《クラス転移で俺だけずば抜けチート!?》21話 夜のダンジョン
「ってことがあってな。」
俺は、今日あった出來事をシェレールさんに教えていた。
「そんなことがあったんですね。柊さんは、お怪我などありませんでしたか?」
「ああ、封印解除の時に右手に電撃は喰らったが今はもう大丈夫だ。」
「右手、見してください。」
「いや、別にもう治ったって……」
「いいから!」
「はい。」
俺は、シェレールさんの威圧に負けて右手をシェレールさんの前に差し出す。
「まだ怪我の跡が殘ってるじゃないですか!」
俺の右手にはまだ治療が追いついていない痛々しい傷が殘っていた。
「私言いましたよね!?怪我をしたら絶対に私に言って下さいって!!どうしていわなかったんですか!?」
「いや、その、すぐに治ると思ってたんだよ。」
「まだ治ってないじゃないですか!柊さんが強いのは重々承知ですが怪我をした時くらいは、私を頼ってください!!」
「悪かったよ。俺がお前の約束を破ってしまって。今度からはちゃんとお前に言うからな。」
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「絶対ですよ?絶対の絶対ですからね?」
「ああ、わかったよ。じゃあ早速お前を頼っていいか?」
「はい!もちろん!」
「それじゃまだ傷みが殘るこの右手を治してくれないか?」
「分かりました!!」
シェレールさんはそう言うと俺の右手にれ詠唱を始める。
詠唱を終え魔法が発すると俺の右に暖かいが現れる。
そしてそのが止むと右手の怪我が治っていた。
「はい、終わりました。」
「おお!俺、治癒の魔法はけたことないからどんなものか分からなかったけど結構落ち著くな。これならスキルよりシェレールさんに治してもらうかな。」
「っ!いいですよ!いつでも言ってください!柊さんの怪我ならいつでも治しますから!」
「お、おう。そうか。」
なんかすごい食い付きだな。
「あ、それよりもそのの子えっと、ユイさんでしたっけ?その子をこれからどうするのですか?」
「ああ、その事なんだけどまだ當分は、この城に泊めさせてもらえないか?俺たちが魔王退治にこの城を出る時にユイも連れていくつもりなんだけど。」
「たぶん大丈夫だと思いますよ。あとユイさんも魔王退治に連れていかれるのですか?」
「いや、どっかの街に連れていこうと思っている。別にこの街で置いとくのもいいけどユイは長い間封印されていたからこの世界のことをあまり知らないと思うから観がてらで連れていきたいなって思ってな。」
まぁ正直、召喚された俺がこの世界に住んでいたユイよりも知識があるか分からないがな。
「柊さんはやはりお優しいのですね。」
「いや、俺が連れてきたんだから俺が面倒見るのは當然だ。」
「あ、あまりユイさんのことを気にしすぎてもダメですからね!」
「ん?あ、ああ、分かってるよ。ちゃんと訓練も集中してうけるよ。」
「あ~、はい。頑張ってください。」
ん?なんか俺、誤解してるのか?シェレールさんの目がし諦めたような顔なんだが。
「あの!柊さん。しお願いしたいことがあるんですけどよろしいでしょうか?」
「ああ、別に構わないよ。シェレールさんにはいつもお世話になってるからね。」
「ありがとうございます!」
「それで、お願いって何?」
「私とダンジョンに行ってもらえないでしょうか?」
「え?ダンジョン?」
「はい。このごろ私、ずっと王城にいるのでレベル上げもできずにいるので、これじゃ宮廷魔道士としてやっていけませんので。」
「分かった。でも、やっぱり早々許可は降りないか。」
「はい、街に出歩くのは簡単ですがやはり街の外のダンジョンに行くとなると結構大変なので。」
「で、俺と一緒にこっそりとダンジョンに行きたいと。」
「はい、ダメでしょうか?」
うっ!なんだその上目遣い!反則だろ!?そんなことされたら誰だってOKしちゃうよ!この手を使ったら王様もOKするじゃないか?
