《勇者になれなかった俺は異世界で》次の目的地
悲しい空気の中マイペースなノイが口を開く。
「そうだぁ、ソラ君最下層に行こうよぉ、そこに思い出の品が沢山あるからぁ」
「思い出?一何があると言うのだ?」
この世界でしっかりとした思い出の品など殘すことが出來なかったと思うのだが、
一何があるのだろうか。首を傾げつつ、興味を示す。
「それはお楽しみだよぉ~でもぉ結構懐かしくじると思うなぁ」
「ほう、それは我も興味があるな。案するが良い」
「いいよぉ、こっちにおいでぇ~」
一何の事を指しているのかが全く分からない。
スラなら何か知っているのではないだろうかとヒントを求めて視線を送ってみたが、
ニッコリと笑みを浮かべるだけだった。
「まぁ、行けばわかるか」
何だか非常に意地悪な気がするが、どの道行けば分かる為強くは言わない。
期待にを膨らませながらノイの後に続く。
改めてこの階層を見渡しながら歩く。
「こういう裝は全てノイが考えて創り出したのか?」
「ん~そうだよぉ、んな本みたりしてねぇ創ったんだぁ」
「ほう、なかなか良いセンスをしている。これは今後が楽しみだな」
ここまでに來る間に通った階層の裝はどれもなかなか良いモノだった。
今いるこの階層も只ボロボロなだけではなく、どこを見渡してもしっかりとオブジェクトが設置されており、
細かい凹凸までしっかりと作り込まれている。
「僕だってぇ、やるときはやるからねぇ。この迷宮も三日ぐらいで作り終わったよぉ」
「おお、この規模の迷宮をたった三日で作り上げたのか。
流石が霊王ノイだな。すべてを見た訳ではないが細部まで作り込まれている。
なかなか大変だったのではないか?」
「そうだねぇ、大変だったけどぉ、一日も早くこの迷宮を建てる必要がぁあったからねぇ
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ソラ君の事を思えばぁ苦でもなかったけどねぇ~」
「あの時は皆さん荒れてましたからね、こうして迷宮を作り最下層に皆を集めて
一時的に隔離する役目も果たしてましたね。本當にあの時は大変でしたよ」
「そ、そんなことがあったのか……非常に気になるが、それはみんなが集まった時にでも聞くとするか」
みんなが荒れて社會から隔離する程とは一どんなじだったのだろうか。
ライラの事はなんとなく想像が出來るがヤミが荒れるってどんなじなのだろうか。
そもそも全員が荒れたりしたらどれほどの被害が……考えるだけで恐ろしい。
「なぁ、ソラよ、お前の仲間は隔離されなければいけない程危ないのか?」
「そんな危険人じゃないはずなんだけどな……まぁ、俺にも々あったように、
皆にもまた々な事があったんだろ。生きている者は変わり行く者だからな」
「そんなものなのか。まぁ、何にしろ出會うのが楽しみだな」
よほど強者に飢えているのだろう。心底楽しみにしているように笑みを浮かべている。
俺もたまに戦闘の時楽しくなって笑みを浮かべることがある。その時と似たようなじだ。
 
「そういえばぁ、ライラ達にはぁもう會ったのかいぃ?」
最下層へ続く階段を下りながらノイは此方を振り返りながら用に後ろ歩きで進みながらそう尋ねて來た。
「いや、まだ會っていない。もし會っていたならば俺の橫にはヤミが並んでいるはずだ」
「それもぉそうだよねぇ、もう場所は分かっているのぉ?」
「全くと言って良いほどわかっていない。だが、居場所を誰かに聞こうとは思っていない
お前とこうして出會えたのも報収集をして行した結果だ。
此処まで來たようにこれからも己の力のみで皆を探して行きたいと思っているんだ。
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それに、この數年で何が変わったのか、冒険しながら報収集と言うのは中々良いモノだ」
「そっかぁ、じゃあ先走ってぇ教えなかったのは正解だねぇ……
だけど、一つだけ忠告しておくよぉ、彼たちは変わったよ」
ノイはそれだけ言うと再び前を向いて歩きだした。
