「ああ……で、二人は何で地面にめり込んでいたんだ?」

「実はのう……」

・・・・

ヘリムとエキサラはソラの事を置いてさっさと戦場へと向かった。

ソラには別の目的がある事を知っているおり、ヘリム達には戦場で暴れまくり

神様を呼び出すと言う目的があるからだ。

二人は転移を使い一瞬で大勢のエクスマキナと上位陣同盟が戦っている國に移した。

そこには真の姿を現したエクスマキナが何百人何千と存在しており、

國中を埋め盡くしてしまうのではないだろうかと思うほど巨大な集団となっていた。

上位陣同盟は數では上回ってはいるのだが、エクスマキナのバリアによって

攻撃が全く通っていない狀況が続いている。

同人同盟がバリアを壊せないと言う訳では無く、いくつかのバリアは破壊している。

だが、エクスマキナの數が多すぎる為、何重にもなっており破壊しても破壊しても

中々本に辿り著くことが出來ないのだ。

エクスマキナの単を転移させ戦う戦法も取っているのだが、

此処まで集しているとあまり意味が無いかんじがする。

「凄い沢山いるね~」

「くはははは、楽しみじゃ!」

「そうだね、じゃあ早速やろうか」

「うむ」

久しぶりに殺し合いが出來ると言う事で戦闘狂の二人のワクワクは止まらない。

前回模擬試合で戦闘を行ったがそれはあくまで殺し合いではなく、

実力の確かめ合いだった為、いまいち不満足だったためこの機會を待ちに待っていたのだ。

を前にした化けたちは止まる事を知らない。

「妾が繰り出すのは絶対的な力、慈悲は無く、逃れるも無い――」

ソラに影響されているエキサラが廚二チックな詠唱をすると

背後の空間から真っ赤な眼玉が現れ、巨大な線を放った。

一直線にエクスマキナの集団に飛んで行く。

抗う事の出來ない圧倒的な力を前にバリアなど無意味だ。

一瞬にして本まで到達し何の抵抗もけずに貫通していく。

予想外の出來事に戦場にいる誰もが呆然と立ち盡くしてしまう。

「あ~ソラ君の真似してる!良いねぇ……

でも、僕はそう簡単に言葉が出てこないから――散れ」

エキサラとは真逆に短い言葉を呟いただけだったが、

本気の殺意の籠った神の言葉は違う。

ヘリムが呟いた次の瞬間、エクスマキナのがまるで部に何かが暴れている様に

ボコボコの飛び出し見る見るうちに原型が破壊されていき、

悲鳴と共に鮮を散らして弾け飛ぶ。

ヘリムの視界にっている。それはもちろんエクスマキナだけではなく、

上位陣同盟も標的となっており、辺り一面を鮮の海に変えた。

エクスマキナのバリアなどこの二人の前では無意味なのだ。

「くはっはっは、綺麗じゃのう!」

「そうだね、はははは!楽しいなぁ」

そこからはあっと言う間だった。楽しんでいるにエクスマキナと上位陣同盟は壊滅し、

そこに國があったなど分からない程破壊され、そろそろ場所を移そうかと思った矢先――

天から神が舞い降りてきたのだ。

に鱗の鎧に纏われたドラゴンの神。

「現れたのう」

「そうだね……ちょっとまずいね」

「うむ……」

神が現れた瞬間、二人の魔力が吸い取られ一瞬にして力が抜け地面に倒れこんでしまった。

「あぁ~が沈んでいくのじゃ~嫌じゃ~」

「あははは、新鮮だな~」

ドラゴンの発する圧によって力が抜けている二人の

ジリジリと押しつぶされ地面に埋まっていく。

かなり危機的狀況なのだが、二人に危機などと言うものは存在せずに

呑気に滅多に経験しない地面に埋まると言う験を楽しんでいた。

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