「いいよ。でも、こっそりだから夜中くらいになるけどそれでもいい?」
「はい!大丈夫です!!」
「なら就寢時間の1時間後にまたここで集合でいいかな?」
「はい!分かりました!」
「ちゃんと誰にも気づかれないようにね。」
「気をつけます。」
と、そこまで話をして周りを見ると日が傾いていた。
「あ!またお話しすぎましたね!それじゃ今日の夜、楽しみにしてますね!」
「ああ、俺も楽しみだ。」
「それじゃ私はここら辺で。」
「おう!じゃあな!」
俺がそう言うとシェレールさんは、一禮して王城の方へと向かった。
「それじゃ俺も帰ろうかな。」
俺も自分の部屋に向かった。
それから數時間後。
「はぁはぁ、ごめんなさい!こっそり出るのに時間がかかってしまって!」
シェレールさんは、約束の5分遅刻している。
「大丈夫だよ。5分の遅刻だろ。全然大丈夫。」
「ふぅ、本當に申し訳ございません!私からお願いしたのに。」
「本當にいいって!ほら気づかれないうちに行くぞ!」
俺は、そう言って手をシェレールさんのところに差し出す。
「ん?どうしたのですか?」
「転移のスキルを使うから手を繋いで。」
「て、手をですか!?」
シェレールさんは、恐る恐る手を差し出して俺の手にれる。
れると同時にシェレールさんの顔は真っ赤になってしまった。
「ごめんな、俺と手を繋ぐなんて嫌だと思うけどすぐ終わるから。」
俺は、そう言ってシェレールさんがれている手を思いっきり摑む。
「はぅ!」
シェレールさんは、赤かった顔をさらに赤く染めた。
スキル 転移
スキルを使うと俺たちの周りを包むようにがあらわれが消えた時には100階層のユイを見つけたところだった。
「あ、あれ!?本當に転移してる。」
「ここは、ダンジョンの100階層だ。この場所でユイを見つけたんだ。」
「そ、そうなんですね。ですが、本當に転移ができるものなんですね。」
「確かに便利だけど行ったところのある場所じゃないと行けないんだ。」
「それでも充分すぎるくらい便利だと思いますよ。」
「まぁ、そうだな。それじゃ早速レベル上げするぞ!」
「はい!頑張ります!」
俺たちは、100階層にいる魔を手當り次第倒す。
「さすがシェレールさん。魔法の使い方が上手ですね。」
「えへへ、ありがとうございます。」
シェレールさんの魔法は、威力としては俺の方が上だが、魔法の使い方に関してはまだまだシェレールさんの方が圧倒的に上だ。
さすが宮廷魔道士と言ったところだろう。
「でも、柊さんもすごい武ですよ。」
「そうか?まぁ、そう言われるのは嬉しいな。」
俺は、前衛で魔に直接攻撃を與える。
シェレールさんは、俺の後方で魔法の攻撃を與えたり俺のサポートをしてくれる。
「だいぶ魔を倒したけどどれくらいレベルが上がった?」
「え~と、5くらい上がっています。」
「結構上がったな。」
「はい!これも柊さんのおかげです!」
「それじゃこれで終わるか。」
「あ、あの、明日もしたいのですがダメでしょうか?」
「明日もか?まぁ、俺は大丈夫だけどそっちは大丈夫?寢不足とかならない?」
「私は、大丈夫です!なので明日もお願いします!!」
シェレールさんは、そう言って思いっきり頭を下げる。
「わかったよ。それじゃ、1週間に2、3回くらいやるか。」
「わ、分かりました!ありがとうございます!」
「よし!じゃあ今日は帰るぞ!」
「はい!」
そう言ってまた転移のスキルを使った。
またシェレールさんは、手を繋ぐ時に顔を染めていた。
「それじゃまた、明日な。気づかれないように帰れよ。」
「はい。それじゃた明日。」
そう言って俺たちは、別れた。
- 連載中30 章
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