変わったとは一どれほどの変化が起こったのか。それは分からない。
だが、それも再會した時の一つの楽しみとして心に収めておこう。
「それは楽しみだ」
歩くこと數分、遂に最下層へと降り立った。
「これは……凄いな」
幻想的な空間がそこには広がっていた。
今までのように凝ったオブジェクトは存在せず、自然の窟といったじだ。
を放つ水晶によって照らされる水は青く輝いており、
窟全が青く中心には大きな墓が建てられている。
不思議なを放つ蝶が舞い、その後にの粒子の様なモノが続く。
「ほう、なかなか良い場所だが……此処は墓場か?」
ポチが言う通り、すごく良い場所だとは思うのだが、中心にある墓の影響で
この場所が墓場として作られたのではないだろうかと言う考えが生まれる。
墓場には大量の花束とお供えの様な品々が並んでいる。
「そうだよぉ、此処はボクがぁ、ソラ君のためにぃ作ったお墓。
この迷宮事態が君のお墓なんだよぉ。毎年此処で皆集まったりしてるんだぁ。
まぁ、それも前回の集まりで終わりだけどねぇ。此処の役目も今日でぇ終わりぃ
用が済んだらこの迷宮はぁ処分するよぉ」
「なっ、こんなに立派な迷宮を壊すのか?流石にそれは勿無いと思うのだが」
わざわざ俺の為にこの迷宮を作ってくれたと言うのは非常に嬉しいし有難いのだが、
こんなにも立派な迷宮を用が済んだからと言って壊すのは非常に勿ない気がする。
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いまだにクリア者が出ていないし、まだまだ活躍できそうな迷宮だ。
「この迷宮は今日で終わりだよぉ、それにねぇ、この規模になるとボクはぁ
この迷宮からぁ出れないんだよぉ。ソラ君が折角戻ってきたんだからぁ、
ボクは君と冒険がしたいんだぁ。だから今日でこの迷宮は終わりだよぉ」
「そうか……今までありがとな。この迷宮を、俺の墓場を守ってくれて」
「うんうん、もっと謝するんだよぉ~ほらぁ、あそこ見てごらん」
こう褒めると直ぐに付け上がるところは昔と変わっていない様だ。
憎たらしい笑みを浮かべており、しイラっとするがこれぐらいは無視だ。
今日までずっと待っていてくれたのだ。本當に謝してもしきれないぐらいだ。
ノイに言われ、墓場に置いてあるあるモノを見るために近付く。
「おぉ、これは……」
そこには俺がこの世界で死ぬ前にに付けていた數々の品が置かれていた。
思い出とはそういうことだったのかと納得する。
使っていた短剣やに付けていた服……裝備品の數々だった。
「お?そういえばこんなも持っていたな」
數々の思い出の品を手に取ったが、使えるは殆どなかった。
この迷宮も今日で終わりとのことで使えるは再利用しようと考えたが、
武に関しては自分で作り出した方が強力なモノが手にるし、
服や裝備に関しては普通に長が足りないし、ポチやエキサラのおで最強の執事服を著ている。
思い出に浸れたが持って行けるのは石ころ程度のモノしかないようだ。
「そういえば、迷宮の依頼をけていたが、どうやって最下層まで行ったことを証明するんだ?
そもそもこの迷宮は今日で消えるのだから、この依頼はどうなる?」
「これ持っていけばいいんじゃないのぉ?」
そう言ってノイがポケットから取り出したのは紫の水晶だった。
良く観察するとそれは心臓のように波打っており不気味なモノだ。
「なんだこれは気持ち悪いな……っても大丈夫なのか?」
「それは迷宮の心臓ですね。本來ならばその心臓が生する石を持ちかえれば良いのですが、
今回はこれが最後なので別にその心臓事持ち帰っても良いでしょう。
どの道、この迷宮は危険視されていたので遅くても一年後には完全封鎖される予定でしたから。
心臓を持ち帰っても問題視されることはないでしょうね」
「ほへ~これが迷宮の心臓ね……スラよ、任せても良いか?」
「え?ええ、別に良いですけど……」
別にれても何も害はないのだろうが、何だか非常にれるのを拒んでしまう。
「ちょっとぉ!?ソラ君これは僕の心臓と言ってもぉ、過言じゃないんだよぉ!
それを嫌がるとはどういうことなのかなぁ?」
「尚更嫌だわ!!!」
「喰っても良いのか?」
「喰うんじゃない!ばっちい!」
心臓はスラに持ってもらうことにして俺たちは迷宮を出る準備を始めた。
出ると言っても來る時のように大変な道を通るわけではない。
「それじゃぁいくよぉ」
階層を一段上がるだけで一気に地上へとつながる。
薄暗い空間にいた視界に一気にが差し込む。
それと同時に迷宮の消滅が始まる。崩れるのではなく、粒子化が始まり、
音もなく消え去っていく。なんとも言えない景に思わず目を奪われる。
「これは……」
駆け寄ってきた兵士もまたその景を見て足を止めていた。
無事迷宮を抜け出しノイをメンバーに加え冒険者ギルドに戻ってきた。
依頼等の処理は全てスラに任せているが、一番適任なのが彼だ。
適材適所と言うものだ。もし俺が依頼の報告にいっても詳しく説明できないだろう。
特に今回に限っては迷宮の心臓とかいう得の知れないものを提出するのだから。
スラが々とやってくれている間に俺たちは冒険者ギルドにある酒場の椅子に腰を下ろしていた。
わざわざ酒場の方の椅子に座っている理由は只一つ。報収集をするためだ。
収集と言っても、こうして座って何か気になる報が聞こえたらそちらに耳を傾けるだけだ。
確実ではないが此処に居ればあらゆる場所の報を仕れることが出來る。
「ねぇ、ソラ君、これからどうするんだぃ?」
「特に決まっては無いが、今は此処で報を集めようと思っている」
「なんだ、また報収集か、つまらないな」
そう不満そうにつぶやくポチ。
確かにポチからしてみれば非常につまらない時間だろう。
こういう時にはとっておきの言葉でポチの事をつるしかない。
「ポチよ、こうした地味な作業を続けることによって、強者に巡り會えるのだぞ」
「……分かっている、だからこうして大人しく座っているのだ」
ならばもうし不機嫌そうなその表をどうにかしてもらえないだろうか……
そんな事を一瞬思ったが、ポチに読み取られてしまいギロッと此方の事を睨み付けてきた。
凄まじい殺気を向けられて思わず苦笑いを浮かべる。
「さ、さて、気を取り直して報収集を始めるとするか」
報収集と言う名の盜み聞きを開始する。
耳を澄ませば様々な會話が聞こえる。その中から気になる報だけをピックアップしていく。
大きく分けて勇者についての話題と魔の國についての話題だった。
どちらも聞いたことがある話だが中々興味深い容だ。
まずは勇者の報からだ。これは幾つもの噂があり、どれも信憑が高いとは言えないものだ。
三人の勇者が國から姿を消したと言うのはある程度信憑がある。と言うか、それは事実だ。
問題はそこから先の報だ。國を裏切り悪魔たちの側に著いた、何者かに殺された、
國が隠している、大きな怪我をして治療中……だとか様々な噂を耳にした。
恐らくだが、勇者たちの行方を知っているモノは誰一人いないのだろう。
報が彼方此方に飛び過ぎている。死んだと言う可能は恐らくだが、無いだろう。
仮にも勇者としてのステータスやスキルを持っているのだ。そう簡単には死なない。
何処かに隠れているか、國に捕まってしまったか……この報も集める必要がありそうだ。
なんだかんだ言っても気になってしまう。
俺と同じ代の勇者たちは行方不明、そして今回召喚された勇者も行方知れずだ。
これは國としても早くどうにかしないと國民の不満や不安が発することになるだろう。
もう一つが魔の國の事だ。前回から何回か耳にしていた言葉だ。
國と呼ばれるだけあり現在はかなりの數の魔で構されているらしい。
それもほとんどが知を持った魔の様だ。正直に言って非常に興味を惹かれる容だ。
小さな集落などを襲い領土を拡大していっており、そのやり方は人間の様に汚い。
奇襲、罠は勿論の事、小さな集落にも大勢で攻める。
人質として多數の人間や他種族が捕虜となっているため、國々も手を出せずにいるようだ。
今現在、かなりの數の魔が集結しており、大きな國となっている様だ。
そこと戦うとなると、戦爭になる事は避けられないだろう。
ポチにどうするかと尋ねれば間違いなく魔の國に行くと言うだろう。
確かに魔の國に行くとは々と面白いかも知れないが戦うのは面倒そうだ。
行くのならば魔の國に潛と言う形で行きたいものだ。
魔の國での報収集と言うのも中々面白いものなのではないだろうか。
幸いな事に今の俺たちはフェンリルにスライムに霊に、人間とは言えない存在で構されている。
……まぁ、流石に俺の場合容姿を変える必要があるだろう。
いくら人間離れしたと言っても姿は人間そのものだ。
証明するのは簡単だが、それを行ってしまえば目を付けられてしまうだろう。
此処はノイかポチのどちらかに容姿を変えてくれないか頼む必要がある。
ちなみに、冒険者ギルドにはあまり魔の國関連の依頼は流れて來ない。
今までに一二回、片手で數える程度しか流れてきていない様だ。
立派な事に領土がしっかりと宣言しているらしく、無斷で足を踏みれれば即座に相手側の世界だ。
たとえ何をされようと此方からは手を出すのは難しいらしい。
魔の國の法という事になっているが、実際は捕虜の影響がとても大きいのだろう。
もしかしたら魔の國に新勇者たちが囚われているかもしれないと言う噂もあった為、
次の目的地は魔の國で良いのかも知れない。魔の國ではどのような報を得られるのか楽しみだ。
「ふむふむふむ……中々良い報収集だったな」
「ほう、何か良い報があったか?」
「ああ、本命ではないがなかなか面白い験が出來そうだぞ」
「ほう?」
「なにぃ、それぇ、気になるなぁ」
二人の興味を引き付けた所で、あまり周りに聞こえないように耳を貸すように言う。
こそこそっと魔の國に潛して報収集するのはどうだろうかと言う提案をする。
「うむ、悪くないな。我は良く知らないが、中々楽しめそうだ」
「あくまで潛だからな暴れるならバレないようにしろよ」
周りが魔だらけの狀況でポチに暴れるなと言うのは無理だ。
だから一応バレないようにしてくれれば良いとだけ言って置く。
「魔の國ねぇ、賛だよぉ。でもぉ、スラがなんていうか分からないねぇ~
ここ數年でかなり厳しくなったからねぇ……」
二人の賛を得たがノイの言う通りスラが一番の問題かも知れない。
厳しくなったとはじられなかったが、俺たちの中で一番真面な考えを持っているのは彼だ。
冷靜にキッパリと反対されてしまうかもしれない。
「まぁ、でもぉ、ソラ君の言う事なら大の事きくと思うけどねぇ」
「そうか……それもそれで嫌だがな……」
何でもかんでも此方の言う事を鵜呑みにしてはしくは無い。
自らの意見を持ちそれをしっかりと発言してくれた方が楽だ。
それから數十分後、沢山の書類を手にスラが戻って來た。
ニッコリと笑いテーブルの上に大量の書類が詰まれる。
「お、おかえり……この大量の紙はなんだ?」
「簡単に言うと迷宮の後処理ですね。実を言いますと、今回の件はし面倒なことになってまして……」
「それはこの書類を見れば何となくわかるが……何か問題でもあったか?」
「実はですね、私たちが攻略した迷宮の件は自然消滅として処理したいらしいです。
あ、でも安心して下さいね。報酬はしっかりと支払ってもらえますから。
流石に軍でも攻略できなかった迷宮を私たちが攻略したとなると目立ちすぎて
冒険者ギルドだけでは守り切れない可能が高いと見て、表向きは自然消滅という事にするようです」
「なるほどなぁ……まぁ、報酬が貰えるなら何でも良いや」
確かに多くの冒険者たちを拒んできた迷宮をこの人數で攻略したとなれば
大きな騒ぎになるのは間違いない。別に冒険者だけならばよかったのかも知れないが、
國の鋭とかいうよく分からないのも絡んできている為、この件は國も関與している。
それも他國に居ても噂が聞こえてくる程の規模まで膨らんでいるのだ。
攻略されたとなるとそれはかなりの注目を集めることになるだろう。
ある程度ならば冒険者ギルドで守れるが、それが複數の國となると厳しい。
面倒ごとが避けれるのならばそれに越したことは無い。
「それでだ、スラよ。今後の俺たちの方針なんだが――次は魔の國を目指そうと思っている。
潛と言う形でり込みそこで報収集を行いたいんだが、どう思う?」
「そうですね……」
スラはし考える素振りを見せ無言になる。
一何を考えているのだろうか、まさか本當に反対されてしまうのではないだろうか、
そんなことを思い思わずドキドキとしてしまう。
「別に構いませんが、間違っても國を壊したりしないでくださいね。
魔の國と各國は々と厄介な事を抱えているので、くれぐれも問題は起こさないように」
「わ、わかっている……なぁ、ポチ」
「む、多分な」
「……」
ポチの返答によってスラの目線が居たい程突き刺さる。
「はぁ、まぁもし盛大に暴れたとしても私がギルドの職員をやめて、
此処から姿を消して知らないふりして生きるのでそこまで問題はないんですけどね。
ギルドと仲間どちらを取るかなんて考えるまでもありません」
「そ、そうか」
「良いですか、私はあくまで暇潰しでこのお仕事をやっていただけです。
正直な事を言いますとギルドに迷掛けようが、國に迷を掛けようが、
私は一切気にしませんよ、なんて言ったって私は魔、スライムなんですからね」
ニコっと無邪気な笑みを浮かべるスラ。
魔なのだから人間の國などどうなっても良いと言う。
確かに忘れそうになるが、スラはあくまで魔であり擬人化をしているだけにすぎないのだ。
「まぁ、それでも極力問題は起こさないようにするつもりだ。
どうせ盛大にやるなら全員集まった時の方が絶対に良いしな」
巻き込まれるのは仕方がないとして、何か此方から大きなきをするときには
此処にいないヤミやライラと再會した時にしよう。
「そうだねぇ、そのほうが絶対にぃ楽しいねぇ」
「そうですね、私もそれには大賛です」
「ポチもそれで大丈夫か?」
「……問題ない。我から手を出すことはしないと約束しよう」
一瞬視線を逸らし何かを考える素振りをみせる。
なんだか微妙な間が生じた気がするのだが、本當に大丈夫なのだろうか。
若干不安要素が殘ってはいるが、無事全員賛と言う事で魔の國に向かうことが決定した。
目的は報収集だ。極力問題事は避けて行く方針だ。
ポチからは手を出すことはないらしいが、不安だ。
「ノイ、俺の事を魔の姿に出來たりしないか?」
魔の國に潛するにはまず魔の姿になることが大前提だ。
人間の姿、例え子供の見た目だとしても確実に弾かれて終わりだ。
もし、ノイとポチが俺の姿を変えることが不可能ならば、最悪の場合、
俺は捕虜的な立場で國するしかないだろう。
本當は堂々とではなく、裏口的なモノを探してこっそりとり込みたいが、
バレた時に確実に問題になってしまう。
「出來るけどぉ、何の魔が良いぃ?かっこいいのぉ?それとも可いのぉ?」
両手を広げ何の魔なのかは分からないが、格好良い魔と可い魔を表す。
取り敢えず出來るという返事を聞け一安心だ。
「ん~それは考えていなかったな……出來れば格好良い魔と行きたいところだが……」
どうせ姿を変えるのならば格好良い方が良いのだが、目立ちすぎるのはダメだろう。
一度は龍になってみたいと思うのだが、
そんな姿になってしまえば確実に面倒なことになるのは目に見えている。
非常に殘念だが、今回はありきたりな魔の姿にしてもらうとしよう。
「ありきたりな魔にしてくれ」
「ん~そうだねぇ……じゃあゴブリンで良いかなぁ?」
「ご、ゴブリンか……」
確かに在り來たりな魔かもしれないが、例え姿だけとはいえゴブリンになるのは気が引ける。
だが、目立たないという點ではピッタリな小の魔だ。
今回は仕方がないがゴブリンで我慢するとしよう……
「々と失ってしまうがゴブリンでよろしくたのむ……」
「わかったよぉ、ゴブリンになりたい時は言ってねぇ」
「ああ」
ゴブリンになりたい時なんて一生ない。
あくまで仕方なくゴブリンになるだけだ。
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